JPH0313353B2 - - Google Patents

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JPH0313353B2
JPH0313353B2 JP57207644A JP20764482A JPH0313353B2 JP H0313353 B2 JPH0313353 B2 JP H0313353B2 JP 57207644 A JP57207644 A JP 57207644A JP 20764482 A JP20764482 A JP 20764482A JP H0313353 B2 JPH0313353 B2 JP H0313353B2
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JP
Japan
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component
composite
filament
yarn
multifilament yarn
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JP57207644A
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JPS59100758A (ja
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Yoshiaki Sato
Akyoshi Takizawa
Kyoshi Nakagawa
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一方成分によつて他方成分が複数に区
切られた横断面形状を有し、かつ潜在嵩高性を有
する複合マルチフイラメント糸より得られる分割
糸で構成された織編物の製造方法に関する。
一方成分によつて他方成分を複数個に区切られ
た分割型の複合マルチフイラメント糸は、先に本
発明者らが特開昭54−138620号公報、特開昭55−
51820号公報、特開昭55−71817号公報、特開昭55
−76110号公報、特開昭57−21527号公報などで提
案したように、細繊度マルチフイラメント糸で構
成された織編物を製糸および高次工程での通過性
を良好にして製造できる特長を有している。
分割型の複合マルチフイラメント糸を織編物と
し、各複合フイラメントの一方成分の少なくとも
一部分を溶解除去して分割糸とする際には、分割
された各分割フイラメントがばらばらに分散さて
独立したフイラメントにならないと、実質的に細
繊度フイラメントから構成された織編物の特徴を
発揮しない。
前記したような分割型の複合糸において、横断
面形状を分割後の分割フイラメントが分散しやす
いような形状とすることで、ある程度、分割後の
分割フイラメントの分散性を向上させることがで
きるが、大巾な分散性向上は困難であり、また分
割後分散しやすい横断面形状を複合マルチフイラ
メント糸に適用すると製糸性の低下、分割糸の横
断面形状の限定といつた問題点があつた。
さらに単なる分割型の複合マルチフイラメント
糸を分割した分割糸で構成される織編物は、高級
織編物の具備すべき一つの特性である嵩高性のあ
る風合を付与することができない。
そこで本発明者らは、分割型の複合マルチフイ
ラメント糸に潜在嵩高性を付与すると共に、織編
物とした後で複合マルチフイラメント糸を分割す
る際に、分割後の分割フイラメントの分散性を向
上する技術について鋭意検討したところ、複合マ
ルチフイラメント糸を低張力下、弛緩状態で加熱
体に接触させ、この加熱体からの熱が全フイラメ
ントに均一に伝わらないようにする方法を適用す
ると、驚くべきことに分割後の分割フイラメント
の分散性が極めて良好であることを見出し、本発
明を完成するに至つた。
すなわち本発明の織編物の製造方法は、一方成
分により他方成分を複数個に区切つた横断面形状
を有する複合マルチフイラメント糸を弛緩状態で
加熱体に接触させ、該加熱体からの熱が前記複合
マルチフイラメント糸に均一に伝わらないように
して走行させた後、この複合マルチフイラメント
糸から織編物を形成し、この織編物から前記一方
成分の少なくとも一部分を溶解除去して複合マル
チフイラメント糸を分割し、次いでこの織編物を
熱処理し分割フイラメントの分散性を向上させる
方法である。
本発明において用いる、一方成分によつて他方
成分が複数に区切られた横断面形状を有する分割
型の複合マルチフイラメント糸のいくつかの例を
第1〜第3図に示した。
