JPH0313298B2 - - Google Patents
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- JPH0313298B2 JPH0313298B2 JP57038043A JP3804382A JPH0313298B2 JP H0313298 B2 JPH0313298 B2 JP H0313298B2 JP 57038043 A JP57038043 A JP 57038043A JP 3804382 A JP3804382 A JP 3804382A JP H0313298 B2 JPH0313298 B2 JP H0313298B2
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Landscapes
- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
Description
本発明は、球状黒鉛と片状黒鉛の中間的形状
〔一般にコンパクテツド片状(compacted flake)
黒鉛、準球状(semi−nodular)、凝集状
(agregate)、ずんぐり状(chunky)、切り株状
(stubby)、毛ぶさ状(flocular)、バーミキユラ
(vemicular)などいういろな名称にてよばれて
いる。〕(以下本発明においては、コンパクト黒鉛
と称する)を有するコンパクト黒鉛鋳鉄の製造方
法に関するものである。このコンパクト黒鉛鋳鉄
方法は、品質向上、生産性向上が、強く求められ
る近年において注目を集めている鋳鉄であり、従
来の球状黒鉛鋳鉄の利点と、片状黒鉛鋳鉄の利点
とを兼ねそなえた鋳鉄であるといい得る。 即ち、球状黒鉛鋳鉄は片状黒鉛鋳鉄の持たない
高い引張り深さ、伸展性、衝撃値を有する反面、
鋳造の際引け巣が多く鋳造性に欠陥を有してい
た。また、片状黒鉛鋳鉄は球状黒鉛鋳鉄にみられ
る鋳造の際の引け巣は通常はみられず鋳造性は優
れるが、機械的性質に劣ると言う欠陥を有してい
た。 これらに対し、コンパクト黒鉛鋳鉄は、球状黒
鉛鋳鉄に比し伸び率の点で多少劣るが他の機械的
性質はほぼ同程度の機械的性質を示し、また、鋳
造の際の流動が極めて良く、しかも、球状黒鉛鋳
鉄の場合と異なり、引け巣が生じ難いため、優れ
た鋳造性を有する。 このように、コンパクト黒鉛鋳鉄は、球状黒鉛
鋳鉄とほぼ同程度の機械的強度を有し、鋳造性も
優れているために、特に自動車部品のシリンダー
ブロツク、フライホイール、シリンダヘツド、エ
グゾーストマニホールド等に使用され始めてきて
いる。 上述の如く、優れた性質を有するコンパクト黒
鉛鋳鉄を製造する製法の1つとして、溶湯にマグ
ネシユウム(Mg)等の黒鉛球状化剤とセリウム
(Ce)、チタン(Ti)等の球状化阻害元素を添加
溶融することによつて得る製法があるが、コンパ
クト黒鉛を安定して得るにはいまだ幾多の問題点
を残しているのが現状である。 本発明は、このような状況に鑑みて、コンパク
ト黒鉛を安定して得られる製造方法を提供しよう
とするものである。 本発明は第1発明、第2発明、第3発明及び第
4発明からなるため、第1発明より詳細に説明す
る。 先ず、第1発明は、比較的高い炭素当量を有す
る球状黒鉛鋳鉄組成の溶湯に、マグネシユウム
(Mg)と硼素(B)を添加溶融し、分析値にて
Mg0.01〜0.035重量%、B0.01〜0.16重量%を有す
るようにすることを特徴とするコンパクト黒鉛鋳
鉄の製造方法である。 以下、Mg、Bの数値限定理由について述べ
る。Mgは黒鉛球状化剤として添加溶融するもの
であり、後述するB量との関係を有するが、0.01
重量%未満の残留量では、片状黒鉛の割合が多く
なり、優れたコンパクト黒鉛鋳鉄は得られず、一
方0.035重量%超の残留量となると逆に球状黒鉛
が70%以上になりもはや球状黒鉛鋳鉄の範中に入
る鋳鉄が得られてしまうために、Mg量は0.01〜
