JPH029761B2 - - Google Patents
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- JPH029761B2 JPH029761B2 JP23533185A JP23533185A JPH029761B2 JP H029761 B2 JPH029761 B2 JP H029761B2 JP 23533185 A JP23533185 A JP 23533185A JP 23533185 A JP23533185 A JP 23533185A JP H029761 B2 JPH029761 B2 JP H029761B2
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Landscapes
- Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
この発明は甜菜種子を選別し高発芽率の種子を
収得する種子の処理方法に関するものである。 (従来の技術) 甜菜種子は甜菜糖製造原料となる甜菜の種子で
あつて、その中には多胚種子と単胚種子の別があ
るが、近年では間引労力の節減や播種機の機械化
への適応性を考慮し、単胚種子が多く用いられて
いる。これらの種子の採種は甜菜が2年生植物で
ある所より第1年目では播種後栄養生長させ、根
部の肥大した甜菜を第2年目に生殖生長さすと開
花結実し、真の種子表面は外殻にシードキヤツプ
と呼ばれる殻蓋が嵌合さされて甜菜種子となるの
である。収穫後の種子は挟離物を除去するため風
選を行つたり、大小の粒径に選別する等の精選を
行ない次年度の種子として貯蔵する。このように
して得た精選種子はすべて発芽するとは限らず死
種子(発芽不能種子)と生種子(発芽可能な種
子)が混在するので、発芽率は90%程度が普通
で、貯蔵日数の増加と共に発芽率は低下するもの
である。又、近年では多くの種子をコーテングし
播種機による播種を容易にせんとする工夫もみら
れるがコーテング処理は種子に損傷を与えること
が多く、甜菜種子の場合も同様で発芽率を低下さ
せる。 (発明が解決しようとする問題点) 一般に甜菜の栽培にあつてはヘクタール当り7
万株を均等な植付様式で確保することが甜菜の収
量、品質両面より必須とされているが、その数の
種子を播種しても死種子の混在により発芽後補植
を必要とし多大の労力の浪費となる。又現在966
%と普及割合の高い移植用育苗集合鉢体を使用し
機械移植を行なう場合でも欠株防止のため人手で
選別するとか、特開昭57−152827号に記載されて
いる選別装置を必要とし、移植能率の低下や圃場
での補植作業により多大の浪費となり、かつ欠株
分の鉢が無駄になるという経済的負担増を生ずる
等の問題がある。このため確実に発芽し確実に収
量、品質の向上となる種子処理方法の出現が強く
要望されている。 (問題点を解決するための手段) この発明者は上記のような発芽しない死種子と
生種子の混在する甜菜の単胚種子より生種子のみ
選別する方法について鋭意研究を進めた結果、生
種子のシードキヤツプは給湿によつて吸水活動
し、殻内部の生種子が膨張するとき膨張圧により
外殻より外れ離脱状態となるに対し、死種子は吸
水しないか、または僅かに吸水しても膨張が起こ
らず、原種子のままでシードキヤツプが固く外殻
に嵌合された状態を保持しているので、前記離脱
状態の生種子を、振動によりシードキヤツプを外
殻から分離することにより、シードキヤツプを離
脱した生種子と、シードキヤツプの離脱できない
死種子を、真の種子の色と外殻の色の異なりによ
り容易に選別することができたものであり、更に
はこの生種子の選別に際しても、甜菜単胚種子を
好ましくは10〜20℃の温度と相対湿度が90〜100
%の雰囲気中で処理日数を日平均温度の総和であ
