JPH0288760A - 耐衝撃性に優れた鋼部材およびその製造法 - Google Patents

耐衝撃性に優れた鋼部材およびその製造法

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JPH0288760A
JPH0288760A JP24165788A JP24165788A JPH0288760A JP H0288760 A JPH0288760 A JP H0288760A JP 24165788 A JP24165788 A JP 24165788A JP 24165788 A JP24165788 A JP 24165788A JP H0288760 A JPH0288760 A JP H0288760A
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JP
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treatment
steel
steel material
hardened layer
bainite
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JP24165788A
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Yukio Arimi
幸夫 有見
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Mazda Motor Corp
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Mazda Motor Corp
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は耐衝撃性に優れた鋼部材およびその製造法に関
する。
(従来の技術) 自動車における駆動系歯車、特にリバース系およびデフ
ァレンシャル系の歯車は高負荷を受けるので優れた強度
特性が要求される。このような強度特性を備えた鋼部材
の製造法としては、鋼材料にオーステンパー処理を施し
てベイナイトと残留オーステナイトとの混在組織を得る
方法や、特開昭60−218422号公報に示されるよ
うに、鋼材料を浸炭焼入れ後に焼もどし処理を施してマ
ルテンサイトと残留オーステナイトとの混在組織を得る
方法等が知られている。
しかるに、リバース系及びデファレンシャル系の歯車は
ショックトルクを受けるため高い衝撃強度も要求される
ので、近時、衝撃強度を向上させる鋼部材の製造法とし
て、機械構造用炭素鋼又は合金鋼等の材料を使用し、こ
の材料を焼入れ後焼もどし処理をする方法や、衝撃強度
を向上させる合金元素であるニッケル等を添加した合金
鋼を使用し、この合金鋼を浸炭焼入れする方法等が提案
されている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、前者の方法により得られる鋼部材は、浸炭焼
入れした鋼部材と比べると衝撃強度は高いが駆動系歯車
に要求される程度の高い衝撃強度は有していないし、耐
摩耗性についても十分でない。
一方、後者の方法により得られる鋼部材は、衝撃強度を
はじめとする駆動系歯車に要求される強度特性を有して
いるが、材料のコストが高くつき、また、合金元素添加
に伴う被削性の悪化により生産性が低下するという新た
な問題が生じるので、やはり駆動系歯車には使用できな
い。
上記に鑑みて本発明は合金鋼のような特殊な鋼材料を使
用しないでも、つまりコスト高や被削性の悪化を招くこ
となく、靭性に優れ、これにより高い耐衝撃性を有する
鋼部材を提供することを目的とする。また、このような
鋼部材を簡易に製造する方法を提供することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するため請求項(1)の発明は、鋼部
材の表面部にベイナイトと残留オーステナイトとの混在
組織からなる硬化層を形成すると共に、この硬化層中の
オーステナイトを所定以上の微細な結晶粒により構成す
るものである。
具体的に請求項(1)の発明の講じた解決手段は、耐摩
耗性に優れた鋼部材を、その表面部に、ベイナイトと残
留オ、−ステナイトとの混在組織からなり、結晶粒度番
号9以上の平均粒度からなるオーステナイト結晶粒を有
する硬化層が形成されている構成としたものである。
また、請求項(2)の発明は、上記の請求項(1)の発
明の鋼部材を得るにあたって、浸炭処理もしくは浸炭窒
化処理後の鋼材料にベイナイト化処理を施すと共に、ベ
イナイト化処理中に鋼材料の表面部に再加熱処理を施す
ものである。
具体的に請求項(2)の発明の講じた解決手段は、耐衝
撃性に優れた鋼部材の製造法を、鋼材料を浸炭処理もし
くは浸炭窒化処理した後、恒温変態処理浴に浸漬してベ
イナイト化処理を施すと共に、ベイナイト化処理中に前
記鋼材料の表面部に再加熱処理を施して、該表面部に、
ベイナイトと残留オーステナイトの混在組織からなり、
結晶粒度番号9以上の平均粒度からなるオーステナイト
結晶粒を有する硬化層を形成する構成としたものである
(作用) 請求項(1)の発明の構成により、鋼部材の表面部に靭
性の高いベイナイトが混在していると共に、表面部のオ
