JPH0299Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は給茶器に於ける使用済茶葉の廃棄機構
に関するものである。

〔従来の技術およびその問題点〕

給茶器に於いては、茶こし内に残留した使用済
の茶葉を茶こしから分離して茶がらを受容器に廃
棄するための機構が必要である。従来、このよう
な機構としては、例えば支持腕を介して回転軸に
支持した茶こしをカム機構等により持ち上げた後
重力によつて自由落下させて裏返し状態に於いて
茶がら受容器の上方に設けたストツパーに衝突さ
せ、その衝撃によつて茶葉を茶こしから分離して
茶がら受容器に廃棄するものがある。しかしなが
らこの機構では、十分な衝撃を与えるためには落
下距離を長くしなければならないので、廃棄を完
全に行なおうとすると装置が大型化してしまうと
いう問題点がある。またモーターとばね等を用い
て衝撃を与える機構も考案されているが、いずれ
も十分な衝撃を与えるのが難しく、また機構の複
雑化、大型化を来すという問題点がある。

本考案は以上の問題点を解決することを目的と
するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の構成を実施例に対応する第１図〜第４
図に基づいて説明すると、本考案は、モータ等の
回転駆動源１に連なる回転駆動軸２を取り外し自
在に横方向に支持すると共に、該回転駆動軸２の
横方向に板ばね３を介して茶こし４を支持して、
該茶こし４を該回転駆動軸２により、給茶位置Ａ
から廃棄位置Ｂに回転移動させて、該廃棄位置Ｂ
に於いて裏返した状態とする構成とし、該廃棄位
置Ｂに前記茶こし４の停止手段５を構成すると共
に、該廃棄位置Ｂに至る移動経路Ｃの適所に、先
端側が前記茶こし４に当接するようにコイルばね
６を横設したものである。

〔作用〕

以上の構成に於いて、給茶位置Ａに於いて所定
回数の給茶を行なつた茶葉７を新しい茶葉と交換
する場合には、回転駆動源１により回転駆動軸２
を回転駆動して、茶こし４を給茶位置Ａから廃棄
位置Ｂ方向に回転移動する。こうして茶こし４が
移動経路Ｃの適所に構成したコイルばね６に至る
と、該茶こし４は、このコイルばね６の先端側に
当接して停止させられるが、回転駆動軸２は更に
回転し続けるので、次第に板ばね３がたわんでエ
ネルギが蓄積されていく。

しかして所定以上のエネルギが板ばね３に蓄積
されて、コイルばね６による茶こし４の停留を解
除すると、板ばね３に蓄積されていたエネルギが
一度に開放されるので、茶こし４は急速に廃棄位
置Ｂ方向に移動して停止手段５に衝突する。こう
して茶こし４内の茶葉７は、衝突により大きな衝
撃を受けるので、停止した茶こし４から分離し
て、茶がら受容器８内等に廃棄される。

本考案はこのように、板ばね３に蓄積したエネ
ルギを利用して茶葉７に与える衝撃を高めるもの
であるので、十分な衝撃を与える場合にも、従来
のように大型化、複雑化しない。

しかして、以上のように使用済の茶葉７を廃棄
した後は、回転駆動軸２を逆方向に回転駆動する
ことにより、廃棄位置Ｂから給葉位置Ａに茶こし
４を戻すことができ、こうして給茶位置Ａに於い
て適宜の機構により新しい茶葉７を供給すること
により再び給茶を行なうことができる。

茶こし４は茶渋等によつて比較的短期間のうち
に汚れるので、この洗浄のために着脱する必要が
あるが、本考案では茶こし４は板ばね３を介して
回転駆動軸２の横方向に支持した構成であり、こ
の回転駆動軸は取り外し自在に支持する構成であ
るので、この回転駆動軸２により、板ばね３を含
めて茶こし４を容易に着脱することができる。ま
た、本考案に於いては、給茶位置Ａから廃棄位置
Ｂに至る移動経路Ｃの適所に於ける、茶こし４の
一時停留手段を、横設したコイルばね６によつて
行つているので、構成が非常に簡単であるという
効果がある。

〔実施例〕

本考案の構成を実施例に基づいて更に説明す
る。まず、実施例に於いて回転駆動軸２は回転駆
動源１に直接に着脱自在に連結した構成としてい
るが、適宜の回転力伝達機構を介して接続するこ
とにより、夫々離して設置することができる。ま
た停止手段５は、第３図に示すように専用のスト
ツパー部材を廃棄位置Ｂに設けても良いし、他の
図に示すように茶がら受容器８の上縁を停止手段
として使用するようにしても良い。次に回転駆動
源１は、例えば所定以上のトルクが加わつた時に
逆転させるように構成した反転モータを使用すれ
ば廃棄位置Ｂからの復帰を自動的に行なうことが
でき、また給茶位置Ａに於ける茶こし４の停止
は、ストツパー部材９や図示していないマイクロ
スイツチ等の位置決め用手段及び制御回路等を用
いて適宜に行なうことができる。

第４図は本考案の機構を適用した給茶器の具体
的実施例を示すもので符号１０は給湯用シヤワー
ヘツド、１１は漏斗、１２は採茶口、１３は器
体、１４は前面蓋である。かかる実施例に示すよ
うに、本考案の機構は構成が簡単で、給茶器全体
を非常にコンパクト化することができ、また機構
要素を器体１３の前面側に集中配置することがで
きるので茶がら受容器８や茶こし４の設置及び取
り出しが容易である。尚、回転駆動軸２は、器体
１３への固定側と、この固定側に取り外し自在に
嵌合させた茶こし側とから構成して、前述したよ
うに適宜に取り外し自在に構成することができ
る。

〔考案の効果〕

本考案は以上の通り、茶こしを、取り外し自在
に横方向に支持した回転駆動軸の横方向に板ばね
を介して支持し、該板ばねに蓄積したエネルギを
利用して使用済茶葉に大きな衝撃を与えて裏返し
状態の茶こしから分離するようにしたので、使用
済茶葉を確実に茶こしから分離して廃棄すること
ができ、味の面や衛生面から非常に有益であり、
しかも構成が簡単であるので故障も少なく、給茶
器を非常にコンパクトに構成し得るという効果が
ある。そして、本考案では茶こしの着脱が非常に
容易であるので、茶渋等の汚れによる洗浄を必要
に応じて容易に行えるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の実施例に対応するも
ので、第１図は模式的正面図、第２図は模式的平
面図、第３図ａ，ｂ，ｃ，ｄは動作を示す模式的
正面図、第４図は本考案を適用した給茶器の全体
を示す模式的斜視図である。 符号１……回転駆動源、２……回転駆動軸、３
……板ばね、４……茶こし、５……停止手段、６
……コイルばね、７……茶葉、８……茶がら受容
器、９……ストツパー部材、１０……給湯用シヤ
ワーヘツド、１１……漏斗、１２……採茶口、１
３……器体、１４……前面蓋、Ａ……給茶位置、
Ｂ……廃棄位置、Ｃ……移動経路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モータ等の回転駆動源に連なる回転駆動軸を取
   り外し自在に横方向に支持すると共に、該回転駆
   動軸の横方向に板ばねを介して茶こしを支持し、
   該茶こしを該回転駆動軸により、給茶位置から廃
   棄位置に回転移動させて、該廃棄位置に於いて裏
   返した状態とする構成とし、該廃棄位置に前記茶
   こしの停止手段を構成すると共に、該廃棄位置に
   至る移動経路の適所に、先端側が前記茶こしに当
   接するようにコイルばねを横設したことを特徴と
   する給茶器に於ける使用済茶葉の廃棄機構。