0.035重量%範囲内の残留量となるように添加溶
融する必要がある。 Bは、本発明に於いて最も特徴を有するもので
あり、本発明が良好な性能を有する球状化阻害元
素について研究開発した結果、初めてBが球状化
阻害元素として有効に作用することを見い出した
物である。 この球状化阻害元素としてのBの性能を充分に
発揮させ、安定してコンパクト黒鉛鋳鉄を製造す
るためには、いかにしたら製造し得るかを研究、
開発した結果、前述Mg残留量を0.01〜0.035重量
%とし、Bを添加溶融し分析値にて0.01〜0.16重
量%とすることによつて、安定してコンパクト黒
鉛鋳鉄を製造し得ることができるようになつたも
のである。 B量は0.01重量%未満では、目的とする効果が
発揮されず、黒鉛形状は球状黒鉛鋳鉄の範中に属
するものが得られてしまい、一方、0.16重量%超
となると逆に阻害元素としての効果が大きく黒鉛
形状は片状黒鉛となり、コンパクト黒鉛鋳鉄は得
られない。従つて、安定してコンパクト黒鉛を得
るためにはB量を分析値にて0.01〜0.16重量%範
囲内において有するように添加溶融する必要があ
る。 なお、前述のMgの添加溶融にあつては、Mg
のみでは反応が激しすぎるため、公知のFe−Si
−Mg合金のような形にて、所定のMg量を添加
溶融するようにすることは好ましいことである。 Bの添加溶融についても、フエロボロンの形で
所定のB量を添加溶融してもよいものである。 以下、実験データについて述べる。 高炭素当量を有する球状黒鉛鋳鉄組成、即ち、
全炭素量3.2〜3.9%、Si2.0〜3.1%、Mn0.3〜1.1
%、P0.06〜0.50%、S0.12%以下の鋳鉄組成を
150Kg高周波炉で溶解した。 溶湯温度が1460℃〜1500℃に達したならば、出
湯し、取鍋中でサンドイツチ法にて、MgとBの
添加溶融処理を行なつた。Mgについては、Fe−
Si−Mg合金を用い、Bはフエロボロンを用いた。 MgとBの量(分析値)は第1図に示す如く設
定した。 反応終了後、20mm×20mm×100mmの試験片用の
生砂型鋳型に鋳造し試験片を得た。 このようにして得られた試験片の黒鉛形状を調
査した。 第1図はその結果であり、B量とMg量によつ
て黒鉛形状が変化することを示す。 コンパクト黒鉛鋳鉄を得るためには、Mg量と
B量とを第1図に示すMg0.01、B0.01の点、
Mg0.02、B0.01の点、Mg0.035、B0.12の点、
Mg0.035、B0.16の点、Mg0.015、B0.16の点、
Mg0.01、B0.12の点の6点を結ぶ○印の範囲内で
安定したコンパクト黒鉛を得ることが出来る。 第2図は第1図中のA〜Hで示す箇所の組織を
示す写真であり、腐蝕なしの倍率100倍の写真で
ある。 第2図に示す鋳鉄の引張強さ、伸び率、衝撃値
を測定したところ表1に示す如くであつた。
〔一般にコンパクテツド片状(compacted flake)
黒鉛、準球状(semi−nodular)、凝集状
(agregate)、ずんぐり状(chunky)、切り株状
(stubby)、毛ぶさ状(flocular)、バーミキユラ
(vemicular)などいういろな名称にてよばれて
いる。〕(以下本発明においては、コンパクト黒鉛
と称する)を有するコンパクト黒鉛鋳鉄の製造方
法に関するものである。このコンパクト黒鉛鋳鉄
方法は、品質向上、生産性向上が、強く求められ
る近年において注目を集めている鋳鉄であり、従
来の球状黒鉛鋳鉄の利点と、片状黒鉛鋳鉄の利点
とを兼ねそなえた鋳鉄であるといい得る。 即ち、球状黒鉛鋳鉄は片状黒鉛鋳鉄の持たない
高い引張り深さ、伸展性、衝撃値を有する反面、
鋳造の際引け巣が多く鋳造性に欠陥を有してい
た。また、片状黒鉛鋳鉄は球状黒鉛鋳鉄にみられ
る鋳造の際の引け巣は通常はみられず鋳造性は優
れるが、機械的性質に劣ると言う欠陥を有してい
た。 これらに対し、コンパクト黒鉛鋳鉄は、球状黒
鉛鋳鉄に比し伸び率の点で多少劣るが他の機械的
性質はほぼ同程度の機械的性質を示し、また、鋳
