JPH0312727Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本案は、自動車製造工場において、自動車を車
輪を支持して移送する間にボデー下面にワツクス
塗布を行うワツクス塗布ライン用スラツトコンベ
ヤに関する。

従来の技術 従来ワツクス塗布ライン用コンベヤとしては、
２列に設けた通常のスラツトコンベヤを用い、こ
れに自動車の左右の車輪をのせて移送していたの
である。したがつて、自動車下面に対しピツト内
からワツクスを塗布するときは、自動車下面のう
ち両側のスラツトにより隠される部分、例えばシ
ル部に対しては、シル部とスラツト間のスペース
が狭くて充分にワツクスを塗布し難いという問題
があつた。

考案が解決しようとする問題点 本案は、自動車車輪を支持していないスラツト
を水平位置から垂直に回動して、自動車下面への
ワツクス塗布を容易ならしめたスラツトコンベヤ
を提案することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本案は、同期走行する２列のスラツトコンベヤ
の各々を案内移動する２条の駆動チエーンにスラ
ツトを固定して形成し、各スラツトに前記２列の
スラツトコンベヤの中間側に相対して突出する自
動車車輪支持移送用固定延長部及び残部スラツト
に回動可能に枢着した自動車車輪支持非移送用可
動延長部を付設し、可動延長部の先端部をガイド
レールにより案内支持して所望移送区間において
可動延長部を水平位置から下方へ回動させること
を特徴とする自動車のワツクス塗布ライン用スラ
ツトコンベヤの構成を要旨とする。

作 用 スラツトコンベヤのスラツトには載荷する自動
車の前車輪と後車輪が載る位置、即ちホイールベ
ースにほぼ等しい間隔をもつ前後１組の固定延長
部が適宜間隔をもつて複数組設けられ、その他の
スラツトにはすべて可動延長部が設けられてい
る。スラツトコンベヤへの自動車載脱荷位置にお
いては、可動延長部はガイドレールによつてすべ
て水平位置に支持され、固定延長部と共に床面と
接続する自動車の搬出入面を形成する。

自動車が載荷部の搬入面に乗り入れ、前後車輪
を１組の固定延長部上に載せて停止すると、その
後はスラツトコンベヤにより移送される。スラツ
トはこれを固定した２条のチエーンを案内移動さ
せる案内装置によつて、固定延長部上の自動車荷
重による転倒モーメントに対抗して安定に支持さ
れる。可動延長部は載荷部を出るとガイドレール
によつて先端が漸次ピツト内に下降して垂直位置
となり、脱荷部に入る前に垂直位置から次第に水
平位置に戻る。したがつて、前記ピツト内では固
定延長部のみが水平位置にあり、その前後の可動
延長部は垂直位置にあつて、固定延長部上に載せ
た自動車の下面は全てピツトの幅内に露出するこ
とになる。そこでピツト内から自動車下面にワツ
クス塗布をすれば、塗布作業をきわめて容易に行
うことができる。

実施例 第１図は本案スラツトコンベヤの全体平面図で
あり、ピツト１の上部両側に設けた２列のスラツ
トコンベヤ２，２は載荷部３と脱荷部４との間を
循環移動し、スラツト上面は載荷部３及び脱荷部
４に設けたチエツカープレート５と面一に接続す
る。ピツト１内には自動車下面に対する防錆処理
用設備としてエヤブロー、ロボツト等の自動機が
設置され、またピツト１内でマスキングの着脱、
手動塗布等の手作業が行われる。

スラツトコンベヤ２は、第２図、第３図に示す
ようにピツト１内の固定フレーム６に取付けたチ
ヤンネル材よりなる１対のレール７にチエーンロ
ーラ８が案内された２条のチエーン９と、両チエ
ーン９のリンクに固定したスラツト１０と、スラ
ツト１０のピツト内方突出端に設けた支持ローラ
１１及び該ローラ１１が嵌入する溝付走行レール
１２とを有し、溝付走行レール１２はフレーム６
に固定したチヤンネル材１３上に固定され、後述
する自動車の車輪荷重を支持する。この車輪荷重
はスラツト１０をローラ１１を支点として浮き上
らせるモーメントを生ずるが、レール７はこのモ
ーメントに対抗してスラツト１０の浮き上りを阻
止する。

