JPH03118A - 多孔性分離膜の製造方法 - Google Patents

多孔性分離膜の製造方法

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JPH03118A
JPH03118A JP13022489A JP13022489A JPH03118A JP H03118 A JPH03118 A JP H03118A JP 13022489 A JP13022489 A JP 13022489A JP 13022489 A JP13022489 A JP 13022489A JP H03118 A JPH03118 A JP H03118A
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雅俊 青山
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岩谷 英嗣
Yoshinari Fujii
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本願発明は、揮発性有機液体成分をその水溶液から濃縮
分離する膜分離法に使用する分離膜とその製造方法に関
する。
(従来の技術) 一般に、反応系あるいは種々のプロセス内で生成あるい
は蓄積してくる有機液体の水溶液から、該有機液体を濃
縮しつつ系外に分離して取り出すニーズは非常に多い。
膜分離法に関する技術は、逆浸透法、限外ろ適法、拡散
透析法、血液透析法、電気透析法、ガス分離法、および
パーベーパレーション法等の技術として、近年、目覚ま
しく発展しているが、しかし、従来の分離技術では、低
濃度の有機液体の水溶液から有機液体成分を効率よく省
エネルギー的に分離することは困難であった。
現在注目されているパーベーパレーション法においても
、有機液体の水溶液からの分離を試みると、はとんどす
べての膜素材は水を選択的に透過させ、また、大容量の
装置を高い真空度に保つ等といった必要から、エネルギ
ー多消費型プロセスとなる等の問題点があった。
そこで、温度を主たる駆動力とする、液−液系の揮発性
有機液体成分を濃縮する、疎水性高分子の多孔性膜を用
いたアップヒル輸送型膜分離法や、膜の2次側に不活性
気体を流し透過液を捕集する分離法等を特願昭60−3
881[1号公報、特願昭62−27218号公報によ
り提案した。
(発明が解決しようとする課題) 特願昭60−38810号公報において提案した、アッ
プヒル輸送型膜分離法は、温度差を主たる駆動力とする
液−液直接接触型の分離法である。この分離法には、平
均微細孔径が20から1000人の疎水性高分子の多孔
性膜を使用する必要がある。膜面は分離対象物の揮発性
有機液体水溶液に濡れると、分離対象物が液体状態で膜
の微細孔内に侵入し、分離の現象が起きない。この分離
の機構を推察すると、分離対象物は、1次側液膜界面で
蒸気となって膜の微細孔内へ侵入し、蒸気の状態で膜の
微細孔内を透過していると考えられる。さらに、膜素材
や膜の状態によっては気液平衡を超える分離係数が見出
だされていることから、この透過の過程において、膜素
材高分子と親和性の高い分離対象物中の特定成分が、選
択的に1次側膜表面へ吸着し、かつ膜内微細孔表面にお
いても優先的に吸脱着を伴う表面拡散をおこすために、
特定成分が2次側に濃縮されると考えられる。特願昭6
2−4035号公報、特願昭62−4036号公報、特
願昭62−149087号公報で、膜表面にシリコーン
系ポリマ、ケトン樹脂あるいはポリ(1−トリメチルシ
リル−1−プロピン)等のポリマを膜表面にコートした
複合膜が高い分離性能を示したことは、この分離機構の
考え方を支持するものと考えられる。
アップヒル輸送型膜分離法は、このように選択透過の機
構を考えた場合、透析や限外濾過のように、分離対象物
が膜内を液体状態で透過し、膜の平均孔径と分離対象物
の分子サイズの違いにより分離のおこる液−液系分離法
とは全く異なる分離法といえる。また、いわゆる緻密膜
を用いるパーベーパレーション法などのように分離対象