造の際の流動が極めて良く、しかも、球状黒鉛鋳
鉄の場合と異なり、引け巣が生じ難いため、優れ
た鋳造性を有する。 このように、コンパクト黒鉛鋳鉄は、球状黒鉛
鋳鉄とほぼ同程度の機械的強度を有し、鋳造性も
優れているために、特に自動車部品のシリンダー
ブロツク、フライホイール、シリンダヘツド、エ
グゾーストマニホールド等に使用され始めてきて
いる。 上述の如く、優れた性質を有するコンパクト黒
鉛鋳鉄を製造する製法の1つとして、溶湯にマグ
ネシユウム(Mg)等の黒鉛球状化剤とセリウム
(Ce)、チタン(Ti)等の球状化阻害元素を添加
溶融することによつて得る製法があるが、コンパ
クト黒鉛を安定して得るにはいまだ幾多の問題点
を残しているのが現状である。 本発明は、このような状況に鑑みて、コンパク
ト黒鉛を安定して得られる製造方法を提供しよう
とするものである。 本発明は第1発明、第2発明、第3発明及び第
4発明からなるため、第1発明より詳細に説明す
る。 先ず、第1発明は、比較的高い炭素当量を有す
る球状黒鉛鋳鉄組成の溶湯に、マグネシユウム
(Mg)と硼素(B)を添加溶融し、分析値にて
Mg0.01〜0.035重量%、B0.01〜0.16重量%を有す
るようにすることを特徴とするコンパクト黒鉛鋳
鉄の製造方法である。 以下、Mg、Bの数値限定理由について述べ
る。Mgは黒鉛球状化剤として添加溶融するもの
であり、後述するB量との関係を有するが、0.01
重量%未満の残留量では、片状黒鉛の割合が多く
なり、優れたコンパクト黒鉛鋳鉄は得られず、一
方0.035重量%超の残留量となると逆に球状黒鉛
が70%以上になりもはや球状黒鉛鋳鉄の範中に入
る鋳鉄が得られてしまうために、Mg量は0.01〜
0.035重量%範囲内の残留量となるように添加溶
融する必要がある。 Bは、本発明に於いて最も特徴を有するもので
あり、本発明が良好な性能を有する球状化阻害元
素について研究開発した結果、初めてBが球状化
阻害元素として有効に作用することを見い出した
物である。 この球状化阻害元素としてのBの性能を充分に
発揮させ、安定してコンパクト黒鉛鋳鉄を製造す
るためには、いかにしたら製造し得るかを研究、
開発した結果、前述Mg残留量を0.01〜0.035重量
%とし、Bを添加溶融し分析値にて0.01〜0.16重
量%とすることによつて、安定してコンパクト黒
鉛鋳鉄を製造し得ることができるようになつたも
のである。 B量は0.01重量%未満では、目的とする効果が
発揮されず、黒鉛形状は球状黒鉛鋳鉄の範中に属
するものが得られてしまい、一方、0.16重量%超
となると逆に阻害元素としての効果が大きく黒鉛
形状は片状黒鉛となり、コンパクト黒鉛鋳鉄は得
られない。従つて、安定してコンパクト黒鉛を得
るためにはB量を分析値にて0.01〜0.16重量%範
囲内において有するように添加溶融する必要があ
る。 なお、前述のMgの添加溶融にあつては、Mg
のみでは反応が激しすぎるため、公知のFe−Si
−Mg合金のような形にて、所定のMg量を添加
溶融するようにすることは好ましいことである。 Bの添加溶融についても、フエロボロンの形で
所定のB量を添加溶融してもよいものである。 以下、実験データについて述べる。 高炭素当量を有する球状黒鉛鋳鉄組成、即ち、
全炭素量3.2〜3.9%、Si2.0〜3.1%、Mn0.3〜1.1
%、P0.06〜0.50%、S0.12%以下の鋳鉄組成を
150Kg高周波炉で溶解した。 溶湯温度が1460℃〜1500℃に達したならば、出
湯し、取鍋中でサンドイツチ法にて、MgとBの
添加溶融処理を行なつた。Mgについては、Fe−
Si−Mg合金を用い、Bはフエロボロンを用いた。 MgとBの量(分析値)は第1図に示す如く設
定した。 反応終了後、20mm×20mm×100mmの試験片用の
生砂型鋳型に鋳造し試験片を得た。 このようにして得られた試験片の黒鉛形状を調
査した。 第1図はその結果であり、B量とMg量によつ
