JPH03123830A

JPH03123830A - 磁歪式トルクセンサ用回転軸表面の螺旋溝形成方法

Info

Publication number: JPH03123830A
Application number: JP26247089A
Authority: JP
Inventors: Mutsumi Sunahata; 睦巳砂畠; Yoshio Shibata; 柴田　良雄
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1989-10-06
Filing date: 1989-10-06
Publication date: 1991-05-27
Anticipated expiration: 2010-07-19
Also published as: JPH0765942B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、回転軸に印加されるトルクを、軸表面に生じ
る透磁率の変化として非接触検出する磁歪式トルクセン
サに関する。

〔従来の技術〕

電動機、工作機械、自動車等における回転駆動系の回転
軸に加わるトルクを非接触検出するセンサとして、回転
軸の表面の所定帯域に、軸方向にに対し傾斜する方向を
磁化容易軸とする一軸磁気異方性を付与しておき、その
帯域に励磁々界を印加し、軸にトルクが加わることによ
り軸表面に生じる軸方向の透磁率変化を検出するように
した磁歪式トルクセンサが知られている。

その回転軸表面の磁気異方性の代表的な導入形式として
、ナーリング加工等の転造加工により、第３図に示すよ
うに、複数条の互いに平行な螺旋溝（１３，１３，・・
・）を軸表面（１１）の円周方向に略等間隔に刻設し、
その形状効果として軸表面に磁気異方性をもたせること
が行われている。なお、図は軸表面の２個所における透
磁率変化を差動的に取出す差動型トルクセンサを構成す
るために、隣り合う２つの帯域（ａ）および（ｂ）に螺
旋溝が形成された例を示している。帯域（ａ）と帯域（
ｂ）の螺旋溝は円周方向に対する傾斜角度は同一（最も
好ましくは４５°）であり、向きは逆である。

［発明が解決しようとする課題］回転軸（１０）表面にナーリング加工等により形成され
た各螺旋溝（１３，１３，・・・）の両端部およびその
近傍には、残留引張応力や多数のへアークラックを生じ
ているのが通常である。この螺旋溝部に発生した残留応
力やヘアークラックは、回転軸の早期折損の原因となる
ほか、また螺旋溝が形成された帯域（螺旋溝帯域）（ａ
）（ｂ）の透磁率の変化・磁束の乱れ等を誘起し、トル
ク検出特性に悪影否をもたらす。

また、螺旋溝のナーリング加工において、転造ダイス等
の加工具の突起の両端部分（形成される螺旋溝の両端に
対応する部分）に最も大きな負荷がかかるため、その両
端部分に摩耗や欠損を生じ易い。更に、螺旋溝帯域（ａ
）　（ｂ）の軸方向幅（以下「ナーリング幅Ｊ）（Ｗ）
および２つの帯域（ａ）と（ｂ）の離隔距離（以下、「
ナーリング間隔Ｊ）（Ｇ）等の異なる螺旋溝を形成する
場合には、その幅（Ｗ）および間隔（Ｇ）に対応した形
状を有する工具を必要とするので、設計のバリエーショ
ンに応じた多種類の工具を用意しておかねばならない不
便がある。

本発明は上記問題を解決するためになされたも゛のであ
る。

〔課題を解決するための手段および作用〕本発明は、回
転軸の表面の所定帯域に、円周方向に略等間隔の互いに
平行な複数条の螺旋溝を形成しておき、回転軸に加わる
トルクに比例して前記帯域に生じる透磁率の変化を電気
量として非接触検出する磁歪式トルクセンサにおいて、
軸表面の所定帯域に、軸周面を一周する膨出段差部（そ
の段差は、螺旋溝の溝深さ以上とする）が設けられ、そ
の膨出段差部の表面に、段差部表面を幅方向に貫通する
螺旋溝が形成されていることを特徴としている。

第１図は本発明のトルクセンサにおける回転軸の螺旋溝
形設態様の例を示している。（１２）　（１２）は回転
軸（１０）の表面の所定帯域に形成された膨出段差部で
あり、膨出段差部（１２）および（１２）のそれぞれに
螺旋溝（１３，１３，・・・）および（１３，１３，・
・・）が刻設されている。