成分が溶解拡散で透過すると考えられている分離法や、
あるいは平均微細孔径が0.1μmから5μmの膜を用
いる膜蒸留法などのような分離対象成分が膜内を単なる
粘性流で透過する分離法とも異なる分離法であると考え
られる。
我々は、この揮発性有機液体水溶液の濃縮に対して有効
と考えられるアップヒル輸送型膜分離法を特願昭60−
38810号公報において提案し、さらに鋭意検討して
きた。しかしながら、特願昭60−38810号公報の
提案に使用されている膜の場合には、その分離性能は充
分満足の得られるものではなかった。そこで高い分離性
能を得るための方法として、上述したように、例えば、
特願昭62−4035号公報、特願昭62−4036号
公報、特願昭62−149087号公報では、膜表面に
シリコーン系ポリマ、ケトン樹脂あるいはポリ(1−ト
リメチルシリル−1−プロピン)等のポリマをコートし
た複合膜を提案した。しかしながら、これら分離性能の
改善方法を試みた場合、−船釣な傾向として、分離性能
が高くなる程、それに相反して単位時間、単位膜面積あ
たり膜を通して透過してくる物質の量すなわち透過速度
が低下するという欠点があった。
(課題を解決するための手段) 本発明は、ポリフッ化ビニリデン系ポリマを含む多孔性
膜において、該膜が、該膜を構成するポリマとその溶媒
および該溶媒よりも揮発性の高い有機溶媒を含む混合有
機溶媒系のポリマ溶液から製膜されたものであることを
特徴とする、温度を分離の駆動力として揮発性有機液体
成分を濃縮する液−液系の膜分離法で使用される揮発性
有機液体水溶液濃縮膜に関するものである。
本発明で用いるポリフッ化ビニリデン系ポリマとしては
、例えば、ポリフッ化ビニリデンホモポリマ、フッ化ビ
ニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビ
ニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、あるいは、こ
れらの混合物などが挙げられるが、好ましくは、ポリフ
ッ化ビニリデンを少なくとも50重量%含有することが
好ましい。
該ポリフッ化ビニリデン系ポリマの平均分子量としては
、通常入手できるポリマの分子量で十分である。
ポリフッ化ビニリデン系ポリマの溶媒としては、例えば
、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド
、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、ジエ
チルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、テト
ラメチル尿素、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる
。また、揮発性の高い有機溶媒とは、製膜の際のポリマ
溶液の温度において、ポリフッ化ビニリデン系ポリマの
溶媒よりも沸点が低くかつ、蒸気圧が高いものであれば
よく、かならずしもポリマを溶解あるいは膨潤させるも
のである必要はない。このような有機溶媒としては、例
えば、n−ヘキサン、シキロヘキサノン、トルエンなど
の炭化水素、テトラクロルエチレン、1,2−ジクロル
エチレン、トリクロルエチレンなどのハロゲン化炭化水
素、ジエチルエーテル、1.4−ジオキサンなどのエー
テル類、酢酸メチルなどのエステル類、メタノール、イ
ソプロピルアルコール、1−ブタノールなどのアルコー
ル類などが挙げられるが、扱いやすさ、安全性を考慮す
ると比較的おだやな揮発性を示すトルエン、テトラクロ
ルエチレン、1.4−ジオキサン、イソプロピルアルコ
ールなどが好ましい。
このようなポリフッ化ビニリデン系ポリマとその溶媒お
よび該溶媒より揮発性の高い有機溶媒からなるポリマ溶
液の組成としては、ポリマ濃度は10重量%〜50重量
%が好ましい。また、ポリフッ化ビニリデン系ポリマの
溶媒は極性が強いのに対して、該溶媒より揮発性の高い
溶媒は一般に極性が弱く該ポリマに対して非溶媒である
ことが多い。
このため該ポリマを膨潤あるいは溶解する溶媒と異なり
