JP4746499B2 - 軸冷却構造を改良した常圧燃焼タービンシステム - Google Patents

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Description

本発明は、常圧燃焼で得られた常圧の高温ガスを作動ガスとして利用する常圧燃焼タービンシステムに関し、より具体的には、大気圧とタービンの負圧側との差圧を利用して、簡易な構造で回転軸および軸受などの要素を冷却する、常圧燃焼タービンシステムの冷却構造に関する。
従来のガスタービンエンジンにおいては、大気圧の空気を圧縮機で昇圧して燃焼器に導き、燃料と混合して燃焼させ、その後タービンで動力を回収するため、燃料の圧力を圧縮機出口空気圧力よりも高くする必要があり、常圧燃焼、常圧排熱利用ができないことから、ガス化燃料、固形燃料、未利用高温ガスなどを利用することが困難である。
一方近年では、常圧・高温のガスを利用できるタービン装置として、常圧燃焼で得られた常圧の高温ガスをタービンで膨張させ、負圧の状態で熱交換器等により熱を回収後、圧縮機により圧力を大気圧に戻して大気中に排気する常圧燃焼タービンが知られている。この常圧燃焼タービンシステムは、熱源として、常圧環境下で燃料を燃焼させて得た常圧高温ガス、若しくは工業炉・ボイラなどから得られた常圧高温排ガスを利用する。燃料については、通常の内燃機関では処理に手間を要する各種ガス化燃料や、直接燃料として利用することのできない固形燃料を、低コストかつ比較的簡単な設備で利用できる利点がある。また、常圧高温排ガスの廃熱利用においては、蒸気タービンなどに比べて小規模でより簡単な設備を用いて発電できる利点がある。
従来のガスタービンエンジンの回転軸の冷却構造として、回転軸を支持する転がり軸受の潤滑油を回転軸に供給するための給油口や噴射ノズルを設けて、この潤滑油により冷却することが知られている(特許文献1,2参照)。また、ブロワなどにより冷却空気を回転軸に供給して冷却する方法や、圧縮機によって圧縮された空気の一部を回転軸に供給して冷却する方法などもよく知られている。
実開平2−144625号公報 特開平9−250353号公報
しかし、前記特許文献1または2に開示された、潤滑油によって軸を冷却する構造や、冷却空気によって軸を冷却する構造では、冷却媒体である潤滑油や冷却空気を供給するためのポンプやブロワなど、外付けの補機が必要となり、装置全体が大型化・複雑化し、また製造コスト増につながる。また、圧縮空気の一部により軸を冷却する構造においては、圧縮機出口のガス温度が約200℃程度以上と高温であるため、ガスタービンエンジンの内部に200℃よりも低温に保つ必要がある発電機のような機器を組み込もうとする場合には、この内部の機器を効果的に冷却することができない。
そこで、本発明は、常圧燃焼タービンの特徴である大気圧と負圧側の差圧を利用して回転軸内に大気圧の冷却ガスを通すことにより、回転軸を冷却でき、しかも外付けの補機等を必要としない簡易な軸冷却構造を備えた常圧燃焼タービンシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の常圧燃焼タービンシステムは、中空軸と、この中空軸に連結された圧縮機およびタービンとを備える常圧燃焼タービンシステムにおいて、前記中空軸の内方空間と前記タービンの出口とを連通する連通路と、前記中空軸の周壁に形成されて冷却ガスを前記中空軸の外方から内方空間に導入する導入孔とを備えている。ここで、常圧とは、装置等の設置環境の圧力をいい、負圧とはそれよりも低い圧力をいう。
この構成の常圧燃焼タービンシステムにおいては、タービン出口は負圧であるのに対し、中空軸は常圧下に置かれる。したがって前記冷却構造において、前記連通路および中空軸の導入孔により、前記中空軸外部の雰囲気温度の冷却ガス、例えば大気が、中空軸の内方空間を通ってタービンの出口へと導かれ、その過程で中空軸が冷却される。しかも、従来のように冷却ガスを軸に供給するために新たに外付けの補機などを設ける必要がないため、常圧燃焼タービンシステム全体が大型化・複雑化することがなく、製造コストを低減することができる。
