JPH0312522B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この発明は、押出機のヘツドに装着されたダイ
スから線状に成型されて押出された樹脂を切断し
て、樹脂ペレツトを製造する樹脂ペレツト製造装
置に関する。

(ロ) 従来技術 従来、上述例の樹脂ペレツト製造装置として
は、例えば、特開昭59−174313号公報に記載の装
置がある。

すなわち、この樹脂ペレツト製造装置は、シリ
ンダ、スクリユ等を備えた押出機先端のヘツドの
前面に、ダイスを装着し、このダイスの前面に
は、カツタを備えたカツタホルダを対設し、この
カツタホルダをボールベアリングを介して固定軸
に支持させ、上述のダイスから押出される樹脂を
カツタにより切断して、樹脂ペレツトを製造すべ
く構成している。

しかし、この従来装置においては次の如き問題
点があつた。

前述のカツタホルダおよび固定軸には溶融合成
樹脂原料の熱等が伝達され、また上述のボールベ
アリングは比較的熱に弱いので、固定軸とカツタ
ホルダとの間のボールベアリングが破損す問題点
を有していた。

(ハ) 発明の目的 この発明は、カツタホルダを流体モータで駆動
すると共に、この流体の余剰流で軸受部材を冷却
および潤滑することにより、軸受部材の耐久性の
向上を図ることができる樹脂ペレツト製造装置の
提供を目的とする。

(ニ) 発明の構成 この発明は、ダイスの型孔から押出される線状
樹脂を切断するカツタ刃を、カツタホルダに取付
けた樹脂ペレツト製造装置であつて、固定軸に軸
受部材を介して流体モータを配設し、この流体モ
ータのロータに上記カツタホルダを直結し、上記
固定軸の内部に、潤滑油を上記軸受部材に供給す
る油路を形成し、上記流体モータの供給側に接続
される流体ポンプを設け、この流体ポンプにより
供給される流体中に潤滑油を含有させ、流体モー
タ排出側の流体を上記油路に供給する供給回路を
形成した樹脂ペレツト製造装置であることを特徴
とする。

(ホ) 発明の効果 この発明によれば、上述の流体モータ排出側の
余剰流を、供給回路および固定軸内の油路を介し
て軸受部材に供給し、この余剰流体で軸受部材を
冷却すると共に、流体中に含有させた潤滑油で軸
受部材を潤滑することができるので、軸受部材の
過熱を防止して、その耐久性の向上を図ることが
できる効果がある。

加えて、前述のカツタホルダは流体モータによ
り駆動されるので、従来のチエーンおよびスプロ
ケツトによる動力伝達構造の装置と比較して、カ
ツタ刃取替え、ヘツド清掃等のメンテナンス性の
向上を図ることができる効果がある。

(ヘ) 発明の実施例 この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述
する。

図面は樹脂ペレツト製造装置を示し、第１図に
おいて、内部にシリンダ、スクリユ等（図示せ
ず）を備えた押出機１の先端にはヘツド２を配設
し、このヘツド２の前面にダイス３を着脱可能に
取付けている。

このダイス３の前端には溶融合成樹脂流路４に
連通する多数（第１図では図示の便宜上４つのみ
を示す）の型孔５…を穿設し、樹脂を線状に成型
すべく構成している。

また、上述のダイス３の前面には、上下端を開
放したケーシング６を着脱可能に取付けている。

そして前述のダイス３の前端中央に螺設した固
定軸７を、上述のケーシング６内を通して、さら
に前方（第１図の左方）へ突出し、この固定軸７
の前方軸端部にブロツク８を着脱可能に配設して
いる。

この固定軸７には軸受部材としてのメタル９，
９を介して流体モータ１０を配設している。

上述の流体モータ１０は、メタル９上に配設し
たロータ１１と、このロータ１１の複数のベーン
溝内に配置した複数のベーン１２…と、流体の流
入口１３および流出口１４を有するシリンダ１５
と、側蓋１６，１７を備え、単一のハウジング１
８で囲続すると共に、複数本のセツトボルト１９
…を用いて前述のケーシング６の前面に着脱可能
の取付けている。

このように構成した流体モータ１０におけるロ
ータ１１には、回転切断装置２０のカツタホルダ
２１を螺合手段により着脱可能に取付けている。

上述の回転切断装置２０は、前述のダイス３の
型孔５…から押出される線状樹脂Ａ（第２図参照）
を切断するための装置で、この回転切断装置２０
は上述のロータ１１に螺合され、かつケーシング
６内に位置するカツタホルダ２１と、第２図にも
示す如く、このカツタホルダ２１のダイス３との
対向面に形成した凹溝２２…内にビス２３…を用
いて取付けたカツタ刃２４…とを備えている。

この実施例では、合計４枚のカツタ刃２４…を
カツタホルダ２１にビス止めし、対向する２枚の
カツタ刃２４，２４の取付位置と、別の２枚のカ
ツタ刃２４，２４の取付位置とをずらして、第２
図においてカツタホルダ２１からの刃部の突出量
が多い上下に対向する一組のカツタ刃２４，２４
を同図の左右方向に、またカツタホルダ２１から
の刃部の突出量が少ない左右に対向する一組のカ
ツタ刃２４，２４を同図の上下方向に、その取付
位置を変えることにより、各カツタ刃２４…の線
状樹脂Ａを切断する箇所が可変でき、これら各カ
ツタ刃２４…の耐久性の向上を図るように構成し
ている。

