JPH028392Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転機械からの電気信号を取り出すた
めのスリツプリングの構造に関する。

従来のスリツプリングを第１図を参照して説明
する。

図中１は回転体の回転軸であり、この回転軸１
の軸端にはスリツプリング回転軸２が連結されて
いる。このスリツプリング回転軸２の外周にはス
リツプリング静止ケース３が配設されており、そ
の内周に設けられた軸受４，４によりスリツプリ
ング回転軸２を軸支している。また、スリツプリ
ング回転軸２の外周には複数、例えば２個のリン
グ５，５が装着されており、これらリング５，５
はそれぞれリード線６，６を介して回転体の回転
軸１側に接続されている。更に、スリツプリング
静止ケース３にはリング５，５と接触するように
ブラシ７，７が取付けられており、これらブラシ
７，７にはそれぞれリード線８，８が接続されて
いる。

上述したスリツプリングにおいて、例えば図示
しない回転体に装着された歪ゲージ等の出力信号
を計測する場合、回転体側と静止側との信号伝達
は、リード線６，６、リング５，５、ブラシ７，
７及びリード線８，８を用いて行なわれる。

しかし、上述した従来のスリツプリングでは回
転軸１の回転が高速になるとブラシ８，８が摩擦
のため発熱し冷却装置を設けなければ高速回転に
耐えられないという欠点がある。

本考案は上記欠点を解消するためになされたも
のであり、高速回転する回転体にも適用できるス
リツプリングを提供しようとするものである。

すなわち、本考案のスリツプリングは、スリツ
プリング回転軸とスリツプリング静止ケースとの
間に回転自在とした円筒形の中間回転筒を設け、
回転体の回転数を段階的に低減させて外部に信号
を取出し高速回転する回転体にも適用できるよう
にしたものである。

以下、本考案の実施例を第２図を参照して説明
する。

図中１１は回転体の回転軸であり、この回転軸
１１の軸端にはスリツプリング回転軸１２が連結
されている。このスリツプリング回転軸１２の最
外周にはスリツプリング静止ケース１３が配設さ
れている。前記スリツプリング回転軸１２とスリ
ツプリング静止ケース１３との間には回転自在と
した中間回転筒１４が配設されており、この中間
回転筒１４はスリツプリング静止ケース１３の内
周に設けられた軸受１５，１５によつて軸支され
るとともに、この中間回転筒１４の内周に設けら
れた軸受１６，１６によつてスリツプリング回転
軸１２を軸支している。また、この中間回転筒１
４の所定位置の内周面及び外周面には複数対、例
えば２対の内周リング１７，１７及び外周リング
１８，１８が取付けられており、対をなす内周リ
ング１７と外周リング１８とはリード線１９によ
つて互いに接続されている。また、スリツプリン
グ回転軸１２の所定位置には内周リング１７，１
７と接触するようにブラシ２０，２０が取付けら
れており、これらブラシ２０，２０はそれぞれリ
ード線２１，２１を介して回転体の回転軸１１側
に接続されている。更に、スリツプリング静止ケ
ース１３の所定位置には外周リング１８，１８と
接触するようにブラシ２２，２２が取付けられて
おり、これらブラシ２２，２２にはそれぞれリー
ド線２３，２３が接続されている。

上述したスリツプリングにおいて例えば図示し
ない回転体に装着された歪ゲージ等の出力信号を
計測する場合、回転体側と静止側との信号伝達は
リード線２１，２１、ブラシ２０，２０、内周リ
ング１７，１７、リード線１９，１９、外周リン
グ１８，１８、ブラシ２２，２２及びリード線２
３，２３の経路を経て行なわれる。

しかして、本考案のスリツプリングによれば、
回転自在とした中間回転筒１４を設けたことによ
り、回転体の回転力はスリツプリング回転軸１２
と中間回転筒１４間の接触部分である軸受１６、
ブラシ２０の摩擦力Ａにより一旦中間回転筒１４
に伝達されて中間回転筒１４を回転させることに
なる。この中間回転筒１４の回転数は中間回転筒
１４とスリツプリング静止ケース１３との接触部
分、すなわち軸受１５、ブラシ２２の摩擦力Ｂが
あるため、前記摩擦力Ａとの平衡により回転軸１
１の回転数の約1/2程度となることが予想され、
少なくとも回転軸１１の回転数よりも低い回転数
となることは明らかである。

したがつて、スリツプリング回転軸１２と中間
回転筒１４間の相対的な回転数、また中間回転筒
１４とスリツプリング静止ケース１３間の相対的
な回転数は、それぞれスリツプリング回転軸１２
とスリツプリング静止ケース１３間の相対的な回
転数よりも低い回転数となるため、回転軸１１が
かなりの高速回転を行なつても確実に電気信号を
取出すことができる。また、従来のスリツプリン
グによつても計測することができ通常の回転数に
おいては、ブラシ２０，２０，２２，２２の発熱
量を抑えることができるので、安定した信号を得
ることができるうえに冷却装置を省略することが
できる。

なお、上記スリツプリングにおいて、スリツプ
リング１２に取付けられたブラシ２０，２０は遠
心力で自動的に内周リング１７，１７に接触する
が、バネを設けることにより内周リング１７，１
７方向への押付力を与えてもよい。

また、上記実施例では中間回転筒１４を１段だ
け設けたが、複数段設ければさらに超高速回転す
る回転体に対しても同様に適用できる。

更に、電気信号を取り出すためのチヤンネルは
内周リング１７、…や外周リング１８、…等を軸
方向に多数設けることにより増やすことができ
る。

以上説明した如く本考案によれば、高速回転す
る回転体に対して用いた場合でも確実に電気信号
を取り出すことができるスリツプリングを提供で
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスリツプリングの断面図、第２
図は本考案の実施例におけるスリツプリングの断
面図である。 １１……回転軸、１２……スリツプリング回転
軸、１３……スリツプリング静止ケース、１４…
…中間回転筒、１５，１６……軸受、１７……内
周リング、１８……外周リング、１９，２１，２
３……リード線、２０，２２……ブラシ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転軸の軸端に連結されたスリツプリング回転
   軸と、該スリツプリング回転軸の外周に配設され
   たスリツプリング静止ケースと、これらスリツプ
   リング回転軸とスリツプリング静止ケースとの間
   に軸受を介して回転自在に配設された中間回転筒
   と、該中間回転筒に取付けられ、互いに電気的に
   接続された複数対の内周リング及び外周リング
   と、前記スリツプリング回転軸に前記内周リング
   と接触するように取付けられ、前記回転軸側に接
   続されたブラシと、前記スリツプリング静止ケー
   スに前記外周リングと接触するように取付けられ
   たブラシとを具備したことを特徴とするスリツプ
   リング。