JPH0311163B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 Ａ 発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、取付板、例えば床に配設された配線
ピツトの上蓋から平型配線を取出すための、平型
配線の取出し構造に関する。

(2) 従来の技術 従来、平型配線はフロアカーペツト下の床面に
沿つて敷設されるのが一般的である。

(3) 発明が解決しようとする課題 高価な平型配線の短縮および丸型配線との接続
部の床上露出回避を図るには、例えば床に設けた
ピツト内で丸型配線と接続を行なつてから、平型
配線をピツトより取出すことが考えられ、この
際、保守点検を容易にすることが望ましい。

本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたもので
あり、例えばピツトから平型配線を容易に取出す
ことができ、しかも保守点検が簡単な、平型配線
の取出し構造を提供することを目的とする。

Ｂ 発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明は、四角形状
の開口部を有して取付板に嵌着される枠板と、前
記開口部の一側縁との間に平型配線用通線孔を画
成するようにして前記開口部を覆い前記枠板に着
脱可能に結合される蓋板とよりなり、前記取付板
内方の平型配線を前記通線孔内を通してその外側
に引き出すと共に該取付板の外面に沿わせるよう
にした、平型配線の取出構造であつて、前記開口
部一側縁と前記蓋板との対向面には、前記通線孔
内の平型配線を前記取付板の外方に向かつて該開
口部の他側縁側に傾斜するよう案内する案内斜面
がそれぞれ形成されることを特徴とする。

(2) 作用 蓋板を単に枠板より分離するだけで、該枠板の
開口部を広く開放することができるから、平型配
線の保守、点検作業を、該平型配線を接続したま
まの状態で難なく行うことができるようになる。

また上記案内斜面の特設によつて、取付板の正
面から見て取付板の内側空間が通線孔を通して素
通しとなる虞れはなくなる。しかも平型配線は、
上記両案内斜面の案内作用により通線孔内におい
て取付板の外方に向かつて開口部の他側縁部に傾
斜するから、その傾斜部分と、該通線孔より引き
出されて取付板の外面に沿つて延びる部分との挟
み角を鈍角とすることができ、同配線の比較的急
峻な折曲がりが回避される。

(3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説
明すると、先ず第１図において、床には平型配線
１を収納する配線ピツト２が設けられており、こ
の配線ピツト２を覆う、取付板としての上蓋３に
は平型配線取出具４が着脱可能に装着される。配
線ピツト２内の平型配線１は、平型配線取出具４
の通線孔５から上方、即ちピツト２外に引き出さ
れ、そこから床面および上蓋３上に敷かれたカー
ペツト６の下方において該床面および上蓋３上に
沿つて、接続すべき電気機器の位置まで延設され
る。

第２図において、平型配線取出具４は、上蓋３
に取付けられるABS樹脂などの合成樹脂製枠板
７と、ABS樹脂などの合成樹脂から成り枠板７
に着脱自在に結合される蓋板８とから成る。

第３図〜第５図において、枠板７は、相互に対
向する側壁９，１０と、両側壁９，１０の一端を
連結する端壁１１とによつて略Ｕ字状に形成され
て成る。また両側壁９，１０および端壁１１の外
面下部には鍔部１２が一体的に設けられており、
両側壁９，１０の他端に対応する部分で鍔部１２
は相互に離反する方向に張出す。この鍔部１２に
は、その張出部分１２ａ，１２ｂと端壁１１に対
応する部分とにねじ孔１３がそれぞれ穿設されて
おり、鍔部１２を上蓋３の下面に当接し各ねじ孔
１３にねじ部材を螺合することにより枠板７が上
蓋３に固着される。しかも、上蓋３に取付けた状
態で枠板７の上面は上蓋３の上面と面一である。

一方の側壁９の内面には、下方に開放した凹部
１４が側壁９の長手方向に延びて設けられる。ま
た他方の側壁１０の内面下部には一方の側壁９側
に突出した平板状支持部１５が一体的に突設され
る。しかも該支持部１５には複数たとえば２つの
ねじ孔１６が間隔をあけて設けられる。

このようにして、枠板７の両側壁９，１０間に
は、端壁１１と反対側で開放した開口部１７が設
けられる。

第６図および第７図において、蓋板８は、前記
両側壁９，１０間の距離に対応した幅と、端壁１
１から両側壁９，１０の他端までの長さと、支持
部１５の上面から側壁１０の上面までの長さに対
応した厚さを有する矩形板状のカバー部１８と、
両側壁９，１０の外面間の距離に対応する幅を有
してカバー部１８の端部に一体化される矩形板状
突出部１９とから成り、略Ｔ字状に形成される。

カバー部１８には、前記枠板７のねじ孔１６に
対応する挿通孔２０が設けられており、この挿通
孔２０に挿通したねじ部材２１（第２図参照）を
ねじ孔１６に螺合することにより、蓋板８が枠板
７に結合される。

