JP2008513658A6 - タービンステータ用の保護装置 - Google Patents

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Abstract

結合手段によって互いに拘束された一連の環状セクタ(12)を含むタイプのタービンのステータ用の保護装置(10)であり、一連のセクタ(12)の各セクタは、その対応するセクタを冷却するための少なくとも1つの空洞(14)を有しかつステータに接触するのに適した第1の表面(13)とタービンのロータに面した第2の表面(17)とを含む。タービンが作動していない休止状態の形態において、各セクタ(12)の第2の表面(17)は、タービンの回転軸線のトレースに対して偏心距離(40)を有する横断面を有し、他方、タービンがレジーム条件下で作動している作動状態の形態において、各セクタ(12)の第2の表面(17)は、タービンの回転軸線のトレースを中心とした横断面を有する。

Description

本発明は、タービンステータ用の保護装置に関する。
ガスタービンは、燃焼によるガスを使用してガスのエンタルピーを有用な仕事に変換しかつ機械的出力を回転シャフトに供給する回転熱機械である。
従って、タービンは通常、外部から取り入れた空気をその内部で加圧状態にする圧縮機又はターボ圧縮機を含む。
様々な噴射器により燃料を供給し、燃料は、空気と混合されて燃焼用空気−燃料混合気を形成する。
軸流圧縮機の下流には、いわゆるタービン又はターボエキスパンダが配置され、このタービン又はターボエキスパンダは、燃焼室内で燃焼したガスのエンタルピーを変換した機械エネルギーをユーザに供給する。
機械的エネルギーを発生するための用途では、エキスパンジョンジャンプは、その各々がタービン内で起こる2つの部分的ジャンプに細分される。燃焼室の下流にある高圧タービンは、圧縮を伴う。高圧タービンから流入するガスを受ける低圧タービンは、次にユーザに連結される。
ターボエキスパンダ、ターボ圧縮機、燃焼室(又はヒータ)、出力シャフト、調整システム及び点火システムは、ガスタービンプラントの主要部分を形成する。
ガスタービンの機能に関して言えば、流体は、一連の入口ダクトを通して圧縮機に入ることが知られている。
これらの通路内では、ガスは、低圧低温特性を有するが、圧縮機を通過するにつれて、ガスは圧縮され、その温度が上昇する。
次にガスは、燃焼(又は加熱)室に入り、そこでガスは、さらに大きく温度が上昇する。
ガスの温度上昇に必要な熱は、噴射器により加熱室内に導入されたガス燃料の燃焼によって供給される。
機械を起動させる時の燃焼のトリガは、スパークプラグによって得られる。
燃焼室の出口において、高圧かつ高温のガスは、固有のダクトを通してタービンに到達し、タービンにおいて、ガスは、圧縮機及び加熱室(燃焼器)内で蓄積したエネルギーの一部を放出し、次に排気通路によって外部に流出する。
タービンの内部には、一連のステータブレードを備えたステータがあり、ステータ内には、これもまた一連のブレード(ロータ)を備えたロータが回転可能に収納され、ロータは、ガスによって回転させられる。
「シュラウド」としても知られる保護装置は、ステータブレードのプラットフォームと共に、主要ガス流を限定する。
シュラウドの機能は、通常は低品質材料で作られており、従って耐食性が低い外側ケースを酸化及び劣化から保護することである。
シュラウドは一般的に、完全なリングで構成されるか、或いはその各々が圧縮機から流入する空気流で冷却される一連のセクタに適当に分割される。
冷却は、様々な方法で行うことができ、その方法は、本質的に燃焼温度及び得ようとする温度低下に応じて決まる。
本発明に関連する保護装置のタイプは、組み立てられてリングを形成する一連のセクタを含み、セクタの各々は、その外側表面上に配置された空洞を有する。
高い燃焼温度を有する機械の場合には、最も広く使用される冷却方法は、「衝突冷却」として知られる方法である。
この方法によると、シュラウド自体を特に空洞の底面表面上への空気の衝突によって冷却するために、圧縮機から流入した新鮮な空気がそれらを通して引き込まれる一連の貫通孔を備えたシートが、好ましくはろう付けによって各セクタの各空洞上に固定され、空洞底面に衝突した空気はその後、各セクタ内に配置した一連の出口孔(図示せず)から排出される。
これらの手段にも拘わらず、たとえ効率的な冷却を行ったとしても、シュラウドと従ってまたそのセクタの各々とは、熱勾配及びタービンの作動温度による変形を受け、その変形は、室温における変形、つまりタービンが作動していない休止状態の形態とは異なる変形状態の形態を生じる。
熱勾配の結果、シュラウドの不均一な変形が生じる。
第1の欠点は、変形によりロータブレードとシュラウドとの間に摩擦が生じる危険性の可能性があるので、構成部品の有効寿命を短縮することである。
もう1つの欠点は、間隙が増大することによって、ステータを通り抜ける空気の吸い込みが生じ、そのことが次に、タービンの効率又はいずれにしても性能の低下を引き起こすことである。
米国特許第4,784,569A号公報 欧州特許出願公開第1225305A号公報
本発明の1つの目的は、ロータとタービンステータとの間の間隙を減少させるのを可能にするタービンステータ用の保護装置を提供することである。