膨出段差部（１２）　（１２）は、軸表面を一周する大
径部であり、その段差（段着部周面の半径と軸周面の半
径の差）は、形成される螺旋溝（１３）の溝深さ（概ね
０．２〜０．５ｍｍ）と等しいがそれより大である。膨
出段差部（１２）　（１２）にそのような段差をもたせ
ているのは、軸周面（１１）に螺旋溝（１３）を刻印さ
せないためである。なお、膨出段差部（１２）　（１２
）の形成は、例えば鍛造により、または機械加工（旋盤
）により行えばよい。

膨出段差部（１２）　（１２）の表面に形成された螺旋
溝（１３，１３，・・・）　（１３，１３，・・・）の
それぞれは、膨出段差部（１２）幅方向の全長を貫通し
ている。すなわち膨出段差部（１２）　（１２）のそれ
ぞれの幅寸法（軸方向幅）は、螺旋溝（１３，１３，・
・・）（１３，１３，・・・）のナーリング幅（Ｗ）（
第３図）と等しく、各螺旋溝のそれぞれの溝方向の両端
は、第３図に示した従来の螺旋溝と異なって開放形状を
有している。換言すれば、膨出段差部（１２）　（１２
）に形成される螺旋溝のナーリング幅（Ｗ）　（Ｗ）は
、軸（１ｏ）に形成された膨出段差部（１２）　（１２
）の幅寸法によって一義的に定まる。同じように、２つ
の螺旋溝帯域（ａ）と（ｂ）のナーリング間隔（Ｇ）（
第３図）は、２つの膨出段差部（ｉ２）　（１２）の軸
方向離隔距離によって一義的に定まる。

膨出段差部（１２）　（１２）の周面の螺旋溝の形成は
、ナーリング加工等の転造法により行えばよい。その螺
旋溝の形態は、それぞれの螺旋溝の両端が開放形状であ
る点を除いて、ナーリング幅（Ｗ）やナーリング間隔（
Ｇ）、および溝深さ、溝同志の円周方向のピッチ等は、
第３図に示した従来の螺旋溝のそれと異なるものである
必要はない。

上記膨出段差部（１２）　（１２）に形成される螺旋溝
（１３、１３，・・・）（１３，１３，・・・）は両端
開放形状であるので、その螺旋溝形成加工においては、
第３図のような軸周面（１１）に対する溝加工と異なっ
て、各螺旋溝の両端における応力の集中が、段差部（１
２）の両端での加工逃げによって緩和・解消される。従
って、形成される螺旋溝は、両端部の残留引張応力やヘ
アークラック等を付随しない。また、その螺旋溝加工に
使用される転造ダイス等の加工具は、最も弱い部分であ
る突起の両端部（螺旋溝の両端に対応する部分）に加わ
る負荷が膨出段差部（１２）の両端における加工逃げに
よって大きく軽減される。

更に、螺旋溝帯域（ａ）（ｂ）のナーリング幅（Ｗ）（
Ｗ）およびナーリング間隔（Ｇ）はそれぞれ膨出段差部
（１２）　（１２）の軸方向幅寸法および離隔距離によ
り一義的に決まるのであるから、膨出段差部（１２）　
（１２）の幅寸法・離隔距離を変えることにより、１つ
の加工具で異なるナーリング幅（Ｗ）・ナーリング間隔
（Ｇ）を有する螺旋溝帯域（ａＨｂ）を形成することが
できる。

また、螺旋溝（１３，１３，・・・）　（１３，１３，
・・・）は膨出段差部（１２）の表面に形成されるので
、膨出段差部（１２）　（１２）を機械加工（旋盤）や
鍛造等により形成する際に、その回転軸上の軸方向位置
や相互の離隔距離を正確に割出しておけば、形成される
螺旋溝（１３，１３，）・・・（１３，１３，・・・）
の軸方向の位置ずれを生じることはなく、かつナーリン
グ間隔（Ｇ）のずれを生じることもない。このため、回
転軸に装着される励磁・検出装置と螺旋溝帯域（ａ）（
ｂ）との正確な対応関係の形成が容易となり、回転軸表
面に対する磁束制御領域の適切な限定が可能となる。

本発明のトルクセンサは、回転軸表面に一軸磁気異方性
を導入するための螺旋溝（１３，１３，・・・）（１３
１３、・・・）が膨出差部（１２）　（１２）の表面に
形成されている点を除いて、その構成上特別の条件の付
加・限定を必要としない。第２図に励磁・検出回路構成
の例を示す。図中、（２１）は励磁巻線、（２３ａ）　
（２３ｂ）は検出巻線であり、それぞれ回転軸（１０）
に回転対称に巻装されている。励磁巻線（２１）は高周
波電源（２２）に励磁されて螺旋溝帯域（ａ）（ｂ）に
励磁々界を印加する。検出巻線（２３ａ）　（２３ｂ）
は逆極性に接続されており、その端子に同期整流器（２
４）が接続されている。

