JP2019136031A - 種子の保存方法 - Google Patents

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一樹 金勝
大輝 近藤
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Abstract

【課題】種子の寿命を長期化する、言い換えると、長期間の保存した後において優れた発芽率を維持する。【解決手段】植物の種子を水又は水溶液に浸漬する浸漬工程と、上記工程の後に種子を保存する保存工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、水稲などの植物の種子を安定的に保存する、種子の保存方法に関する。
種子を一定期間保存する場合には、種子の寿命を考慮する必要がある。言い換えると、種子の寿命を考慮して、期間や環境等の保存条件を決定する。
「種子の寿命」の長さは、農業では栽培体系や収量に直接影響を及ぼすため、重要な形質の1つである。例えばタマネギ(Allium cepa L.)やニンジン(Daucus carota L.)などの種子は、一般に寿命の短い短命種子とよばれ(非特許文献1)、収穫されてから販売、栽培されるまでの期間保存されると、発芽能を喪失してしまう場合がある。また、寿命の長短に拘わらず、全ての種子において、所定の期間保存されると発芽能を喪失する場合がある。このため、種子の寿命を少しでも延長させることができれば、これらの種子の品質の向上に大きく貢献でき、流通しやすくなると期待できる。
しかしながら、種子の寿命を制御する機構については不明な点が多く残されており、「低温で乾燥した状態で種子を保存する」こと以外に種子寿命を延ばす有効な方策は見つかっていない。
例えば、特許文献1には、種子を沸点100℃以上の油状物質に種子を浸漬することで、種子の発芽率及び発芽勢を長期間安定に維持する技術が開示されている。
一方、種子の発芽能を向上させる技術として「プライミング処理」が知られている。「プライミング処理」とは、水又は塩類溶液に一定期間種子を浸漬させることで、発芽過程を人工的に進めておき、通常の種子よりも早く一斉に発芽できるようにする技術である。プライミング処理によれば、悪条件下でも発芽しやすい性質を種子に付与することができる。このように「プライミング処理」は優れた技術であり、トマトやタマネギなどの作物では既に実用化されている。また、水稲では、直播栽培用のコーティングした種子の発芽能を向上させるために、プライミング処理を行うことがある。通常は25℃程度で24時間ほど水に浸漬させ、その後乾燥させるという工程でプライミング処理を行っている。なお、コムギについては、水道水に種子を14時間浸漬する処理、通気した蒸留水に種子を24時間浸漬する処理、水道水に種子を27±3℃で12時間浸漬し、その後乾燥させることを一度繰り返す処理、若しくは、CaCl2又はKClを含む水道水に種子を27±3℃で12時間浸漬し、その後乾燥させることを一度繰り返す処理でプライミング処理を行っている(非特許文献2)。
しかしながら、プライミング処理した種子は、特にその寿命が短くなることが多くの作物で示されている。すなわち、一旦、プライミング処理した種子は、保存に適しておらず、所定期間の経過後に発芽率が著しく低下するといった問題があった。
Nakamura, 1958,J. Jap. Society Horticultural Science Vol. 27, 32-44 J. Agronomy & Crop Science, 194 (2008) p. 55-60
WO2010/150845号公報
以上のように、種子の寿命を長期化する、言い換えると、長期間の保存をした後において優れた発芽率を維持する技術は知られていなかった。そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、種子の寿命を長期化する、言い換えると、長期間の保存をした後において優れた発芽率を維持する方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明者らが鋭意検討した結果、水又は水溶液に種子を所定時間浸漬処理することで種子の寿命を長期化できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明は以下を包含する。
(1)植物の種子を水又は水溶液に浸漬する浸漬工程と、上記工程の後に種子を保存する保存工程とを含む、種子の保存方法。
(2)上記浸漬工程は、1時間以上24時間未満の浸漬時間とすることを特徴とする(1)記載の種子の保存方法。
(3)上記浸漬工程は、3時間以上12時間以下の浸漬時間とすることを特徴とする(1)記載の種子の保存方法。
(4)上記浸漬工程後の種子を乾燥させる乾燥工程を更に含むことを特徴とする(1)記載の種子の保存方法。
(5)上記乾燥工程では、上記浸漬工程の後の種子の水分含量が10〜15%になるまで乾燥処理することを特徴とする(4)記載の種子の保存方法。