別の目的は、タービン自体のエネルギー発生量及び出力を増大させ、またロータブレードと保護装置自体との間の摩擦の危険性を回避したガスタービンステータ用の保護装置を提供することである。
さらに別の目的は、作動時により大きな寸法安定性を有するタービンステータ用の保護装置を提供することである。
さらに別の目的は、単純かつ経済的なタービンステータ用の保護装置を提供することである。
本発明によるこれらの目的は、請求項1に記載したガスタービンステータの保護装置を提供することによって達成される。
本発明の更なる特徴は、後続の請求項に特定している。
本発明によるガスタービンステータの保護装置の特徴及び利点は、添付した概略図面を参照しながら以下の例示的かつ非限定的な説明を読むことにより一層明らかになるであろう。
図を参照すると、これらの図は、一連のセクタ12を含むタイプのタービンのステータ用の保護装置10を示しており、セクタ12の各々は、一連のセクタ12のセクタと組み立てるための固定手段を備える。
本発明によると、各セクタ12は、環状形状のセクタを有し、かつ順々にリブ16によって分割された少なくとも1つの空洞14を有する第1の表面13と、これもまたタービン内部に配置されたロータに面する、第1の表面13とは反対側の第2の表面17とを含む。
第2の表面17は、一連のセクタ12の第2の表面17と共に内側回転表面を形成する。
各セクタ12は、タービンが作動していない休止状態の形態からタービン自体の内部に生じる熱勾配によってセクタ12が変形した作動状態の形態まで経由する。
休止状態の形態においては、各セクタ12と従ってまた保護装置10とは、好ましくは約25℃の室温であるので、変形しない。
他方、作動状態の形態においては、各セクタ12と従ってまた保護装置10とは、熱勾配によって変形する、つまり好ましくは40℃〜1100℃の温度範囲内で変形状態の形態になる。
休止状態の形態においては、各セクタ12の第2の表面17は、タービン軸線に対して偏心距離40を有する横断面を有する、つまり横断面の中心とタービン軸線との間にずれを有する。
言い換えると、各セクタ12と従ってまた保護装置の一連のセクタ12とは、非変形状態(休止状態)の形態においてはタービン軸線に対して偏心しており、また変形状態(タービンが高温度で作動している状態)の形態においてはタービン軸線と同軸である内側回転表面17を有する。
言い換えると、変形状態つまり作動状態の形態においては、タービンロータの保護装置10は、タービン自体の回転軸線に対してほぼゼロの偏心距離を有する状態で関連するロータに面する内側表面を有する。
このようにして、最小の間隙を得ること、従って保護装置10を通り抜ける空気の吸い込みによる性能低下を最小にすることが可能になる。
その結果、タービンの作動温度範囲内でタービン軸線と同軸の変形状態の形態を有する保護装置10又はシュラウドを得ることによって、タービンのより大きなエネルギー発生量及び出力が得られ、またステータ保護装置10とロータブレードとの間での起こり得る摩擦の危険性が回避される。
タービンが作動していない、つまり25℃の室温である休止状態の形態においては、保護装置10は、偏心距離40、つまりタービンの回転中心とシュラウドの横断面の中心との間のずれを有し、この偏心距離40が、タービンロータの半径に対する無次元化絶対値で0.253〜0.086の範囲にあるのが好ましい。
このロータ半径に対して無次元化した、つまりタービンロータ半径で除算した偏心距離40は、0.14〜0.20の範囲にある。
この偏心距離40は、0.17であるのが好ましい。
その理由は、タービンの作動温度範囲内で、保護装置10は、タービン自体の内部における不均一な熱勾配により、半径方向及び軸方向の両方向の変形を受けるからである。
本発明の好ましい実施形態によると、作動状態の形態において、つまりタービンの作動温度範囲内において、タービンの軸線と同軸である変形状態の形態を有しかつ好ましくは円筒状の内側回転表面17を有するタービンステータ用の保護装置を提供する。
このようにして、各セクタ12は、作動温度範囲内において、タービンの回転軸線と軸方向に整列すると共にタービン自体の軸線と同軸の第2の内側表面17を有する。
シュラウドとロータが備えたブレードとの間での起こり得る摩擦の危険性を回避するか或いはいずれにしてもそれを最小限に減少させることによって、装置自体の有効寿命の増大が得られ、その結果関連するタービンを保守するための時間及びコストも低減される利点がある。
従って、本発明によると、休止状態の形態においてタービンの回転軸線に対して偏心した内側回転表面を有する保護装置によって、タービンが機能している作動状態の形態においてタービン自体の軸線と完全に同軸でありかつその軸線を中心とした保護装置が得られ、本発明の諸目的を個別にかつ都合の良いことに同時に達成することが可能になることが明らかである。
このように着想した本発明のタービンステータ用の保護装置では、多くの改良及び変更を行うことが可能であるが、それらは全て同じ発明概念内に含まれる。
さらに、実施に際しては、使用する材料、同様に寸法及び構成要素もまた、技術的要求に従って変更することができる。
休止状態の形態における、本発明による保護装置のセクタの好ましい実施形態の立面断面図。 休止状態の形態における、図1のセクタの立面横断面図。
符号の説明
10 タービンステータの保護装置
12 セクタ
13 第1の表面
14 空洞
16 リブ
17 第2の表面
40 偏心距離

