JPH0310346Y2

JPH0310346Y2 -

Info

Publication number: JPH0310346Y2
Application number: JP1982170719U
Authority: JP
Priority date: 1982-11-10
Filing date: 1982-11-10
Publication date: 1991-03-14
Also published as: JPS5973537U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、ターボチヤージヤ用軸受装置に関す
るもので、特に磁気軸受機構を採用したターボチ
ヤージヤ用軸受装置に関するものである。

従来のターボチヤージヤ用軸受装置としては、
オイルポンプより軸受部にオイルを供給して、軸
受部の焼き付きによる損傷を防止するオイル潤滑
方式が、通常採用されている。しかしながら、こ
の方式は、オイル潤滑であるので軸受損傷を防止
するためにオイルの早期交換が必要であること、
またオイルのシール構造が複雑となりコスト高及
び装置の大型化を招くこと、更にオイルのシール
性を保証するためにターボチヤージヤの搭載方向
が限定されるたと等の問題がある。また、空気軸
受の無潤滑軸受を採用する方法も提案されている
が、この方法に於いても、空気の粘性を利用した
軸受であるので、ターボチヤージヤの起動及び停
止時に軸と軸受が接触し偏摩耗が生じる恐れがあ
る。

従来の軸受機構であるオイル方式及び圧縮空気
方式の上述した問題点を解消するために、ラジア
ル軸受部に永久磁石を配設する磁気軸受機構の採
用が考えられる。即ち、この方式によるラジアル
軸受部の構成に於いては、ロータ軸のラジアル方
向の動きを規制するように、ロータ軸と該ロータ
軸に対向する軸受ハウジングの内周面に、夫々円
筒状の相反発し合うように着磁した永久磁石が配
設されている。しかしながら、この様な磁気軸受
機構に於いても、ロータの外周面と軸受ハウジン
グの内周面、つまり両永久磁石を冷却する必要が
あり、且つロータ軸のタービン側部分も車両の排
気管に接近する位置にあるので冷却する必要があ
り、この冷却効果が十分に達成されないと、軸受
部に焼き付きによる損傷が発生し軸受部の耐久性
を著しく低下させることになる。

従つて本考案の技術的課題は、磁気軸受機構に
於いて、軸受部を有効に冷却できるようにする、
ことにある。

上記技術的課題を解決するために本考案に於い
て講じた技術的手段は、軸受ハウジング内の内周
上に磁気軸受機構及びタービン側のロータ軸部の
外周を包囲するようにウオータジヤケツトを構成
し、該ウエータジヤケツトの内部にフインを形成
し、前記軸受ハウジングとタービンハウジングと
の接合部に断熱材及びインシユレータを介在させ
た、ことである。

従来のオイル潤滑方式に於いては軸受ハウジン
グにオイル供給用の通路が形成されているので、
軸受ハウジングの円周上にウオータジヤケツトを
形成することは困難であつたが、本考案に於いて
は磁気軸受機構の採用により無潤滑としたことに
より軸受部の構成が簡素化されているので、軸受
ハウジングの円周上にウオータジヤケツトを設け
ることは容易である。このウオータジヤケツト内
をウオータポンプより圧送される冷却水が循環す
ることにより、ロータ軸外面と軸受ハウジング内
面に固定される永久磁石が冷却されると共に、比
較的高熱影響を受けやすいタービン側の軸受部も
十分に冷却されることも可能となる。

また、ウオータジヤケツト内部にフインが形成
されているので、放熱面積が拡大しウオータジヤ
ケツトによる冷却効果が増大する。更に、軸受ハ
ウジングとタービンハウジングとの接合部に断熱
部材及びインシユレータを介在させてあるので、
タービン側からのガスによる高熱が断熱部材及び
インシユレータにより低減され、ウオータジヤケ
ツト内の冷却水の温度上昇を抑制することが可能
となる。

尚、軸受ハウジングと断熱部材は分割配置され
ているので、ハウジング内に断熱部材が埋設され
るものに比して、軸受ハウジングは断熱・耐蝕金
属材を用いる必要がなく加工・製作上有利とな
る。また、断熱部材及びインシユレータの配設に
より上述の如く冷却水の温度上昇を抑制すること
が出来るが、同時にこの断熱部材とインシユレー
タによつて冷却水による排気ガス通路面の過冷却
を防ぐことも出来る。その為、排気ガス通路面の
過冷却によつて生じる亜硫酸ガス等の発生を食い
止め通路の腐食を防止することが可能となる。