(6)上記植物は、単子葉植物であることを特徴とする(1)記載の種子の保存方法。
(7)上記植物は、イネ科植物であることを特徴とする(1)記載の種子の保存方法。
(8)上記植物は、イネであることを特徴とする(1)記載の種子の保存方法。
(9)上記植物は、コムギであることを特徴とする(1)記載の種子の保存方法。
(10)植物の種子を水又は水溶液に浸漬する浸漬工程と、上記工程の後に種子を直播きし冬期において種子を土壌中で維持する保存工程とを含む植物の直播栽培方法。
(11)上記浸漬工程は、1時間以上24時間未満の浸漬時間とすることを特徴とする(10)記載の植物の直播栽培方法。
(12)上記浸漬工程は、3時間以上12時間以下の浸漬時間とすることを特徴とする(10)記載の植物の直播栽培方法。
(13)上記浸漬工程後の種子を乾燥させる乾燥工程を更に含むことを特徴とする(10)記載の植物の直播栽培方法。
(14)上記乾燥工程では、上記浸漬工程の後の種子の水分含量が10〜15%になるまで乾燥処理することを特徴とする(10)記載の植物の直播栽培方法。
(15)上記植物は、イネであることを特徴とする(10)記載の植物の直播栽培方法。
本発明に係る種子の保存方法によれば、浸漬工程を経ないコントロールの種子と比較して、保存工程後の種子の発芽率を著しく向上させることができる。換言すれば、本発明に係る種子の保存方法によれば、種子の寿命を大幅に向上させることができる。このため、本発明に係る種子の保存方法を適用することによって、本来の寿命を超えてもなお種子を利用することができる。
本発明に係る植物の直播栽培方法は、浸漬工程を経ないコントロールの種子と比較して、越冬後の種子の発芽率を著しく向上させることができる。換言すれば、本発明に係る植物の直播栽培方法によれば、種子の寿命を大幅に向上させることができるため、越冬後であっても高い発芽率を維持することができる。
2014年度産の「日本晴」の種子を3〜24時間28℃で水浸漬処理し、乾燥させた時の加齢処理5週間後の発芽率を示す特性図である。 2014年度産の「日本晴」の種子を0.5〜6時間28℃で水浸漬処理した時の加齢処理5週間後の発芽率を示す特性図である。 6時間で水浸漬処理した「日本晴」の種子の加齢処理後の発芽率の変動を示す特性図である。 2016年度産の「コシヒカリ」の種子を3〜24時間28℃で水浸漬処理した時の加齢処理5週間後の発芽率を示す特性図である。 2012年度産の「ササニシキ」及び「ハバタキ」の種子を3〜24時間28℃で水浸漬処理した時の加齢処理4週間後の発芽率を示す特性図である。 「日本晴」の種子を5〜40℃の温度条件で6時間水浸漬処理した時の加齢処理4週間後の発芽率を示す特性図である。 「日本晴」の種子を蒸気でプライミングした時(vapor primed)の加齢処理4週間後の発芽率を示す特性図である。 コムギ「アヤヒカリ」の種子を所定時間で水浸漬処理したときの発芽率の推移を示す特性図である。 短時間の水浸漬処理を行った種子及びコントロールの種子について、所定期間の低温湛水処理を行った後の発芽率を示す特性図である。 短時間の水浸漬処理を行った種子及びコントロールの種子について、所定期間の低温湛水処理を行った後の発芽率の推移を示す特性図である。 短時間の水浸漬処理を行った種子(ひとめぼれ、ハバタキ及びコシヒカリ)及びコントロールの種子について、所定期間の低温湛水処理を行った後の発芽率を示す特性図である。
以下、本発明に係る種子の保存方法について詳細に説明する。
本発明に係る種子の保存方法では、先ず、水又は水溶液に植物の種子を浸漬する。ここで植物の種類としては、特に限定されず、裸子植物及び被子植物を含む種子植物であればよい。なかでも、植物としては、単子葉植物及び双子葉植物を含む被子植物とすることが好ましい。
双子葉植物や単子葉植物としては、例えばアブラナ科、イネ科、ナス科、マメ科、ヤナギ科等に属する植物(下記参照)が挙げられるが、これらの植物に限定されるものではない。
アブラナ科:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、ミヤマハタザオ(Arabidopsis lyrata)、アブラナ(Brassica rapa、Brassica napus、Brassica campestris)、キャベツ(Brassica oleracea var. capitata)、ハクサイ(Brassica rapa var. pekinensis)、チンゲンサイ(Brassica rapa var. chinensis)、カブ(Brassica rapa var. rapa)、ノザワナ(Brassica rapa var. hakabura)、ミズナ(Brassica rapa var. lanciniifolia)、コマツナ(Brassica rapa var. perviridis)、パクチョイ(Brassica rapa var. chinensis)、ダイコン(Raphanus sativus)、ワサビ(Wasabia japonica)、ルベラナズナ(Capsella rubella)など。
