JPH02631Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はめつき作業工程において使用される連
続ベーキング炉に関するものである。

（従来技術） この種のベーキング炉として従来はバツチ式の
もののほか連続式のものも使用されており、これ
は炉内チエンコンベア等に取付けた固定バスケツ
トにワークをあけ替えしながら連続的に炉内を通
過させるものである。そのため炉内に設置されて
いるチエン、ギヤ等の駆動部により構造が複雑化
し、保守上も不利になり、またあけ替えのための
装置が必要とされ、かつまた出入口で専用バスケ
ツトとの間でワークをあけ替える際残品のため異
品混入のおそれがある。

（技術的課題） そこで本考案はバスケツトの入れ換えをする必
要がなく、ワークを収容したバスケツトをそのま
ま受取り、炉内を移送し、ベーキング終了後炉外
へ送り出すことが可能であり、熱経済性にすぐ
れ、また駆動装置を炉内に設ける必要がないめつ
きにおける連続ベーキング炉を提供するものであ
る。

（技術的手段） 前記目的を達する本考案は多段のターンテーブ
ルよりなる２基１組のターンテーブル機構をハウ
ジング内に離間して設置し、ハウジング内に進入
したバスケツトを第１ターンテーブル機構の上位
のターンテーブルから第２ターンテーブル機構の
下位のターンテーブルへ、またさらに第１ターン
テーブル機構の下位のターンテーブルへとループ
式に回送し、かつ下降させる移送手段を両ターン
テーブル機構間に設置し、ハウジング内に上下方
向の熱風を循環させる強制通気装置を設けること
により、バスケツト内のワークを加熱乾燥するめ
つきにおける連続ベーキング炉である。

（考案の作用） ハウジング内に設置された第１、第２ターンテ
ーブル機構３，４間にローラーコンベア１０ａ…
１０ｎ等からなる移送手段１０を設けてあり、ワ
ークはバスケツトに収容されたまま炉外からハウ
ジング１内に搬入され、前記機構３，４及び移送
手段１０により出口へ向つて回送されその間に強
制通気装置により循環する熱風を上下から受ける
ため、炉内及びワークの昇温速度は高まりかつ炉
内温度もより均一化し得る。

また例えば亜鉛鍍金ではベーキング処理した
後、クロメート処理及び脱水乾燥が行われるが本
考案の方式によればバスケツトに入れたまま処理
が可能である。

（実施例） 図示実施例により説明すると、１は断熱性材料
により形成されたハウジング、２はターンテーブ
ル、３，４は２基で１組のターンテーブル機構
で、第１ターンテーブル機構３はｎ段のターンテ
ーブル２からまた第２ターンテーブル機構４ｎは
（ｎ−１）段のターンテーブル２からなり、それ
ぞれ軸杆５，６によりハウジング１内の両端部に
設置されている。（第１図、第２図）。７はハウジ
ング上部のバスケツト入口、８は同下部のバスケ
ツト出口であり、いずれも開閉扉（図示せず）を
有する。

９はローラー、１０は多数のローラー９から成
るローラーコンベア式の移送手段で、前記のター
ンテーブル機構３，４間には、第１ターンテーブ
ル機構３の最上位のターンテーブル２の一側から
第２ターンテーブル機構４の最上位のものの一側
へ向う最上位のローラーコンベア１０ａを設け、
次位のローラーコンベア１０ｂは第２機構４の最
上位のターンテーブル２の他側から、第１機構３
の第２段のターンテーブル２の他側へ向い、以下
同様にらせんループ状に第14位のローラーコンベ
ア１０ｎまで連続して回送降下する。１１，１２
はそれぞれ進入、送出用のローラーコンベア１
３，１４ターンテーブル２，２…の進入路外側、
退出路内側に縦に列設したガイドロール。１５，
１６は外側及び内側のガイドレール、１７，１８
は各軸杆５，６を駆動するモータその他の原動機
でハウジング１の内部とは画壁１９を介して設け
てある。そのためバスケツトＢは移送手段では緩
傾斜により滑走的に移動する傾向となる。バスケ
ツトＢは第６図に例示のような丸バスケツト等と
通称されているもの（ステンレス製のパンチグメ
タル製等）であるが、そのつばｆによる乗りあげ
を防ぐため、つばｆの下に凹部ｇを設けたものも
同様に使用できる。

また２０は、ハウジング１の内部に熱風を循環
させる強制通気装置で、ハウジング１の側方下部
へ複数基設けてあり、それぞれヒーター２１と送
風機２２と中央部画壁２５から構成され、熱風は
一側のフアンの吐出口２３より送給され天面へ上
昇し天面より他側を降下しヒーター２１を通過し
フアン吸い込み口２４より吸収されて高速強制循
環され炉内温度の均一化とワークの昇温時間を早
める。

上記の構成において、バスケツトＢ内に収容し
たワークに対しめつき工程を終了したものが、進
入口７よりハウジング１内に進入すると、第１タ
ーンテーブル機構３の最上段のターンテーブル２
により最上位のローラーコンベア１０ａに送ら
れ、第２ターンテーブル機構４の最上段のターン
テーブル２を半周して次位のローラーコンベア１
０ｂより第１ターンテーブル機構３の２段ターン
テーブル２へ到り、以下同様に順次出口８へ向つ
て進行降下し、その間に強制通気装置により下方
からまた上方から絶えず熱風がバスケツトＢ内の
ワークに吹きつける。実施例においては入口７及
び出口８に開閉扉が設けられており、内部温度の
洩れも少ないのでハウジング内の温度分布もより
均一化しかつ安定化する。

（考案の効果） したがつて本考案によれば、ワークを収容した
バスケツトはそのままハウジング内に進入し熱風
の吹付けを受けるので従来のように専用のバスケ
ツトにあけ替える必要がなく、そのため進行速度
が向上し、完全自動化が可能であり、ハウジング
内においてバスケツトの中のワークは間断なく熱
風の強制通気にさらされるため昇温温度も早く、
熱風の循環により炉内温度も一定に保たれるた
め、顕著に熱経済性が改善されベーキング効果を
向上させることができる。また、従来型のように
ハウジング内に駆動部を有しないので、内部構造
も複雑化せず、保守も容易であり、まためつき工
程の中に組込み得るため、めつき工程全体におけ
る作業時間を短縮できかつ他工程とバスケツトの
共用が可能であるから実際上大きな効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るめつきにおける連続ベーキ
ング炉の実施例を示すもので、第１図は一部省略
平面図、第２図は同上の正面図、第３図はターン
テーブル機構の平面図、第４図は第３図のＡ矢視
図、第５図は第１図のものの側面図、第６図、第
７図はバスケツトの側面図である。 １……ハウジング、２……ターンテーブル、
３，４……第１、第２の各ターンテーブル機構、
１０……移送手段、２０……強制通気装置、Ｂ…
…バスケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多段のターンテーブルよりなる２基１組のター
   ンテーブル機構をハウジング内に離間して設置
   し、ハウジング内に進入したバスケツトを第１タ
   ーンテーブル機構の上位のターンテーブルから第
   ２ターンテーブル機構の下位のターンテーブル
   へ、またさらに第１ターンテーブル機構の下位の
   ターンテーブルへとループ式に回送し、かつ下降
   させる移送手段を両ターンテーブル機構間に設置
   し、ハウジング内に上下方向の熱風を循環させる
   強制通気装置を設けることにより、バスケツト内
   のワークを加熱乾燥するめつきにおける連続ベー
   キング炉。