好ましくは、前記中空軸と、前記圧縮機および前記タービンとが前記中空軸、前記圧縮機および前記タービンを軸方向に貫通する連結シャフトにより連結されており、この連結シャフトと、前記タービンの貫通孔との間に前記連通路が形成されている。この構成によれば、前記タービンに新たに通路を設ける必要がなく、従来の部品の軽微な設計変更によって前記連通孔を容易に形成することができる。
好ましくは、前記中空軸の内周面に、前記内方空間に導入された冷却ガスに接触するフィンを有している。この構成によれば、前記フィンを設けたことにより中空軸の伝熱面積が増加すると共に軸内流れが乱れ、冷却効率を高めることができる。前記フィンを前記導入孔の近傍に設けた場合には、導入孔から内方空間に導入された直後の冷却ガスがフィンに接触するので、冷却効率が一層高くなる。
前記導入孔の中空軸外面への開口方向は、前記中空軸の放射方向に対して、前記中空軸の回転方向と同じ向きに傾いているのが好ましい。この構成によれば、前記導入孔の中空軸外面への開口方向が、冷却ガスの中空軸に対する相対的な流れを迎える向きとなり、冷却ガスを中空軸内に円滑に導入することができる。
好ましくは、前記常圧燃焼タービンシステムは、前記中空軸を支持するジャーナル軸受をさらに備え、前記導入孔が前記ジャーナル軸受の近傍に形成されている。この構成によれば、前記導入孔が前記ジャーナル軸受の上流側に設けられている場合には、当該導入孔から導入された冷却ガスがジャーナル軸受設置部分の軸内面を冷却することにより、また下流側に設けられている場合には、当該導入孔から導入された冷却ガスがジャーナル軸受よりタービン側の軸内面を冷却してジャーナル軸受に到達する熱量を低減することにより、前記ジャーナル軸受の過加熱を防ぐ。
前記常圧燃焼タービンシステムの内部には、発電機を組み込むことができる。すなわち、前記中空軸の前記圧縮機と前記タービンとの間の部分に設けたロータ部と、このロータ部の外周近傍に設けたステータとからなる発電機をさらに備え、前記導入孔が前記ロータ部の近傍に形成された構成とすることができる。この構成によれば、中空軸外方の冷却ガスが、ロータ部近傍の導入孔に導入される際に、ロータ部およびステータを冷却することができる。通常、タービンシステム内部に上記のような発電機を設けた場合には、タービンからの伝熱によりロータ部の永久磁石が過熱されて、永久磁石の温度がキューリー点を超えると減磁が生じるが、上記のようにロータ部を冷却することができるので減磁の発生を防止できる。また、ステータにおいては、コイルの持つ内部抵抗や発電に寄与しないコイルエンドからの発熱により、被覆材の寿命が短くなり、メンテナンスコストが増大するという課題があった。しかし上記のようにステータを冷却することができるので、絶縁物である被覆材の高温劣化に伴う寿命低下が防止される。あるいは、発電機の温度上昇を抑えることが可能となることにより、より低い絶縁種別の発電機とすることができ、発電機のコストを下げることができる。
以上のように、本発明の常圧燃焼タービンシステムによれば、常圧燃焼タービンの、軸部とタービン側との差圧を利用して大気のような冷却ガスを中空軸内に導入することにより、外付けの補機等を使用しない簡潔で低コストの構造で、効果的に中空軸を冷却することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る冷却構造を備えた常圧燃焼タービンシステムの縦断面図である。このシステムに含まれる常圧燃焼タービンエンジンAPTは、作動ガスとなる常圧・高温のガスG1を取り入れる高温ガス取入れ口11、高温ガス取入れ口11から取り入れた常圧・高温の作動ガスG1を負圧にまで膨張させるタービン2、この膨張した作動ガスG2を排出する排出ダクト12、排出ダクト12と吸引通路10を介して連通する吸引ダクト13、吸引通路10の中途に設けられた冷却器5、吸引ダクト13を介して導入した作動ガスG2を昇圧する圧縮機4、およびタービン2と圧縮機4とを連結する中空軸21等を内部に有する連結機構6を備えている。前記冷却器5は、例えば外部から導入した冷却水を冷媒とする水冷式冷却器である。タービン2、圧縮機4および連結機構6は、これらに共通の回転軸心上にあって、タービン2、圧縮機4、および中空軸21を軸方向に貫通する連結シャフト23により連結されている。