このトルクセンサにおいて、回転軸（１０）にトルクが
印加されていない状態では、２つの螺旋溝帯域（ａ）と
（ｂ）の透磁率は相等しく、かつ検出巻線（２３ａ）　
（２３ｂ）とは逆極性に接続されているので、励磁巻線
（２１）との間の相互誘導により検出巻線（２３ａ）に
生じる誘起電圧と、検出巻線（２３ｂ）に生じる誘起電
圧とは互いに打ち消し合い、従って出力は現れない。回
転軸（１０）にトルク（Ｔ）が印加されると、２つの帯
域（ａ）と（ｂ）の一方には張力が、他方には圧縮力が
それぞれ選択的に作用することにより、一方の帯域の透
磁率は増加し、他方の帯域のそれは減少する。この２つ
の帯域（ａ）（ｂ）の透磁率の差動的な変化により検出
巻線（２３ａ）と（２３ｂ）との間に生じる誘起電圧の
差が同期整流器（２４）により直流電圧として出力され
る。

その出力値の大きさから印加トルクの大きさを、また出
力値の正負の符号からトルクの印加方向を知ることがで
きる。

なお、上記説明では、回転軸上の隣り合う２個所に螺旋
溝帯域を形成し、２つの帯域における透磁率の変化を差
動的に検出する構造を例に挙げたが、本発明は差動型構
造に限定されず、軸上の一個所に形成された螺旋溝帯域
における透磁率の変化から、印加トルクの大きさと印加
方向の正負を検出する構造も包含されることは言うまで
もない。

また、励磁・検出回路についても図示の例に限定されず
、例えば、開磁路鉄心入り巻線（磁気ヘッド）により螺
旋溝帯域の励磁とその透磁率の変化を検出する構成とす
ることもできる。

〔発明の効果〕

本発明の磁歪式トルクセンサは、（ｉ）回転軸に形成された螺旋溝が残留引張応力やヘア
ークラック等を付随しないので、軸の早期折損が回避さ
れ耐用寿命が向上する。

（ｉｉ）螺旋溝に残留引張応力やヘアークラックがなく
、また螺旋溝帯域の軸上の位置が正確で螺旋溝帯域に対
する磁束制御領域の適正な限定が可能であること等によ
りトルク検出特性が改善される。

（ｉｉｉ　）螺旋溝形成加工においては１つの加工具で
ナーリング幅や間隔等の異なる螺旋溝を形成することが
でき、また、加工具の最も弱い部分である端部に加わる
負荷が軽減することにより、工具寿命の向上効果も得ら
れる。

なお、軸表面に磁気異方性を導入する他の方法として、
強磁性箔を軸表面に接着することも行われているが、そ
の場合にも正確に位置決めされた膨出段差部を形成して
おいてその表面に接着することとすれば、接着工程にお
いて、接着位置を割り出すための面倒な手間を省くこと
ができ、効率よくしかも正確に接着作業を達成すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のトルクセンサにおける回転軸の螺旋溝
形設態様の例を示す斜視図、第２図は本発明トルクセン
サの励磁・検出回路構成の例を示す図、第３図は従来の
トルクセンサにおける回転軸の螺旋溝の例を示す斜視図
である。１０：回転軸、１２：膨出段差部、　１３．１３’　：
螺旋溝、２１：励磁巻線、　２３ａ、２３ｂ　：検出巻
線。

Claims

【特許請求の範囲】１、回転軸の表面の所定帯域に、円周方向に略等間隔の
互いに平行な複数条の螺旋溝を形成しておき、回転軸に
加わるトルクに比例して前記帯域に生じる透磁率の変化
を電気量として非接触検出する磁歪式トルクセンサにお
いて、軸表面の所定帯域に、軸周面を一周する膨出段差部（そ
の段差は、螺旋溝の溝深さ以上とする）が設けられ、そ
の膨出段差部の表面に、段差部表面を幅方向に貫通する
螺旋溝が形成されていることを特徴とする磁歪式トルク
センサ。