ーステナイトか結晶粒度番号9以上の微細な結晶粒によ
り構成されているので、鋼部材の表面部は靭性が高い。
また、請求項(2)の発明の構成により、浸炭処理もし
くは浸炭窒化処理後の鋼材料がベイナイト化処理を施さ
れるため、その表面部に靭性の高いベイナイトが混在し
ており、また、ベイナイト化処理中に鋼材料の表面部が
再加熱処理を施されるため、表面部のオーステナイトは
結晶粒度番号9以上の微細な結晶粒となるので、表面部
の靭性が高い鋼部材が得られる。
(実施例) 以下、本発明の実施例について説明する。
本発明に係る耐衝撃性に優れた鋼部材は、表面部に、ベ
イナイトと残留オーステナイトとの混在組織からなり、
結晶粒度番号9以上の平均粒度からなるオーステナイト
結晶粒を有する硬化層が形成されたものであって、この
鋼部オAは以下のようにして製造する。
まず、肌焼鋼である鋼材料を浸炭処理もしくは浸炭窒化
処理して表面部に浸炭層を形成する。この浸炭処理もし
くは浸炭窒化処理の方法及び条件については一般的なも
のでよいが、浸炭層の深さについては、次工程のベイナ
イト化処理後の硬化層において、表面から硬さHV55
0の個所までの距離が0. 2〜1.3mmの範囲にな
るようにすることか好ましい。
次に、浸炭処理もしくは浸炭窒化処理を施した鋼材料を
ソルト浴や鉛浴等の恒温変態処理浴に浸漬してベイナイ
ト化処理を行い、表面部に靭性の高いベイナイトと残留
オーステナイトとの混在組織からなる硬化層を形成する
このベイナイト化処理の処理温度については300〜4
00°Cが好ましく、保持時間については10〜60分
間が好ましい。その理由は次のとおりである。すなわち
、処理温度が300℃未満では硬化層中のマルテンサイ
ト組織が多くなって靭性が低下するし、逆に、処理温度
が400℃超では表面硬さが低下すると共に硬化層の深
さが0゜2mm以下になるため、耐摩耗性が低下してし
まう。
また、保持時間が10分未満ではベイナイトの生成量が
少ないため靭性が低下し、逆に、保持時間が60分を超
えても、ベイナイトへの変態がそれほど進まないので、
60分超の保持時間はコスト的に不利である。
ベイナイト化処理中、つまり恒温変態処理浴に浸漬中の
鋼材料の表面部に再加熱処理を施して、硬化層中の残留
オーステナイトを再結晶化させる。
このようにベイナイト化処理中に残留オーステナイトを
再結晶させると、浸炭処理もしくは浸炭窒化処理等のオ
ーステナイト化処理によって生成されたオーステナイト
結晶粒は、ベイナイト化処理によって冷却された後、再
加熱されることにより、微細化され、微細なオーステナ
イト結晶粒になるので、得られる鋼部材の靭性が向上す
る。
再加熱処理を行う処理層の深さについては、表面から0
. 1mmないし硬化層の深さである0、2〜1.3m
mの範囲が好ましい。その理由は、処理層の深さが0.
 1mm未満では微細な結晶粒による靭性向上の効果が
十分でなく、逆に、処理層の深さが硬化層の深さ(0,
2〜1. 3mm)を超えても、微細な結晶粒による靭
性向上効果が飽和するためである。
この再加熱処理は高周波誘導電流により行うのが便利で
あるが、この場合には、ソルト浴等の浸食を防止するた
めに高周波誘導コイルにはセラミックをコーティングす
るとよい。
以下、本発明に係る耐衝撃性に優れた鋼部材およびその
製造法の具体例について説明する。
鋼材料としてはSCM420Hの肌焼鋼を準備した。
具体例: 第1図(イ)の熱処理パターン図に示すように、鋼材料
を930℃の温度下で3時間保持した後、降温して84
0℃の温度下で30分間保持して浸炭処理を行った。次
に、ソルト温度350 ’Cのソルト浴に20分間浸漬
してベイナイト化処理を施すと同時に、高周波誘導電流
により表面から0゜25mmの深さの範囲に再加熱処理
を施し、さらに、第1図(ロ)に示すように、170℃
の温度下で2時間保持後空冷して焼もどし処理を行った
このようにして得た鋼部材においては、硬化層の組織は
40%が結晶粒度番号9〜9.5のオーステナイト結晶
粒で、残りがベイナイトであって、内部組織はすべてベ
イナイトであった。
比較例1: 鋼材料を第2図(イ)に示すように具体例と同条件で浸
炭処理を行った後、ソルト温度230°Cのソルト浴に
5分間浸漬し、その後第2図(ロ)に示すように具体例
と同条件で焼もどし処理を行った。
このようにして得た鋼部材においては、硬化層の組織は
20%が結晶粒度番号7のオーステナイト結晶粒で、残
りがマルテンサイトであって、内部組織はすべて低炭素
のマルテンサイトであった。
この場合において、硬化層の組織がマルテンサイトであ
る理由は、ソルト温度が低いのでベイナイト化できなか
ったためであり、オーステナイト結晶粒が粗い理由は、
ベイナイト化処理中に再加熱処理をしなかったためであ
る。
比較例2: 鋼材料を第2図(イ)に示すように具体例と同条件で浸
炭処理を行った後、ソルト温度250℃のソルト浴に1
5分間浸漬してベイナイト化処理を施すと同時に、高周
波誘導電流により表面に0゜3mmの深さの範囲に再加
熱処理を施し、さらに第2図(ロ)に示すように具体例
と同条件で焼もどし処理を行った。
このようにして得た鋼部材においては、硬化層の組織は
25%が結晶粒度番号9のオーステナイト結晶粒で、残
りかマルテンサイトであって、内部組縁はすべて低炭素
のマルテンサイトであった。