る積算温度で40〜60℃として種子を湿潤膨張させ
ると、幼根、幼芽の外殻外への伸長がなしに、シ
ードキヤツプは離脱可能状態を呈し、これに振動
を与えて生種子よりシードキヤツプを離脱させて
発芽種子を選別することができるものである。選
別後の発芽種子は乾燥処理して更にコーテング処
理等を行なうこともできるものである。 (作用) 一般に甜菜の種子といわれるものは図面に示す
如く種球A(seed ball)のことで、その大きさは
長径4.0〜5.0mm、厚さ2.0〜2.6mm前後であり、多
数の突起状外殻Cを有していて黄土色から黒褐色
を呈している。この種球Aの中に種皮に被われた
胚及び胚乳部を含む真の種子Bが存在し、その大
きさは長径1.5〜3.0mm、厚さ1.5mm前後で外観赤褐
色の光沢を有する。この真の種子Bは乾燥して固
くなつた子房壁C′によつて完全に包まれ、しかも
子房自体が中位子房で乾燥硬化した花床に埋まつ
ているため堅果状となつている。 今、種子を飽和水分状態とした紙または綿等
の上面に載置し適当な温度を与えてやると順次吸
水を開始する。この吸水により発芽に至るもので
あるが、その過程は吸水により含水量が急速に増
加する第1吸水過程と、含水量が緩かに増加し、
細胞分裂が始まる第2吸水過程と、含水量が再び
急速に増大し根や胚軸の伸長、子葉の拡大が行な
われる第3吸水過程に分けられる。しかし死種子
の場合は上記の過程は行なわれない。 したがつて、甜菜種子が吸水によつて真の種子
Bの膨張により外殻CよりシードキヤツプDの嵌
合が外れる時点において振動篩等の装置により振
動を与えてやるとシードキヤツプDが剥離する。
振動による処理は、前記発芽過程で発生する幼根
の種子殻外への伸長前に行なうことを要し、振動
処理後は選別するが選別は真の種子Bが赤褐色を
呈し、外殻Cの色とは異るので、容易に区別する
ことができ、肉眼選別、あるいは波長の差を利用
した色彩選別装置等により行なうことができる。
又、含水処理前の種子を染色するか脱色するなど
して真の種子Bと色差を明瞭にして選別してもよ
い。 (実施例) この発明の例を湿潤紙上に種子をおき発生す
る幼根が外殻外には伸長せずシードキヤツプを真
の種子の膨張により嵌合を外す条件および振動処
理時の幼根損傷割合について行つた実験結果を第
1表、第2表に示して説明する。
収得する種子の処理方法に関するものである。 (従来の技術) 甜菜種子は甜菜糖製造原料となる甜菜の種子で
あつて、その中には多胚種子と単胚種子の別があ
るが、近年では間引労力の節減や播種機の機械化
への適応性を考慮し、単胚種子が多く用いられて
いる。これらの種子の採種は甜菜が2年生植物で
ある所より第1年目では播種後栄養生長させ、根
部の肥大した甜菜を第2年目に生殖生長さすと開
花結実し、真の種子表面は外殻にシードキヤツプ
と呼ばれる殻蓋が嵌合さされて甜菜種子となるの
である。収穫後の種子は挟離物を除去するため風
選を行つたり、大小の粒径に選別する等の精選を
行ない次年度の種子として貯蔵する。このように
して得た精選種子はすべて発芽するとは限らず死
種子(発芽不能種子)と生種子(発芽可能な種
子)が混在するので、発芽率は90%程度が普通
で、貯蔵日数の増加と共に発芽率は低下するもの
である。又、近年では多くの種子をコーテングし
播種機による播種を容易にせんとする工夫もみら
れるがコーテング処理は種子に損傷を与えること
が多く、甜菜種子の場合も同様で発芽率を低下さ
せる。 (発明が解決しようとする問題点) 一般に甜菜の栽培にあつてはヘクタール当り7
万株を均等な植付様式で確保することが甜菜の収
量、品質両面より必須とされているが、その数の
種子を播種しても死種子の混在により発芽後補植
を必要とし多大の労力の浪費となる。又現在966
%と普及割合の高い移植用育苗集合鉢体を使用し
機械移植を行なう場合でも欠株防止のため人手で
