JPH0311824Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、屋外配線や屋内幹線に主として用い
られている単線の導電線を、接続ターミナルの電
線挿入口から挿入するだけで接続操作を完了する
ことができる単線接続ターミナルに関するもので
ある。

〈従来の技術〉 従来のこの種導電線の単線を接続するためのタ
ーミナルとしては各種各様のものが考案され実用
化されているものもある。しかし、これら従来の
単線接続ターミナルは、電線を挟持する部分即ち
挿入した電線の抜け出しを阻止するための構造が
薄鋼板の如き一枚板で形成されていた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 従つて、従来のこの種単線接続ターミナルは、
導電線への咬込みが不充分で、かつ、電線に抜け
方向への外力が加わると薄鋼板が破断され、電線
が抜け出し、不測の通電不能という事態を招いて
いた。

本考案はかかる従来の欠点を除去し、接続電線
を確実に保持することができる単線接続ターミナ
ルを提供しようとするものである。

〈問題点を解決するための手段〉 上記の目的を達成するための本考案の構成を、
実施例に対応する第１〜３図を用いて説明する
と、本考案は本体１と蓋体２とからなつていて、
内部に空洞部３を有し、該空洞部３と外面とに通
じる少なくとも一つの電線挿入口４を有する単線
接続ターミナルであつて、前記空洞部３内に、前
記電線挿入口４と直交する方向に設けられた軸５
に回動自在に軸架された外周部に複数の咬歯６′
を有する回転歯体６と、該回転歯体６に回動を付
勢するスプリング７と、前記咬歯６′に対向して
複数の咬歯８′を有する従動歯体８とが内装され、
これら両咬歯６′，８′が前記電線挿入口４の中心
延長線に向つて相対向して位置し、これら両咬歯
６′，８′間に電線挟持部ａを形成し、更に前記従
動歯体８の咬歯８′が前記電線挿入口４側に移行
するほど回転歯体６側に接近する構造としたもの
である。

〈作用〉 本考案は以上の構成としたものであるから、第
２図に示したように単線の導電線Ｋを接続ターミ
ナルの電線挿入口４から挿入することにより、被
覆を剥離した電線部分は回転歯体６と従動歯体８
との両咬歯６′，８′間に位置し、これら両咬歯
６′，８′によつて咬込み作用を受けてその姿勢が
保持されるのである。

そして一旦両咬歯６′，８′が咬みこんだ裸電線
ｋに対して引抜き力が加われば、この咬みこみが
一層深くなる方向へ回転歯体６が自動的に回動す
るから、上記のスプリング７は上記咬みこみの後
では単に回転歯体６の逆回転を阻止する作用をな
すに止まるものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第３図に示した実施例は、本考案の
一実施例を示したものであつて、その概要構造は
前記問題点を解決するための手段の項に記載した
とおりであるが、更に詳述すると、本体１と蓋体
２とは合成樹脂材料で対象形に形成された樹脂成
型品であつて、前記空洞部３内に前記回転歯体６
の軸架用軸５と、前記従動歯体８を回転自在に軸
架するための軸９とを嵌合保持する孔１１，１１
を有し、前記スプリング７の基部を係止する凹部
７′と、従動歯体８への通電を外部に導出する導
体１０の嵌入溝１０′とを有する構造とされ、か
つ、電線挿入口４を挟む両側に偏した位置に本体
１と蓋体２とを連結するためのボルト１２，１２
挿通用の孔１３，１３を有する構造とされてい
る。而して、回転歯体６は硬金属で偏芯位置に前
記軸５への嵌合孔を有し、回転自在に軸架され、
前記電線挿入口４の中心延長線方向即ち図におい
て前記空洞部３の中央方向に三角状波形とされた
咬歯６′を有し、該咬歯６′は前記電線挿入口４に
近い側程前記軸５に近く電線挿入口４から離れた
側程遠くなる弧状に形成してある。また、該実施
例における従動歯体８は前記回転歯体６と同形の
もので硬合金銅材で形成してあり、回転歯体６と
対称形に、別の軸９に軸架してある。

而して、先端部分の被覆を剥離した単線の導電
線Ｋを第２図に示したように電線挿入口４から挿
入すると、回転歯体６及び従動歯体８は該被電線
ｋの先端によつて押されて電線挿入口４とは反対
の方向に共に回転し、両歯体６，８間の電線挟持
部ａに電線ｋを受入れ挟持する。導電線Ｋが引き
出されようとすると、スプリング７と導体１０に
よつて付勢されているこれら両歯体６，８は前記
とは逆回転して咬歯６′，８′が裸電線ｋに咬込み
導電線Ｋの外方への移動を阻止する。導電線Ｋへ
の通電は咬歯８′をを介して従動歯体８から導体
１０へ伝達される。