カバー部１８の一方の側壁９に対向する側面に
は、上方に向けて開放した凹部２２が前記側壁９
の凹部１４に対応した長さを有して設けられる。
これにより、蓋板８を枠板７に取付けたときに、
開口部１７の一方の側縁と蓋板８との間で両凹部
１４，２２により通線孔５が形成される。しかも
この通線孔５は、平型配線１を挿通するのに必要
なだけの、狭小であつて屈曲した形状を有する。
即ち蓋板８の凹部２２の底面と、枠板７の凹部１
４の上面とは、前記通線孔５内の平型配線１を蓋
板８の外方に向かつて前記開口部１７の他方の側
縁側に傾斜するように案内する案内斜面８ａ，７
ａをそれぞれ構成しており、これら案内斜面８
ａ，７ａの特設によつて、上蓋３の正面から見て
ピツトの内側空間が通線孔５を通して素通しとな
る虞れはなくなり、体裁が良好であるばかりでな
く該内側空間への塵埃等の侵入防止に効果的であ
る。しかも平型配線１は、上記両案内斜面８ａ，
７ａの案内作用により通線孔５内において上蓋３
の外方に向かつて開口部１７の他側縁側に傾斜す
るから、その傾斜部分と、該通線孔５より引き出
されて上蓋３の外面に沿つて延びる部分との挟み
角を鈍角とすることができ、同配線１の比較的急
峻な折曲がりを回避してその耐久性を向上させる
ことができる。

尚、枠板７および蓋板８の表面には、電磁遮閉
および静電気の滞留防止のために導電性塗料が塗
布される。

次にこの実施例の作用について説明すると、蓋
板８を枠板７に結合した状態では、狭小な通線孔
５が両者間に形成されており、その通線孔５から
平型配線１を取出して配線することができる。

また、配線ピツト２内の保守点検等のために、
平型配線１の結線部をも外方に引き出す必要が生
じたときには、ねじ部材２１を緩めて、蓋板８を
枠板７から取外せばよい。そうすれば、配線ピツ
ト２の上蓋３を外すことなく、比較的大きな結線
部をも外方に引出すことができる。

枠板７はその端壁１１と反対側の開口端を配線
ピツト２における上蓋３の側縁に臨ませて上蓋３
に取付けられることが望ましく、そうすれば、蓋
板８を取外すことにより上蓋３を側方にスライド
させて配線ピツト２から完全に取外すことができ
る。したがつて配線ピツト２をより大きく開口し
て、保守、点検作業を行なうことができる。

Ｃ 発明の効果 以上のように本発明によれば、四角形状の開口
部を有して取付板に嵌着される枠板と、前記開口
部の一側縁との間に平型配線用通線孔を画成する
ようにして前記開口部を覆い前記枠板に着脱可能
に結合される蓋板とよりなり、前記取付板内方の
平型配線を前記通線孔内を通してその外側に引き
出すようにしたので、蓋板を単に枠板より分離す
るだけで、該枠板の開口部を広く開放することが
でき、したがつて平型配線の保守、点検作業を、
該平型配線を結線したままの状態で難なく行うこ
とができるようになり、その作業能率の向上に大
いに寄与することができる。

また前記開口部一側縁と前記蓋板との対向面に
は、前記通線孔内の平型配線を前記取付板の外方
に向かつて該開口部の他側縁側に傾斜するよう案
内する案内斜面がそれぞれ形成されるので、それ
ら案内斜面の特設によつて、取付板の正面から見
て取付板の内側空間が通線孔を通して素通しとな
る虞れはなくなり、体裁が良好であるばかりでな
く該内側空間への塵埃等の侵入防止に効果的であ
る。しかも平型配線は、上記両案内斜面の案内作
用により通線孔内において取付板の外方に向かつ
て開口部の他側縁側に傾斜するから、その傾斜部
分と、該通線孔より引き出されて取付板の外面に
沿つて延びる部分との挟み角を鈍角とすることが
でき、同配線の比較的急峻な折曲がりを回避して
その耐久性を向上させることができる。また蓋板
を取外して上記開口部を開放した状態では、その
開口部一側縁側の案内斜面が該開口部の断面積を
取付板の内方へ向かつて拡大させる形となること
から、該案内斜面の特設によるも開口部の有効開
口面積が減ぜられる虞れはない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は平型配線取出具を上蓋に取付けた状態を示す縦
断面図、第２図は平型配線取出具の拡大平面図、
第３図は枠板の拡大平面図、第４図は第３図の
−線断面図、第５図は第３図の矢視図、第６
図は蓋板の拡大平面図、第７図は第６図の−
線断面図である。 １……平型配線、３……取付板としての上蓋、
４……平型配線取出具、５……通線孔、７……枠
板、８……蓋板、７ａ，８ａ……案内斜面、１７
……開口部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 四角形状の開口部１７を有して取付板３に嵌
   着される枠板７と、前記開口部１７の一側縁との
   間に平型配線用通線孔５を画成するようにして前
   記開口部１７を覆い前記枠板７に着脱可能に結合
   される蓋板８とよりなり、前記取付板３内方の平
   型配線１を前記通線孔５内を通してその外側に引
   き出すと共に該取付板３の外面に沿わせるように
   した、平型配線の取出構造であつて、前記開口部
   １７一側縁と前記蓋板８との対向面には、前記通
   線孔５内の平型配線１を前記取付板３の外方に向
   かつて該開口部１７の他側縁側に傾斜するよう案
   内する案内斜面７ａ，８ａがそれぞれ形成される
   ことを特徴とする、平型配線の取出構造。