選別するとか、特開昭57−152827号に記載されて
いる選別装置を必要とし、移植能率の低下や圃場
での補植作業により多大の浪費となり、かつ欠株
分の鉢が無駄になるという経済的負担増を生ずる
等の問題がある。このため確実に発芽し確実に収
量、品質の向上となる種子処理方法の出現が強く
要望されている。 (問題点を解決するための手段) この発明者は上記のような発芽しない死種子と
生種子の混在する甜菜の単胚種子より生種子のみ
選別する方法について鋭意研究を進めた結果、生
種子のシードキヤツプは給湿によつて吸水活動
し、殻内部の生種子が膨張するとき膨張圧により
外殻より外れ離脱状態となるに対し、死種子は吸
水しないか、または僅かに吸水しても膨張が起こ
らず、原種子のままでシードキヤツプが固く外殻
に嵌合された状態を保持しているので、前記離脱
状態の生種子を、振動によりシードキヤツプを外
殻から分離することにより、シードキヤツプを離
脱した生種子と、シードキヤツプの離脱できない
死種子を、真の種子の色と外殻の色の異なりによ
り容易に選別することができたものであり、更に
はこの生種子の選別に際しても、甜菜単胚種子を
好ましくは10〜20℃の温度と相対湿度が90〜100
%の雰囲気中で処理日数を日平均温度の総和であ
る積算温度で40〜60℃として種子を湿潤膨張させ
ると、幼根、幼芽の外殻外への伸長がなしに、シ
ードキヤツプは離脱可能状態を呈し、これに振動
を与えて生種子よりシードキヤツプを離脱させて
発芽種子を選別することができるものである。選
別後の発芽種子は乾燥処理して更にコーテング処
理等を行なうこともできるものである。 (作用) 一般に甜菜の種子といわれるものは図面に示す
如く種球A(seed ball)のことで、その大きさは
長径4.0〜5.0mm、厚さ2.0〜2.6mm前後であり、多
数の突起状外殻Cを有していて黄土色から黒褐色
を呈している。この種球Aの中に種皮に被われた
胚及び胚乳部を含む真の種子Bが存在し、その大
きさは長径1.5〜3.0mm、厚さ1.5mm前後で外観赤褐
色の光沢を有する。この真の種子Bは乾燥して固
くなつた子房壁C′によつて完全に包まれ、しかも
子房自体が中位子房で乾燥硬化した花床に埋まつ
ているため堅果状となつている。 今、種子を飽和水分状態とした紙または綿等
の上面に載置し適当な温度を与えてやると順次吸
水を開始する。この吸水により発芽に至るもので
あるが、その過程は吸水により含水量が急速に増
加する第1吸水過程と、含水量が緩かに増加し、
細胞分裂が始まる第2吸水過程と、含水量が再び
急速に増大し根や胚軸の伸長、子葉の拡大が行な
われる第3吸水過程に分けられる。しかし死種子
の場合は上記の過程は行なわれない。 したがつて、甜菜種子が吸水によつて真の種子
Bの膨張により外殻CよりシードキヤツプDの嵌
合が外れる時点において振動篩等の装置により振
動を与えてやるとシードキヤツプDが剥離する。
振動による処理は、前記発芽過程で発生する幼根
の種子殻外への伸長前に行なうことを要し、振動
処理後は選別するが選別は真の種子Bが赤褐色を
呈し、外殻Cの色とは異るので、容易に区別する
ことができ、肉眼選別、あるいは波長の差を利用
した色彩選別装置等により行なうことができる。
又、含水処理前の種子を染色するか脱色するなど
して真の種子Bと色差を明瞭にして選別してもよ
い。 (実施例) この発明の例を湿潤紙上に種子をおき発生す
る幼根が外殻外には伸長せずシードキヤツプを真
の種子の膨張により嵌合を外す条件および振動処
理時の幼根損傷割合について行つた実験結果を第
1表、第2表に示して説明する。
【表】
【表】
第1表の結果より判明するように、吸水時の温
度条件とシードキヤツプの離脱率は、重要な関係
があり、一般に吸水処理温度が高過ぎると幼根の
生育が早く、かつ不均一でシードキヤツプの嵌合