以上の基本実施例では導電線Ｋを一本のみ挿入
する場合の構造として示したが、本考案にいう単
線接続ターミナルは、このように一本のみの導電
線が挿通されるもののほか、第４，５図に示した
ように二本の導電線Ｋ，Ｋを並列に形成した電線
挿入口４，４から挿入し、相互に電気的に接続す
る構造としたものや、第６図に示したように電線
挿入口４，４を相対向して形成し、相対方向から
電線を挿入導通させる構造として実施してもよ
い。

これらの各実施例構造から明らかなように、本
考案にいう単線接続ターミナルは、三つ以上の多
数の電線挿入口４……を並列状に形成した構造と
して実施してもよく、また、前記第６図に示した
ように相対向した位置に形成した電線挿入口４，
４を二組以上の多数組並列状に形成した構造とし
て実施することもできるものである。

また、第６図に示した従動歯体８，８は、鋸歯
状咬歯８′，８′を略平行姿勢に形成し、底辺を傾
斜させた駒状のものとし、傾斜角の緩いＶ字状と
した空洞部３の底辺部によつて傾斜摺動するよう
に形成したものである。第４，５図の実施例にお
ける従動歯体８，８はこのようにした駒を並列状
に配置したものである。また、該第４，５図に示
したハウジングは本体１と蓋体２との中間部に中
間ハウジング２１を介在させた構造としたもので
ある。

第７図及び第８図に示した実施例は、本体１と
蓋体２とを非対象形とし、本体１に空洞部３を形
成するとともに、軸５及び９を一体成形した構造
とし、従動歯体８に長孔１４を形成して軸９に摺
動自在に軸嵌合したものとし、該従動歯体８の下
方に敷設した導体１０に摺接させ、この導体１０
を本体１の外部に沿わせてＬ字形に折曲し、ビス
ねじ１５によつて外部電線と端子接続するように
したものである。

以上本考案の代表的と思われる実施例について
説明したが、本考案は必ずしもこれらの実施例構
造のみに限定されるものではなく、本考案にいう
構成要件を備えかつ、本考案にいう目的を達成
し、以下にいう効果を有する範囲内において適宜
改変して実施することができるものである。

〈考案の効果〉 本考案は以上の説明から明らかなように、スプ
リング７によつて常時付勢されている複数の咬歯
を有する回転歯体と該咬歯と対向して配置された
複数の咬歯を有する従動歯体とによつて、挿入さ
れた導電線の裸単線部を積極的に挟持し、導電線
に外方への引抜き作用が加わると相対向する両面
から咬込み作用によつて単線部分をより一層強力
に挟持するので、単線を単に電線案内口から挿入
するだけの操作で確実な導通連結を完了すること
ができ、導電線に引き抜き外力が作用しても容易
に抜け出すことがなく、電線の抜け出しによる不
測の導電不能事故をを来たすことがないという実
用上の顕著な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図乃
至第３図は一実施例を示す中央縦断正面図、電線
挿入状態の中央縦断正面図、第１図における−
線断面図、第４図乃至第５図は別実施例を示す
中央横断平面図、第５図における−線断面
図、第６図は別実施例を示す中央縦断正面図、第
７図及び第８図は更に別実施例を示す本体部分の
一部切欠正面図及び第７図における−線断面
図である。 図中１は本体、２は蓋体、３は空洞部、４は電
線挿入口、５は軸、６は回転歯体、７はスプリン
グ、８は従動歯体、６′，８′は咬歯、ａは電線挟
持部、ｋは裸電線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 本体１と蓋体２との内部に形成された空洞部
   ３から外面に通じる電線挿入口４と、この電線
   挿入口に直交する方向の軸５に回動自在に軸架
   され、外周部に咬歯６′を有し、上記空洞部３
   に内装されている回転歯体６と、この回転歯体
   が上記電線挿入口４の方向へ回動するよう付勢
   するスプリング７と、上記空洞部３に内装さ
   れ、上記咬歯６′に対向した咬歯８′を有してい
   る従動歯体８とからなり、両咬歯６′，８′の間
   に電線挟持部ａが形成されているターミナルに
   おいて、上記回転歯体６がその偏心位置に上記
   軸５への嵌合孔を有していると共に、その複数
   の咬歯６′は上記の電線挿入口４に近いほど上
   記軸５に近くなる弧状に配列形成され、且つ、
   上記従動歯体８は、両咬歯６′，８′の間の裸電
   線ｋが電線挿入口から引抜かれる方向の外力を
   受けたとき該裸電線に咬みこむ方向の運動が可
   能な形状を有していることを特徴とする単線接
   続ターミナル。 前記従動歯体８が、前記回転歯体６と対称形
   に別の軸９に軸架されたものである実用新案登
   録請求の範囲第項に記載の単線接続ターミナ
   ル。 前記従動歯体８が、空洞部３のＶ字形底辺に
   沿い傾斜摺動するよう形成されたものである実
   用新案登録請求の範囲第項に記載の単線接続
   ターミナル。 前記従動歯体８が、別の軸９に嵌合した長孔
   １４を有し、該軸に交差する方向の摺動が可能
   である実用新案登録請求の範囲第項に記載の
   単線接続ターミナル。