JPH031243Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、弁付袋体を製造するための自動製袋
機に於る製筒用のダブルカツター装置に関するも
ので、構造が簡単かつ小型で、高速回転に適合す
るよう改良したものである。

従来の一般的な自動製袋機は、巻紙状の原紙を
案内片、折畳定規の作用によつて筒状に折畳重合
しながら送出ローラーによつて刃物受けローラー
とカツターローラーとの間隙に移送し、所定寸法
をもつて切断し、弁口部を除きその左右及び中央
開口部分を縫着又は接着して弁付袋体を形成する
ものであるが、その筒体の切断形式は、第１図に
示すように、袋体の下縁をなす部分と、弁口を有
する開口縁部分とを一回の切断で形成するよう単
一カツターで行なうシングルカツト形式と、第２
図に示すように、袋体の下縁をなす部分を直線的
に、そして弁口を有する開口縁部分を弁口部を残
すよう鍵の手状に切断するよう、直線切りと弁切
りとを交互に行なうダブルカツト形式とがあり、
現在では原紙が屑とし無駄になる部分（図中の斜
線表示部分）が少なく、材料の節約が可能という
ことからダブルカツト形式が一般的になつてい
る。

このダブルカツトの為の従来の製筒用カツター
装置は、第三図に示したようにカツターローラ１
に180゜対象位置に直線切刃２と弁切刃３とを取付
け、刃物受けローラ４が１回転する毎にカツター
ローラ１が反回転し、直線切刃２と弁切刃３とが
交互に刃物受台５と掛合して直線切りと弁切りと
を交互に行なう。

この方法によると、カツターローラ１のピツチ
円と刃物受ローラ４のピツチ円との比率が２：１
になり、カツター機構の外形寸法が必然的に大き
くなり、カツターの回転距離も大きくなつて、高
速運転に適合しにくいものとなる。

上記カツター装置の欠点を除くため、第４図に
示すように、カツターローラー６の軸部分と刃物
部分７，８とを分離して、これをカツターホルダ
ー９をもつて連接し、カツター軸１回転毎にカツ
ターホルダー９が反回転し、直線切りと弁切りと
を交互に行なう方法が行なわれている。

この方法にあつては、カツターホルダーの向き
を変える為に遊星歯車又はカム等が必要となり、
部品点数が多く、且つ、機構が複雑となるため、
これら部品の摩耗、機構の弛緩等が生じ易く、そ
の為に刃物受台の刃受溝部から刃が外れ、刃先部
分を破損する等の問題が発生する。

本考案は、このような上記従来装置の欠点、不
都合に鑑みなされたもので、刃物受けローラーの
ピツチ円と、カツターローラーのピツチ円とを
３：２の比率に設定することにより、高速運転に
も適合し、且つ耐久性の優れたダブルカツト形式
の製筒用カツター装置としたものである。

以下、本考案の一実施例を図面第５図、第６図
を参照しながら詳細に説明する。

本考案に係る自動製袋機は、従来方法と同様巻
紙状になつている原紙Ａを折畳案内定規や折畳案
内片（図示せず）の作用によつて筒状に重ね合わ
せながら移送ローラ８によつて製筒用カツター装
置部分に送込み、これを所定寸法に切断するもの
であるが、本考案に於る製筒用カツター装置は、
一枚刃からなる直線切用刃２と複数刃の組合わせ
からなる弁切用刃３とを180゜対象位置に取付けて
なるカツターロラー１と、上記刃物２，３の寸法
形状に変更があつても適宜適合するような縦溝
ａ、横溝ｂが複数形成されている刃物受台５を組
込んだ刃物受ローラー４との組合わせからなり、
そして刃物受けローラー４のピツチ円と上記カツ
ターローラ１のピツチ円との比率が３：２になる
よう歯車６、歯車７をもつて連動設定させた機構
からなるものである。

製筒用カツター装置を上記のような構成とする
と、刃物受ローラー４を一袋寸法につき一回転さ
せると、カツターローラー１はピツチ円の比率差
から1.5回転することとなる。

即ち、刃物受台５が刃物受ローラー４の直上方
に位置する毎に、弁切用刃３と直線切用刃２とが
交互に廻つてきて筒体原紙Ａを所定寸法に切断す
る。この際、刃物部分がが回転して切断しない時
にも周期的に筒体に触れることがあるが、その時
受けローラー４が寸法的に刃先からある程度離れ
た状態にあれば、筒体に特別な張力が掛つていな
い限り筒体に傷を付けるようなことはない。

以上のような構成によつて筒体の切断を行なう
と、カツターローラー１が全体として小型化さ
れ、機構も単純にして堅固であるから部品の緩み
や摩耗による狂いがなく、耐久性と性能の安定性
に優れたものとなる。

そして、カツターローラー１の回転半径を小さ
くすることが出来るため、高速運転を必要とする
自動製袋機には極めて有効的な装置ということが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はシングルカツト形式による筒体の切断
形状を示した平面図、第２図ダブルカツト形式に
よる筒体の切断形状を示した平面図、第３図は及
び第４図は従来のダブルカツター装置を示す正面
図であり、第５図は本考案実施例による自動製袋
機の正面説明図で、第６図は同じく本考案実施例
による製筒用カツター装置部分の斜視図である。 図中の主要符合、１：カツターローラー、２：
直線切用刃、３：弁切用刃、４：刃物受ローラ
ー、５：刃物受台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原紙を案内片、折畳定規の作用によつて筒状に
   折畳重合しながら移送して所定寸法をもつて切断
   し、弁口部を除きその左右及び中央開口部分を縫
   着又は接着して弁付袋体を形成する自動製袋機に
   於て、一枚刃からなる直線切用刃２と複数刃の組
   合わせからなる弁切用刃３とを対象位置に取付け
   てなるカツターロラー１と、上記刃物の寸法形状
   に変更があつても適宜適合するような縦溝、横溝
   が複数形成されている刃物受台５を組込んでなる
   刃物受ローラー４とを組合わせ、そしてこの刃物
   受けローラー４のピツチ円と上記カツターローラ
   １のピツチ円との比率を３：２になるよう設定
   し、これを連動させたことを特徴とする自動製袋
   機に於る製筒用カツター装置。