ラジアルタービン2および遠心圧縮機4は、中空の回転軸である中空軸21の両端に、タービン2のタービン翼車2aと圧縮機4のインペラ4aが背面合わせになる向きで配置されて、タービン2、圧縮機4および中空軸21の回転軸心上にあって軸心方向に貫通している連結シャフト23を介して連結されている。中空軸21は、中間ハウジングIHに固定された第1および第2のジャーナル軸受27a,27bによって径方向に支持され、また中間ハウジングIHの側壁に受けられているスラスト軸受28によって軸方向に支持されている。ジャーナル軸受27a,27bとしては、中空軸21を回転自在に径方向に支持できる軸受であればどのようなタイプのものを使用してもよいが、この実施形態では空気軸受を使用している。
タービン2は、径方向の外方が、前記排気ダクト12に連なるタービンケーシング14によって覆われ、軸方向の中央側が隔壁20により覆われている。これらタービンケーシング14および隔壁20は膨張側ハウジングEHの内方に配置されている。この膨張側ハウジングEHには、前記高温ガス取入れ口11が形成され、膨張側ハウジングEHの内方に、取り入れた常圧・高温作動ガスG1を旋回させながらタービンノズル18に導くスクロール29が装着されている。一方圧縮機4の径方向外方は、圧縮機ケーシング15によって覆われ、圧縮機4の出口通路が排出ケーシング16により形成されている。これら圧縮機ケーシング15および排出ケーシング16により、圧縮側ハウジングCHが形成されている。膨張側ハウジングEHおよび圧縮側ハウジングCHは、中間ハウジングIHの両端にボルト連結されている。
中間ハウジングIHには、冷却ガスである大気中の空気Aを中間ハウジングIHの内側の軸収納空間32に導入するための通過孔41aおよび41bがそれぞれ、タービン2寄り、および圧縮機4寄りの部分に形成されている。中空軸21の周壁には、その外方の軸収納空間32と内方空間31を連通して空気(冷却ガス)Aを内方空間31に導入するための導入孔43a,43bが、軸方向に離間して形成されている。すなわち、第1ジャーナル軸受27aのタービン2側および圧縮機4側の近傍にそれぞれ導入孔43aおよび43bが形成されている。
中空軸21とタービン2、および中空軸21と圧縮機4はそれぞれ、周方向に係合歯を並べたカービックカップリング35,36を介して連結されており、回転方向の相対位置が固定されている。連結シャフト23と圧縮機4は、圧縮機4の中心部に貫通して設けた圧入孔34に連結シャフト23を圧入することにより、互いに固定される。この連結シャフト23の基端部(図1の左端部)は中間ハウジングCHを貫通して、負荷である発電機GEに連結される。
一方、タービン2の中心部には、軸方向にタービン2を貫通する、連結シャフト23の直径よりも大径の貫通孔37が形成されており、この貫通孔37に連結シャフト23を挿通して、連結シャフト23の先端の雄ネジ部に連結ナット25をねじ込むことによって、タービン2と連結シャフト23が互いに固定され、同時に、圧縮機4、中空軸21およびタービン2の3者が結合される。こうして中空軸21、連結シャフト23および連結ナット25により、タービン2と圧縮機4を連結する連結機構6が形成されている。連結ナット25は整流カップ26により覆われている。貫通孔37の径を連結シャフト23の径よりも大としているため、連結シャフト23と貫通孔37との間に隙間44aが形成され、この隙間44aに連通する連通孔44bが、タービン翼車2aの下流端部に形成されている。これら隙間44aおよび連通孔44bが、中空軸21の内方空間31とタービン2の出口とを連通する連通路44を形成している。
