JPH0283229A - 円弧面状無機質化粧板の成形方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は円弧面状無機質化粧板の成形方法に関するもの
である。

〔従来技術の問題点〕

本件出願人は先に、ガラスカレット、酸化アルミニウム
、ベントナイト、着色剤（金属酸化物）、バインダーと
水とからなる混合物を成形材料とし、これを板状に加圧
成形し、この板状に成形したものをさらに約８５０℃前
後の温度にて焼成し、そして焼成後に表面を研摩仕上げ
した無機質化粧板なるものを提案した。

この無機質化粧板は主に建築物の内外装用の壁材や床材
等に利用されるもので、当然円柱状の柱等の化粧用とし
ても使用される。

ところで、上記の柱において使用される円弧面状の化粧
板は従来においては次の様にして作られていた。

まず、上記の成形材料をプレス成形機の金型に投入し、
加圧成形して円弧面状の加圧成形板を作る。　この加圧
成形板を次に焼成炉にて焼成し、そして焼成後化粧面と
なる側の表面を研摩仕上げして化粧板を作っている。

しかしながら、上記従来の製造方法においては焼成時に
軟化や収縮が起こると、加圧成形時の寸法（形状）が維
持できず大きく変形する問題がある他、焼成後の研摩仕
上げする工程が円弧面のため非常にやりにくく作業性が
悪いという問題があった。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記の問題を解決するためのもので、焼成後に
表面となる側を研摩仕上げしたガラスカレットを主成分
とする平板状の無機質化粧板を、凹状の円弧面部を備え
た成形用の下型に載置してセットし、かかる状態で熱処
理炉にて加熱し、その無機質化粧板を軟化させてその自
重により上記凹状の円弧面部に沿って曲げた後、さらに
上記無機質化粧板を加熱継続しながら上記凹状の下型に
おける円弧面部に対応する凸状の円弧面部を備えた成形
用の上型により上記化粧板を上方から加圧して所定の円
弧面に形成するようにしたことを特徴とする円弧面状無
機質化粧板の成形方法を提案するものである。

〔実施例］ 以下、本発明の実施例について説明する。

本発明により成形される無機質化粧板は、次のような成
形材料よりなっている。

ガラスカレット・・・５０〜８０重量部酸化アルミニウ
ム・・・１０〜４０重量部ベントナイト・・・３〜３０
重量部 着色剤（金属酸化物）・・・３〜３０重量部からなる混
合物に対し、水を３〜１０重量部を添加したものであっ
て、さらにこの混合物に水を混ぜてスラリーにした後ス
プレードライヤーによって顆粒にしている。

上記において、使用するガラスカレットはガラス製品の
製造中に破損したり不要分として切り取られたりして生
じた粉砕クズガラス（ソーダガラスやホウケイ酸ガラス
等）が使用されるもので、２００メ・ノシュのフルイを
通過した粒径のものが特に使用に適している。

上記のガラスカレットが５０重量部より少ない場合には
磁器化せず、８０重量部より多い場合は耐火度が低くな
り過ぎて形状の保持ができない。

次に酸化アルミニウム（Ａｌ２Ｏ２）としてはアルミナ
として市場において粉砕の形で入手し得るものが通常用
いられ、特に粒子径が４．０μｍ〜５．０μｍのものが
使用に通している。

上記の酸化アルミニウム（アルミナ）が１０重量部より
少ないと抗折強度が低くなり、４０重量部以上では焼成
温度が高くなり、同時に経済性が良くない。

また、本発明で使用する粘土質成分としてはベントナイ
トが適している。　このベントナイトは極めて微細な粘
土であり、主要鉱物はモンモリナイトからなるもので、
特に１８０メツシユのフルイを通過したものが使用に適
している。

上記のヘントナイトが３重量部より少ない場合は成形性
が悪り、３０重量部を越えると焼成温度が高くなる。

また、着色剤としては、所望する発色の具合によって異
なるが、例えば、ベンガラ（ＦｅｚＯｘ　）・・赤色、
酸化クロム・・・グリーン、酸化チタン・・・黄白色、
酸化コバルト・・・青色、酸化鉄（Ｆｅ２０４　）　　
・・・黒色等の金属酸化物が１種あるいは数種で適宜用
いられ、特に１５０メツシユのフルイを通過したものが
使用に適している。

なお、上記着色剤が２０重量部を越えると金属酸化物の
ため焼成が不十分となって磁器化できなくなる。

また、本発明では保形性を持たせるため有機系でかつ水
溶性のバインダーが少量使用される。

このバインダーはポリビニルアルコール（ＰＶＡ　）、
メチルセルローズ（ＭＣ）、ポリビニルブチラール、ア
クリル樹脂等が使用され、中でもポリビニルアルコール
の使用が適しており、該バインダーは加熱焼成の過程に
おいて脱脂される。