、揮発性の高い溶媒を、ポリフッ化ビニリデン系ポリマ
の溶媒に対して多量に加えると、該ポリマがゲル化して
しまう。従って、揮発性の高い有機溶媒の割合には上限
が存在する。ポリマおよび溶媒の種類により一律には言
えないが、経験的には、全溶媒量に対して0.05重量
%から20重量%が好ましく、それ以上の割合で加えて
もさらに性能が顕著に向上することはほとんどない。
本発明で用いる膜の微細孔径は平均孔径で20人以上、
1000Å以下であることが好ましく、特に300Å以
上、1000Å以下であることが好ましい。平均孔径が
20人より小さい場合、気体の状態であっても揮発性有
機液体成分が優先的に透過せず、1000Aより大きい
場合、必然的に存在する細孔径分布のために、膜の一次
側に供給する揮発性有機液体は液体の状態でも膜を透過
し易く、膜分離を実施することができない。ただし、多
孔性膜はその孔径が膜の表面の開孔部は比較的小さく、
内部になると孔径が拡大しているなど全体的に不均一で
あるので、それらの平均的な孔径から考えられる水溶液
に対する不透性よりも、実際の水溶液に対する不透性は
大きいと考えられる。本願発明の膜は、該膜の平均孔径
に対して、1710以下のストークス半径を持ち、かつ
該膜に対して実質的に不透性を示す物質の分離に好まし
く用いられる。平均微細孔半径に対してストークス半径
の比が1710より大きい場合は分離対象物質である揮
発性有機液体成分が水に対して優先的に透過しがたい。
また、本発明において、「実質的に不透性である」とは
、液体の状態では膜に対して不透性であり、気体の状態
では透過することをいう。本発明では分離対象物質は気
化した状態で膜を透過する方法に使用するため膜は濡れ
ることなく分離対象物質を分離する。
膜の分離性能を有利に発現するためには、平均孔径のほ
かに体積空孔率がより大きく、膜の内部に比較的大きい
空孔を有することが必要である。
体積空孔率は通常20%以上、好ましくは40%以上で
膜の機械的特性を損なわない範囲で高い程有利である。
また、透過水量は50〜500[1m1b−”mmHg
−’m −2、窒素の透過量は0.005〜1.0 c
m3(STP)cm−2s−”cmHg−1の範囲にあ
ることが好ましい。
膜の形状については、製膜の過程を考えると、シート状
の膜では支持体を利用するためにポリマ溶液の粘度等、
条件を比較的広い範囲から選ぶことができるのに対して
、中空糸状の膜では支持体を使用できないために、シー
ト状の膜に比べると製膜の条件がかなり限定される。ま
た、同じポリマ溶液から製膜した場合でも、形状の差に
もとづく条件の違いから、得られる膜の強度、分離性能
が大きく異なることがある。アップヒル輸送型膜分離法
においては、膜の形状は、シートの状の膜、中空糸状の
膜等、どのような形態の膜でも用いることができるが、
実用的見地からは中空糸膜が有利であると考えられる。
シート状の膜は、上述のポリフッ化ビニリデン系ポリマ
とその溶媒および該溶媒より揮発性の高い有機溶媒から
なる溶液を、固体表面、支持体あるいは多孔性支持膜の
上に一定の厚みで流延、吐出あるいはコーティングし、
一定時間溶媒を蒸発させた後、溶媒を凝固溶媒と置換し
て得られる。
ここで、固体表面とは、該ポリマ溶液中の溶媒あるいは
置換する溶媒に溶解しない固体の平滑な表面であり、ガ
ラス板、ポリテトラフルオロエチレン製の板、金属板等
を用いることができる。また、支持体とは、該ポリマ混
合溶液の溶媒あるいは置換する溶媒に溶解しない実質的
に分離性能を有しない膜強度補強材であり、不織布、布
、金属メツシュなどを用いることができる。さらにまた
、多孔性支持膜とは、該ポリマ溶液中の溶媒あるいは置
換する溶媒に溶解しない多孔性膜であり、無機の多孔性
膜として、多孔性ガラス、多孔性セラミックス等、有機
の多孔性膜として、種々のポリマの多孔性膜を用いるこ
とができる。ここで、有機の多孔性支持膜のポリマとし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフル
オロエチレンおよび以上のポリマの共重合体、ポリアク
リロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルアルコールなどのビニル
ポリマ類とその共重合体およびそれらのブレンドポリマ
、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリシロキサン類、
ポリホスファゼン類、セルロース類ポリマ等が挙げられ
る。一方、中空糸状の膜の場合には、上述のポリフッ化
ビニリデン系ポリマとその溶媒および揮発性の高い溶媒
からなる溶液を、環状の口金から中心部に流体を流しつ
つ中空状に吐出する方法、中空糸状支持膜の表面にコー
ティングし一定時間溶媒を蒸発させた後、溶媒を凝固溶
媒と置換する方法等がある。環状の口金を用いる場合、
中心部に流す流体は、液体では、水、アルコール等の凝
固性液体、非相溶性液体、およびその混合液体等、気体
としては、空気、窒素、アルゴン等を用いることができ
る。中空糸状支持膜とは、ポリマ溶液中の溶媒あるいは
置換する溶媒に溶解しない多孔性膜であり、無機の多孔
性膜として、多孔性ガラス、多孔性セラミックス等、有
機の多孔性膜として、種々のポリマの多孔性膜を用いる
ことができる。ここで、多孔性支持膜のポリマとしては
、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロ
エチレンおよび以上のポリマの共重合体、ポリアクリロ
ニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリア
クリルアミド、ポリビニルアルコールなどのビニルポリ
マ類とその共重合体およびそれらのブレンドポリマ、ポ
リエステル類、ポリアミド類、ポリシロキサン類、ポリ
ホスファゼン類、セルロース類ポリマ等が挙げられる。
凝固溶媒とは、上述の製膜の時のポリマ溶液中の溶媒と
混和可能でかつポリフッ化ビニリデン系ポリマを溶解せ
ず、上述のポリマ溶液の固体分を析出させる溶媒をいう
。このような溶媒としてはメタノール、エタノール、プ
ロパツール等のアルコール類、水等、およびこれらどお
しあるいはこれらと他の溶媒との混合溶媒が挙げられる
多孔構造を好適な状態に保持した乾燥状態の多孔性膜を
調製するには、水と混和する有機溶媒でポリフッ化ビニ
リデン系ポリマの非溶媒に置換してから乾燥する溶媒置
換乾燥が好ましいが、温和な条件で含水膜を乾燥する方
法で調製しても良い。
本発明を適用しうる揮発性有機液体水溶液は、当該水溶
液の気液平衡における気相中の有機液体物質の組成が液
相中の組成より大きい物質に対して、基本的に適用する
ことができる。この様な物質の例としては、メタノール
、エタノール、n−プロパツール、1so−プロパツー
ル、n−ブタノール、t−ブタノール、アセトン、テト
ラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルアミン
、エチルアミン、アセトニトリル、メチルエチルケトン
、酢酸メチル、酢酸エチル等がある。
本発明を適用し得るこれらの物質の水溶液の濃度は、本
発明の方法の特徴を生かす観点からは比較的低濃度の領
域が好ましく、0.5〜20重量%が適当である。水溶
液濃度の上限は、主として分離対象の水溶液が膜を濡ら
さない濃度で決まる。これは膜素材ポリマの物理化学的
性質、膜の微細孔径、分離対象の表面張力等が関係し、
多孔質材料の場合には因子が複雑に関係するので、−船
釣に特定することは難しい。
(実施例) 次に実施例で本発明を説明する。
なお液−液系の揮発性有機液体水溶液の濃縮法の実験は
、第1図に模式的に示した方法で行った。
即ち、供給液槽1から5%のエタノール水溶液を50℃
に調節して膜モジュール4に供給し循環する。
一方、膜の2次側には15℃に調節した5%のエタノー
ル水溶液を透過液槽5から循環供給する。実験開始後、
所定時間毎に供給液槽(高温側)と透過液槽(低温側)
からサンプル液を採り、その濃度を示差屈折計で測定す
る。
実験終了後、供給液槽および透過液槽の液重量を測定す
る。高温側の濃度は低下し、低温側の濃度は増加する。
