JPH026309Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、濾過装置の流路をこの濾過装置に
より汚水を濾過する流路と逆水流により濾過装置
を洗滌する流路とに切換え自在とする濾過装置用
自動水流切換弁に関する。

〔従来の技術〕

被濾過槽に汚水を濾過して清水を送る場合、そ
の流路に汚水を濾過装置により濾過する流路と逆
水流により上記濾過装置を洗滌する流路とに切換
え自在とする水流切換弁を設けた濾過方式が一般
に採用されている。

上記濾過方式に用いられる従来の水流切換弁と
して、例えば実公昭31−8894号公報、実開昭53−
131234号公報、特開昭53−64874号公報によるも
の等が知られている。

実公昭31−8894号公報の切換弁はロータリコツ
ク式のもので、多数の出入口ポートを有する主筒
と、その内部に嵌合され半径方向に多数の流路を
有し一端に把手を備えた軸体とから成る。

実開昭53−131234号公報の切換弁はピストン弁
式のもので、弁本体内に左右対称に設けられかつ
両ピストンを共通軸で連結した一対のピストン弁
と、各ピストン弁に対して設けられた入口、出
口、出入口の３つポートの一対とから成る。

特開昭53−64874号公報の切換弁は特殊な仕切
弁式のもので、弁本体に入口、出口、２つの出入
口の計４つのポートを有し、弁本体内は隔壁によ
つて４つの部屋に仕切られ、隔壁に設けられた４
つの内部ポートのうち対角線上にある２つのポー
トを選択的に閉じる２つの閉塞板と、２つの部屋
内に設けられた２つの濾過器とを備えている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述した第一の従来例の切換弁
はロータリコツク式であるため、主筒の出入口ポ
ートと軸体の流路を軸体の所定の位相角度位置で
合致せしめて汚水を濾過する流路と逆水流によつ
て濾過装置を先滌する流路をそれぞれ形成する際
に、軸体の流路を正確に主筒の出入口ポートに合
致させねばならない。このため、軸体の端の把手
を回転駆動する駆動装置を設けると、駆動装置は
回転角度を高精度で調整駆動できるものでなけれ
ばならない。従つて、駆動装置が特殊で高価なも
のとなる。

第二の従来例の切換弁は、左右いずれかの入口
ポートから作動流体を流入させ、その圧力によつ
てピストン弁を切換える方式のものであるから、
左右の入口へ作動流体を送るためのポンプを２台
必要とし、装置全体が大がかりとなる欠点があ
る。

第三の従来例の切換弁は、全体としてコンパク
トに形成されているが、構造が極めて特殊なもの
であり、いずれの部品も特殊なものが使用されて
いる。このため、各部品に汎用性がなく保守・点
検が困難であり、かつ全体として高価なものとな
る。

この考案は、上述した従来の濾過装置用の水流
切換弁の現状に鑑みてなされたものであり、その
目的は汎用性の高い一般市販品のバタフライ弁、
管材等を用いて切換弁を構成し、かつ切換弁全体
の構造を徹底的に合理化し極めて簡易な構成とし
た自動流路切換弁を提供するにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するための手段として、この
考案では導水口を有する主管に二又支管を並列に
接続し、これら２つの支管の上流側対称位置及び
適宜距離離隔せる下流側対称位置にバタフライ弁
をそれぞれ設け、これら２つの支管の上流側及び
下流側バタフライ弁間に濾過タンクへの接続口を
それぞれ開設し、上流側左右のバタフライ弁及び
下流側左右のバタフライ弁の弁棒をそれぞれ２つ
の共通駆動軸の両端に連結し、この２つの共通駆
動軸間にこれら駆動軸を同時駆動するモータ及び
その駆動力を伝達するためのチエーン駆動による
動力伝達機構とを設け、対角線上にある２つのバ
タフライ弁を開位置にしたときはもう一方の対角
線上にある２つのバタフライ弁を閉位置に、ある
いはその逆の開閉位置を選択的に設定できるよう
にモータを遠隔制御して水流方向を自動切換する
構成を採用したのである。

〔作用〕

かゝる構成による切換弁は、一方の対角線上に
ある２つのバタフライ弁が開位置にあるときは、
もう一方の対角線上にある２つのバタフライ弁が
閉位置にあり、モータを駆動して切換操作をする
と上記開閉位置の関係が逆に設定される。従つ
て、一方の支管に流入した流水はその上流側バタ
フライ弁が開位置にあればこれを通過し、その下
流側バタフライ弁では流れが阻止され、両バタフ
ライ弁の間に開設された接続口から流出する。そ
して切換操作されて、もう一方の支管に流入した
流水も同じ作用をする。なお、上述した切換弁の
構成では、２つの共通駆動軸の両端にバタフライ
弁の弁棒を連結し、これらの駆動軸をチエーン駆
動により同時駆動するようにしている。このた
め、弁の開閉動作が確実で、モータ駆動により簡
単に遠隔操作ができ、しかも弁構造全体が極めて
簡易なものとなつている。

また、バタフライ弁、主管、二又支管等は、特
殊部品を用いた特殊な構成ではなく、極く普通の
部品構成であるから、一般市販品を採用すること
ができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図を参照して説
明する。

第１図はこの実施例の構成を示す主要断面図で
ある。図において１は導水口２を有する主管、
３，４は二又支管、５，６，７，８はバタフライ
弁（特にこの実施例ではバタフライ弁を用いてい
る）、９，１０は共通駆動軸、１１はチエーンベ
ルト式の動力伝達機構、１４はモータ、１７，１
８は接続口である。なお、上記バタフライ弁５，
６，７，８、主管１、二又支管３，４等は構成部
品の汎用性を広くし、保守・点検を容易にするた
めに一般市販品が用いられる。