なお、上記の有機性のバインダーは少量で十分な保形性
と適度な粘性が得られるもので、特に使用しない場合も
ある。

なお、顆粒状の混合物に対し成形時に３〜１０重量部の
水が添加されて加水処理が行なわれるが上記において、
水が３重量部より少ない場合は保形性が悪くなってヒビ
やキレツを発生させる。　また、１０重量部より多いと
プレス成形時にラミネジョン（積Ｎ）が起こり焼成時に
フクレが発生する。

次に上記成形材料をローラ成形機に供給し、同機により
２００　ｋｇ　／　ｃｒ１〜４００　ｋｇ　／　ｃｊの
成形圧力でもって板状に連続的に成形する。

そして加圧された成形板はカッターにより所定の形状（
長さ）で切断する。

そして、切断された加圧成形板は移送されなからローラ
ハースキルンゆより最高温度８３０℃で約３時間焼成す
る。

そして焼成後、化粧面となる一方の表面１ａを研摩仕上
げし、第４図に示すような平板状の無機質化粧板１を形
成する。

次に上記の無機質化粧板ｌを使用して第５図に示すよう
な半円弧状の無機質化粧板１°を成形する方法について
述べる。

まず、上記の無機質化粧板１のほか、第１図に示すよう
な熱処理炉２と下型３と上型４とを用意する。　熱処理
炉２はガスまたは電気炉が使用される。　２ａはその熱
源を示す。　そして熱処理炉２内に凹状の円弧面部３ａ
をそなえた下型３をセットし、また下型３をセットした
位置の上方（炉の天井側）には、炉外に設置した滑車６
を介して凸状の円弧面部４ａをそなえた上型４がワイヤ
ー７により上下動可能に吊り下げられた状態でセットさ
れている。　上記の下型３は、第２図に示す如く、所定
の間隔を存して両側板３ｂ、　３ｂを対向配置すると共
にこれらを支持杆３ｃ、　３ｃで連結保持し、該両側板
３ｂ、　３ｂに、その上面中央部０を中心点とする円周
上に多数の取付穴３ｄを形成し、該両側１３ｂ。

３ｂの対向する取付穴３ｄ、　３ｄ間に小径の成形棒３
ｅを回転自在に架設して構成されている。　そして、こ
の架設された多数本の成形棒３ｅの内側の面を連続する
ことにより、上記の化粧板１を成形保持する凹状の円弧
面部３ａが形成される。　また、上記取付穴３ｅの配列
は、上記中央部０を中心点とする半径の異なる複数の円
周線上に配列形成され、所望の円周線上の取付穴３ｅを
選択してこれに成形棒３ｅを差し込んで架設することに
より、半径の異なる所望の円弧の化粧板が成形できるよ
うになっている。　また、上記において隣接する取付穴
３ｄのピンチをできるだけ小さくすると共にさらに成形
棒３ｅの直径についてもできるだけ小さ（すると、曲げ
状態の化粧板の表面の仕上がりを滑らかに、かつ美麗に
することができる。　上記下型３を構成する各部材は、
１０００℃程度の耐熱性を持つステンレスで作られてい
る。

また、上記上型４は、第３図に示すように、ステンレス
よりなる鋼板４ｂを下方へ半円状に湾曲させてその外面
により凸状の円弧面部４ａが形成されている。　そして
前記のようにワイヤー７によって上下動可能に吊り下げ
支持される。　なお、この上型４の円弧面部４ａの半径
は、前記成形棒３ｅで形成された円弧面部３ｅの半径か
ら化粧板ｌの厚み分を除いた半径に設定されたものを使
用する。

次に熱処理について具体的にその方法を説明する。　炉
２内にセットした下型３に対し第１図に示すように、平
板状の無機質化粧板１を、最上部に位置する両成形欅３
ｅ、　３ｅ上に載置し、さらに上方に上型４をセットす
る。　次に炉を第６図の温度プログラムに基づいて稼動
させ、上記化粧板１を加熱する。　この加熱によって炉
内が６３０　”Ｃになると前記下型上に載置した化粧板
１が軟化してその自重により、円弧部３ａに沿って曲が
り始め、さらに最高温度状態を４５分間保持し続けると
曲がりがさらに大きくなる。　殆ど曲がった状態から最
後に上型４が押し下げられ、同板が加圧され、同板は最
終の円弧形状に矯正され、曲げ成形は終了する。　この
曲げ作業が終わると炉の熱源が停止されてエアーが炉内
に吹き込まれて空冷される。