アカザ科:テンサイ(Beta vulgaris)
カエデ科:サトウカエデ(Acer saccharum)
トウダイグサ科:トウゴマ(Ricinus communis)
ナス科:タバコ(Nicotiana tabacum)、ナス(Solanum melongena)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、トマト(Solanum lycopersicum)、トウガラシ(Capsicum annuum)、ペチュニア(Petunia hybrida)など。
マメ科:ダイズ(Glycine max)、エンドウ(Pisum sativum)、ソラマメ(Vicia faba)、フジ(Wisteria floribunda)、ラッカセイ(Arachis hypogaea)、ミヤコグサ(Lotus japonicus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、アズキ(Vigna angularis)、アカシア(Acacia)、ウマゴヤシ(Medicago truncatula)、ヒヨコマメ(Cicer arietinum)など。
キク科:キク(Chrysanthemum morifolium)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、レタス(Lactuca sativa)など。
ヤシ科:アブラヤシ(Elaeis guineensis、Elaeis oleifera)、ココヤシ(Cocos nucifera)、ナツメヤシ(Phoenix dactylifera)、ロウヤシ(Copernicia)など。
ウルシ科:ハゼノキ(Rhus succedanea)、カシューナットノキ(Anacardium occidentale)、ウルシ(Toxicodendron vernicifluum)、マンゴー(Mangifera indica)、ピスタチオ(Pistacia vera)など。
ウリ科:カボチャ(Cucurbita maxima、Cucurbita moschata、Cucurbita pepo)、キュウリ(Cucumis sativus)、カラスウリ(Trichosanthes cucumeroides)、ヒョウタン(Lagenaria siceraria var. gourda)など。
バラ科:アーモンド(Amygdalus communis)、バラ(Rosa)、イチゴ(Fragaria vesca)、サクラ(Prunus)、リンゴ(Malus pumila var. domestica)、モモ(Prunus persica)など。
ブドウ科:ブドウ(Vitis vinifera)
ナデシコ科:カーネーション(Dianthus caryophyllus)など。
ヤナギ科:ポプラ(Populus trichocarpa、Populus nigra、Populus tremula) など。
イネ科:トウモロコシ(Zea mays)、イネ(Oryza sativa)、オオムギ(Hordeum vulgare)、コムギ(Triticum aestivum)、ウラルツコムギ(Triticum urartu)、タルホコムギ(Aegilops tauschii)、ミナトカモジグサ(Brachypodium distachyon)、タケ(Phyllostachys)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ネピアグラス(Pennisetum pupureum)、エリアンサス(Erianthus ravenae)、ススキ(Miscanthus virgatum)、ソルガム(Sorghum bicolor)スイッチグラス(Panicum)など。
ユリ科:チューリップ(Tulipa)、ユリ(Lilium)など。
なかでも、本発明に係る種子の保存方法では、イネを含むイネ科植物の種子を保存対象とすることが好ましく、特にイネの種子を保存対象とすることが好ましい。なお、イネとしてはジャポニカ米及びインディカ米の何れでも良い。また、イネについては、例えば公的機関にて保存管理されているものを制限する事無く適用することができる。また、本発明に係る種子の保存方法では、イネ科植物としてイネに限定されず、コムギの種子を保存対象とすることもできる。
更に、本発明に係る種子の保存方法は、特にタマネギ(Allium cepa L.)やニンジン(Daucus carota L.)などの短命種子を対象とすることが好ましい。
ここで、水とは、水道水、井戸水、農業用水、河川の水、海水、及びこれらを濾過した水(例えば、逆浸透膜で濾過したRO水)を挙げることができる。また、水溶液としては、無機塩の水溶液を挙げることができ、特に限定されないが、塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、塩化カルシウム水溶液、塩化マグネシウム水溶液を使用することができる。