以下、本考案の技術的手段を具体化した一実施
例について、添付図面に基づいて説明する。

図面に示されるターボチヤージヤ１０は、エン
ジン燃焼ガスの排気通路の排気入口１１及び排気
出口１２を有するタービンハウジング１３と、エ
ンジン吸気通路の空気入口１４及び加圧空気出口
を有するコンプレツサハウジング１５と、該両ハ
ウジング１３，１５の中間に位置し、一端にター
ビンハウジング１３の排気通路に位置するタービ
ンホイール１６及び他端にコンプレツサハウジン
グ１５の吸気通路に位置するコンプレツサホイー
ル１７を支持するロータ軸１８を支承する軸受ハ
ウジング１９とを具備している。

さて、ロータ軸１８の略中央部外周面と該ロー
タ軸１８に対向する軸受ハウジング１９内周面と
に夫々円筒状永久磁石２０，２１が配設される。
該両磁石２０，２１は相反発し合うように着磁す
るものであり、この様にしてラジアル軸受部Ｒが
構成される。一方、コンプレツサ側のロータ軸部
１８ａには、円板状永久磁石２２が挿入固定さ
れ、該磁石２２の両側面に対向し且つ反発し合う
ように着磁する円板状永久磁石２３，２４が夫々
軸受ハウジング１９内に配設され、スラスト軸受
部Ｓが構成される。尚、２５は高圧空気室で、コ
ンプレツサホイール１７で圧縮された高圧空気が
供給される。

ところで、軸受ハウジング１９の内周上にはウ
オータジヤケツト２６が形成され、ウオータボン
プ（図示せず）より圧送される冷却水が、入口ポ
ート２７より流入しウオータジヤケツト２６内を
循環した後出口ポート２８より流出する。このウ
オータジヤケツト２６はラジアル軸受部Ｒ及びタ
ービン側のロータ軸部１８ｂの外周を包囲するよ
うに、軸受ハウジング１９内に形成されるもので
あり、これによりラジアル軸受部Ｒ及びロータ軸
部１８ｂが効果的に冷却され、その結果永久磁石
２０，２１とロータ軸部１８ｂの焼ち付きが防止
される。また、ウオータジヤケツト２６内部には
フイン３２が形成され、該フイン３２により放熱
面積が拡大しウオータジヤケツト２６による冷却
効果が増大する。尚、、タービンハウジング１３
が車両の排気管に接続されるので、排気管からの
高熱がタービンハウジング１３から軸受ハウジン
グ１９へ伝達されるのを防止して、軸受部への熱
的影響を阻止するために、タービンハウジング１
３と軸受ハウジング１９とを接合するフランジ間
に断熱部材２９を狭着されると同時に、軸受ハウ
ジング１９のタービン側端面１９ａとタービンハ
ウジング１３内挿入のインシユレータ３０との間
に更なる断熱部材３１を配設してある。該両断熱
部材２９，３１により、軸受部の高熱化とそれに
伴つて生じる焼き付き発生が防止される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に従つたターボチヤージヤ用軸受
装置の一実施例を示す断面図である。１０……ターボチヤージヤ、１３……タービン
ハウジング、１９……軸受ハウジング、２０，２
１……永久磁石、２６……ウオータジヤケツト、
２９，３１……断熱部材、３０……インシユレー
タ、３２……フイン、Ｒ……ラジアル軸受部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ラジアル軸受部に互いに反発し合うように着磁
した永久磁石を配設した磁気軸受機構を採用した
ターボチヤージヤに於いて、軸受ハウジング内の
円周上に、前記磁気軸受機構及びタービン側のロ
ータ軸部の外周を包囲するようにウオータジヤケ
ツトを構成し、該ウオータジヤケツトの内部にフ
インを形成し、前記軸受ハウジングとタービンハ
ウジングとの接合部に断熱部材及びインシユレー
タを介在させた、ターボチヤージヤ用軸受装置。