そして３００℃まで炉内温度が下がったときに、炉の扉
を開放して炉外塩に下がるのを待ち、その後、上型４を
上昇させて、第５図に示すような半円形状無機質化粧板
１”を下型３から吸着盤等によって吊り上げて外す。

このようにして熱処理された円弧面状無機質化粧板１°
はその研摩仕上げした表面１ａ’において若干の光沢度
の低下が認められるが、ハンド形の研摩機による研摩仕
上げにより短時間に元の美麗状態に仕上げることができ
る。

表−１に本発明における熱処理条件の一例と結果を示す
。　表−１において熱処理前と熱処理後の光沢度は携帯
用光沢針（村上色彩研究所、ＣＭｘ−２０２）を使用し
て測定した。

また、熱処理条件を最高温度（焼成温度）８３０℃、保
持時間１分間、荷重（重さ）　３７．５　ｇ　／　Ｃｎ
！、荷重時間１分間、にした場合には、その研摩仕上げ
した表面の一部にブタ（焼きブクレ）ができるがこれら
は軽微なものであり、ハンド形の研摩機により比較的簡
単に取り除くことができ、短時間に研摩仕上げすること
が可能である。　また、上記のような熱処理条件であれ
ば当然小さな円弧面を成形することも可能である。

なお、上記の曲げ成形方法では成形する円弧長を円弧全
周（全長）の１／２円にするようにしているが、実際に
は第７図のように、コンクリート製円柱８の外面に対し
、１／３〜１／４円の円弧形状のものであっても良い。

　また、曲げ成形する無機質化粧板の板厚については５
ｎ〜２５關程度まで成形可能である。

次に第８図及び第９図に示す本発明の他の実施例につい
て説明する。

本実施例は、前記下型３を搭載した多数の台車１０を、
トンネル型熱処理炉１１の入口１２から連続的に１１人
して出口１３からｔＵ出するようにすると共に、そのト
ンネル型熱処理炉１１内の略中央部に前記のような上型
４を設置して、多数の平板状の無機質化粧板を連続的に
前記のような円弧面状の無機質化粧板を成形するように
したものである。

該実施例において、上記各台車ＩＯはレール１４上に適
宜駆動源（図示せず）によって間欠的に搬送されると共
に、上型４の下部に位置したことを検出する位置検出手
段（図示せず）及びストッパ１５の作動によって、台車
上の下型３における前記整形線３ｅが精度良く上型４の
下部に対応位置するようになっている。　また、上型４
は、油圧シリンダ１６によって昇降し、設定された油圧
力によって下型３上の化粧板を押圧するようになってい
る。

〔発明の効果〕

本発明における円弧面状無機質化粧板の成形方法にあっ
ては、平板状の無機質化粧板の状態、つまり、曲げ加工
前において研摩するようにしたので、曲がった状態の坂
を研摩仕上げするものに比べて、その研摩作業が容易で
短時間で行なえ、かつ美麗に仕上げすることができる。

また、曲げ加工の最初から押型で強制的に曲げ加工する
ことなく、無機質化粧板の自重により曲がった後に押型
で最゛終的に曲げるようにしているため該化粧板に応力
が残りに＜＜、成形後の破損等が少なくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の成形方法を説明するための熱処理炉の
正断面図、第２図は成形用の下型を示すもので、（Ａ）
は正面図、（Ｂ）は側面図である。 第３図は成形用の上型の正面図、第４図は平板状の無機
質化粧板の斜視図、第５図は円弧面状の無機質化粧板の
斜視図、第６図は熱処理の温度プログラム、第７図は円
弧面状無機質化粧板の施工状態図、第８図は本発明をト
ンネル型熱処理炉に通用した側断面図、第９図は同正断
面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 焼成後に表面となる側を研摩仕上げしたガラスカレット
   を主成分とする平板状の無機質化粧板を、凹状の円弧面
   部を備えた成形用の下型に載置してセットし、かかる状
   態で熱処理炉にて加熱し、その無機質化粧板を軟化させ
   てその自重により上記凹状の円弧面部に沿って曲げた後
   、さらに上記無機質化粧板を加熱継続しながら上記凹状
   の下型における円弧面部に対応する凸状の円弧面部を備
   えた成形用の上型により上記化粧板を上方から加圧して
   所定の円弧面に形成するようにしたことを特徴とする円
   弧面状無機質化粧板の成形方法。