JPH029009Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はスポーツ教室（エアロビツクス教室）
の室の片隅に設置する小型の流水プールに関する
ものである。

〈従来の技術〉 一般に、水泳は全身運動であり、健康上好適で
あることは広く知られているところである。しか
し、従来、知られている水泳のためのプール施設
としては、例えば25ｍ等の所定の長さを持つ水槽
を備えるもので、場所的制限と設備費の嵩むこと
に難点を有し、何処でも簡単に設置することは出
来ない。ここにおいて、近時は流水プール（プー
ルの水を一方向に流す）の開発に伴い、泳者を所
定箇所にとどめておき、フオーム矯正、泳法指導
を可能とした小型タイプも出現するに至つてい
る。但し、今までのこの種のプールは、流水を、
水槽からこの下方に設備した送流プロペラをもつ
送水機関部を経て成す垂直循環型回流とするた
め、装置が大型化し、専用施設への設置しか出来
なかつた。勿論、これとても、単に上方が開放の
水槽構造のため、水の飛散等もあつて、特別の室
へ設置せねばならない。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案は上記実情に鑑み、室の片隅等へセツト
し得るコンパクトな搬入型プールとし、且つプー
ル周囲に湿気をよばない流水プールを提供するこ
とを目的としたものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、少なくとも定位置において泳者が一
人泳げる幅と長さを有する小型水槽を形成し、該
水槽の水面近傍となる前後端に噴射ノズルと取水
口を対向配設し一方向流水路とすると共に、該水
槽の側壁に透明覗窓を設け、全体としてプール本
体とし、このプール本体の上部に、一端に開口と
なる入口を配すドーム状の透明フード体を全域に
亘り覆い形成し、且つ該フード体の他端内に吸引
排気口を取付け、大気の流れを室側よりフード体
内への一方向とし、更に、プール本体の下部に前
記取水口と噴射ノズルにつながる水循環装置を組
込んでなる。

〈作用〉 上記のような構成のため、先ずポンプを備えて
なる水循環装置に基端を接続した噴射ノズルより
噴出するジエツト水流により水面に一定方向の流
水を生じ、該流水に逆らつて泳ぐことにより実質
的に一箇所にとどまつて泳ぎ得る。このため、各
種水泳指導が簡単となる。また、このプール本体
の上部には水滴，湿気が外部へ漏れないフード体
を備えてなるため、室の片隅等の据付けに適し、
特にこのことは、近時盛んとなつたエアロビツク
ス教室、ボデービル教室等に配し、鍛えた筋肉の
ほぐしに利用すれば最適である。

〈実施例〉 以下、本考案を実施例の図面に基づいて詳述す
れば、次の通りである。

１は泳者一人が定位置にて泳げる幅と長さ及び
所定の深さをもつた小型水槽（例えば、幅1.7ｍ、
長さ４ｍ、深さ0.9ｍ）で、該水槽１は一端に登
りスロープ２を設けたユニツト台枠３の中央に配
し、且つ該水槽１の一端の水面ａの近傍位置に複
数個のジエツト水流用噴射ノズル４を並列に取付
け、該噴射ノズル４の対向面となる他端にスリツ
ト状取水口５を設け、且つ該水槽１の少なくとも
片側の側壁１ａに透明覗窓６を形成してプール本
体７となる。この場合、噴射ノズル４及び取水口
５に接続のパイプ管の循環水溶８の中途に配すポ
ンプ９、フイルター１０等を備えた水循環装置１
１部は、ユニツト台枠３の登りスロープ２の下面
に形成された空間部３ａに組込んでなる。１２は
プール本体７の主要部上面全域を覆うドーム状を
呈す透明フード体で、該フード体１２は登りスロ
ープ２側を開放の開口１３としてなり、奥端壁部
１２ａには吸引排気口１４を設け、フード体１２
内の空気を奥端の一方向に流れる如くし、全体と
して搬入型の流水プール１５としたものである。

いまこの流水プール１５の使用に際し、例えば
スポーツ教室の運動の一環として使用する場合、
室の片隅等に設置する。勿論、この流水プール１
５はフイルター１０等を備えた水循環装置１１部
を組込んだユニツト構成のため、送水、排水等の
配管工事等は簡略し得る。