この場合に硬化層の組織がマルテンサイトである理由は
、比較例1と同様にソルト温度が低いのでベイナイト化
できなかったためである。
比較例3: 鋼材料を第2図(イ)に示すように具体例と同条件で浸
炭処理を行った後、ソルト温度350℃のソルト浴に5
分間浸漬してベイナイト化処理を施すと同時に、高周波
誘導電流により表面から0゜3mmの深さの範囲に再加
熱処理を施し、さらに第2図(ロ)に示すように具体例
と同条件で焼もどし処理を行った。
このようにして得た鋼材料においては、硬化層の組織は
20%が結晶粒度番号9のオーステナイト結晶粒で、2
0%がベイナイト、残りがマルテンサイトであって、内
部はベイナイトと低炭素のマルテンサイトとの混在組織
であった。この場合に硬化層の組織にマルテンサイトが
混在した理由は、ソルト浴への浸漬時間か短いので十分
にベイナイト化できなかったためである。
以下、本発明に係る耐衝撃性に優れた鋼部材およびその
製造法を評価するために、具体例と比較例の鋼部材の靭
性評価試験について説明する。
まず、第3図(イ)及び(ロ)に示すような、幅10±
0 、021lits高さ10±0 、05 mms長
さ55±0.01mmの直方体の上面における長さ方向
の中央に、半径2±0.02mmの半円状断面の切欠を
設置すた試験片1を製作する。
次に第4図に示すように、試験片1を上下逆にして長さ
方向の2点を支持し、切欠部の裏側をロードセル2によ
り荷重を加えて、切欠底歪速度:ε=0.016/秒、
試験温度:室温の条件下で3点曲げ試験を行った。
この試験結果は第5図に示すとおりであって、具体例の
ものは比較例1〜3のものに比べて大巾に衝撃強度が向
上していることが分る。この場合において、比較例1〜
3のものは硬化層の組織にマルテンサイトが混在し、さ
らに比較例1のものはマルテンサイト結晶粒が粗いため
にそれぞれ破断強度が劣るものと考えられる。
(発明の効果) 以上説明したように、請求項(1)に係る鋼部材は、そ
の表面部に靭性の高いベイナイトが混在していると共に
、表面部のオーステナイトが結晶粒度番号9以上の微細
な結晶粒により構成されているため、表面部の靭性が向
上し、これによって高い耐衝撃性を有している。また、
合金鋼等の特殊な鋼材料を用いないので、コスト高や被
削性の悪化を招くことはない。
また、請求項(2)に係る鋼部材の製造法によると、鋼
材料がベイナイト化処理を施されるためにその表面部に
靭性の高いベイナイトが混在していると共に、鋼材料の
表面部がベイナイト化処理中に再加熱処理を施されるた
めに表面部のオーステナイトは微細な結晶粒となるので
、表面部の靭性が向上し、これによって高い耐衝撃性を
有する鋼部材を簡易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の具体例の熱処理パターン図、第2図は
比較例の熱処理パターン図、第3図(イ)及び(ロ)は
3点曲げ試験片の寸法及び形状を示す図、第4図は3点
曲げ試験方法の説明図、第5図は具体例及び比較例の靭
性評価試験の結果を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)表面部に、ベイナイトと残留オーステナイトとの
    混在組織からなり、結晶粒度番号9以上の平均粒度から
    なるオーステナイト結晶粒を有する硬化層が形成されて
    いることを特徴とする耐衝撃性に優れた鋼部材。
  2. (2)鋼材料を浸炭処理もしくは浸炭窒化処理した後、
    恒温変態処理浴に浸漬してベイナイト化処理を施すと共
    に、ベイナイト化処理中に前記鋼材料の表面部に再加熱
    処理を施して、該表面部に、ベイナイトとよりなり、結
    晶粒度番号9以上の平均粒度からなるオーステナイト結
    晶粒を有する残留オーステナイトとの混在組織からなる
    硬化層を形成することを特徴とする耐衝撃性に優れた鋼
    部材の製造法。
JP24165788A 1988-09-27 1988-09-27 耐衝撃性に優れた鋼部材およびその製造法 Pending JPH0288760A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999027148A1 (en) * 1997-11-25 1999-06-03 Caterpillar Inc. Steel article having high hardness and improved toughness and process for forming the article
JP2016045106A (ja) * 2014-08-25 2016-04-04 三菱日立パワーシステムズ株式会社 部材の使用温度の推定方法および部材の使用温度の推定装置

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WO1999027148A1 (en) * 1997-11-25 1999-06-03 Caterpillar Inc. Steel article having high hardness and improved toughness and process for forming the article
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