て黒鉛形状が変化することを示す。 コンパクト黒鉛鋳鉄を得るためには、Mg量と
B量とを第1図に示すMg0.01、B0.01の点、
Mg0.02、B0.01の点、Mg0.035、B0.12の点、
Mg0.035、B0.16の点、Mg0.015、B0.16の点、
Mg0.01、B0.12の点の6点を結ぶ○印の範囲内で
安定したコンパクト黒鉛を得ることが出来る。 第2図は第1図中のA〜Hで示す箇所の組織を
示す写真であり、腐蝕なしの倍率100倍の写真で
ある。 第2図に示す鋳鉄の引張強さ、伸び率、衝撃値
を測定したところ表1に示す如くであつた。
【表】
この表−1からコンパクト黒鉛鋳鉄は球状黒鉛
鋳鉄に比し、伸び率の点では多少劣るが、他の機
械的性質はほぼ同程度であることが分る。 又、鋳鉄の際の引け量は球状黒鉛鋳鉄7〜10%
に対し、コンパクト黒鉛鋳鉄の引け量は4〜6%
と低く、引け巣が生じがたいため、優れた鋳造性
を有する。 このように本願第1発明は、溶湯にMg0.01〜
0.035重量%とB0.01〜0.16重量%が残留するよう
添加溶融することによつて、優れた性能有するを
コンパクト黒鉛鋳鉄を安定して得られるものであ
り、その効果は産業上極めて大きいものである。
次に、第3発明について詳細に説明する。 第3発明は、硼素(B)を0.01〜0.16重量%含有す
る比較的高い炭素当量を有する球状黒鉛鋳鉄組成
の溶湯に、マグネシユウムを添加溶融し、分析値
にてマグネシユウム0.01〜0.35重量%有するよう
にすることを特徴とするコンパクト黒鉛鋳鉄の製
造方法である。 第3発明の第1発明と異なるところは、Bを製
造工程中のどこで加えるかが異なるところであ
る。 即ち、第1発明にあつては、BをMgと同じく
溶湯に添加溶融して作用させたに対し、第3発明
は比較的高い炭素と当量を有する球状黒鉛鋳鉄組
成の溶湯を作る特に、Bを0.01〜0.16重量%配合
することによつて、Bを0.01〜0.16重量%含有す
る比較的高い炭素当量を有する球状黒鉛鋳鉄組成
の溶湯を得ることが大きく相違するところであ
る。Bの球状化阻害作用について研究を加えたと
ころ、第1発明に示す如く、溶湯に溶融しても、
溶湯を得る前に配合しBを含有する溶融の状態で
も同一の作用をなすことが明らかとなつたため、
前述の如くBをあらかじめ配合した溶湯を作り、
この溶湯にMgを添加溶融し、Mg残留量を0.01〜
0.035重量%とすることによつて第1発明と同一
の安定したコンパクト黒鉛鋳鉄が得られるもので
ある。 なお、第3発明におけるB、Mgの数値限定の
理由について第1発明と同一理由のため省略す
る。 第3発明の方法によつても、第1発明で述べた
実験データと同様の結果が得られた。 このように第3発明は、Bを溶湯中にあらかじ
め配合してあるため、製造上有利となる利点を有
する。 次に第2発明及び第4発明について詳細に説明
する。 本願第1発明、第3発明によつて得られるコン
パクト黒鉛鋳鉄を特に耐摩耗性の要求される個所
(例えば、圧縮機用ベーン、シリンダ、クランク
シヤフト、ロータハウジング軸受など)に使用さ
れる場合には、溶湯に銅(Cu)を0.2〜1.5重量%
配合し、0.2〜1.5重量%のCuを含する炭素当量の
高い球状黒鉛鋳鉄組成の溶湯といることが好まし
い。 即ち、コンパクト黒鉛の周囲には、球状黒鉛に
見られるようなブルスアイの如きフエライトの析
出が見られ、このフエライトの析出は耐摩耗性の
うえからは好ましいものではない。このフエライ
トの析出を抑制するのにCuが有効に作用する。 またCuは、パーライトを緻密にし素材強度を
向上させる効果も有するのでCuの配合は極めて
有効な手段となる。 Cu量が0.2重量%未満ではフエライトの析出を
抑制する効果が充分でなく、またパーライトの緻
密化に対しても効果が期待し得づ、一方1.5重量
%超となるとフエライトの析出抑制及びパーライ
トの緻密化とも著しい効果が得られず返つてコス
ト高となるため、Cu量は0.2〜1.5重量%の範囲内