が外れると同時に外殻外に伸長する。また低温で
も処理時間が長いと外殻への幼根の伸長が始ま
り、第2表より判明するように振動処理により幼
根の損傷を来たす。従つて、吸水処理温度は10〜
20℃前後で、その処理日数は積算温度が40〜60℃
の範囲とするのが外殻外に幼根を伸長させること
なく嵌合しているシードキヤツプが外れ易いので
好ましい。又、この時の相対湿度は95〜100%で
種子含水率は約15〜30%である。 上記の振動処理はシードキヤツプを離脱さすに
充分な振動を与えればよく例えば振幅100〜300mm
で振動数30〜100回/分の振動篩を使用し30秒〜
120秒間の振動を与えてやるとよい。 この発明で選別した種子は直接播種することも
できるが乾燥貯蔵するのにも適している。これを
実験例により説明すると、飽和状態に含水した
紙を合成樹脂箱内に敷置し、その上に種子10g
(1000粒)を平均に置いて上蓋をし10℃の恒温恒
湿器中に置き催芽処理した。36時間経過後4時間
毎に種子全量を取り出し、振動篩により振動処理
を行ない、シードキヤツプの外れたものを肉眼選
別し、外れないものは再度箱内の含水紙上に戻
し催芽処理を継続し、〓後選別する作業を繰返
し、得られた生種子を乾燥に供した。この時の催
芽処理条件とシードキヤツプの離脱率の関係は第
3表に示す通りであつた。
度条件とシードキヤツプの離脱率は、重要な関係
があり、一般に吸水処理温度が高過ぎると幼根の
生育が早く、かつ不均一でシードキヤツプの嵌合
が外れると同時に外殻外に伸長する。また低温で
も処理時間が長いと外殻への幼根の伸長が始ま
り、第2表より判明するように振動処理により幼
根の損傷を来たす。従つて、吸水処理温度は10〜
20℃前後で、その処理日数は積算温度が40〜60℃
の範囲とするのが外殻外に幼根を伸長させること
なく嵌合しているシードキヤツプが外れ易いので
好ましい。又、この時の相対湿度は95〜100%で
種子含水率は約15〜30%である。 上記の振動処理はシードキヤツプを離脱さすに
充分な振動を与えればよく例えば振幅100〜300mm
で振動数30〜100回/分の振動篩を使用し30秒〜
120秒間の振動を与えてやるとよい。 この発明で選別した種子は直接播種することも
できるが乾燥貯蔵するのにも適している。これを
実験例により説明すると、飽和状態に含水した
紙を合成樹脂箱内に敷置し、その上に種子10g
(1000粒)を平均に置いて上蓋をし10℃の恒温恒
湿器中に置き催芽処理した。36時間経過後4時間
毎に種子全量を取り出し、振動篩により振動処理
を行ない、シードキヤツプの外れたものを肉眼選
別し、外れないものは再度箱内の含水紙上に戻
し催芽処理を継続し、〓後選別する作業を繰返
し、得られた生種子を乾燥に供した。この時の催
芽処理条件とシードキヤツプの離脱率の関係は第
3表に示す通りであつた。
【表】
次いで上表のシードキヤツプの離脱した種子を
各ブロツク毎に温度30℃相対湿度0〜2%風速
0.3m/secの条件下で通風乾燥機で24時間乾燥
後、再び合成樹脂箱に設けた含水紙上に載置
し、20℃で5日間静置して幼根、幼芽の伸長の有
無を検し生死の判定を行なつた。 また、更に各ブロツクの生種子(幼根、幼芽の
伸長したもの)と同処理区の種子を各50粒移植用
鉢体に播種し平均温度15℃で本葉の出る日までの
所要日数を調査した。その結果を第4表に示す。
各ブロツク毎に温度30℃相対湿度0〜2%風速
0.3m/secの条件下で通風乾燥機で24時間乾燥
後、再び合成樹脂箱に設けた含水紙上に載置
し、20℃で5日間静置して幼根、幼芽の伸長の有
無を検し生死の判定を行なつた。 また、更に各ブロツクの生種子(幼根、幼芽の
伸長したもの)と同処理区の種子を各50粒移植用
鉢体に播種し平均温度15℃で本葉の出る日までの
所要日数を調査した。その結果を第4表に示す。