主管１は、その導水口２が後述するように被濾
過槽の吸水ポンプへ接続され、上流にはこれと直
角方向に２つの二又支管３，４が互いに平行して
接続されている。この２つの二又支管３，４の上
流側対称位置及び適宜距離離隔せる下流側対称位
置にはバタフライ弁５，６，７，８をそれぞれ設
け、これら支管３，４の上流側及び下流側バタフ
ライ弁５，６及び７，８間に濾過タンクへの接続
口１７，１８をそれぞれ開設する。

さらに上流側左右のバタフライ弁５，６及び下
流側左右のバタフライ弁７，８は共通駆動軸９，
１０にそれぞれ連結し、これら２つの共通駆動軸
９，１０間にチエーンベルト式の動力伝達機構１
１、及びこれを駆動するモータ１４を設ける。こ
の動力伝達機構１１は、その両端を貫通せる共通
駆動軸に同軸状に設けたスプロケツト１２，１３
と、その間にモータ軸を突出させこれに同軸状に
設けたもう１つのスプロケツト１５とをチエンベ
ルト１６で掛渡したものを一体のボツクス内に配
設して成る。

なお、バタフライ弁の開閉位置の設定は、対角
線上にあるバタフライ弁５，８が閉位置にあると
きは、もう一方の対角線上にあるバタフライ弁
６，７は開位置に、あるいはその逆の開閉位置に
あるように設定される。

次に上記構成から成る流路切換弁の作用を、こ
れを取り付けた濾過装置の概略系統図を示す第２
図を参照して説明する。

第２図の状態では、バタフライ弁５，８は閉位
置に、もう一組のバタフライ弁６，７は開位置に
ある。この状態でこの濾過装置は通常運転され
る。被濾過槽２０内の汚水は吸引ポンプ２１によ
り吸引されてこの考案による自動流路切換弁の導
水口２に送られる。流水は主管内で分枝するが一
方のバタフライ弁５は閉位置にあるからここで流
水は停止し、もう一方のバタフライ弁６は開位置
にあるからこれを通過する。次のバタフライ弁８
は閉位置にあるから、流水は接続口１８を通つて
前記切換弁から流出し、途中に設けられた濾過タ
ンク２２で不純物を濾過した後、再び前記切換弁
へ戻され、そのもう一方の接続口１７を通つて被
濾過槽へ送られる。以上が通常の運転状態であ
る。

しかるに、以上の作動を長期間続けると、その
間に濾過タンク２２で除去された不純物がその濾
過材表面に付着して濾過能力が低下してくる。そ
こで、モータ１４を遠隔より駆動して前記切換弁
のバタフライ弁の弁開閉位置を第２図の状態から
対角線上にあるバタフライ弁を互いに逆の開閉位
置に切換操作する。すると、流水の流れは前記切
換弁内で通常の場合と異なつて、バタフライ弁５
から接続口１７、濾過タンク２２、もう一方の接
続口１８へと逆流し、さらにバタフライ弁８を通
つて排出口２４から排水設備２５へと流れる。

このようにして濾過タンクへの逆洗滌作用を所
定時間行つた後、再び前記切換弁を通常の開閉位
置へ戻し正常運転を続ける。

なお、この実施例では前記切換弁の二方開閉弁
として特にバタフライ弁を使用しているが、これ
は多少のごみの付着で動作不良、水漏れを生じ
ず、長期間の使用に耐え、保守性に優れているか
らである。

〔効果〕

以上詳述したように、この考案ではバタフライ
弁、管材等の各部品として一般市販品を使用して
切換弁を構成し、かつ２つの共通駆動軸の両端に
バタフライ弁の弁棒を連結し、これらの駆動軸を
チエーン駆動により同時駆動するようにして切換
弁全体の構造を徹底的に合理化し極めて簡易な構
成としたから、各構成部品の汎用性が高く、経済
的に安価で、しかも操作性、保守・点検のいずれ
においても優れた利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による自動流路切換弁の実施
例の主要断面図、第２図は前記切換弁を濾過装置
に使用した場合の概略系統図である。 １……主管、２……導水口、３，４……二又支
管、５，６，７，８……バタフライ弁、９，１０
……共通駆動軸、１１……動力伝達機構、１４…
…モータ、１７，１８……接続口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 導水口を有する主管に二又支管を並列に接続
   し、これら２つの支管の上流側対称位置及び適
   宜距離々隔せる下流側対称位置にバタフライ弁
   をそれぞれ設け、これら２つの支管の上流側及
   び下流側バタフライ弁間に濾過タンクへの接続
   口をそれぞれ開設し、上流側左右のバタフライ
   弁及び下流側左右のバタフライ弁の弁棒をそれ
   ぞれ２つの共通駆動軸の両端に連結し、この２
   つの共通駆動軸間にこれら駆動軸を同時駆動す
   るモータ及びその駆動力を伝達するためのチエ
   ーン駆動による動力伝達機構とを設け、対角線
   上にある２つのバタフライ弁を開位置にしたと
   きはもう一方の対角線上にある２つのバタフラ
   イ弁を閉位置に、あるいはその逆の開閉位置を
   選択的に設定できるようにモータを遠隔制御し
   て濾過装置の水流方向を自動切換する濾過装置
   用自動流路切換弁。 (2) チエーン駆動動力伝達機構が、２つの共通駆
   動軸及びこれら駆動軸間で平行に配設したもう
   １つの軸にそれぞれ設けられたスプロケツト及
   びこれらに掛渡された無端チエーンとから成る
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項に記載の濾過装置用自動流路切換弁。