前記連通孔44bは、図1のII−II線に沿った断面図である図2に示すように、タービン翼車2aのハブの下流端部に、周方向に90°間隔で4つ形成された放射状に延びる貫通孔である。なお、図2では連通孔44bの数を4とし、円周方向に均等に配置したが、連通孔44bの数および配置は、適宜変更可能である。
図1に示す中空軸21の内周面には、内方空間31に導入された空気Aに接触するフィン45が溶接により設けられている。フィン45は、溶接の代わりに、中空軸21の内径面に溝加工を施して、当該溝に嵌合により取付けてもよく、また、機械加工や押出し成形で中空軸21と一体的に設けてもよい。フィン45が設けられる軸方向位置範囲は任意であってよいが、少なくとも導入孔43a,43bの近傍に設けることが好ましく、さらには、この実施形態のように導入孔のうちで最も圧縮機4側に近い軸方向位置に設けられたもの(この実施例では導入孔43b)の近傍から、タービン2側の端面に渡る範囲に設けることがより好ましい。
導入孔43a,43bの形状は同一であり、図1のIII−III線に沿った断面図である図3に基づいて、圧縮機4寄りの導入孔43bを代表として説明する。導入孔43bは中空軸21の周方向に等間隔で8つ設けられており、各43bの中空軸21の外面への開口方向Pが、中空軸21の放射方向Qに対して回転方向Rと同じ向きに傾いている。この傾きにより、中空軸21の回転時に、空気Aを導入孔43bが内方空間31へ円滑に導入することができる。導入孔43bの入口部(外径側)は、周縁に面取りをして丸みを持たせてもよい。このように丸みを設けることにより、冷却のための空気Aの流れが円滑になる。
フィン45は、軸方向に延びる板材からなる。フィン45が設けられる円周方向位置は任意であってよいが、この実施形態では、導入孔43の内方空間31への開口に近接して、回転方向Rの後ろ側に設けられている。導入孔43とフィン45のなす角度は任意であってよいが、この実施形態のように180°より小であることが好ましい。こうすることにより、フィン45に接触する空気Aの量が増加し、より効果的に中空軸21が冷却される。
なお、この実施形態では、同一の軸方向位置にある各導入孔43a,43bの数をそれぞれ8とし、またフィン45の数も同様に8としたが、導入孔およびフィンの数は適宜変更可能であり、また両者の数が異なっていてもよい。
次に、前記構成に係る常圧燃焼タービンシステムの作用について説明する。図1において、図示しない燃焼器、または浸炭炉のような熱処理炉から排出された常圧・高温ガスG1が、高温ガス取入れ口11から、スクロール29およびタービンノズル18を通ってタービン2に送られてこのタービン2を駆動し、その発生動力により圧縮機4と発電機GEが駆動される。また、常圧・高温ガスG1は、タービン2を通過することにより負圧まで膨張し、この膨張した負圧・中温の作動ガスG2が吸引通路10を通って、吸引ダクト13から圧縮機4に送られ、ここで、常圧まで昇圧されて大気に放出される。吸引通路10の中途には、冷却器5が設けられており、圧縮機4に送られる作動ガスG2を冷却して低温化し、これによって圧縮機4での圧縮動力を低減する。
このような常圧タービンAPTの動作時において、タービン2の出口は負圧であるから、この出口に連通路44を介して連通している内方空間31も負圧になる。他方、中間ハウジングIHの軸収納空間32、つまり中空軸21の外方空間は常圧であるため、冷却ガスである軸収納空間32内の空気Aは、差圧により、導入孔43a,43bを通って中空軸21の内方空間31に導入される。導入された空気Aは、中空軸21の内周面およびこの内周面に設けられたフィン45に接触することにより、中空軸21を冷却する。特にフィン45を設けたことにより、中空軸21と空気Aの接触面積が増加し、きわめて効率的に冷却が行われる。さらには、フィン45によって空気Aの流れが乱されるので、中空軸21がより均一に冷却される。ここで、タービン2寄りの導入孔43aから内方空間31に導入された空気Aにより、高温のタービン2からの熱がジャーナル軸受27a側へ伝導されるのを抑制する。一方、圧縮機4寄りの通過孔41bから内方空間31に導入された空気Aは、タービン側に向かって流れ、ジャーナル軸受27aと接する部分の内周面を冷却する。これにより、ジャーナル軸受27aの過加熱が抑制される。