これらの図から明らかなように、一方成分Aに
よつて他方成分Bが複数個に区切られている。
第1図および第2図に示す例では、複合フイラ
メントの横断面は円形であり、一方成分Aによつ
て他方成分Bは、ほぼ等しい形状の3個および6
個のセグメントに夫々区切られている。
第3図は3葉断面の形状であり、一方成分Aは
他方成分Bを3つのセグメントに区切り、他方成
分Bは夫々3つの凸状外周部を含んで凸状部の大
部分を占めており、一方成分と他方成分の境界は
曲線状である。このように一方成分と他方成分の
境界を曲線状とすると、分割後の分割フイラメン
トの分散性を向上させることができて好ましい。
一方成分Aで区切られた他方成分Bの数は2以
上であれば特に制限はないが、多くなるほど分割
後の分割フイラメントの分散性が低下するので、
他方成分Bの数は2〜10の範囲が好ましく、より
好ましいのは2〜6の範囲である。
一方成分Aは、複合フイラメント横断面におい
て一体的であれば、簡単な複合口金から安定して
紡糸できるのは好ましい。
複合フイラメントの外周形状は異型断面であつ
て他方成分Bが複合フイラメントの凸状外周部を
占めることが好ましい。
他方成分Bが複合フイラメントの凸状外周部を
占めるとは、第3図に示すように糸内部方向から
見て、凸状部分の周上において、複合糸の重心G
からもつとも離れた点Pを少なくとも含み、他方
成分Bの一部が複合フイラメントの外周を形成す
ることを意味する。
なお、複合フイラメントの横断面形状は安定し
た紡糸を行なうために、横断面平面において複合
フイラメント重心を通る直線のなかに線対称を与
える直線のあることが好ましく、フイラメント重
心を通る回転軸に対して回転対称形であること
が、より好ましい。
他方成分Bセグメントの横断面形状は扇形、楕
円形、Y型などいかようであつても良く、またセ
グメント間で繊度が異なつてもかまわない。
分割された分割フイラメント(他方成分Bのセ
グメント)の繊度については特に制限はないが、
複合フイラメントの繊度は通常衣料用として使用
されている0.5〜10デニールの範囲が好ましく、
分割フイラメントの繊度は細繊度であるほど、分
割糸の特長を発揮しやすいので2.5デニール以下
が好ましく、より好ましくは2.2デニール以下で
あり、さらに好ましくは1.5デニール以下である。
一方成分Aと他方成分Bの複合比率は、複合フ
イラメントの状態において一方成分Aによつて他
方成分Bを確実に区切ること、および少ない量の
一方成分Aの溶解除去量で他方成分Bを完全に分
割して分割糸とすることから、一方成分A:他方
成分Bは重量比で35:65〜2:98の範囲が好まし
く、30:70〜5:95の範囲がより好ましい。
複合フイラメントの一方成分Aおよび他方成分
Bを形成するポリマとしては、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリアクリロニトリル、ポリオレフイ
ンなどの繊維形成性ポリマの中から溶解分割処理
をする際の溶剤に対して、一方成分Aを易溶解ポ
リマ、他方成分Bを難または非溶解性ポリマとす
れば良い。
本発明においては、他方成分Bとして衣料用繊
維として最も広く使用されているポリエステルま
たはポリアミドが選定される。
分割型の複合マルチフイラメント糸を使用して
織編物とするまでの製糸、高次工程で、複合フイ
ラメントを形成する各成分の間で剥離を生ずると
毛羽、タルミ、糸切れなどの欠点を生じやすいの
で、一方成分Aと他方成分Bとの間には、相互親
和性のあることが好ましい。
相互親和性があることは、半円形状のサイド・
バイ・サイド型とした複合未延伸糸を延伸した延
伸糸において、実質的に剥離のないことで確認す
ることができる。
分割型の複合マルチフイラメント糸の一方成分
Aの少なくとも一部分を溶解除去して分割糸とす
る際の溶解分割処理としては、操作のしやすさ、
安全性、コストの点などからアルカリ水溶液処理
が好ましく、したがつて一方成分Aとしてはアル
カリ易溶性ポリマが好ましい。
アルカリ易溶性ポリマとしては、ポリエステル
とポリアルキレングリコール類との共重合体ある
いはブレンド体、アニオン系界面活性剤を添加し
たポリエステルや金属スルホネート基含有エステ
ル単位を共重合したポリエステルなどがある。
このような変性ポリエステルを一方成分Aに使
用した場合は、他方成分Bがポリエステルの場合
には当然のことながら相溶性は極めて良い。他方
成分Bがポリアミドの場合には、金属スルホネー
ト基含有エステル単位を共重合したポリエステル
を一方成分Aとすると相溶性は著るしく良好とな
る。他方成分Bがポリアミド、ポリエステルの場
