JPH0310883B2 - - Google Patents

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JPH0310883B2
JPH0310883B2 JP59268233A JP26823384A JPH0310883B2 JP H0310883 B2 JPH0310883 B2 JP H0310883B2 JP 59268233 A JP59268233 A JP 59268233A JP 26823384 A JP26823384 A JP 26823384A JP H0310883 B2 JPH0310883 B2 JP H0310883B2
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phase modulation
optical fiber
electrode
phase
modulation element
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Kozo Ono
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Agency of Industrial Science and Technology
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、光フアイバジヤイロに関するもので
あり、更に詳述するならば、位相変調方式光フア
イバジヤイロに関するものである。
従来の技術 現在、航空機、飛翔体、自動車、ロボツトなど
のナビゲーシヨンや姿勢制御のための角速度セン
サとしてジヤイロが使用されるている。このジヤ
イロを使用すれば、角速度だけでなく、それを積
分することにより方位などのデータも得ることが
できる。
そのようなジヤイロの中で、光フアイバジヤイ
ロは、可動部が全くなく且つ小型化が可能であ
り、更に、最小検出可能角速度(感度)、ドリフ
ト、可測範囲(ダイナミツクレンジ)、スケール
フアクタの安定性の点において、従来のジヤイロ
に比較して優れているために、近年注目され開発
されている。
そのような光フアイバジヤイロの例は、例え
ば、ギヤロレンジ テー.ジー.、ブカロ ジエ
ー.エー.他『光フアイバセンサ技術』アイ イ
ー イー イー ジヤーナル オブ カンタム
エレクトロニクス(Giallorenzi T.G.、BuCaro
J.A.et al“Optical Fiber Sensor Technology”、
IEEE J.of Quantum Electronics)QE−18、No.
4、pp626−662(1982)やクラシヨウ及びアイ.
ピー.ギレス『光フアイバジヤイロスコープ』ジ
ヤーナル オブ フイジクス エレクトロニクス
サイエンス インストルメント(Culshaw
and I.P.Giles“Fiber Optic Gyroscopes”J.
Phys.E:Sci Instrum.)16pp5−15、(1983)や、
坪川、大塚「光フアイバジヤイロスコープ」レー
ザ研究、11、No.12、pp889−902(1983)などに詳
しく示されている。
光フアイバジヤイロには、位相バイアス方式、
位相変調方式、周波数変調方式などがあるが、そ
の中で、最小検出可能角速度及びドリフトの点で
最も優れているものが、位相変調方式光フアイバ
ジヤイロである。
そこで、第4図を参照して、その位相変調方式
光フアイバジヤイロの原理を説明する。
発光素子10からのレーザ光は、ビームスプリ
ツタ12により2つに分けられ、結合レンズ14
及び16を介して、光フアイバ18の両端に結合
される。その光フアイバ18は、センサコイル2
0を構成するように巻回された部分と、圧電素子
のような位相変調素子22に巻き付けられた部分
24とに分けられている。そして、光フアイバの
両端から結合された光は、それぞれ、光フアイバ
のセンサコイル20内を右回りと左回りに伝搬
し、反対側の端部より出射し、ビームスプリツタ
12により合成されて受光素子26に入射する。
レーザ光がセンサコイル20を伝搬するとき、
センサコイル20が回転を受けていると、右回り
光と左回り光とに、いわゆるサニヤツク効果によ
り、位相差Δθができ、その位相差はセンサコイ
ル20の受けている回転角速度に比例している。
一方、光フアイバ、位相変調素子22を構成する
圧電素子に巻き付けられた部分において、圧電素
子の伸縮に応じて光フアイバ長さが変化し、伝搬
する光が位相変調される。