スラツト１０の内方端に、ホイールベースの間
隔をもつて前後１組をなす自動車車輪支持移送用
固定延長部１４，１５を適宜間隔をもつて複数組
突設し、その他のスラツト１０には自動車車輪支
持非移送用可動延長部１６をヒンジ１７により枢
着する。延長部１４，１５，１６はすべてスラツ
ト１０と移送方向長さが等しく、固定延長部１４
の前後中央部は皿形に凹下して自動車前輪タイヤ
Ｗを安定に支持移送することができる。固定延長
部１５は引続く２個のスラツト１０に突設され、
自動車のホイールベースの違いにより後部車輪の
支持位置が異つてもよいようになされている。

可動延長部１６の先端にガイドローラ１８を取
付け、ピツト内フレーム１９に固定したチヤンネ
ル材よりなるガイドレール２０にローラ１８を嵌
入させて、ガイドレール２０をヒンジ１７を中心
として螺旋状に曲げることにより、可動延長部１
６を載荷部３では水平に保持して自動車の搬入を
可能ならしめ、載荷部３を出てからはスラツト１
０の前進に伴つて水平位置から漸次下降させて垂
直位置へ回動させ、脱荷部４の手前で可動延長部
１６を垂直位置から再び水平位置へ復せしめて、
脱荷部４では自動車の搬出を可能ならしめる。

チエーン９の駆動スプロケツト及び従動スプロ
ケツトは夫々脱荷点４及び載荷部３の下方に設け
られる。第４図は駆動スプロケツト２１の近傍の
立面図であり、脱荷点４においてチエーン９がレ
ール７によりスプロケツト２１の方へ下降してい
くと、ガイドレール２０もこれと平行に下降し
て、可動延長部１６をスラツト１０と面一に保持
してスプロケツト２１のまわりを回転する。スプ
ロケツト２１の下部からは可動延長部１６が自重
によりスラツト１０に接して前記面一を保持する
ので、ガイドレール２０を省略することができ
る。

ピツト１内でロボツトにより自動塗布を行う場
合は、自動車のピツト幅方向位置を正確に整列さ
せる必要があるので、第５図の如く載荷部３にお
いて固定延長部１４，１５、可動延長部１６の上
方にタイヤの内側面及び外側面の位置を夫々規制
する各２個の案内板２２及び２３を設ける。案内
板２２はフレーム１９上に枢支した多数の平行リ
ンク２４により平行移動可能に支持され、２個の
案内板２２はリンク２５，２６を介してシリンダ
２７により同時に位置調整がなされる。２個の案
内板２３は図示しない固定フレーム上に枢支した
多数の平行リンク２８により案内板２２と同様に
シリンダ２９，２９によつて別個に位置調整され
る。案内板２２，２３の上記位置調整は搬入され
る自動車の車種に応じて自動的に行われる。

考案の効果 本案は上記のように構成されているので、自動
車の前後車輪をスラツトコンベヤ上に載せてピツ
ト内から自動車シル部にワツクス塗布を行う場合
に、車輪を支持しないスラツトはすべて可動延長
部が垂直位置に下降して自動車下面をピツトの幅
内に露出させるので、シル部へのワツクス吹付け
が容易となり、また載脱荷部では前記下降したス
ラツト可動延長部が水平位置に支持されて固定延
長部と共に自動車の走行を可能にするので、自動
車の載脱荷に自動車を昇降する移載装置が不要と
なる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の一実施例を示し、第１図は全体平
面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線拡大断面図、第
３図は第１図のＢ−Ｂ線拡大断面図、第４図はス
ラツトコンベヤの駆動スプロケツト付近のガイド
レールの立面図、第５図は車輪位置調整装置の平
面図である。 ２……スラツトコンベヤ、９……駆動チエー
ン、１０……スラツト、１４，１５……自動車車
輪支持移送用固定延長部、１６……自動車車輪支
持非移送用可動延長部、２０……ガイドレール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同期走行する２列のスラツトコンベヤの各々を
   案内移動する２条の駆動チエーンにスラツトを固
   定して形成し、各スラツトに前記２列のスラツト
   コンベヤの中間側に相対して突出する自動車車輪
   支持移送用固定延長部及び残部スラツトに回動可
   能に枢着した自動車車輪支持非移送用可動延長部
   を付設し、可動延長部の先端部をガイドレールに
   より案内支持して所望移送区間において可動延長
   部を水平位置から下方へ回動させることを特徴と
   する自動車のワツクス塗布ライン用スラツトコン
   ベヤ。