合、一方成分Aとしては、良好な製糸性と安定し
てムラなく溶解除去できることから、全構成単位
の2.4モル%以上がエチレン5−ナトリウムスル
ホイソフタレートであり、かつ70モル%以上がエ
チレンテレフタレートからなるポリエステルを好
適に用いることができる。特にエチレン5−ナト
リウムスルホイソフタレート単位が3モル%以上
が好ましい。
本発明の複合マルチフイラメント糸の他方成分
Bを形成するポリエステルの種類はテレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリン−2、
6−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸もし
くはアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカル
ボン酸またはこれらのエステル類と、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘ
キサン−1,4−ジメタノールなどのジオール化
合物とから合成されるポリエステルであり、特に
構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレー
ト単位であるポリエステルが好ましい。
また、上記ポリエステル成分にポリアルキレン
グリコール、ペンタエリスリトール、メトキシポ
リアルキレングルコール、ビスフエノールA、ス
ルホイソフタル酸などを添加あるいは共重合して
も良い。
ただし、金属スルホネートを含む場合はポリエ
ステル中に含有する酸成分に対し3モル%以上と
し、かつ一方成分におけるスルホネート量よりも
3モル%以上少なくすることが好ましい。
本発明の複合マルチフイラメント糸の他方成分
Bを形成するポリアミドポリマとはナイロン6、
ナイロン66、ナイロン4、ナイロン5、ナイロン
10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−10、
芳香環を有するポリアミド、脂肪環を有するポリ
アミド、異節環を含むポリアミド、ヘテロ原子を
有するポリアミド、共重合ナイロンなどを意味
し、特にナイロン6、ナイロン66を好適に使用す
ることができる。
以上説明した分割型の複合マルチフイラメント
糸を弛緩状態で加熱体に接触させ、この加熱体か
らの熱が全フイラメントに均一に伝わらないよう
に接触走行させる。
この工程を第4図に例示した工程図にもとづき
説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
第4図において複合マルチフイラメント未延伸
糸1をまずローラ2とローラ4の間で熱ピン3を
介して延伸し、ローラ4とローラ6の間で加熱体
5に接触走行させる。
加熱体5に接触走行される際には、この加熱体
からの熱が全フイラメントに均一に伝わらないよ
うに弛緩状態で走行させることが必要である。潜
在嵩高性、フイラメント分散度を向上させ、安定
走行させるために、加熱体の温度を他方成分の融
点より−10°〜−100℃の範囲とし、ローラ4とロ
ーラ6の間をリラツクス率を5〜15%、加熱体へ
の接触時間を0.003〜0.03秒とするのが好ましい。
また加熱体5に接触させる前の複合マルチフイ
ラメント糸の沸水収縮率は8%以上が好ましく、
より好ましくは10%以上であり、さらに加熱体に
接触走行させることにより沸水収縮率を4%以上
低下させることが好ましく、6%以上低下させる
ことがより好ましい。
また複合マルチフイラメント糸の熱収縮率を長
さ方向と横断面方向により不均一とするために、
加熱体5に接触走行させる複合マルチフイラメン
ト糸に乱流体などを作用させて糸に振動を与えた
り、複合フイラメントのマイグレーシヨンを発生
させることも好ましい。
以上の加工によつて、本発明において用いる潜
在嵩高性の複合マルチフイラメント糸が得られる
が、加熱体5に接触走行させた複合マルチフイラ
メント糸にはタルミが多発しており解舒性、高次
工程通過性が不良となりやすいので、第4図に示
すようにローラ6とローラ8の間で加熱体7によ
つてタルミを消去して巻取機9に巻取ることが好
ましく、加熱体7においては、先の加熱体5の温
度以下の温度で、定長または4%以下の範囲の緊
張率で熱処理される。
また加熱体5での処理後、任意の工程でインタ
ーレース処理を施し、交絡糸とすることも可能
で、織物の経糸などとして好ましく使用できる。
以上説明したように、加熱体への弛緩状態での
接触によつて、複合マルチフイラメント糸は糸の
横断面内の各複合フイラメント間の熱収縮率およ