本発明に係る種子の保存方法において、上記種子を水又は水溶液に浸漬する浸漬工程は、特に限定されないが、例えば、イネの場合、1時間以上24時間未満の浸漬時間とすることが好ましい。更に、イネの場合、当該浸漬工程は、3時間以上12時間以下の浸漬時間とすることが更に好ましい。また、コムギの場合、浸漬工程は、1時間以上12時間未満とすることが好ましく、更に、3時間以上10時間以下とすることがより好ましく、3時間以上6時間以下とすることが最も好ましい。浸漬時間をこの範囲とすることで、種子の寿命を長期化することができる。なお、種子の寿命は、発芽率に基づいて評価することができる。発芽率は、複数個の種子を播種し、発芽した種子の割合として算出することができる。
上記浸漬工程を経た種子の寿命が長期化するとは、浸漬工程を経ない種子と比較して、所定期間保存した後の発芽率が統計的に有意に向上していることを意味する。例えば、上記浸漬工程を経た種子の寿命が長期化するとは、所定の期間経過後の発芽率が浸漬工程を経ない種子の発芽率と比較して、5%以上向上すること、好ましくは10%以上向上すること、より好ましくは20%以上向上すること、更に好ましくは50%以上向上すること、最も好ましくは100%以上向上することを意味する。
或いは、上記浸漬工程を経た種子の寿命が長期化するとは、浸漬工程を経ない種子と比較して、発芽率が低下するまでの保存期間が統計的に有意に長期化することを意味する。例えば、上記浸漬工程を経た種子の寿命が長期化するとは、発芽率が50%低下するまでの期間が、浸漬工程を経ない種子と比較して、5%以上向上すること、好ましくは10%以上向上すること、より好ましくは20%以上向上すること、更に好ましくは50%以上向上すること、最も好ましくは100%以上向上することを意味する。
浸漬工程における浸漬時間が上記範囲を下回る場合、種子の寿命を長期化させる効果が得られない或いは僅かとなる虞がある。一方、浸漬工程における浸漬時間が上記範囲を上回る場合、種子の寿命を長期化させる効果が得られない或いは僅かとなる若しくは種子の寿命を低下させる虞がある。
また、上記浸漬工程においては、特に温度条件を20℃〜50℃とすることができ、特に28〜40℃とすることが好ましく、28℃〜35℃とすることがより好ましい。浸漬構成の温度条件をこの範囲とすることで、水浸漬処理による種子寿命を延ばす効果をより増強できることができる。
なお、上記浸漬工程に類似した処理としては、種子のプライミング処理が知られている。種子のプライミング処理は、イネの場合、通常、対象の種子を水又は水溶液に24時間以上浸漬させる(コムギの場合には対象の種子を水又は水溶液に12時間以上浸漬させる)ことで、種子の発芽を促進する処理である。一群の種子にプライミング処理を施すことによって、これら種子の発芽を揃える効果が得られる。例えば、水稲では、25℃程度で24時間ほど水に浸漬させ、その後乾燥させる方法でプライミングが行われている。水稲に対するプライミング処理によって、直播栽培時の苗立ちが改善されることが示されている(松嶋ら2013 https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2013_b04)。
ところが、プライミング処理には、発芽性の向上という面では優れた特徴を持つ反面、種子寿命を大きく損ねるという欠点が知られている。具体的には、トマト(Liuら1996, Seed Science Research Vol. 6, 49-55)やレタス(Tarquis & Bradford 1992, J. Experimental Botany, Vol. 43, 307-317)では、プライミングした種子の寿命が、プライミングをしなかった場合と比べて著しく短くなることが示されている。また、水稲でもプライミング処理により発芽能が速く消失することが示されているが、それを防ぐ方策としてはマイナス4℃に種子を保存することが有効とされている(Hussainら2015, Scientific Rep., DOI: 10.1038/srep08101)。
以上のように、種子を水又は水溶液に24時間以上(或いは12時間以上)浸漬させるプライミング処理においては、種子の寿命が短くなることが知られていることから、プライミング処理後、保存することなく直ちに播種される。これに対して、本発明に係る種子の保存方法は、種子を水又は水溶液へ浸漬する時間が比較的に短く、且つ、浸漬工程の後に種子を保存する点において上述したプライミング処理と異なっている。
