JPH0293058A - 溶射用複合ワイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、ロール等の肉盛溶射用の粉体入り溶射用複合
ワイヤ、特に均一な溶射皮膜が得られるような溶射用複
合ワイヤに関するものである。

〈従来の技術〉 溶射用線材は主としてソリッドワイヤであるが、一部フ
ープ（金属帯）で金属粉・炭化物・酸化物等の粉体をつ
つみ込んだ複合ワイヤが使用されている。これらのワイ
ヤは、第５図に示すように単純な円形断面であり中心部
に得ようとする皮膜成分に応じた粉体を包み込んだもの
である。これらのワイヤを溶射（例えばガス溶射）する
と外殻を構成しているフープの熔融飛散速度と内包され
ている粉体の溶融飛散速度とが異なり、両者の飛散のタ
イミングが一敗せず溶射フレームの不均一性が生じ、結
果として飛ｎ！粒子が不均一となる。従ってフープ材と
粉体粒子とが均一に混合せず、溶射によって生成する溶
射皮膜の成分が著しく不均一となり、溶射皮膜の硬度や
耐食性のばらつきが大きくなる。

〈発明が解決しようとする課題〉 本発明は、前述のような従来技術の問題に鑑み、溶射時
のワイヤの熔融状態を安定化し、均一な成分の溶射皮膜
が得られるような溶射用複合ワイヤを従供するためにな
されたものである。

く課題を解決するための手段〉 本発明は、フープで製造される断面が円形のむ）体入り
の溶射用複合ワイヤにおいて、ワイヤ断面の中心から半
径の６０％以内の範囲内に、フープ全断面１ｎの２０％
以上が存在する溶射用複合ワイヤである。

〈発明をなすに至った経過及び作用〉 従来の溶射用複合ワイヤによる溶射皮膜の不均一は、ワ
イヤ先端でフープの溶融とわ〕体の熔融とが一敗しない
ために生じたものであることが、発明者の研究の結果判
明したので、本発明ではフープと粉体とがワイヤ中で入
り混ざった形状にし溶射皮膜の均一化を図ることができ
た。

わ）体内にフープをどの程度混入させるべきかを明らか
にするために、ワイヤ断面の中心から半径の６０％、７
０％、８０％以内の範囲にフープ全断面積の２０％が存
在し、それぞれ第１図（ａ）、　（ｂ）、　（Ｃ）＋７
）ような断面形状で、Ｆｅ　：　７０重猾％（以下％と
略ず）。

Ｎｉ：３０％となるようにわ）体を内包した軟鋼フープ
のワイヤを試作しガス溶射を行った。マクロアナライザ
ーを用いて溶射皮膜のｌｃｊを１世野とし、ｌＯ視野観
察しＮｉが１５％以下の場所の面１ｎ率を求めた結果を
第２図に示した。これから半径６０％以下では、Ｎｉが
１５％以下の面積率がＯであり均一で良好な溶射皮膜が
得られている。

さらに、第４図に示すような種々な断面形状をもつ複合
ワイヤを試作し、これを用いてガス溶射を行い、フレー
ム状態と形成された皮膜の形状を観察した。このとき複
合ワイヤの断面形状を示す特性としてワイヤの断面にお
いてフープ全断面積とワイヤ中心から半径の６０％以内
の範囲に存在するフープ断面積の比βを用いた。

β＝（ワイヤ中心から半径６０％以内に存在するフープ
断面積／ワイヤ断面でのフープ全断面積）　ｘ　１００
　（％） 試験結果を第１表に示した。これによるとβが０．１０
％、１５％、１７％ではフレームの幅がランダムに変化
し、マクロアナライザーで観察したところ溶射皮膜の成
分も層状になり不均一であった。

一方、βが２０％以上では上記の欠点が解消し良好な溶
射皮膜が得られた。このようなことがらβの値として少
なくとも２０％以上が必要であると考えられる。

さらに、同様な複合ワイヤをアーク溶射にも適用して溶
射皮膜を検討した。このときいずれの複と粉体が従来に
比べて均一に混合しているので、溶射フレームがより安
定化され、溶射によって生成する皮１９の成分がより均
一化される。

〈実施例〉 以下に、第２表に示す本発明に係る複合ワイヤＸ、従来
品である複合ワイヤＹを用いた溶射結果を説明する。

合ワイヤでもフレーム幅に関しては大きな差はみられな
かったが、皮膜成分の不均一性に関してはガス溶射と全
く同様の現象が観察された。

なお、ワイヤの半径６０％以内に占めるフープの増加方
法は、粉体を含み込む前のフープ幅を種々変化させ、フ
ープの折込み長さを変えることにより任意に調整出来る
。

以上から明らかなようにワイヤ断面の中心から半径の６
０％以内の範囲内に、フープ全断面積の２０％以上が存
在する溶射用複合ワイヤでは、フープ（備考）　溶射：
ガス熔斗ｌ、ガス：０□、　Ｃ２１１゜第２表から明ら
かなように複合ワイヤのフープは軟鋼材とし、内包する
粉末としてはクロームカーバイドを用い、ワイヤ径は３
．２１１！ｌφで０！・Ｃ２１１□ガスによるガス溶射
を行った。

複合ワイヤＸのフレームの状態は複合ワイヤＹに比べ極
めて良好であり、また第３図に示した熔射披膜の面分析
の写真でＣｒの分散状態をみると、複合ワイヤＸの場合
は第３図（ａｌに示すように均一に分散している。一方
、複合ワイヤＹの場合は、第３図（ｂ）に示ずようにＣ
ｒ濃度の高い所と低い所が層状になっていることが観察
され不均一性が大きいことがあきらかである。

以上の実施例から本発明に係る複合ワイヤを用いて溶射
することにより良好な皮膜を得られることが明らかであ
る。

〈発明の効果〉 本発明に係る溶射用複合ワイヤを用いると、均一な成分
の溶射皮膜が得られ、皮膜硬度のばらつきや耐食性のば
らつきを減少することができた。

従って溶射皮膜の信頼性が著しく向上した。

【図面の簡単な説明】

第１図は、複合ワイ′１・の断面図、第２図は、フープ
全断面の２０％が存在する半径と、旧が１５％以下の場
所の面積率との関係を示す特性図、第３図は、母材に複
合ワイヤでガス溶射した溶射被膜の面分析の写真、第４
図は、各種複合ワイヤの断面図、第５図は、従来の溶射
用複合ワイヤの断面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　フープで製造される断面が円形の粉体入りの溶射用複
   合ワイヤにおいて、ワイヤ断面の中心から半径の６０％
   以内の範囲内に、フープ全断面積の２０％以上が存在す
   る溶射用複合ワイヤ。