【表】
第4表より判明するように、この発明による外
殻外への幼根の伸長のないシードキヤツプ離脱種
子は乾燥しても殆んど発芽可能な生種子となつて
おり、吸湿により容易に発芽するものである。 更に第4表No.2の吸水処理初期より吸水が活発
で真の種子の肥大の早いものおよびこれに近いも
のは本葉の出るまでの日数が早い傾向を示すの
で、このことよりこの発明の方法は活力ある優良
苗育成手段として有効である。また、選別段階毎
に本葉の出芽が均一であるところから育苗、栽培
等の管理作業を均等化できることを示している。 上記の選別後の種子、又はこれを乾燥した種子
は播種を容易にするためコーテイングにも良いも
ので、例えば、第4表のNo.2〜No.7の乾燥種子を
カオリン系鉱物質および合成糊料を使用してコー
テングし、土詰した育苗集合鉢体に各鉢体1粒づ
つ播種し40日間育苗して試験した結果全部一斉に
発芽し均一な生育を示す。 実施例 1 (1) 吸水処理装置としてステンレス製の600mm×
600mm×50mmの有蓋容器に東洋紙(株)製No.1
紙を敷き20℃の水85ml加え紙を飽和状態とし
た。同様なものを3ケ用意し、この中に甜菜種
子(品種、カーベメガモノ)を各5000粒宛載置
し室温10℃、相対湿度100%の雰囲気とした恒
温恒湿器にて48時間催芽処理した後各容器より
種子を取り出し振幅250mm、振動数60回/分の
振動篩にて1分間振動処理した。次いで振動処
理後の種子を三徳式米選器の2mm目篩によりシ
ードキヤツプを除去して平皿上に移し肉眼選別
により種子外殻よりシードキヤツプの離脱した
ものとしないものを選別した。シードキヤツプ
の離脱した種子は直ちに温度30℃、相対湿度0
〜2%、風速0.3m/secの通風乾燥機で乾燥処
理した。 シードキヤツプの離脱しない種子は再び催芽
処理を継続し所定時間後再振動処理に供した。
最終的に88%の生種子を得た。 一方、第一乾燥処理を経た種子を種子造粒機
(興人株式会社製)で、立枯病防除剤タチガレ
ン粉剤0.5%を含むコーテング剤にて所定量の
合成糊料を噴霧しつつ転動せしめ直径4.0〜5.0
mmの粒状物を得た。このコーテング種子を紙筒
規格1号(日本甜菜製糖株式会社製)に各鉢体
に1粒宛播種し慣行法に従つて育苗した結果を
第5表に示す。
殻外への幼根の伸長のないシードキヤツプ離脱種
子は乾燥しても殆んど発芽可能な生種子となつて
おり、吸湿により容易に発芽するものである。 更に第4表No.2の吸水処理初期より吸水が活発
で真の種子の肥大の早いものおよびこれに近いも
のは本葉の出るまでの日数が早い傾向を示すの
で、このことよりこの発明の方法は活力ある優良
苗育成手段として有効である。また、選別段階毎
に本葉の出芽が均一であるところから育苗、栽培
等の管理作業を均等化できることを示している。 上記の選別後の種子、又はこれを乾燥した種子
は播種を容易にするためコーテイングにも良いも
ので、例えば、第4表のNo.2〜No.7の乾燥種子を
カオリン系鉱物質および合成糊料を使用してコー
テングし、土詰した育苗集合鉢体に各鉢体1粒づ
つ播種し40日間育苗して試験した結果全部一斉に
発芽し均一な生育を示す。 実施例 1 (1) 吸水処理装置としてステンレス製の600mm×
600mm×50mmの有蓋容器に東洋紙(株)製No.1
紙を敷き20℃の水85ml加え紙を飽和状態とし
た。同様なものを3ケ用意し、この中に甜菜種
子(品種、カーベメガモノ)を各5000粒宛載置
し室温10℃、相対湿度100%の雰囲気とした恒
温恒湿器にて48時間催芽処理した後各容器より
種子を取り出し振幅250mm、振動数60回/分の
振動篩にて1分間振動処理した。次いで振動処
理後の種子を三徳式米選器の2mm目篩によりシ
ードキヤツプを除去して平皿上に移し肉眼選別
により種子外殻よりシードキヤツプの離脱した