び単一複合フイラメントの長さ方向の熱収縮率が
不均一である特性が付与される。
この特性のために、この複合マルチフイラメン
ト糸は熱処理することによつて大きな嵩高性を示
す潜在嵩高性向上機能を有しており、糸または織
編物を熱処理すると嵩高性が増加する特長が付与
される。
本発明における複合マルチフイラメント糸を熱
処理し、嵩高性を発揮する大きさは、後述する嵩
高度の測定法で測定することが可能であり、熱処
理によつて5c.c./g以上増加することが好まし
く、7c.c./g以上増加することがより好ましい。
本発明において複合マルチフイラメント糸の同
一フイラメントの長さ方向の熱収縮率が不均一で
あるとは、下記のように定義される。
試料複合マルチフイラメント糸から任意の複合
フイラメントを1本できるだけ張力をかけないよ
うに注意深く取り出し、該複合フイラメントを任
意の50個所で約3cmに切断してそれぞれの一端を
ピンクリツプで、他端を0.1g/dの荷重で固定
し、0.1g/dの荷重下でピンクリツプと0.1g/
d荷重間の複合フイラメントの長さL1をカセツ
トメーターで読みとる。この場合L1は2.0〜2.5cm
になるようにする。次いでピンクリツプと0.1
g/dの荷重間の距離を複合フイラメントが熱処
理により十分収縮できるようにたるませた状態で
200℃で5分間処理し、0.1g/dの荷重下でピン
クリツプと0.1g/d荷重間の複合フイラメント
の長さL2をカセツトメーターで読みとる。
複合フイラメントの乾熱収縮率を次式によつて
求め、測定値が分布し、かつ10本の複合フイラメ
ントの最大値と最小値の差の平均値が4%以上あ
るものが同一フイラメントの長さ方向の熱収縮率
が不均一であると定義する。
複合フイラメントの乾熱収縮率(%) =L1−L2/L1×100 同一断面内の各複合フイラメント間の熱収縮率
が不均一であるとは本発明では次のように定義さ
れる。
試料複合マルチフイラメント糸を任意の個所で
約3cmに切断し、できるだけ張力をかけないよう
にして複合マルチフイラメント糸を構成している
複合フイラメント数と等しい数の全フイラメント
に分離する。次いでこの分離全フイラメントを前
記した同一複合フイラメントの長さ方向の乾熱収
縮率と同一測定方法で乾熱収縮率を測定し、測定
値が分布を示し、かつ10個所の測定でそれぞれの
断面での複合フイラメントの乾熱収縮率を最大値
と最小値の差の平均値が4%以上あるものが同一
断面の各複合フイラメント間の熱収縮率が不均一
であると定義する。
以上説明した複合マルチフイラメント糸は、一
方成分の少なくとも一部を溶解除去処理して分割
する分割糸とする際、および/または分割した後
での熱処理によつて嵩高性を増加させることがで
きるほか、溶解除去処理後の分割フイラメントの
分散性を良好とすることができる。
たとえば第1図のような横断面を有し、長さ方
面、横断面方向の熱収縮率が実質的に等しい複合
マルチフイラメント糸を溶解除去処理し分割する
と、第5図のように複合フイラメントの重心Gの
方向に三つのセグメントが集中し、あたかも一本
のフイラメントのような状態となり、織編物にお
いても複合マルチフイラメント糸の繊度構成され
ているものに近い特性となり易い。
これに対して第1図のような横断面を有する複
合フイラメントからなる複合マルチフイラメント
糸に溶解除去処理および熱処理を行なうと、驚く
べきことには第6図のように分割フイラメントの
分散性の良い分割糸とすることができる。
本発明におけるように、複合マルチフイラメン
ト糸の横断面方向、長さ方向の熱収縮率が不均一
であると、分割後熱処理によつて嵩高性を発揮す
る際に分割フイラメントの高収縮部分が収縮し、
分割フイラメント間の位相が変化する際に一つの
複合フイラメントを構成していた時のセグメント
間でも位相が変化し、分割糸の分散性が向上する
ためと推定される。分割糸の分割フイラメントの
分散性について、第7図にもとづきさらに説明す
れば、複合フイラメントの重心Gと各セグメント
の重心H1,H2………Ho(ただしnは分割数)と
を結ぶ線および/または各セグメントの重心より
対応する分割糸の分割フイラメントの重心J1,J2
………Joが離れているほど分割フイラメントの分
散性が良い。
ここで分割糸の分割フイラメント集合体の重心
をIとし、重心Gと重心Iを一致させ、かつ線分
GH1と線分IJ1を重ねて複合フイラメントと分割
糸の横断面を重ねた場合、(ただし、セグメント
形状が同一の場合は、線分IJ1は線分IJ1,IJ2……
…IJoより任意に選択できる)、分割糸の分割フイ
ラメントの重心Jiが線分GHiの両側において重心