かくして、受光素子24の出力の交流成分Vdは、 Vd=C1sin(2πfpt)sin(Δθ) ………(1) 但し、 Δθ=C2DLΩ C1、C2:定数 D:センサコイルの直径 L:センサコイルのフアイバ長 Ω:センサコイルが受ける回転角速度 fp=位相変調素子の変調周波数 t:時間 となる。従つて、位相変調素子の変調周波数fp
同期検波すると、その検波で得れる出力V0は V0=C3sinΔθ =C3sin(C2DLΩ) ………(2) 但し、C3:定数 となる。すなわち、位相変調方式光フアイバジヤ
イロにおいては、位相変調素子の変調周波数fp
分の振幅から回転角速度に比例する量Δθを検出
することができる。
発明が解決しようとする問題点 以上のような位相変調方式光フアイバジヤイロ
にあつては、位相変調素子22には、ピエゾ半導
体やLiNbO3などの強誘電体結晶を使用した素子
すなわち圧電素子が一般に使用されている。これ
ら圧電材料は、通常に受ける程度の温度変化で、
特性が変化しやすい。具体的に述べるならば、圧
電素子は、固有振動数すなわち共振周波数に大き
な温度依存性を有し、その結果、励振周波数から
共振周波数がずれると、以下に詳述するように、
実際の振動と励振周波数とに位相差が生じ、且
つ、実際の振動の振幅が小さくなる。そのため、
同期検波の参照周波数が適正なものでなくなり、
また、光フアイバを伝搬する光に対する変調度が
変化し、上記した式(2)における定数C3が実際に
は定数と成らず変化する。すなわち、光フアイバ
ジヤイロのスケールフアクタがその位相変調素子
の温度特性により制限されてしまう問題があつ
た。
ここで、受光素子24の出力の交流成分Vd
もう少し詳しくみると、上記した文献によるなら
ば、 Vd=C4J1〔2bsin(πnL/Cfp
〕sin(2πfpt)・sinΔθ………(1)′ 但し、 C4:定数 J1:第1種ベツセル関数 n:光フアイバのコアの屈折率 C:光速 b:位相変調の変調度 と表すことができる。
以上のようなVdに対して、参照信号Vrefを乗算
して、同期検波することにより、出力V0を得る
ことができる。
それらVrefとV0は次のように表すことができ
る。
Vref=C5sin(2πfpt+δ) ………(3) V0=Vd・Vref=C6J1cosδ〔2bsin(πnL/Cfp)〕・
sinΔθ………(2)′ 但し、C5、C6:定数 上記式(2)′からわかるように、同期検波により
得られる位相差Δθに対する変動原因は、 (1) 変調度bの変動 (2) 位相変調の位相差δの変動 との2つである。
そして、それら変動をもたらす主要因は、位相
変調素子の同調ずれである。その同調ずれは、位
相変調素子として圧電素子を使用している場合
は、圧電素子の共振周波数(固有振動数)が温度
に依存して変化するためである。
以下、この問題を具体的に検討する。
圧電素子における強制振動は、亘理厚著の「機
械力学」などの文献によれば、 x=P0/〔(k−mωn 22+(c
ωn21/2・cos(ωnt−δ) 但し、 tanδ=Cωn/k−mωn 2 P0:外力 k:バネ係数 m:質量 ωn:外力の角振動数 c:粘性係数 と表すことができる。
そこで、次のような置換を行うと、上記式を以
下のように表すことができる。
ω0=(k/m)1/2:系の固有角振動数 Cc=2(mk)1/2:臨界減衰係数 xst=P0/k:P0の静荷重によるバネのたわみ γ=c/cc:粘性減衰係数比 λ=ωn/ω0:強制振動数比 x0=xst/〔(1−λ22+(2γλ)21/2 ………(4) 但し、 tanδ=2γλ/1−λ2 ………(5) そこで、上記した式に基づいて、強制振動数比
(λ=ωn/ω0)に対する振幅比(x0/xst)と位
相差δと関係をグラフに示すと、第5図及び第6
図に示すようになる。
第5図及び第6図を検討するならば、圧電素子
の温度変化などの原因により、その固有振動数
ω0が励起周波数ωnからほんの少しずれても、圧
電素子の実際の振動の大きさすなわち位相変調方
式光フアイバジヤイロにおける位相変調度が変化
するだけでなく、励振周波数と実際の振動の周波
数との位相差δは90゜から大きくずれることがわ
かろう。
上述したように、位相変調素子の共振周波数の
励振周波数からのずれ即ち同調ずれは、それがか
とえ僅かであつても、上記式(2)′のcosδの項が変
化し、変調度に大きな変動をもたらし、出力の大
幅な低下をもたらす。そして、その出力の変動
は、測定の信頼性を大きく損なう。
そこで、本発明は、上記した問題を解決して、
温度変化による位相変調素子の同調ずれに起因す