ものとしないものを選別した。シードキヤツプ
の離脱した種子は直ちに温度30℃、相対湿度0
〜2%、風速0.3m/secの通風乾燥機で乾燥処
理した。 シードキヤツプの離脱しない種子は再び催芽
処理を継続し所定時間後再振動処理に供した。
最終的に88%の生種子を得た。 一方、第一乾燥処理を経た種子を種子造粒機
(興人株式会社製)で、立枯病防除剤タチガレ
ン粉剤0.5%を含むコーテング剤にて所定量の
合成糊料を噴霧しつつ転動せしめ直径4.0〜5.0
mmの粒状物を得た。このコーテング種子を紙筒
規格1号(日本甜菜製糖株式会社製)に各鉢体
に1粒宛播種し慣行法に従つて育苗した結果を
第5表に示す。
【表】
注) 得苗率とは育苗本数のうち移植可
能な苗割合をいう。
実施例 2 催芽処理装置としてフルイドドリリング社(英
国)製のエアレーシヨン式温湯型発芽機を使用
し、液温25℃、通気量2/minの条件下で甜菜
単胚種子(品種モノヒル)を48時間催芽処理を行
つた。処理後当該種子を液中から取出し脱水後、
シードキヤツプ付着の有無別に選別しシードキヤ
ツプ離脱生種子のみカオリンクレーNN(土屋カ
オリン工業製)を徐々に転動により付着せしめ、
間欠的にメチルセルロース(4000c.p.s)1%液
を噴霧し、最終的に直径4.0〜5.0mmに球形化し
た。球形化後直ちに温度35℃、相対湿度0〜2
%、風速0.5m/secの条件下で通風乾燥を8時間
行つた。そして当該種子を180日間貯蔵後、圃場
に定間隔に播種したところ欠株なく一斉に発芽し
た。 間引作業も不用で中耕その他の管理作業も容易
で効果も高かつた。 (効果) この発明は甜菜の単胚種子を催芽処理して外殻
に嵌合したシードキヤツプを振動により離脱させ
外殻と生種子との色差により、生種子を容易に選
別せしめたものであり、又この吸水処理に際して
は、幼根、幼芽が外殻外部に伸長しない程度の真
の種子の吸水肥大でシードキヤツプの離脱が充分
可能であり、このような外殻外に伸長しない状態
でのシードキヤツプの離脱は、生長を開始した幼
根、幼芽を傷つけることなく外殻よりシードキヤ
ツプを振動により離脱させ生種子の選別を可能と
しているものであり、更にこの生種子は乾燥せし
めることで容易に機械播種への適応を可能ならし
めたものである。 また、この発明の生種子はコーテング処理を容
易とし、更にコーテング時においても、幼根、幼
芽の伸長が外殻に至つていない生種子を得ること
ができることより、転動等により損傷を受けるこ
となく乾燥、コーテング処理した種子は全量発芽
可能となるものである。 更には、シードキヤツプ離脱時期毎に種子選別
を行うことにより、発芽時期を斉一化することを
可能とする効果をも有するものである。
能な苗割合をいう。
実施例 2 催芽処理装置としてフルイドドリリング社(英
国)製のエアレーシヨン式温湯型発芽機を使用
し、液温25℃、通気量2/minの条件下で甜菜
単胚種子(品種モノヒル)を48時間催芽処理を行
つた。処理後当該種子を液中から取出し脱水後、
シードキヤツプ付着の有無別に選別しシードキヤ
ツプ離脱生種子のみカオリンクレーNN(土屋カ
オリン工業製)を徐々に転動により付着せしめ、
間欠的にメチルセルロース(4000c.p.s)1%液
を噴霧し、最終的に直径4.0〜5.0mmに球形化し
た。球形化後直ちに温度35℃、相対湿度0〜2
%、風速0.5m/secの条件下で通風乾燥を8時間
行つた。そして当該種子を180日間貯蔵後、圃場
に定間隔に播種したところ欠株なく一斉に発芽し
た。 間引作業も不用で中耕その他の管理作業も容易
で効果も高かつた。 (効果) この発明は甜菜の単胚種子を催芽処理して外殻
に嵌合したシードキヤツプを振動により離脱させ
外殻と生種子との色差により、生種子を容易に選
別せしめたものであり、又この吸水処理に際して