これら高温側および低温側の濃度の経時的変化と液透過
量とから実験初期のエタノールの透過速度を算出した。
即ち、 C” (t) ” (!!H(0) −Qe (1)−
ΣC’ (n)  S” (n)1/ guT(t) 
          (1)CL(f)=(EL(0)
−Qe(1)−ΣCL(n)  5L(n)1/ l:
LT(+)              (2)ここで
、C(t)は実験開始後1時間後のエタノールの濃度で
、添字Hは高温側、Lは低温側を示す。
C(n)はn回目のサンプリングの濃度を示す。S (
n)はn回目のサンプリングの量を示す。E(OL E
(t)はそれぞれ実験開始前と開始後1時間のエタノー
ルの量を示す。bT(t)、ELT (1)はそれぞれ
実験開始後1時間の高温側、低温側の全液量である。
上記の式を用い、(3)、(4)式の関係を考慮してエ
タノール透過速度(1e)および水道過速度(Jw)を
カーブフィッティング法で算出し、下記の(5)式でエ
タノールに対する分離係数α2“0Hを求める。
Qe (1)は1時間後のエタノールの透過量である。
Qe(t);A f ’ Je dt        
  (3)Qw (1) =^fIJwdt     
     (4)α””’(Je/Jv)/ (C” 
(1)/(1−CH(t)!  (5)また、膜の平均
微細孔半径は以下に述べる方法で測定した。即ち、膜の
透水性(Lp)と、溶質の拡散分離性(Pm)を分離対
象物質であるメタノール、エタノール、プロパツール、
ブタノール、アセトン等によって測定し、次式の関係を
使って計算した。
Pm=(D/L) (l(/ ts2)       
  (6)t、p・()I/l、) tRp/(8η)
l         C7)ここで、Dは溶質の拡散係
数、Lは膜厚、Hは含水率、tsは溶質の油路率、Rp
は平均微細孔半径、ηは水の粘性である。1sは次式か
ら求めた。
[5v0=RT/D            (8)f
sv  =(RT/Pm−’/s/Lp)(tl/L)
  、   (9)(s  =fsw、#sv’   
       (10)ここで、Rは気体定数、Tは測
定時の絶対温度、Ysは溶質の部分モル容積である。
実施例1 ペンウォルト社製ポリフッ化ビニリデンKYNAR46
0と740を混合してポリマ濃度24.5%、110℃
での溶液粘度が1000ポイズになるように調製したジ
メチルスルホオキサイド(DMSO)を溶媒とするポリ
マ溶液!000gに、テトラクロルエチレン50gを加
え紡糸原液とした。このときポリマ溶液中の全溶媒に対
するテトラクロルエチレンの量は6.6重量%である。
この紡糸原液を、DMS080%の水溶液を中空部に注
入しつつ、環状中空糸紡糸用口金から紡出し、45℃の
水中で凝固させ、しかるのち水で洗浄して、含水状態の
ポリフッ化ビニリデン系中空糸膜を得た。この膜をメタ
ノール、n−へキサンに順次浸漬、置換後、風乾した。
中空糸膜の外径は1011μm1内径は750μm1体
積空孔率は68%であった。
乾燥後の中空糸をメタノールを介して水に置換した後、
透水性とエタノールの拡散透過性を測定し、平均孔径(
Rp)と油路率(II)とを求めた。
Rpは497AXtsは2.21、Rpとストークス半
径の比は256であった。また透過水量は857m1b
−”mmHg−’「2、窒素の透過量は0.054 c
m3(STP) cm−2g−”cmHg”であった。
この乾燥した中空糸膜を約30cmの長さに切り、14
本束ねてアクリル製ケースに挿入した。このケースは約
20cmのアクリル製パイプの側面に2箇所流体の出入
口を設けた構造で、パイプの両端部が低温側流体、側面
部が高温側流体の出入口となる。
中空糸挿入後、ケース両端をエポキシ接着剤でボッティ
ングし、硬化後、両端部を切断して中空糸膜の開口部を
作った。
液−液系の揮発性有機液体水溶液の濃縮法の実験は、エ
タノール5wt%水溶液を用いて前述の方法で行った。
本実施例では、モジュール入口の高温側および低温側流
体の温度はそれぞれ51,0℃、15.0℃とした。こ
のとき実験初期のエタノールおよび水の透過速度はそれ