Claims (6)

  1. 結合手段によって互いに拘束された一連の環状セクタ(12)を含み、前記一連のセクタ(12)の各セクタが、その対応するセクタを冷却するための少なくとも1つの空洞(14)を有しかつステータに接触するのに適した第1の表面(13)とタービンのロータに面した第2の表面(17)とを含むタイプのタービンのステータ用の保護装置(10)であって、
    前記タービンが作動していない休止状態の形態において、各セクタ(12)の前記第2の表面(17)が、前記タービンの回転軸線のトレースに対して偏心距離(40)を有する横断面を有し、
    他方、前記タービンがレジーム条件下で作動している作動状態の形態において、各セクタ(12)の前記第2の表面(17)が、前記タービンの回転軸線のトレースを中心とした横断面を有する、
    ことを特徴とする保護装置(10)。
  2. 前記ロータの半径に対する前記無次元化偏心距離(40)が、0.253〜0.086の範囲にあることを特徴とする、請求項1記載の保護装置(10)。
  3. 前記ロータの半径によって除算した前記偏心距離(40)が、0.14〜0.20の範囲にある値を有することを特徴とする、請求項2記載の保護装置(10)。
  4. 前記ロータの半径によって除算した前記偏心距離(40)が、0.17であることを特徴とする、請求項2記載の保護装置(10)。
  5. 前記変形状態の形態における各セクタ又は前記一連のセクタ(12)の前記第2の表面(17)が、前記タービンの回転軸線と同軸の円筒状表面であることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項記載の保護装置(10)。
  6. 前記一連のセクタ(12)が、前記少なくとも1つの空洞(14)内部に配置された補強リブ(16)を含むことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項記載の保護装置(10)。
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