JPH0313266Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、浴槽等の排水栓を支持するための排
水栓支持装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、浴槽等においてはその底部に排水部を設
けてこれに排水栓を配置し、手を満水状態の水中
に入れることなく水を抜くために玉鎖等をこの排
水栓に連結し、さらにこの玉鎖を浴槽の内壁に固
定したものが通常利用されている。

ここで、水抜きして浴槽を洗う場合には、手で
玉鎖を引き上げて排水栓を浴槽の外部に垂らした
り、内部にそのまま放置したままで行うが、排水
栓及び玉鎖が邪魔になつて不便な面がある。

このような問題を解決するものとして、実公昭
59−20147号公報に記載されたものがある。

これは、玉鎖の中途を係止する係合部を形成し
た取付け部材を浴槽の側壁に固定し、これに玉鎖
の基端を連結する構成としたもので、排水栓を抜
いたときには玉鎖を係合部に吊り下げ、取付け部
材部分にまとめて作業の邪魔にならないようにし
たものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、取付け部材は浴槽の側壁を貫通して外
部にナツトで締結するので、浴槽を一旦据付ける
とこの取付け部材の交換は浴室の壁等を解体しな
い限り不可能である。

従つて、取付け部材に玉鎖の係合部を一体的に
設けたものでは、既設の浴槽に配備するにはかな
りの改修作業を必要とし、新設または浴槽自体の
交換を行う場合のみしか適用できないのが実情で
ある。

本考案は以上のような問題点を鑑みて案出され
たもので、既設の浴槽について取付けが下可能で
あつた玉鎖の係止具の問題点を解消することを目
的とし、玉鎖の係止具を簡単に配備できるように
したものである。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案の排水栓装置は、浴槽の側壁に固定して
玉鎖の上端を接続する取付け金具に、この取付け
金具の設けた玉鎖連結用の挿通孔を利用してカバ
ーをビスによつて連結し、カバーの外周面に玉鎖
の中途を掛けるためのフツクを形成したことを特
徴とし、水抜きの際には排水栓とともに玉鎖をま
とめてこのフツクに掛けることができ、しかも取
付け金具に挿通孔を形成したものに対してビスで
簡単に付属できるようにしたものである。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を説
明する。

第１図は本考案に係る排水栓装置の断面図、第
２図は要部の分解斜視図である。

図中、１は浴槽２の取付け孔３を貫通してナツ
ト４で固定した取付け金具で、浴槽２壁面との間
にはパツキン５を配置している。

６は上端にリング７をコネクタ８で接続し、下
端には浴槽２底部の排水口９に着座する排水栓１
０を同様にリング７ａで連結した玉鎖である。

この玉鎖６のリング７は取付け金具１に開設し
た挿通孔１１を貫通させることによつて、排水栓
１０を玉鎖６を介して取付け金具１に連結してい
る。

１５は取付け金具１とコネクタ８部分を被覆す
るカバーで、合成樹脂等のある程度の弾性を有す
る素材で形成する。

このカバー１５は背部を開放した略凹状断面を
なし、側壁にはビス孔１６，１７を開設するとも
に下端面には玉鎖６が挿通する切欠１８を設け、
さらに下端前面には前方向に突出するフツク１９
を一体的に形成している。

カバー１５はその背面を浴槽２の内壁に当接さ
せてビス２０を一方のビス孔１６から挿入し、さ
らに取付け金具１の挿通孔１１を貫通して他方の
ビス孔１７のねじ込むことによつて、取付け金具
１に連結する。

上記構成において、玉鎖６はカバー１５の切欠
１８を利用して排水栓１０に連係し、従来と同様
に排水栓１０を開く場合にはこの玉鎖６を引き上
げることで水抜きを行うことができる。

そして、排水栓１０を必要としないとき、玉鎖
６下端のリング７ａを第３図のようにカバー１５
前面のフツク１９に掛ければ、排水栓１０を浴槽
２内に放置したり浴槽２外部に垂れた状態とする
ことなく、排水栓１０及び玉鎖６をカバー１５部
分にまとめることができる。従つて、浴槽２の掃
除等の場合には、排水栓１０と玉鎖６が邪魔にな
ることなく作業できる。

また、取付け金具１に玉鎖６接続用の挿通孔１
１を開設した構成のものであれば、この挿通孔１
１を利用することによつてカバー１５をビス２０
で簡単に取付けでき、既設の浴槽にも何等の改修
作業を必要とすることなく付属できる。

第４図と第５図は他の実施例を示す側面図と断
面図であり、これはカバー１５を円形状に形成す
るとともに、フツク１９をカバー１５上端におい
て上に突出するように設けたものである。

その他の構成は前記の実施例と同様であり、同
等の機能を果たす構成要素には第１図から第３図
に示したものと同一の番号を付している。

すなわち、カバー１５は背部が開放する略凹状
断面をなし、ビス２０が挿通及び螺合するビス孔
１６，１７を同軸上に形成し、さらにリング７、
コネクタ８及び玉鎖６が挿通する切欠１８を下方
に向けて設けた構成となつている。

この構成においても、排水栓１０を使用しない
時には、第４図のようにリング７ａをフツク１９
に掛けることによつて、玉鎖６と排水栓１０をカ
バー１５部分にまとめることができる。

尚、フツク１９には玉鎖６下端のリング７ａを
掛ける他、玉鎖６をフツク１９に巻回すれば同様
に玉鎖６と排水栓１０をカバー１５部分にまとめ
ることができる。

〔考案の効果〕

本考案の排水栓装置は、水抜きの際には排水栓
及び玉鎖をまとまつた状態にセツトできるので浴
槽の掃除の邪魔となることはなく、また既設のも
のにも簡単に付属できるので浴槽の交換や改修を
必要としないという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る排水栓装置の断面図、第
２図は要部の分解斜視図、第３図は玉鎖をフツク
に掛けた状態の斜視図、第４図はカバーの他の例
を示す側面図、第５図は同第４図の−線矢視
による断面図である。 １……取付け金具、２……浴槽、３……取付け
孔、４……ナツト、６……玉鎖、９……排水口、
１０……排水栓、１１……挿通孔、１５……カバ
ー、１６，１７……ビス孔、１８……切欠、１９
……フツク、２０……ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽の側壁に固定した取付け金具と、同取付け
   金具に開設した挿通孔に上端を接続した玉鎖と、
   同玉鎖の下端に連結し浴槽底部の排水口を開閉す
   る排水栓とを備え、さらに前記取付け金具の前方
   を被覆するカバーを、取付け金具の挿通孔を貫通
   するビスによつて同取付け金具に連結し、かつ同
   カバーはその下端に玉鎖が挿通する切欠を形成す
   るとともに外周面に同玉鎖の中途を掛けるための
   フツクを設けてなることを特徴とする排水栓装
   置。