そして、前述のケーシング６における回転切断
装置２０配設部位の上流側つまり第１図における
下部ケーシング３６のベンチユリ部３７には、所
定温度の熱湯を霧化状に噴出するノズル２５を配
設している。

ところで、前述の流体モータ１０における流入
口１３には流体供給用の主流ライン２６を介して
流体ポンプ２７を接続し、また流出口１４には戻
りライン２８を接続している。

さらに流体モータ１０の排出側の上述の戻りラ
イン２８には供給回路としての分岐ライン２９を
接続し、この分岐ライン２９を、前述の固定軸７
内部の油路３０に連結している。

この油路３０は前述のメタル９に潤滑油を供給
するための油路で、上述の流体ポンプ２７および
流体モータ１０として空気モータ、水圧ポンプお
よび水圧モータを用い、使用流体としての空気中
または水中に適量の潤滑油を含有させ、この潤滑
油を前述の戻りライン２８、分岐ライン２９およ
び油路３０を介してメタル９に供給する。

またメタル９潤滑後の潤滑油はドレン３１を介
してタンク３２に回収する。

なお、前述の一方の側蓋１６前端に配設したベ
アング３３と、前述のブロツク８との間には、回
転切断装置２０をダイス３側へ付勢するスプリン
グ３４を介設している。

図示実施例は上記の如く構成するものにして、
以下作用を説明する。

前述の下部ケーシング３６には強制空冷用エア
を吐出するブロア（図示せず）を接続し、またケ
ーシング６の上端開口にはダクト等を介してサイ
クロン（図示せず）を接続して使用に供する。

いま、押出機１の作用によりヘツド２を介して
溶融合成樹脂流路４に至つた溶融合成樹脂は、上
述の押出機１のさらなる押出作用によりダイス３
内の型孔５に至り、ここで線状に成型された後
に、型孔５前端の開口部からケーシング６に押出
される。

押出された線状樹脂Ａは強制空冷用エアにより
空冷されながら、流体モータ１０により駆動され
るカツタ刃２４で順次切断されるので、線状樹脂
Ａは所定寸法の樹脂ペレツトとなり、この樹脂ペ
レツトは、前述のブロアからの圧送空気によりダ
クトを介してサイクロン搬送された後に脱水され
る。

また前述のノズル２５から霧化状にした所定温
度の熱湯をカツタ刃２４による切断部位に噴霧す
ると、熱湯が霧化状となつて所定低温に降熱した
状態で樹脂ペレツトを冷却するので、ダイス３を
過冷することなく、切断後のペレツトを冷却する
ことができるので、冷却効果の向上を図ることが
できる。

しかも、流体ポンプ２７から流体モータ１０へ
供給される流体中（空気中または水中）には潤滑
油を含有させ、流体モータ１０排出側の余剰流体
を、戻りライン２８から分岐ライン２９に分流さ
せた後に、この分岐ライン２９から固定軸７内の
油路３０を介して軸受部材としてのメタル９に供
給して、このメタル９を冷却および潤滑するの
で、メタル９の過熱を防止して、その耐久性の向
上を図ることができる効果がある。

加えて、前述のカツタホルダ２１は流体モータ
１０のロータ１１に直結駆動されるので、従来の
スプロケツト、チエーンによる機械的動力伝達手
段と異なり、メンテナンス時においては前述の各
ライン２６，２８を除去した後に、必要最低限の
部品を除去すれば、カツタ刃２４取替え、ヘツド
２清掃を行なうことができ、従来のようなチエー
ンやスプロケツトを取外す煩わしい作業を必要と
しないで、メンテナンス性の向上を図ることがで
きる。

この発明の構成と、上述の実施例との対応にお
いて、 この発明の軸受部材は、実施例のメタル９に対
応し、 以下同様に、 供給回路は分岐ライン２９に対応するも、 この発明は、上述の実施例の構成のみに限定さ
れるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明に一実施例を示し、第１図は樹
脂ペレツト製造装置の断面図、第２図は第１図の
−線矢視断面図である。 ３……ダイス、５……型孔、７……固定軸、９
……メタル、１０……流体モータ、１１……ロー
タ、２１……カツタホルダ、２７……流体ポン
プ、２９……分岐ライン、３０……油路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ダイス３の型孔５から押出される線状樹脂Ａ
   を切断するカツタ刃２４を、カツタホルダ２１に
   取付けた樹脂ペレツト製造装置であつて、 固定軸７に軸受部材９を介して流体モータ１０
   を配設し、 この流体モータ１０のロータ１１に上記カツタ
   ホルダ２１を直結し、 上記固定軸７の内部に、潤滑油を上記軸受部材
   ９に供給する油路３０を形成し、 上記流体モータ１０の供給側に接続される流体
   ポンプ２７を設け、この流体ポンプ２７により供
   給される流体中に潤滑油を含有させ、 流体モータ排出側の流体を上記油路３０に供給
   する供給回路２９を形成した樹脂ペレツト製造装
   置。