は、幼根、幼芽が外殻外部に伸長しない程度の真
の種子の吸水肥大でシードキヤツプの離脱が充分
可能であり、このような外殻外に伸長しない状態
でのシードキヤツプの離脱は、生長を開始した幼
根、幼芽を傷つけることなく外殻よりシードキヤ
ツプを振動により離脱させ生種子の選別を可能と
しているものであり、更にこの生種子は乾燥せし
めることで容易に機械播種への適応を可能ならし
めたものである。 また、この発明の生種子はコーテング処理を容
易とし、更にコーテング時においても、幼根、幼
芽の伸長が外殻に至つていない生種子を得ること
ができることより、転動等により損傷を受けるこ
となく乾燥、コーテング処理した種子は全量発芽
可能となるものである。 更には、シードキヤツプ離脱時期毎に種子選別
を行うことにより、発芽時期を斉一化することを
可能とする効果をも有するものである。
第1図は種球の断面図
A……種球、B……真の種子、D……シードキ
ヤツプ。
ヤツプ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 甜菜単胚種子を吸水処理し、真の種子を膨張
させ、次いで振動処理を行なつて種子外殻よりシ
ードキヤツプを離脱させた後、生種子の選別を行
なうことを特徴とする種子の処理方法。 2 吸水処理が、温度10〜20℃、相対湿度90〜
100%の雰囲気中で、日平均温度の総和である積
算温度が40〜60℃の範囲で行なわれることを特徴
とする特許請求の範囲第1項記載の種子の処理方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23533185A JPS6296005A (ja) | 1985-10-23 | 1985-10-23 | 種子の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23533185A JPS6296005A (ja) | 1985-10-23 | 1985-10-23 | 種子の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6296005A JPS6296005A (ja) | 1987-05-02 |
JPH029761B2 true JPH029761B2 (ja) | 1990-03-05 |
Family
ID=16984521
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23533185A Granted JPS6296005A (ja) | 1985-10-23 | 1985-10-23 | 種子の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6296005A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2579822B2 (ja) * | 1988-10-19 | 1997-02-12 | 山陽種苗 株式会社 | 栽培用剥皮種子の製造方法 |
JP4896308B2 (ja) * | 2001-07-06 | 2012-03-14 | 積水化学工業株式会社 | 搬送コンベア装置 |
JP2019136031A (ja) * | 2018-02-05 | 2019-08-22 | 国立大学法人東京農工大学 | 種子の保存方法 |
-
1985
- 1985-10-23 JP JP23533185A patent/JPS6296005A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6296005A (ja) | 1987-05-02 |
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