本発明に係る種子の保存方法では、上述した浸漬工程の後、水又は水溶液から種子を引き上げ、後述する保存工程を経ることとなる。このとき、保存される種子は、水又は水溶液から引き上げられた直後から乾燥し始める。すなわち、保存される種子は、水又は水溶液から引き上げられた直後から、その水分含量が経時的に低くなっていく。特に、本発明に係る種子の保存方法では、保存する種子が、上述した浸漬工程の前の水分含量程度にまで乾燥していることが好ましい。言い換えると、本発明に係る種子の保存方法では、保存する種子の水分含量は、上述した浸漬工程の前の水分含量程度であることが好ましい。具体的には、保存対象の種子の水分含量が10〜15%であることが好ましい。より具体的に、水稲の場合、一般的には種子の水分含量が14.5%以下であるため、浸漬工程の後、水分含量が14.5%以下になるまで種子を乾燥することが好ましい。また、コムギの場合、一般的には種子の水分含量が12.5%以下であるため、浸漬工程の後、水分含量が12.5%以下になるまで種子を乾燥することが好ましい。
ここで、保存対象の種子の水分含量を上述の範囲とするには、例えば、水又は水溶液から引き上げた種子を所定の期間放置する方法、或いは、水又は水溶液から引き上げた種子に乾燥処理を施す方法が上げられる。より具体的に、種子を所定の期間放置する方法としては、当該種子を冷暗所に放置する方法や、風通しの良い場所に放置する方法が上げられる。また、種子に施す乾燥処理としては、特に限定されないが、例えば、吸湿剤の入った容器に密閉する密閉処理、送風機からの風を当てる通風処理、例えば50℃程度の温度に数時間(例えば3時間程度)曝す加熱処理等を挙げることができる。
以上のように、水又は水溶液から引き上げた種子を所定の水分含量とした後、種子を保存工程に供する。この保存工程における保存期間については、特に限定されず、数日〜数年の期間とすることができる。種子の保存条件は、特に限定されず、通常の条件を適用することができる。例えば、水稲については、温度条件として約5〜10℃とし、種子の水分含量を10〜15%にして保存することができるが、この範囲を超えてもよい。
本発明に係る種子の保存方法によれば、上記の期間において保存しても高い発芽率を維持することができる。例えば、上記保存期間であれば、上述した浸漬工程を経た種子は、同浸漬工程を経ないコントロールの種子と比較して、例えば10%、好ましくは30%、より好ましくは50%高い発芽率を示すことができる。
なお、種子を保存できる期間は、植物の種類や品種によって異なるが、水稲であれば、通常の保存条件(温度:約5〜10℃、種子の水分含量:10〜15%)で例えば3年までとすることが好ましい。この保存期間であれば、上記浸漬工程を経ないコントロールの種子と比較して有意に高い発芽率を維持することができる。
また、水稲であれば、更に長期間の保存、例えば、通常の保存条件(温度:約5〜10℃、種子の水分含量:10〜15%)で7年までとすることができる。この保存期間であれば、上記浸漬工程を経ないコントロールの種子と同等の発芽率を維持することができる。
ところで、寒冷地において水稲などの植物を直播栽培することが検討されている。その一例として、初冬に種子を直播きし、冬期において種子を土壌中に保存し、気温の上昇した春先に発芽させる栽培方法が検討されている(初冬播き直播栽培や初冬播き乾田直播栽培と呼称される)。そして、この初冬播き乾田直播栽培には、日作紀(Jpn. J. Crop. Sci., 81(1): 93-98(2012))に記載されるように、出芽率の低下要因の解明が不可欠である。本発明に係る種子の保存方法を適用することによって、上述のように、冬播き直播栽培において種子を土壌中に保存した場合であっても高い発芽率を維持することができる。
すなわち、本発明を適用した植物の直播栽培方法は、栽培対象の植物の種子を上述した浸漬工程に供し、その後、冬期において種子を土壌中に保存するものである。本発明に係る植物の直播栽培方法によれば、土壌に保存されて越冬した種子の発芽率を高く維持することができる。したがって、本発明に係る植物の直播栽培方法を適用すれば、播種量を多くすることなく、単位土地面積あたりの苗立ち数を多くすることができる。以上のように、例えば、本発明に係る植物の直播栽培方法を寒冷地における水稲栽培に適用することで、当該寒冷地における稲収穫量を大幅に増加させることができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔加齢処理〕
種子の寿命を発芽能の低下に基づいて評価することができる。しかしながら、種子の発芽能が低下するには、長期間(水稲の場合は数年)かかることがある。したがって、本実施例では、種子の寿命を評価するため、実験的に高温で多湿な条件で種子を保管する処理(加齢処理、controlled deterioration treatment)を行って発芽能をチェックした。具体的に、本実施例における加齢処理は、「36℃、相対湿度80%」の条件に種子を一定期間置くことで行った。また、発芽能は28℃で10日間吸水したときの発芽率で評価した。すべての試験は3反復で行った。
〔実施例1〕水稲品種「日本晴」の種子の寿命に対する水浸漬処理の効果
