JPH028313Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、一面を着色した表示板を縦横に多数
列設し、各表示板に備えた永久磁石をこれに対応
する電磁石を励磁して吸着させ、表示板を回動さ
せてその着色面を前面に向けることによつて文字
図形等を表示する表示器用素子に関するものであ
る。

〔考案の技術的背景およびその問題点〕

着色面の色彩の変更や、日照等による着色面の
色あせ等によつて表示板を交換する必要が生じる
ことがある。

しかしながら、従来の表示器用素子において
は、一枚の基板の上に多数の表示板が縦横に取付
けられており、その上を一枚のカバーで覆つて内
部機構を隠蔽すると共に、表示板の着色面のみが
見えるようになつていた。

そのために、表示板の交換をする作業が非常に
困難であつた。

又、表示板の永久磁石を吸着する電磁石が断線
する等の故障を生じた時も、全ての電気配線が一
体化されているためその交換には現地でハンダ付
作業を伴う困難な交換作業を行わなければならず
表示板交換の困難さと相俟つて非常に保守性が悪
い欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、従来の表示器用素子の前述の欠点を
除去するために、一枚の表示板を収容した表示板
ケースと、これに対応する電磁石を収容した電磁
石ケースとで素子を構成し、且つ電磁石ケースと
表示板ケースとを係合部と被係合部の係合で取付
けることにより、これ等の着脱が容易に行われる
ようにして保守性を高めることを目的とする。

そして、表示板ケースと電磁石ケース及びその
結合部分に防水性を持たせることにより、屋外の
降雨にさらされる場所への設置をも可能ならしめ
んとするものである。

〔考案の実施例〕

以下に本考案の一実施例を図面について説明す
る。

１は前面を着色面とし、裏面に永久磁石２が貼
着されている表示板で、前面を透明な透視板３ａ
とした表示板ケース３に回動自在に軸支されてい
て表示板１が起立した時には、前面から表示板１
の着色面が透視される。

４は表示板ケース３の裏面に貼着された支持枠
で、その貼着によつて表示板ケース３と支持枠４
とは一体にされており、この支持枠４には挿入孔
４ａと突縁４ｂとが設けられている。

表示板１の永久磁石２を吸着する電磁石７と、
電磁石回路電流の逆流を防止するダイオード８は
ベース５に取付けられている。このベース５に
は、電磁石７の先端部分が収容されてその前端面
７ａのみが露出するガイド６ａを有する電磁石カ
バー６が取付けられて電磁石７とダイオード８は
その内部に密封される。

この電磁石カバー６には前方に向つて傾斜する
係止爪６ｂが上下両面に２個づつ前方に突出して
おり、又支持枠４の突縁４ｂが電磁石カバー６の
前面に挿入され、且つ電磁石カバー６のガイド６
ａは支持枠４の挿入孔４ａに挿入されるものであ
る。

更に、表示板ケース３には、前述のように支持
枠４を電磁石カバー６に挿入した際に、電磁石カ
バー６の係止爪６ｂが係入する窪み３ｂが設けら
れており、表示板ケース３を電磁石カバー６に向
つて押し込めば係止爪６ｂと窪み３ｂとが係合し
て表示板ケース３は電磁石カバー６に取付けられ
る。

そして、このようにして表示板ケース３を電磁
石カバー６に取付けると、電磁石７の前端面７ａ
は永久磁石２と対向し、電磁石７に通電されると
永久磁石２がこれに吸着されて表示板１が起立
し、表示板ケース３の前面の透視板３ａから表示
板１の着色面が透視される。

このようにして表示板１が起立すると電磁石７
への通電を遮断しても、電磁石７の残留磁気によ
り永久磁石２は吸着され続けて表示板１の起立状
態は継続する。

そして電磁石７への通電を逆方向にすると電磁
石７の極性が変り、永久磁石２との間に反撥力を
生じるので、表示板１は伏倒し、その着色面が透
視板３ａから透視されなくなる。

このような表示器用素子を第６図のようにデイ
スプレイＡに対し縦横に多数列設し、所要の素子
の表示板１を起立させて文字、図形を表示するも
のである。なお、Ｂは照明器具である。

更に、支持枠４の突縁４ｂと電磁石カバー６と
の間にパツキン９を介在させれば、表示板ケース
３は密封されるので、内部に雨水等の浸入するの
が防止され、降水を受ける場所に設置しても雨水
の浸入による汚損、作動不良その他の故障が未然
に防止される。

この表示器用素子は第６図のようにデイスプレ
イＡに対し縦横に列設されるので、透視板３ａの
みが表面に露出する。

そこで、表示板ケース３を電磁石カバー６から
取外すための工具が第５図に示されている。

この工具は先端に小突部１０ａを備えた突片１
０が係止爪６ｂに対応する位置に設けられてお
り、この突片１０を係止爪６ｂと窪み３ａとの間
に押し込むと、係止爪６ｂは窪み３ａから押し出
され、表示板ケース３と電磁石カバー６の係合が
解除されると共に、代つて小突部１０ａが窪み３
ａに嵌入する。

従つてこの状態で工具を手前に引き戻せば表示
板ケース３が抜き取れるので、これを交換するこ
とにより表示板１の交換ができることとなる。

又、ベース５をソケツト構造とすることによつ
て、その着脱も容易となり、保守性が向上する。

〔考案の効果〕

本考案は叙上のように、電磁石ケースに係止部
と被係止部の係合によつて表示ケースが取付けら
れているので、この係合を外すことによつて表示
板ケースを取り外すことができる。

従つて、表示板の着色色彩の変更や、太陽光に
よる変色の際に表示板ケースを交換することで新
しい表示板とすることができる。

更に、表示板ケースを取り外すことによつて電
磁石ケースを露出させることができるから、その
故障の修理も容易となる。

このように、本考案は従来の一つの基板の上に
表示板や電磁石を組みこんだものに比して非常に
保守性の高いものとすることができる。

又、防水性を持たせることも簡単であるため、
降雨にさらされる場所への設置も可能となり、設
置可能場所を広い範囲とすることができる。

そして、本考案の表示器用素子を使用してのデ
イスプレイ構造を簡素化できる等の顕著な効果を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例で、第１図は全体の斜
視図、第２図は表示板ケースの斜視図、第３図は
電磁石カバーの斜面図、第４図は要部の断面図、
第５図は取外し工具の斜面図、第６図はこれを使
用したデイスプレイ装置の正面図である。 １……表示板、２……永久磁石、３……表示板
ケース、３ｂ……窪み、６……電磁石カバー、６
ｂ……係止爪、７……電磁石。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前面の略中央より電磁石が突出して取付けられ
   ると共に、表面に係止部が形成された電磁石ケー
   スと、 該電磁石ケースの前記係止部と係合される被係
   止部が後部の表面に形成されると共に前記電磁石
   が挿入される挿入孔が後面に形成され、かつ、前
   面に着色が施され後面の前記電磁石と対応する位
   置に永久磁石が固着された表示板が回転自在に軸
   支された少なくとも前面が透明に形成された表示
   板ケースとを備え、 前記電磁石への通電、不通電によつて前記永久
   磁石との間で吸引、反発力が生じて表示板が回転
   し表示が行われるようにしたことを特徴とする表
   示器用素子。