で配合することが好ましい。 以上説明の如く、本発明は、硼素とマグネシユ
ウムを比較的高い炭素当量を有する球状黒鉛鋳鉄
組成の溶湯に作用させることによつて、極めて安
定した状態で、優れたコンパクト黒鉛鋳鉄を製造
する方法であり、品質向上、生産性向上が要求さ
れる近時にあつて、本発明によつて得られる効果
は極めて大きなものがある。
鋳鉄に比し、伸び率の点では多少劣るが、他の機
械的性質はほぼ同程度であることが分る。 又、鋳鉄の際の引け量は球状黒鉛鋳鉄7〜10%
に対し、コンパクト黒鉛鋳鉄の引け量は4〜6%
と低く、引け巣が生じがたいため、優れた鋳造性
を有する。 このように本願第1発明は、溶湯にMg0.01〜
0.035重量%とB0.01〜0.16重量%が残留するよう
添加溶融することによつて、優れた性能有するを
コンパクト黒鉛鋳鉄を安定して得られるものであ
り、その効果は産業上極めて大きいものである。
次に、第3発明について詳細に説明する。 第3発明は、硼素(B)を0.01〜0.16重量%含有す
る比較的高い炭素当量を有する球状黒鉛鋳鉄組成
の溶湯に、マグネシユウムを添加溶融し、分析値
にてマグネシユウム0.01〜0.35重量%有するよう
にすることを特徴とするコンパクト黒鉛鋳鉄の製
造方法である。 第3発明の第1発明と異なるところは、Bを製
造工程中のどこで加えるかが異なるところであ
る。 即ち、第1発明にあつては、BをMgと同じく
溶湯に添加溶融して作用させたに対し、第3発明
は比較的高い炭素と当量を有する球状黒鉛鋳鉄組
成の溶湯を作る特に、Bを0.01〜0.16重量%配合
することによつて、Bを0.01〜0.16重量%含有す
る比較的高い炭素当量を有する球状黒鉛鋳鉄組成
の溶湯を得ることが大きく相違するところであ
る。Bの球状化阻害作用について研究を加えたと
ころ、第1発明に示す如く、溶湯に溶融しても、
溶湯を得る前に配合しBを含有する溶融の状態で
も同一の作用をなすことが明らかとなつたため、
前述の如くBをあらかじめ配合した溶湯を作り、
この溶湯にMgを添加溶融し、Mg残留量を0.01〜
0.035重量%とすることによつて第1発明と同一
の安定したコンパクト黒鉛鋳鉄が得られるもので
ある。 なお、第3発明におけるB、Mgの数値限定の
理由について第1発明と同一理由のため省略す
る。 第3発明の方法によつても、第1発明で述べた
実験データと同様の結果が得られた。 このように第3発明は、Bを溶湯中にあらかじ
め配合してあるため、製造上有利となる利点を有
する。 次に第2発明及び第4発明について詳細に説明
する。 本願第1発明、第3発明によつて得られるコン
パクト黒鉛鋳鉄を特に耐摩耗性の要求される個所
(例えば、圧縮機用ベーン、シリンダ、クランク
シヤフト、ロータハウジング軸受など)に使用さ
れる場合には、溶湯に銅(Cu)を0.2〜1.5重量%
配合し、0.2〜1.5重量%のCuを含する炭素当量の
高い球状黒鉛鋳鉄組成の溶湯といることが好まし
い。 即ち、コンパクト黒鉛の周囲には、球状黒鉛に
見られるようなブルスアイの如きフエライトの析
出が見られ、このフエライトの析出は耐摩耗性の
うえからは好ましいものではない。このフエライ
トの析出を抑制するのにCuが有効に作用する。 またCuは、パーライトを緻密にし素材強度を
向上させる効果も有するのでCuの配合は極めて
有効な手段となる。 Cu量が0.2重量%未満ではフエライトの析出を
抑制する効果が充分でなく、またパーライトの緻
密化に対しても効果が期待し得づ、一方1.5重量
%超となるとフエライトの析出抑制及びパーライ
トの緻密化とも著しい効果が得られず返つてコス
ト高となるため、Cu量は0.2〜1.5重量%の範囲内
で配合することが好ましい。 以上説明の如く、本発明は、硼素とマグネシユ
ウムを比較的高い炭素当量を有する球状黒鉛鋳鉄
組成の溶湯に作用させることによつて、極めて安
定した状態で、優れたコンパクト黒鉛鋳鉄を製造
する方法であり、品質向上、生産性向上が要求さ