2014年に栽培し4℃で保存していた「日本晴」の種子を、28℃で3〜24時間水に浸漬して吸水させる水浸漬処理を行った。その後、種子を乾燥させた。このときの種子は、全ての処理区でほぼ100%の発芽率を示した。加齢処理として「36℃、相対湿度80%」の条件に種子を5週間置いたところ、水浸漬処理をしていない種子(コントロール)は発芽率が50%程度まで低下した(図1)。また、水浸漬処理を24時間行った処理区では、ほとんど発芽した種子は認められなかった。この「28℃で24時間、水稲種子を水に浸漬する処理」は、所謂通常のプライミング処理であり、「プライミングすると種子寿命が低下する」という過去の報告と一致する結果となった。
これに対して、図1に示したように、水浸漬処理の時間を「3〜6時間」と短くした場合、コントロールと比較して発芽率が有意に向上することが明らかになった。この結果より、通常のプライミング処理よりも短い時間で水浸漬処理を行った場合、種子の寿命が大幅に向上することが示された。なお、図1において、1%水準で発芽率に有意な差がある区を異なるアルファベットで示した(Tukey-Kramer test)。
また、本実施例では、水浸漬処理の処理時間を0.5〜6時間として同様に発芽率を測定した。その結果を図2に示した。図2より、水浸漬処理が1時間を超えると、コントロールと比較して発芽率が有意に向上することがわかる。なお、図2において、5%水準で発芽率に有意な差がある区を異なるアルファベットで示した(Tukey-Kramer test)。
また、図1及び2の結果から、水稲の場合、水浸漬処理の時間は2〜6時間以上とした場合に特に優れた発芽率を達成できることが明らかとなった。
〔実施例2〕生産年度が異なる「日本晴」種子の寿命に対する水浸漬処理の効果
種子の形質は、生産環境が異なると大きく変わることがある。そこで、本実施例では、2016年度産の「日本晴」の種子及び2014年度産の「日本晴」の種子に対して、28℃で6時間の水浸漬処理を行い、その効果を検証した。また、本実施例では、加齢処理(controlled deterioration treatment)してから3日ごとにインキュベーターより種子を取り出し、発芽率を調査した。この実験では、種子をインキュベーターから取り出すときに、短時間ではあるものの、すべての種子が一度外気と接することになる。このため、外気に触れることなく、一定期間同じ加齢処理条件下で種子を保持した場合とは、加齢のストレスのかかり方が異なっている。しかし、コントロール区と水浸漬処理区では、同じ条件で加齢処理を行っていることになるので、発芽率の比較は可能である。
本実施例の結果を図3に示した。図3においてアスタリスクは、t検定の結果、水浸漬処理をしていない種子(コントロール)と比較して5%水準で統計的に有意な差があることを示している。図3に示すように、2014年度産の場合、水浸漬処理していないコントロールの種子では加齢処理9日で発芽率が急激に低下し始め、18日目にはほとんど発芽しなくなった。これに対して、6時間の水浸漬処理を行った種子は、このような発芽率の急激な低下は見られず、33日間加齢処理を行っても80%以上の高い発芽率を維持していた。
一方、2016年度産の新しい種子の場合は、コントロールでも加齢処理24日程度では高い発芽率を維持していたが、その後発芽率が低下し、33日で70%程度となった。これに対して6時間の水浸漬処理した種子は33日の加齢処理でも90%以上の発芽率を維持していた。
以上の結果から、通常のプライミング処理よりも短い時間で水浸漬処理することによる種子寿命の改善効果は、生産年度が異なっていても有効であることが明らかになった。
〔実施例3〕多様な品種の種子の寿命に対する水浸漬処理の効果
実施例1及び2において、水稲品種「日本晴」については2〜6時間の水浸漬処理が、種子寿命の延長に効果のあることが示された。本実施例では、他の品種についても検証した。
2016年度産の「コシヒカリ」の種子を28℃で3〜24時間の水浸漬処理で吸水させ、その後乾燥させた。水浸漬処理直後の種子は、どの処理区でもほぼ100%の発芽率を示したが、6週間の加齢処理を行うと、水浸漬処理していないコントロールの処理区では発芽率が30%以下にまで低下した(図4)。これに対して3〜12時間の水浸漬処理した種子は、コントロールと比較して明らかに高い発芽率を示した。なお、「コシヒカリ」の場合は、24時間の水浸漬処理でも、コントロールとほぼ同じ発芽率を維持していた。なお、図4において、1%水準で発芽率に有意な差がある区を異なるアルファベットで示した(Tukey-Kramer test)。
次に、「ササニシキ」についての水浸漬処理の効果も検証した。また、これまで試験を行った品種は全て日本型品種であったが、インド型品種の「ハバタキ」の種子の試験も行った。両品種とも2012年度産のものを用いた。加齢処理は4週間とし、いずれの種子も水浸漬処理直後の発芽率がほぼ100%であることを確認した。
「ササニシキ」も「ハバタキ」も、通常のプライミング処理である24時間の水浸漬処理では、発芽率がコントロールと比べて著しく低下していた(図5)。これに対して、3〜6時間の水浸漬処理を行うと、コントロールと比較して著しく高い発芽能を維持していることが明らかとなった。なお、図5において、「ササニシキ」と「ハバタキ」それぞれにおいて、1%水準で発芽率に有意な差がある区を異なるアルファベットで示した(Tukey-Kramer test)。