Gより角度10°で狭み角20°の範囲ない(角度Ji
GHiをθとした場合、θが20°より大きい)分割
糸の分割フイラメントおよび/または線分IJiの
長さが線分GHiの長さの1.1倍より大きい分割糸
の分割フイラメントを分散フイラメントとする。
そして、
分散フイラメント数/分割フイラメント総数−複合フイ
ラメント数× 100をフイラメント分散度とし、複合マルチフイ
ラメント糸、分割糸の各10本の平均で表わす。
織編物の中でフイラメント分散度が20%以上で
あれば、第5図のようなあたかも一本のフイラメ
ントの如く密着した分割糸で構成された織編物と
ほ異なる風合となる。
フイラメント分散度が30%以上であれば、分割
フイラメントの繊度で構成される対応織編物に近
い風合を示し、40%以上であればほぼ何等の風合
とすることが可能であり、本発明で用いる複合マ
ルチフイラメント糸において可能なレベルであ
る。
複合マルチフイラメント糸の長さ方向、横断面
方向の熱収縮率の分布において、最大値と最小値
の差を5%以上とすれば、フイラメント分散度を
40%以上とすることができる。
次に本発明における溶解除去処理について、好
ましく採用できるアルカリ水溶液処理について説
明する。
アルカリ水溶液処理では、複合マルチフイラメ
ント糸を糸の状態で処理することも可能である
が、複合マルチフイラメント糸を織編物として後
処理する方が処理効率が大きく、必要なことであ
る。アルカリ水溶液処理は、アルカリ金属の水酸
化物の加熱水溶液でバツチ式、ジツカー、ウイン
ス、ビーム、吊り槽などの処方により織編物を処
理するもので、公知のいかなる方法を用いても良
い。
一方成分の溶解速度を速くするために、アルカ
リ水溶液にフエノール系物質、アミン系物質、第
4級アンモニウム塩、高沸点の多価アルコールな
どを添加して用いることができる。アルカリ金属
の水酸化物のなかでもコストが安く、溶解する能
力が大きい点で水酸化ナトリウムを使用すること
が好ましく、この場合水酸化ナトリウム水溶液の
濃度を1〜20wt%、温度70〜130℃として用いる
ことが好ましい。またアルカリ水溶液処理時間は
複合フイラメントの横断面形状、アルカリ水溶液
濃度、温度などで変化するが、おおよそ10〜150
分程度であり、織編物を処理しながら適宜溶解状
態を確認することもできる。量的に処理する場合
はあらかじめ先行テストにより溶出状態を確認し
決定することが好ましい。
一方成分の溶解除去の際には、織編物中に一方
成分の一部が残存すると、染むら、筋むらなどの
欠点を発生しやすいので、一方成分を全く溶解除
去することが好ましい。
織編物状態で分割糸とし、好ましくは染色処理
した後に熱処理する。熱処理は織編物を有巾また
は2〜10%のリラツクス状態でピンテンターによ
り巾を規制しつつ、温度を他方成分の融点−30℃
融点−100℃の範囲で2〜10分間乾熱することに
より行なうのが好ましい。
この熱処理によつて複合マルチフイラメント糸
に内在していた潜在嵩高性を十分顕在化させるこ
とができる。以上述べたように、本発明において
は潜在嵩高性複合マルチフイラメント糸を織編物
としたのちに分割糸とし、熱処理することによ
り、嵩高性が向上するばかりでなく、分割糸のフ
イラメントの分散性を極めて良好とすることがで
きる。
また本発明の方法の実施に際しては、特殊な装
置や処理条件を必要とすることがなく、安定して
操業することができる。
以下、本発明の実施例を述べる。なお、嵩高
度、熱処理後の嵩高度は夫々下記のようにして測
定した。
〔嵩高度〕
試料糸をカセ繰機で80回巻きのカセとして4カ
セ取り、このカセを8折にして巾25mmのポリエス
テルテープ織物で50gの荷重をかけて見掛体積を
求め、このテープ中に含まれる糸の重さで除して
単位重量当りの見掛体積を求めた。
〔熱処理後の嵩高度〕
糸をカセ繰機で80回巻きのカセとして4カセ取
り、180℃乾熱中で5分間熱処理してバルキー化
させ、上記嵩高度と同様な方法で単位重量当りの
見掛体積を求めた。
実施例 1 一方成分Aとして、25℃オルソクロルフエノー
ル中の固有粘度0.53のエチレン5−ナトリウムス
ルホイソフタレート(5モル%)/エチレンテレ
フタレート(95モル%)共重合体を、他方成分B
として固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレー
トを使用し、紡糸温度290℃、紡糸速度1150m/
minで第3図のような横断面を有する分割型の複
合マルチフイラメント糸を得た。
一方成分Aが全体に占める割合は15重量%であ
つた。
この複合マルチフイラメント糸に第4図に示す