る位相ずれによつて発生する出力のスケールフア
クタの変動をなくして、安定し且つ正確な測定を
することができる、耐環境性の優れた位相変調方
式光フアイバジヤイロを提供せんとするものであ
る。
問題点を解決するための手段 以上の目的のために、本発明の発明者は、種々
の研究の結果、位相変調素子の励振周波数を参照
周波数として同期検波し、また、受光素子からの
出力信号のレベルを一定に保持するよう単に帰還
制御するのではなく、実際に位相変調素子の状態
を監視し、位相変調素子の実際の振動の位相及び
大きさを求めて同期検波し且つ励振レベルの帰還
制御することを着想した。本発明はかかる着想に
基づく研究の結果、完成したものである。
すなわち、本発明によるならば、センサコイル
を構成する部分と位相変調素子が設けられた部分
とを有する光フアイバと、前記光フアイバの両端
に可干渉性光を供給する光源と、前記光フアイバ
の両端から該光フアイバを伝搬した光を受ける受
光素子と、前記位相変調素子を駆動する位相変調
素子駆動回路と、前記受光素子の出力を受けて同
期検波する同期検波器とを少なくとも具備してな
る位相変調方式光フアイバジヤイロにおいて、前
記位相変調素子は、前記位相変調素子駆動回路か
ら励振電圧が印加される駆動電極の他にピツクア
ツプ電極が設けられており、前記同期検波器は、
前記位相変調素子の前記ピツクアツプ電極からの
信号を参照信号として前記受光素子からの出力を
同期検波するようになされており、更に、前記位
相変調素子の前記ピツクアツプ電極からの信号を
受けて該信号が一定レベルとなるように前記位相
変調素子駆動回路による位相変調度を制御する変
調度制御回路が設けられていることを特徴とす
る。
作 用 以上のような本発明による位相変調方式光フア
イバジヤイロにおいては、位相変調素子を特定の
励振周波数で駆動すると、光フアイバから出力さ
れる光は位相変調される。一方、その光を受ける
受光素子の出力を受けて同期検波する同期検波器
は、位相変調素子の実際の振動の位相及び周波数
を有する参照信号をピツクアツプ電極から受けて
同期検波する。従つて、位相変調素子の温度変化
により、位相変調素子の共振周波数が励振周波数
から同調ずれを起こし、その同調ずれによつて実
際の起動が励振周波数と位相ずれを生じても、そ
位相ずれの影響なく、同期検波することができ
る。かくして、光フアイバのセンサコイル部分で
生じた位相差すなわちセンサコイルが受けた角速
度を検出することができる。
また、位相変調素子駆動回路も、位相変調素子
の実際の振動の大きさを示す参照信号をピツクア
ツプ電極から受けて、そのレベルが一定になるよ
うに、変調度を制御する。従つて、位相変調素子
の温度変化により、位相変調素子の共振周波数が
励振周波数から同調ずれを起こし、その同調ずれ
によつて実際の振動の振幅すなわち変調度が変化
しても、位相変調素子による光フアイバを伝搬す
る光に対する実際の変調度を、一定に維持するこ
ともできる。
かくして、位相変調素子の温度依存性によつて
生じる出力のスケールフアクタの変化を防止する
ことができる。
実施例 以下添付図面を参照して本発明による位相変調
方式光フアイバジヤイロの実施例を説明する。
第1図は、本発明による位相変調方式光フアイ
バジヤイロの1つの実施例の構成を示した図であ
る。なお、光フアイバジヤイロの基本的条件を備
えた最小構成については、イゼキール エス.及
びアーデイテイ エイチ.ジエー.『光フアイバ
回転センサ』スプリンガー−フエアラーク ベル
リン(Ezekil S.and Arditty H.J.:“Fiber
Optic Rotation Sensors”、Springer−Verlag
Berlin.)1982に詳しい説明がある。
図示の位相変調方式光フアイバジヤイロにおい
ては、半導体レーザなどの発光素子30のような
光源が設けられ、レーザ駆動電源32のような電
源により駆動されて、可干渉性光ビームを発生す
る。その発光素子30が発生する光ビームは、レ
ンズ34を介して、ハーフミラー36のようなビ
ームスプリツタに送られる。そのハーフミラー3
6を透過した光ビームは、レンズ38を介して、
モードフイルタを構成するシングルモード光フア
イバ40の一端に結合される。
シングルモード光フアイバ40の他端から出力
された光ビームは、レンズ42を介して、ハーフ
ミラー44のようなビームスプリツタに送られ
る。そして、それらハーフミラー44で2つに分
けられた光ビームは、それぞれレンズ46及び4
8を介して、光フアイバ50の両端に結合され
る。