また、本実施例では、農業生物資源ジーンバンクより多数の水稲種子及び陸稲種子を入手し、水浸漬処理の効果を検証した。これら水稲種子及び陸稲種子に対しては、水浸漬処理を6時間行った。加齢処理については、加齢処理なし、2週間又は4週間とした。加齢処理後、28℃での吸水10日目の発芽率(%)を測定した結果を表1にまとめた。
Figure 2019136031
なお表1において、無処理に比べて6時間吸水の水浸漬処理によって5%水準で有意に発芽率が改善された区にアスタリスクを付した(student t-test)。
以上、図5及び表1に示した結果より、通常のプライミング処理よりも短い時間で水浸漬処理することによる種子寿命の改善効果は、「日本晴」だけではなく複数のイネ品種(水稲及び陸稲(試験番号50のKhau Tan Chiem))の種子に対して有効であることが明らかになった。
〔実施例4〕水浸漬処理を行う温度条件の検討
実施例1〜3では、水浸漬処理を行う温度条件を、発芽試験で吸水させる温度と同一の28℃とした。しかし、生産現場で行うことができる温度条件は、かなり低温の4℃から、30℃以上となる場合がある。そこで、本実施例では、5℃から40℃の範囲で6時間の水浸漬処理を行い、種子寿命の延長効果を検証した。種子は2014年度産の「日本晴」とし、加齢処理は4週間行った。
その結果を図6に示した。図6において、1%水準で発芽率に有意な差がある区を異なるアルファベットで示した(Tukey-Kramer test)。図6に示すように、5℃と10℃の処理区では、コントロールと比較して統計的に有意な差とは言えないものの、発芽率が向上する傾向はみられた。一方、28℃以上の処理区では、コントロールと比較して統計的に有意に、発芽率が高くなっていた。この結果より、水浸漬処理の温度条件を28〜40℃とすることで、水浸漬処理による種子寿命を延ばす効果をより増強できることが示された。
〔実施例5〕短時間の水浸漬処理による発芽速度向上効果の確認
通常のプライミング処理は、28℃で24時間、水稲種子を水に浸漬することで、発芽速度等の発芽性を向上させるものである。一方、実施例1〜3に示したように、通常のプライミング処理よりも短時間で水浸漬処理した場合、種子の寿命が大幅に向上することが明らかとなった。
そこで、本実施例では、短時間(例えば6時間)の水浸漬処理でも、通常のプライミング処理と同様に発芽速度を向上させる効果があるかどうかを確認した。発芽速度は、古い種子で低下する傾向があるので、本実施例では2012年度産の「ハバタキ」を用いた。この種子は、プライミング処理を行わなくても最終的にはほぼ100%の発芽率を示す。
本実施例の結果、水浸漬処理をしていない種子の吸水後2日目の発芽率が82.6%であったのに対して、6時間の水浸漬処理をした場合には92.0%となり、発芽速度の向上がみられた。なお、詳細なデータは示さないが、「ハバタキ」以外の9品種でも発芽速度の向上効果が認められた。以上の結果から、短時間(例えば6時間)の水浸漬処理は、通常のプライミング処理と同様な発芽性向上の効果と、種子寿命の延長効果とを同時に達成できる技術であることが言える。
〔比較例〕
水稲では、プライミング処理方法として種子を水の浸漬するのではなく、蒸気で処理する方法が知られている(特表2017-506079)。そこで、蒸気によるプライミング処理について、実施例1〜3に示したな種子寿命延長効果があるか検討した。本比較例では種子として「日本晴」を用いた。
その結果を図7に示した。図7において、1%水準で発芽率に有意な差がある区を異なるアルファベットで示した(Tukey-Kramer test)。図7に示すように、28℃で6時間の水浸漬処理を行った種子では寿命の明確な延長効果があったが、蒸気によるプライミング(vapor priming)処理ではこれらの効果が認められなかった。
〔実施例6〕コムギ品種「アヤヒカリ」の種子の寿命に対する水浸漬処理の効果
2016年に栽培し4℃で保存していた「アヤヒカリ」の種子を、20℃で1〜18時間水に浸漬して吸水させる水浸漬処理を行った。その後、種子を乾燥させた。そして、加齢処理として「36℃,相対湿度80%」の条件に種子を10日間置いた。
その後、発芽試験として、20℃で吸水させたときの発芽率を算出した(1日目から8日目まで)。発芽試験の結果として吸水日数と発芽率との関係を図8に示した。図8から判るように、水浸漬処理をしていない種子(コントロール)は8日目の発芽率が80%程度であった。また、水浸漬処理を12時間行った処理区では、8日目の発芽率が80%に達しなかった。この「20℃で12時間、コムギ種子を水に浸漬する処理」は、所謂通常のプライミング処理であり、「プライミングすると種子寿命が低下する」という過去の報告と一致する結果となった。