ぞれ0.456.0.994kgm−2h−1、また、
エタノールに対する分離係数αE+OI(は8,75で
あった。この結果を、比較例1で示す揮発性溶媒を加え
ない普通のポリフッ化ビニリデン中空糸膜の分離性能と
比べると、エタノール、水の透過速度がそれぞれ2.7
倍、1.7倍、また分離係数も1.6倍に向上している
実施例2 実施例1のテトラクロルエチレンの代わりに14−ジオ
キサンを用い、他は同一であるポリマ溶液を用いて、同
じ条件でポリフッ化ビニリデン系中空糸膜を作製し、同
様の濃縮法の実験を行ったところ、エタノールおよび水
に対する透過速度が大幅に向上した。
実施例3 実施例1のテトラクロルエチレンの混合量を100gと
し、他は同じ条件でポリフッ化ビニリデン系中空糸膜を
作製し、同様の濃縮法の実験を行ったところエタノール
および水に対する透過速度が大幅に向上した。
比較例1 実施例1においてテトラクロルエチレン等のポリフッ化
ビニリデン系ポリマの溶媒よりも揮発性の高い溶媒を加
えないポリマ溶液を用いて、ポリフッ化ビニリデン系中
空糸膜を作製し、同様に濃縮法の実験を行った。エタノ
ール水溶液の濃度を5wt%、高温側および低温側流体
の温度をそれぞれ49.6℃、14.0℃とした。この
とき、エタノールおよび水の透過速度はそれぞれ、0.
17、[1,59kgm21、−1、また、分離係数α
2tONは5.42であった。
(発明の効果) 本発明によれば、揮発性有機液体水溶液から該有機液体
を選択的に濃縮分離する液−液系の新規な膜分離法にお
いて使用し得る、透過性および分離選択性の改善された
揮発性有機液体水溶液濃縮膜とその製造方法を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に使用した膜分離実験装置を
模式的に示した図である。1は供給(または1次)液槽
、2は供給液循環ポンプ、3は供給液側熱交換器、4は
膜モジュール、9及び10はそれぞれ供給液側モジュー
ルの入口と出口である。 5は透過(または2次)液槽、6は透過液側熱交換器、
7は調圧弁、8は透過液側循環ポンプ、11および12
はそれぞれ透過液側膜モジュールの入口と出口である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ポリフッ化ビニリデン系ポリマを含む多孔性膜に
    おいて、該膜が、該膜を構成するポリマとその溶媒およ
    び該溶媒よりも揮発性の高い有機溶媒を含む混合有機溶
    媒系のポリマ溶液から製膜されたものであることを特徴
    とする、温度を分離の駆動力として揮発性有機液体成分
    を濃縮する液−液系の膜分離法で使用される揮発性有機
    液体水溶液濃縮膜。
  2. (2)ポリフッ化ビニリデン系ポリマを含む多孔性膜に
    おいて、該膜を構成するポリマの溶媒に対して、該溶媒
    よりも揮発性の高い有機溶媒の割合が、全溶媒量に対し
    て0.05重量%以上、20重量%以下であることを特
    徴とする請求項1記載の揮発性有機液体水溶液濃縮膜。
  3. (3)ポリフッ化ビニリデン系ポリマを含む多孔性膜の
    組成として、ポリフッ化ビニリデンを少なくとも50重
    量%含有することを特徴とする請求項1記載の揮発性有
    機液体水溶液濃縮膜。
  4. (4)疎水性多孔性膜が中空糸であることを特徴とする
    請求項1記載の揮発性有機液体水溶液濃縮膜。
  5. (5)請求項1記載の揮発性有機液体水溶液濃縮膜を製
    造する方法であって、ポリフッ化ビニリデン系ポリマと
    その溶媒および該溶媒よりも揮発性の高い有機溶媒を含
    む混合有機溶媒系のポリマ溶液から製膜することを特徴
    とする揮発性有機液体水溶液濃縮膜の製造方法。
JP1130224A 1989-05-25 1989-05-25 多孔性分離膜の製造方法 Expired - Lifetime JP2890469B2 (ja)

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