光フアイバ50は光フアイバセンサを構成する
ように、多数回コイル状に巻かれたセンサコイル
52と、周波数fpで駆動されるピエゾ半導体素子
またはLNO素子(LiNbO3を材料とした素子)の
ような圧電素子で構成される位相変調素子54に
巻き付けられた部分56とからなつている。
第2図aは、その位相変調素子54の1例の斜
視図であり、第2図bは、その頂面図である。第
2図a及びbに示すように、本実施例に使用され
る位相変調素子54は、円筒状の圧電材料本体8
0を有し、その円筒状圧電材料本体80の円筒内
面は、その全周にわたつて金属で覆われて、内周
面電極82が形成されている。そして、円筒状圧
電材料本体80の円筒外面には、そのほぼ9割を
覆う第1の外周面電極84と、ほぼ1割を覆う第
2の外周面電極86とが設けられている。そし
て、第1及び第2の外周面電極84及び86のの
リード線取り出し部84A及び86Aは、円筒状
圧電材料本体80の側面の片方の端に寄せておく
ことが好ましい。
第1の外周面電極84と内周面電極82とが、
駆動電極を構成し、第2の外周面電極86と内周
面電極82とが、ピツクアツプ電極を構成する。
その駆動電極間に励振信号を印加すると、圧電
効果により、圧電材料にひずみが生じ、変形す
る。そして、その応力ひずみがまた圧電効果によ
り電圧を誘起し、それがピツクアツプ電極間から
取り出すことができる。従つて、ピツクアツプ電
極から、圧電素子の実際の振動及び位相を表す電
気信号が得ることができる。
なお、位相変調素子は、上記した構成に限ら
ず、駆動用の電極とモニタ用の電極とが設けられ
ているものならば、どのようなものも使用可能で
ある。しかし、圧電材料全体に変形が発生するよ
うに、駆動電極が可能な限り広い範囲を覆うよう
することが好ましい。その際、駆動電極とピツク
アツプ電極とを交互に多数配列してもよい。一
方、ピツクアツプ電極は、圧電材料の振動を検出
できれば、その意図は達成できるので、圧電材料
を広い範囲にわたつて覆う必要はない。
再び第1図を参照して述べるならば、光フアイ
バ50を右回りと左回りとに伝搬した光ビーム
は、光フアイバ50の両端からそれぞれレンズ4
6及び48を介して出力されて、ハーフミラー4
4により合成され、更に、レンズ42を介してシ
ングルモード光フアイバ40の他端に結合され
る。
そして、そのシングルモード光フアイバ40に
結合された光ビームは、ハーフミラー36で反射
されて、レンズ58を介して、受光素子60に入
射する。
その受光素子60の電気出力は、プリアンプ6
2を介して、同期検波器64の入力に接続されて
いる。同期検波器64は、位相変調素子54のピ
ツクアツプ電極54A(第2図の内周面電極82
及び第2の外周面電極86に対応)からの電気信
号が参照周波数信号として供給されている。一
方、上記した位相変調素子54の駆動電極(第2
図の内周面電極82及び第1の外周面電極84に
対応)は、発振器66から周波数fpを受ける位相
変調素子駆動回路68により周波数fpで駆動され
る。
従つて、同期検波器64は、受光素子60の出
力を、位相変調素子54からの参照周波数信号の
周波数で同期検波し、その周波数の成分を含む信
号をローパスフイルタ70に出力し、そのローパ
スフイルタ70は、位相差Δθを示す電圧信号を
出力する。
更に、位相変調素子54のピツクアツプ電極5
4Aからの参照周波数信号は、整流器72で整流
され、プリアンプ74で増幅されて、コンパレー
タ76の一方の入力に接続されている。そのコン
パレータ76の他方の入力には、基準電圧源78
に接続されている。かくして、コンパレータ76
は、両入力の差を位相変調素子駆動回路68に出
力する。従つて、これら回路が、位相変調素子駆
動回路68に対する変調度制御回路を構成してい
る。
以上のように構成される位相変調方式光フアイ
バジヤイロは、次のように動作する。
電源32により駆動される発光素子30からの
光ビームは、レンズ34を介して、ハーフミラー
36に送られ、そのハーフミラー36を透過した
光ビームは、レンズ38を介して、シングルモー
ド光フアイバ40の一端に結合されて、単一のモ
ードのレーザ光のみが、それらシングルモード光
フアイバ40の他端から出力され、レンズ42を
介して、ハーフミラー44に送られる。そして、
それらハーフミラー44で2つに分けられた光ビ
ームは、それぞれレンズ46及び48を介して、
光フアイバ50の両端に結合される。
光フアイバ50に入力された2つの光ビーム
は、回転を受けているセンサコイル52の部分で
位相差Δθができ、また、位相変調素子駆動回路