このように、本願発明の第1実施形態に係る軸冷却構造によれば、中空軸21の周壁の導入孔43a,43b、連結シャフト23とタービン2の貫通孔37との間の隙間44aおよびタービン翼車2aの連通孔44bからなる連通路44という簡単な構造によって、大気圧である中空軸21の外方と負圧であるタービン2の出口が連通され、その差圧によって空気Aが中空軸21内を流れて中空軸21が冷却される。従って外付けの補機などが不要であり、装置全体の簡略化、小型化、および低コスト化が可能となる。さらには、中空軸21の内周面にフィン45を設けたことにより、効率的に中空軸21を冷却することができる。また、中空軸21のみならず、ジャーナル軸受27aも冷却することができ、ジャーナル軸受27aの耐久性の向上により装置の保守点検等の負担も軽減される。
図4は本発明の第2実施形態に係る軸冷却構造を備えた常圧燃焼タービンシステムの主要部を示す縦断面図である。この第2実施形態に係る軸冷却構造は、前記第1実施形態と類似の構造を有するが、第1実施形態とは異なり、タービン2と圧縮機4の間、詳しくは第1ジャーナル軸受27aと第2ジャーナル軸受27bの間に発電機50を設置している。すなわち、ここでは空気軸受である第1および第2ジャーナル軸受27a,27bと、これら軸受に支持されている中空軸21の外周面の軸方向ほぼ中央部分に設けた、永久磁石を有するロータ部50aと、中間ハウジングIHの内周面に取り付けられて、ロータ部50aに径方向の隙間を介して対向するステータ50bとが、発電機50を構成している。ステータ50bとしては、この実施形態では珪素鋼板にコイルを巻きつけたものを使用している。また、この実施例で使用した永久磁石式発電機以外にも、非同期発電機や自励型同期発電機など、他のタイプの発電機を使用してもよい。中空軸21におけるロータ部50aよりもタービン2寄りには、第1ジャーナル軸受27aの両側に、導入孔43a,43bが2組ずつ形成され、さらに、第2ジャーナル軸受27bとロータ部50aとの間に導入孔43cが形成されている。
スラスト軸受28は、中空軸21に固定されたスラスト板28aの軸方向両面を第2ジャーナル軸受27bの中間ハウジングIHへの支持体27baと、中間ハウジングIHに固定した隔壁20Aとで挟んだ構造を有している。さらには、フィン45が、中空軸21の内周面の、圧縮機側端からタービン側端のほぼ全範囲に渡って設けられている。その他の構造は、第1実施形態と同様である。
この第2実施形態に係る軸冷却構造によれば、中間ハウジングIHにおけるタービン2寄りの通過孔41aを通過した空気Aは、導入孔43aを通って内方空間31に導入される。導入孔43cおよび43dに導入される空気Aは、その過程で、第1ジャーナル軸27aと隔壁20に接触してこれを冷却する。さらに、中空軸21の内方空間31に導入された後は、タービン側に向かって流れ、中空軸21における高温部分である、タービン2側の部分を冷却する。
また、中間ハウジングIHにおける圧縮機4寄りの通過孔41bを通過した空気Aの一部は、発電機50のステータ50bにおけるコイル51間の隙間を通って、導入孔43bから内方空間31に導入された後、タービン2側に向かって流れ、特に第1ジャーナル軸受27aと接する部分の内周面を冷却する。したがって、空気Aにより、中空軸21が冷却されると共に、ステータ50bおよび第1ジャーナル軸受27aの過加熱が抑制される。また、空気Aの別の一部は、ロータ部50aとステータ50bとの間の隙間を通って、導入孔43bから内方空間31に導入される。このとき、空気Aにより、ロータ部50aの表面およびステータ50bのロータ部50aに対向する面が冷却される。空気Aの他部は中空軸21の導入孔43cから内方空間31に導入されて、タービン2側に向かって流れる。導入孔43cから導入される前の空気Aにより、ロータ部50a側部と第2ジャーナル軸受27bが冷却され、内方空間31に導入された後の空気Aにより、ロータ部50aが冷却される。