ここにおいて、水槽１の一端の噴射ノズル４よ
り水を噴出せしめ（冬期等にあつては温水）、水
槽１の水に一定方向の流水を形成する。このた
め、この流水に逆らつて泳げば、泳者Ａは実質的
に一定箇所にとどまつた状態で泳いで居られる。
勿論、このことは泳者の泳ぐ速さと噴射ノズル４
による流水の速さが一致した場合であり、この流
速調整（噴射速度）はユニツト台枠３の表面に設
けた操作盤部１６にて行なう。

このように、泳者Ａが一定箇所に居れば、指導
者は水槽１サイド又は透明覗窓６より眺め、フオ
ーム矯正、泳法指導等を行ない得る。またエアロ
ビツクス運動等の後で疲れた筋肉をほぐすために
泳いでもよい。この場合、噴射ノズル４のジエツ
ト噴流には多少気泡が生じ、この気泡の破裂によ
る音波効果にてより一層疲れを取る作用をもつも
のである。

また、この流水プール１５の特長であるフード
体１２部は、この奥端壁部１２ａに吸引排気口１
４を有し、該吸引排気口１４に連設のダクト部１
９に設けたフアン１７の駆動に伴う吸引作用で、
該フード体１２内の大気は吸引排気口１４へ向く
一方向流れを呈し、このため出入口となる開口１
３より設置の室側に、水滴，湿気等が流出しない
ものとなる。このことは、特にプールの水を温室
使用となる冬期にあつて最適である（室内に湯気
の充満をみない）。

更に、この場合透明フード体１２の開口１３
（入口）に気密用扉を取付け（図示せず）、該フー
ド体内を一種の気密室構成とし、且つダクト部１
９のフアン（又はブロワー）１７を正，逆回転さ
せ、フード体内（プール内）を加圧状態又は減圧
状態とすることも自在である。この種の気圧調整
下で水泳の練習をすれば、内面的なパワーアツプ
が図られる（加圧状態では、体内においての酸素
の受渡しが効率よく行なえ、減圧状態にあつては
赤血球の増加により酸素を大きく取入れる）。

尚、図中１８は登りスロープ２（又は必要にあ
つて階段を配す）の側部に設けた手摺部である。

〈考案の効果〉 上述のように本考案の流水プールは、水槽を一
人泳ぎとする小型水槽とするとともに、流水を噴
射ノズルとこれに対向の取水口構成とし、且つプ
ール本体上部を一方向に大気の流れをもたせたフ
ード体を覆うユニツト構造としたことにより、運
動教室等の室の片隅への設置が容易である。ま
た、この流水は噴射ノズルの噴流調整にて行なう
ため、泳者の速さに応じた流水速度を得やすい。
勿論、所定位置にとどまつて泳ぎ得るため（流水
に抗して泳ぐ）、水泳の指導等も簡単となる。更
に、本考案で良い点は、プール本体を一方向に気
流の流れをもつフード体で覆う構成のため、湯気
等の湿気が据付けの室内にただよう虞もなく、鍛
練具の一つとして備えられる。従つて、エアロビ
ツクス教室、ボデービル教室等の運動教室の片隅
におけば、運動にて疲れた筋肉をほぐすに当つ
て、単に泳ぐだけで簡単にほぐし得る等の実用的
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
斜面図、第２図は要部縦断側面図、第３図はプー
ル本体の要部縦断正面図、第４図は水槽部の説明
図である。 １…水槽、３…ユニツト台枠、４…噴射ノズ
ル、５…取水口、６…透明覗窓、７…プール本
体、１２…透明フード体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくとも泳者が一人泳げる幅を有する小型水
   槽を形成し、該水槽の前後端に噴射ノズルと取水
   口を配し一方向流水路とすると共に、該水槽の側
   壁に透明覗窓を設けてプール本体とし、このプー
   ル本体の上部に、一端に入口を配す透明フード体
   を覆い、該フード体の他端内に吸引排気口を取付
   けてなる流水プール。