れる近時にあつて、本発明によつて得られる効果
は極めて大きなものがある。
第1図はMg量とB量の添加溶融が鋳鉄の黒鉛
組織に及ぼす影響を示す図であり、第2図は第1
図中のA〜Hに示す個所の鋳鉄の組織を示す100
倍の顕微鏡写真である。
組織に及ぼす影響を示す図であり、第2図は第1
図中のA〜Hに示す個所の鋳鉄の組織を示す100
倍の顕微鏡写真である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 全炭素量3.2〜3.9重量%、Si2.0〜3.1重量%、
Mn0.3〜1.1重量%、P0.06〜0.50重量%、S0.12重
量%以下、残Feを有する球状黒鉛鋳鉄組成の溶
湯にマグネシユウム(Mg)と球状化阻害元素硼
素(B)とを第1図に示す図において、分析値にて
Mg0.01、B0.01の点、Mg0.02、B0.01の点、
Mg0.035、B0.12の点、Mg0.035、B0.16の点、
Mg0.015、B0.16の点、Mg0.01、B0.12の点の6
点を結ぶ○印の範囲内になるように添加溶融し、
共存せしめたことを特徴とするコンパクト黒鉛鋳
鉄の製造方法。 2 全炭素量3.2〜3.9重量%、Si2.0〜3.1重量%、
Mn0.3〜1.1重量%、Cu0.2〜1.5重量%、P0.06〜
0.50重量%、S0.12重量%以下、残Feを有する球
状黒鉛鋳鉄組成の溶湯にマグネシユウム(Mg)
と球状化阻害元素硼素(B)とを第1図に示す図にお
いて、分析値にてMg0.01、B0.01の点、Mg0.02、
B0.01の点、Mg0.035、B0.12の点、Mg0.035、
B0.16の点、Mg0.015、B0.16の点、Mg0.01、
B0.12の点の6点を結ぶ○印の範囲内になるよう
に添加溶融し、共存せしめたことを特徴とするコ
ンパクト黒鉛鋳鉄の製造方法。 3 全炭素量3.2〜3.9重量%、Si2.0〜3.1重量%、
Mn0.3〜1.1重量%、B0.01〜0.16重量%、P0.06〜
0.50重量%、S0.12重量%以下、残Feを有する球
状黒鉛鋳鉄組成の溶湯に、マグネシユウム
(Mg)を第1図に示す図において、分析値にて
Mg0.01、B0.01の点、Mg0.02、B0.01の点、
Mg0.035、B0.12の点、Mg0.035、B0.16の点、
Mg0.015、B0.16の点、Mg0.01、B0.12の点6点
を結ぶ○印の範囲内になるように添加溶融し、共
存せしめたことを特徴とするコンパクト黒鉛鋳鉄
の製造方法。 4 全炭素量3.2〜3.9重量%、Si2.0〜3.1重量%、
Mn0.3〜1.1重量%、Cu0.2〜1.5重量%、B0.01〜
0.16重量%、P0.06〜0.50重量%、S0.12重量%以
下、残Feを有する球状黒鉛鋳鉄組成の溶湯に、
マグネシユウム(Mg)を第1図に示す図におい
て、分析値にてMg0.01、B0.01の点、Mg0.02、
B0.01の点、Mg0.035、B0.12の点、Mg0.035、
B0.16の点、Mg0.015、B0.16の点、Mg0.01、
B0.12の点6点を結ぶ○印の範囲内になるように
添加溶融し、共存せしめたことを特徴とするコン
パクト黒鉛鋳鉄の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3804382A JPS58157946A (ja) | 1982-03-12 | 1982-03-12 | コンパクト黒鉛鋳鉄の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3804382A JPS58157946A (ja) | 1982-03-12 | 1982-03-12 | コンパクト黒鉛鋳鉄の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58157946A JPS58157946A (ja) | 1983-09-20 |