このように、中空軸21の周壁の導入孔43a〜43c、および連通路44という簡易な構造によって、大気温度を利用して効果的に発電機50を冷却することができる。具体的には、ロータ部50aを冷却することにより、タービン2からの伝熱でロータ部50aの永久磁石が過熱されることによる減磁の発生を防止できる。また、ステータ50bを冷却することにより、コイルの持つ内部抵抗や発電に寄与しないコイルエンドからの発熱によって生じる、絶縁物である被覆材の高温劣化に伴う寿命低下が防止される。したがってメンテナンスのコストを抑えることができ、あるいは、発電機の温度上昇を抑えることが可能となることにより、より低い絶縁種別の発電機とすることができ、発電機のコストを下げることができる。これにより、従来のガスタービンエンジン及びその冷却構造においては困難であった発電機のタービンエンジン内への組込みが可能となり、発電機を含むタービンシステム全体の小型化が可能となる。また、スラスト軸受28に導入路49を形成したことにより、摩擦熱によるスラスト軸受28の過加熱が抑制され、スラスト軸受28の耐久性の向上により装置の保守点検等の負担が軽減される。
本発明の第1実施形態に係る軸冷却構造を備えた常圧燃焼タービンシステムの縦断面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 図1のIII−III線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態に係る軸冷却構造を備えた常圧燃焼タービンシステムの縦断面図である。
符号の説明
2 タービン
4 圧縮機
5 冷却器
6 連結機構
21 中空軸
23 連結シャフト
25 連結ナット
27a 第1ジャーナル軸受
27b 第2ジャーナル軸受
28 スラスト軸受
31 内方空間
32 軸収納空間
37 貫通孔
41a〜41c 通過孔
43a〜43c 導入孔
44 連通路
45 フィン
50 発電機
50a ロータ部
50b ステータ

Claims (7)

  1. 中空軸と、この中空軸に連結された圧縮機およびタービンとを備える常圧燃焼タービンシステムにおいて、
    前記中空軸の内方空間と前記タービンの出口とを連通する連通路と、
    前記中空軸の周壁に形成されて冷却ガスを前記中空軸の外方から内方空間に導入する導入孔とを備えたことを特徴とする、常圧燃焼タービンシステム。
  2. 請求項1において、前記中空軸と、前記圧縮機および前記タービンとが、前記中空軸、前記圧縮機および前記タービンを軸方向に貫通する連結シャフトにより連結されており、この連結シャフトと、前記タービンの貫通孔との間に前記連通路が形成されている常圧燃焼タービンシステム。
  3. 請求項1または2において、前記中空軸の内周面に、前記内方空間に導入された冷却ガスに接触するフィンを有する常圧燃焼タービンシステム。
  4. 請求項3において、前記フィンが前記導入孔の近傍に設けられている常圧燃焼タービンシステム。
  5. 請求項1から4のいずれか一項において、前記導入孔の中空軸外面への開口方向が、前記中空軸の放射方向に対して、前記中空軸の回転方向と同じ向きに傾いている常圧燃焼タービンシステム。
  6. 請求項1から5のいずれか一項において、前記中空軸を支持するジャーナル軸受をさらに備え、前記導入孔が前記ジャーナル軸受の近傍に形成されている常圧燃焼タービンシステム。
  7. 請求項1から6のいずれか一項において、前記中空軸の前記圧縮機と前記タービンとの間の部分に設けたロータ部と、このロータ部の外周近傍に設けたステータとからなる発電機をさらに備え、前記導入孔が前記ロータ部の近傍に形成されている常圧燃焼タービンシステム。
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