68によつて周波数fpの交流で駆動される位相変
調素子54に巻き付けられた部分56において位
相変調される。
そのように光フアイバ50において位相差がで
き且つ位相変調された右回り光ビームと左回り光
ビームは、光フアイバ50の両端からそれぞれレ
ンズ46及び48を介して出力されて、ハーフミ
ラー44により合成され、更に、レンズ42を介
してシングルモード光フアイバ40の他端に結合
される。そして、そのシングルモード光フアイバ
40に結合された光ビームは、ハーフミラー36
によつてレンズ58を介して受光素子60に入射
する。
受光素子60の電気出力は、プリアンプ62を
介して、位相変調素子54のピツクアツプ電極5
4Aからの位相変調素子54の実際の振動の位相
と周波数fpを有する参照信号を受けている同期検
波器64に入力される。その同期検波器64は、
入力信号を周波数fpで同期検波して、周波数fp
成分を含む信号をローパスフイルタ70に出力
し、そのローパスフイルタ70は、周波数fpの成
分すなわち上記した式(1)のfpを含む右辺の電圧信
号を出力する。すなわち、センサコイル52にお
いて発生した位相差Δθを示す電圧信号が出力さ
れる。
温度変化により、位相変調素子54の共振周波
数が励振周波数fpからずれると、上述したよう
に、その位相変調素子54の実際の振動の振幅が
減少し、且つ、励振信号と位相差が生じる。しか
し、このように、位相変調素子54のピツクアツ
プ電極54Aから位相変調素子54の実際の振動
の位相と周波数fpを持つ信号をピツクアツプして
それを参照周波数として同期検波することによ
り、光フアイバが実際に位相変調された周波数に
対して所定の位相差δにある参照周波数で同期検
波することができる。従つて、位相変調素子54
が温度変化してその共振周波数が励振周波数fp
らずれても、その影響を防止することができる。
更に、位相変調素子54のピツクアツプ電極5
4Aからの参照周波数信号は、整流器72で整流
され、プリアンプ74で増幅されて、コンパレー
タ76の一方の入力に接続されている。このコン
パレータ70は、参照周波数信号が基準電圧より
小さいときには、位相変調素子駆動回路68によ
る駆動電圧を増大させて位相変調素子による変調
度を高めさせ、反対に、基準電圧より大きいとき
には、位相変調素子駆動回路68による駆動電圧
を減少させて位相変調素子による変調度を低下さ
せる。かくして、位相変調素子の共振周波数が励
振周波数からずれても、位相変調素子54の実際
の振動の大きさが、すなわち、変調度が一定に維
持されるように帰還制御が行われる。
以上の説明から明らかなように、上記した本発
明の実施例は、位相変調素子を構成する圧電素子
の温度変化により、圧電素子の共振周波数が励振
周波数から同調ずれを起こし、その同調ずれによ
つて実際の振幅が励振周波数と位相ずれを生じ、
また、実際の振動の振幅すなわち変調度が変化し
ても、それらを補償して、出力のスケールフアク
タの変化を防止することができる。
なお、基準電圧源78は、好ましくは、2bsin
(πnLfp/C)≒1.8となるときの式(2)′の右辺の値
に対応する電圧に設定されている。その理由は、
第1種ベツセル関数J1(x)が、xすなわち上記
した式(2)′の右辺の2bsin(πnLfp/2)が1.8のと
き、最大値となるからである。
第3図は、本発明のように圧電素子にピツクア
ツプ電極を設けそのピツクアツプ電極からの参照
周波数信号により同期検波をし且つ変調度の一定
化の帰環制御をした場合と、従来のように励振周
波数を参照周波数として同規検波をし且つ受光素
子の出力電圧に基づいて変調度の一定化の帰還制
御をした場合との出力を、位相変調素子に共振周
波数60KHzのピエゾ素子を使用して比較した結果
を示すグラフである。第3図からわかるように、
本発明の位相変調方式光フアイバジヤイロにあつ
ては、温度変化によつて共振周波数が変化して
も、その出力は、広い範囲にわたつてほとんど変
化せず、また、変化する部分も、出力の低下は緩
やかである。
また、上記した本発明による位相変調方式光フ
アイバジヤイロは、位相変調素子として温度依存
性の大きなピエゾ半導体やLiNbO3などの強誘電
体結晶を使用した圧電素子を使用した場合に効果
があるが、電源電圧の変動などにより変調度が変
動する場合にも、その変調度を一定に維持する効
果もある。
発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明による
位相変調方式光フアイバジヤイロは、位相変調素