JPH0313298B2 true JPH0313298B2 (ja) | 1991-02-22 |
Family
ID=12514498
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3804382A Granted JPS58157946A (ja) | 1982-03-12 | 1982-03-12 | コンパクト黒鉛鋳鉄の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58157946A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4569066B2 (ja) * | 2002-09-25 | 2010-10-27 | アイシン精機株式会社 | 軟磁性体材料 |
KR101125371B1 (ko) * | 2009-09-09 | 2012-03-27 | 현대자동차주식회사 | CGI 주철의 Mg 접종 방법과 이를 이용하여 제조된 실린더 블록 및 실린더 헤드 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5192717A (ja) * | 1975-02-12 | 1976-08-14 | Kosokusharyoyokorintokushuchutetsuseirinshioyobisonoseizohoho | |
JPS54103720A (en) * | 1978-02-03 | 1979-08-15 | Hitachi Ltd | Hypereutectic graphite cast iron and method of producing same |
JPS5531167A (en) * | 1978-08-24 | 1980-03-05 | Kubota Ltd | Manufacture of wear resistant cast iron |
JPS5540066A (en) * | 1978-09-14 | 1980-03-21 | Nippon Steel Corp | Preparation of spherical graphite cast iron by continuous casting machine |
-
1982
- 1982-03-12 JP JP3804382A patent/JPS58157946A/ja active Granted
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5192717A (ja) * | 1975-02-12 | 1976-08-14 | Kosokusharyoyokorintokushuchutetsuseirinshioyobisonoseizohoho | |
JPS54103720A (en) * | 1978-02-03 | 1979-08-15 | Hitachi Ltd | Hypereutectic graphite cast iron and method of producing same |
JPS5531167A (en) * | 1978-08-24 | 1980-03-05 | Kubota Ltd | Manufacture of wear resistant cast iron |
JPS5540066A (en) * | 1978-09-14 | 1980-03-21 | Nippon Steel Corp | Preparation of spherical graphite cast iron by continuous casting machine |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58157946A (ja) | 1983-09-20 |
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