工程に従つて延伸、熱処理を行なつた。
延伸速度300m/min、熱ピン3の温度100℃、
延伸倍率3.2倍で延伸し、ローラ4とローラ6の
間で10%リラツクス率で215℃の40mmφの加熱ピ
ン5上で0.001秒間熱処理したのち、ローラ6と
ローラ8の間で130℃の20cmの平型熱板で定長熱
処理し、75デニール36フイラメントの複合マルチ
フイラメント糸とした。
ただし、ローラ4と加熱ピン5の間で0.5Kg/
cm2(G)、1/minの流体で複合マルチフイラメン
ト糸を振動させた。加熱ピン5の前の延伸された
複合マルチフイラメント糸の沸水収縮率は14%、
加熱ピン5の後の沸水収縮率は7%であり、複合
マルチフイラメント糸の横断面方向、長さ方向の
熱収縮率の分布における最大値と最小値の差は
夫々7%、8%であつた。延伸のみの嵩高度は6
c.c./gであり、熱処理後の嵩高度は16c.c./gであ
つた。
この延伸された複合マルチフイラメント糸を
28Gシングルジヤージに編成し、NaOH濃度30
g/、100℃でアルカリ処理し、19%減量させ
て一方成分の全てを溶解除去し、180℃×3分間
有巾で熱処理を行なつた。製糸、高次工程におけ
る工程通過性は全く問題なかつた。
編物中におけるフイラメント分散度は53%であ
り、第6図のような工程で前記条件と同様にして
得た75デニール108フイラメントのポリエチレン
テレフタレート延伸糸使いの編物と同等の嵩高で
ソフトな風合を示した。
なお75デニール108フイラメントの延伸糸の編
成においては、編機の停台が多く編成性は不良で
あつた。
比較実施例 1 実施例1の複合未延伸糸を延伸のみを行ない、
実施例1に準じて編成、アルカリ処理、熱処理を
行なつた。延伸糸の嵩高度は6c.c./g、熱処理後
の嵩高度は8c.c./gであつた。編物中におけるフ
イラメント分散度は22%であり、嵩高性がなく粗
便な風合であつた。
実施例 2 実施例1に準じて紡糸、延伸、加熱ピン処理、
編成、アルカリ処理および熱処理を行なつた。た
だし、加熱ピン処理において温度を190℃とした
もの(No.3とする)と、170℃としたもの(No.4
とする)との2水準を準備した。
加熱ピン前後で糸の沸水収縮率の低下は、No.3
が6%、No.4が4%であり、複合マルチフイラメ
ント糸の横断面方向、長さ方向の熱収縮率の分布
における最大値と最小値の差は、夫々No.3が7
%、6%、No.4が5%、4%であり、延伸糸の嵩
高度はいづれも6c.c./gであり、熱処理後の嵩高
度はNo.3が13c.c./g、10c.c./gであつた。編物中
のフイラメント分散度はNo.3が40%、No.4が32%
であり、No.3の編物は実施例1の編物に近く、ほ
ぼ同等の風合を示したが、嵩高度は若干低かつ
た。No.4の編物は実施例1の編物に近い風合を示
したが嵩高性が若干低く硬目であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、および第3図は本発明におけ
る複合マルチフイラメント糸を構成する複合フイ
ラメントの実施例の横断面図、第4図は本発明に
おける熱処理の実施例を示す工程図、第5図は従
来の分割糸の横断面図、第6図は本発明における
分割糸の実施例を示す横断面図、第7図は本発明
における分割フイラメントの分散性を示す説明図
である。 A……一方成分、B……他方成分、1……複合
フイラメント未延伸糸、5……加熱体。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一方成分により他方成分を複数個に区切つた
    横断面形状を有する複合マルチフイラメント糸を
    弛緩状態で加熱体に接触させ、該加熱体からの熱
    が前記複合マルチフイラメント糸に均一に伝わら
    ないようにして走行させた後、この複合マルチフ
    イラメント糸から織編物を形成し、この織編物か
    ら前記一方成分の少なくとも一部分を溶解除去し
    て複合マルチフイラメント糸を分割し、次いでこ
    の織編物を熱処理し分割フイラメントの分散性を
    向上させる織編物の製造方法。 2 一方成分が他方成分よりアルカリ易溶性であ
    り、一方成分の少なくとも一部分をアルカリ水溶
    液により溶解除去する特許請求の範囲第1項記載
    の織編物の製造方法。
JP57207644A 1982-11-29 1982-11-29 織編物の製造方法 Granted JPS59100758A (ja)

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