子を構成する材料の温度特性による共振周波数の
ゆらぎに対して高い応答性をもつて対応し、実際
の振動の励振信号に対する位相ずれ及び振幅の変
化から生じる出力のスケールフアクタの変動を効
果的に防止することができる。従つて、位相変調
方式光フアイバジヤイロ固有の特徴である高いス
ケールフアクタを実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による位相変調方式光フアイ
バジヤイロの1つの実施例の構成を示すブロツク
図である。第2図a及びbは、第1図の位相変調
方式光フアイバジヤイロに使用されている位相変
調素子の1例を示す斜視図及び平面図である。第
3図は、位相変調素子の共振周波数の変動に対す
る出力の変化を示すグラフである。第4図は、位
相変調方式光フアイバジヤイロの基本構成を示す
概略図である。第5図は、圧電素子における強制
振動数比(λ=ωn/ωp)に対する振幅比(xp
xst)の関係を示すグラフである。第6図は、圧
電素子における強制振動数比(λ=ωn/ωp)に
対する位相差δの関係を示すグラフである。 〔主な参照番号〕、10……発光素子、12…
…ビームスプリツタ、14,16……結合レン
ズ、18……光フアイバ、20……センサコイ
ル、22……位相変調素子、24……光フアイバ
の位相変調部、26……受光素子、30……発光
素子、32……駆動電源、36……ハーフミラ
ー、40……シングルモード光フアイバ、50…
…光フアイバ、52……センサコイル、54……
位相変調素子、56……光フアイバの位相変調
部、60……受光素子、64……同期検波器、6
6……発振器、68……位相変調素子駆動回路、
70……ローパスフイルタ、76……コンパレー
タ、78……基準電圧源、80……円筒状圧電材
料、82……内周面電極、84……第1の外周面
電極、86……第2の外周面電極。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 センサコイルを構成する部分と位相変調素子
    が設けられた部分とを有する光フアイバと、前記
    光フアイバの両端に可干渉性光を供給する光源
    と、前記光フアイバの両端から該光フアイバを伝
    搬した光を受ける受光素子と、前記位相変調素子
    を駆動する位相変調素子駆動回路と、前記受光素
    子の出力を受けて同期検波する同期検波器とを少
    なくとも具備してなる位相変調方式光フアイバジ
    ヤイロにおいて、前記位相変調素子は、前記位相
    変調素子駆動回路から励振電圧が印加される駆動
    電極の他にピツクアツプ電極が設けられており、
    前記同期検波器は、前記位相変調素子の前記ピツ
    クアツプ電極からの信号を参照信号として前記受
    光素子からの出力を同期検波するようになされて
    おり、更に、前記位相変調素子の前記ピツクアツ
    プ電極からの信号を受けて該信号が一定レベルと
    なるように前記位相変調素子駆動回路による位相
    変調度を制御する変調度制御回路が設けられてい
    ることを特徴とする位相変調方式光フアイバジヤ
    イロ。 2 前記位相変調素子は、圧電素子であり、該圧
    電素子は、円筒状圧電材料本体と、該円筒状圧電
    材料本体の円筒内面を全周にわたつて覆う内周面
    電極と、前記円筒状圧電材料本体の円筒外面に設
    けられた第1及び第2の外周面電極とを有し、前
    記内周面電極と第1の外周面電極とが前記駆動電
    極を構成し、前記内周面電極と第2の外周面電極
    とが前記ピツクアツプ電極を構成していることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の位相変調
    方式光フアイバジヤイロ。 3 前記第1の外周面電極は、前記第2の外周面
    電極に比較して広い面積にわたつて前記円筒状圧
    電材料本体の外周面を覆つていることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項または第2項記載の位相
    変調方式光フアイバジヤイロ。 4 前記位相変調素子は、ピエゾ半導体素子また
    はLNO素子であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項から第3項までのいずれかに記載の位
    相変調方式光フアイバジヤイロ。
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