これに対して、図8に示したように、水浸漬処理の時間を「3〜6時間」と短くした場合、コントロールと比較して発芽率が大幅に向上することが明らかになった。この結果より、通常のプライミング処理よりも短い時間で水浸漬処理を行った場合、コムギ種子の寿命が大幅に向上することが示された。
〔実施例7〕初冬播き直播栽培への適用
上述した実施例1及び2では、通常のプライミング処理よりも短い時間で水浸漬処理を行うことで「日本晴」種子の寿命を改善できることが示された。本実施例では、この技術を利用して、寒冷地における水稲の初冬播き直播栽培における発芽率が向上するか検討した。
本実施例では、まず、4℃に保存していた平成28年度産「日本晴」、平成29年度産「日本晴」の種子を、28℃で6時間水に浸漬して吸水させる水浸漬処理を行った。その後、種子を乾燥させた。また、本実施例では、水浸漬処理を行わない種子をコントロールとした。その後、寒冷地における冬期の保存環境として、種子を水にさらした状態で4℃で静置する低温湛水処理を行った。なお、低温湛水処理は、2週間、4週間及び8週間とした。
その後、28℃で10日間の発芽試験を行った。その結果を図9に示した。図9に示すように、平成28年度産「日本晴」及び平成29年度産「日本晴」のいずれの種子についても、水浸漬処理を行うことで、8週間の低温湛水処理の後における発芽率がコントロールと比較して有意に向上することが明らかとなった。また、8週間の低温湛水処理を行った種子と、コントロールの種子について、播種後の経過日数と発芽率との関係を図10に示した。図10に示すように、播種後2日において8週間の低温湛水処理を行った種子はコントロールと比較して発芽率が有意に向上しており、播種後7日目において8週間の低温湛水処理を行った種子は極めて優れた発芽率を達成していることが明らかとなった。
これらの結果より、通常のプライミング処理よりも短い時間で水浸漬処理を行うことで種子寿命が大幅に向上することから、当該処理を適用して寒冷地における水稲の初冬播き直播栽培における発芽率を向上できることが示された。
次に、本実施例では、4℃に保存していた平成28年度産「ひとめぼれ」、平成27年度産「ハバタキ」及び平成28年度産「コシヒカリ」について、28℃で6時間水に浸漬する水浸漬処理を行った。その後、種子を乾燥させた。また、本実施例では、水浸漬処理を行わない同種子をコントロールとした。その後、寒冷地における冬期の保存環境として、種子を水にさらした状態で4℃で静置する低温湛水処理を行った。なお、低温湛水処理は、6週間とした。
その後、28℃で10日間の発芽試験を行った。その結果を図11に示した。図11に示すように、平成28年度産「ひとめぼれ」の種子についても、水浸漬処理を行うことで、6週間の低温湛水処理の後における発芽率がコントロールと比較して有意に向上することが明らかとなった。また、平成27年度産「ハバタキ」及び平成28年度産「コシヒカリ」の種子についても、水浸漬処理を行うことで、6週間の低温湛水処理の後における発芽率がコントロールと比較して向上する傾向があることが明らかとなった。

Claims (15)

  1. 植物の種子を水又は水溶液に浸漬する浸漬工程と、上記工程の後に種子を保存する保存工程とを含む、種子の保存方法。
  2. 上記浸漬工程は、1時間以上24時間未満の浸漬時間とすることを特徴とする請求項1記載の種子の保存方法。
  3. 上記浸漬工程は、3時間以上12時間以下の浸漬時間とすることを特徴とする請求項1記載の種子の保存方法。
  4. 上記浸漬工程後の種子を乾燥させる乾燥工程を更に含むことを特徴とする請求項1記載の種子の保存方法。
  5. 上記乾燥工程では、上記浸漬工程の後の種子の水分含量が10〜15%になるまで乾燥処理することを特徴とする請求項4記載の種子の保存方法。
  6. 上記植物は、単子葉植物であることを特徴とする請求項1記載の種子の保存方法。
  7. 上記植物は、イネ科植物であることを特徴とする請求項1記載の種子の保存方法。
  8. 上記植物は、イネであることを特徴とする請求項1記載の種子の保存方法。
  9. 上記植物は、コムギであることを特徴とする請求項1記載の種子の保存方法。
  10. 植物の種子を水又は水溶液に浸漬する浸漬工程と、上記工程の後に種子を直播きし冬期において種子を土壌中で維持する保存工程とを含む植物の直播栽培方法。
  11. 上記浸漬工程は、1時間以上24時間未満の浸漬時間とすることを特徴とする請求項10記載の植物の直播栽培方法。
  12. 上記浸漬工程は、3時間以上12時間以下の浸漬時間とすることを特徴とする請求項10記載の植物の直播栽培方法。
  13. 上記浸漬工程後の種子を乾燥させる乾燥工程を更に含むことを特徴とする請求項10記載の植物の直播栽培方法。
  14. 上記乾燥工程では、上記浸漬工程の後の種子の水分含量が10〜15%になるまで乾燥処理することを特徴とする請求項10記載の植物の直播栽培方法。
  15. 上記植物は、イネであることを特徴とする請求項10記載の植物の直播栽培方法。
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