JPH0262934A - 金属疲労の亀裂開閉口状態の検出方法及び検出装置 - Google Patents

金属疲労の亀裂開閉口状態の検出方法及び検出装置

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JPH0262934A
JPH0262934A JP21556188A JP21556188A JPH0262934A JP H0262934 A JPH0262934 A JP H0262934A JP 21556188 A JP21556188 A JP 21556188A JP 21556188 A JP21556188 A JP 21556188A JP H0262934 A JPH0262934 A JP H0262934A
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Kenichi Takao
健一 高尾
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、金属材料に生じる疲労亀裂の亀裂開閉口荷
重の測定方法及び測定装置に関するもので、より詳しく
は亀裂開閉口状態の検出方法及び検出装置に関するもの
である。
[従来技術とその問題点] 近年、機械や構造物を設計する細部材に微小な欠陥が含
まれていたり、また使用中に疲労亀裂が発生する可能性
があっても、亀裂伝ばが把握、管理されることを前提と
した設計が行われるようになった。このことは特に破壊
力学の発展、及びそれの疲労亀裂伝播への応用の有用性
に負うところが大きい。ここ士数年の研究の結果疲労亀
裂の伝播を支配するもっとも重要な因子の一つが亀裂開
閉口挙動であることが明らかにされてきた。しかしなが
ら疲労亀裂先端の開閉口開始荷重を解析的に求めること
は極めて難しく、実験的測定に頼らざるを得ないのが実
情である。
亀裂開閉口荷重の測定法には、 ■ 光学的方法 ■ 除荷弾性コンプライアンス法 ■ 超音波法 ■ 直流電位差法 などがあるが、どの方法も一長一短があり、広範囲にわ
たる金属材料の疲労設計に対して有用な資料を収集する
には、いずれの方法にも問題があるのが現状である。
電子顕微鏡を用いた光学的方法は長さが0.1mm程度
の微小き裂についても測定でき、精度は最も高いと言う
長所を有するが、多大の時間と手間だけでなく特別な技
術を必要とするうえ、動的測定は実用上は不可能である
。しかも材料表面近傍の情報しか得ることが出来ない(
例えば、西谷、鹿毛、中江9日本機械学会講演論文集、
NO,760−9,p87(昭51))。
除荷弾性コンプライアンス法は試験片背面にひずみゲー
ジを接着し、荷重−サイクル中における荷重とひずみを
連続測定し、引算回路を用いて亀裂開口中の除荷弾性線
が常に荷重軸と平行になるようにしてヒステリシスの折
れ曲がりを強調することにより、亀裂開口点を求めるも
のである(例えば、菊月はか3名、材料、25巻276
号(昭5l−9))。この方法は比較的簡単な装置で開
閉口荷重を動的に求めることが出来るものとされており
、現在量もよく用いられている方法である。
しかし、この方法は他の方法に比べて常に開閉口点を低
めに検出するし、亀裂が短くなるに従い誤差が大きくな
るだけでなく測定も困難になり、長さ0.1M程度の亀
裂に対しては全く検出できない。
超音波法とは超音波の指向性を利用し、亀裂先端近傍で
反射した超音波による出力と荷重のヒステリシス曲線を
記録し、この曲線の折れ曲がり点から亀裂開口点を求め
るもの(例えば、平野はが3名、非破壊検査、29巻2
号(昭55))で、精度は光学的方法によるものに近い
が、使用環境が常温空気中に限られるだけでなく、動的
測定には向かない。また、微小亀裂に対する測定も困難
である。
直流電位差法は、本発明者が開発したもので、疲労試験
片に直流電流を流しておき、亀裂を挾んで端子を設置し
、亀裂開口状態の変化を端子間の直流電圧の変化として
検出する方法で、荷重と電位差の曲線の折れ曲がり点か
ら開口点を検出するものである(例えば、高定ほか2名
1日本機械学会論文集(Am)51巻462号(昭6O
−2))。 本方法は簡便な方法ではあるが工業用純チ
タンついてしか適用できない。工業用純チタンは他の金
属材料より亀裂の接触面積が大きいため測定できるのだ
ろうと考えられる。もっとも工業用純チタンの場合でも
微小亀裂については困難であり、さらに、動的な測定は
極めて困難である。本方法の最大の難点は、最も一般的
な工業材料である鋼材の測定ができないことである。
以上のように疲労亀裂の開閉口荷重を、種々の金属材料
について、通常の疲労試験の速度で、高精度にしかも微
小な亀裂に対しても測定可能な装置の開発が望まれてい
た。
[問題点を解決するための手段とその作用]本発明者は
上記問題点を解決するため鋭意研究し、交流ブリッジ回
路を用いると疲労亀裂の開閉口荷重が動的に、高精度で
しかも亀裂長さが数十ミクロンの微小亀裂についても測
定できることを見いだし本発明に至った。
本発明は、金属材料の疲労亀裂の開閉口状態の測定方法
及び検出装置に関するものであり、より詳しくは、 ■ 疲労試験片(4)の切欠き(54)を挾む位置に検
出端子(52a)(52b)を取り付け、疲労試験機に
よって前記疲労試験片(4)に繰り返し荷重を与えた場
合に生じる亀裂(56)の開閉口状態の変化に基づく前
記検出端子(52a)(52b)間の抵抗の変化を交流
ブリッジ回路(3)の出力として取り出す金属の疲労試
験片の亀裂開閉口状態の検出方法と、 ■ 交流ブリッジ回路(3)の被測定抵抗である疲労試
験片(4)に取り付ける検出端子(52a)またはその
近傍に交流電源部からの導線の1つを、検出端子(52
b)またはその近傍に交流ブリッジ回路の出力線の1つ
を結線していることを特徴とする前記■に記載する金属
の疲労試験片の亀裂開閉口状態の検出方法と、 ■ 交流ブリッジ回路(3)、前記交流ブリッジ回路(
3)に接続された交流電源部(50)、前記交流ブリッ
ジ回路(3)の被測定抵抗検出端子(52a)(52b
) 、前記交流ブリッジ回路(3)の出力側に接続され
た増幅器、前記増幅器の後段に接続され被測定抵抗信号
を取り出す検波回路(11)を備えた金属疲労試験片の
亀裂開閉口状態の変化に基づく抵抗変化の検出装置であ
る。
以下、発明の検出方法及び検出装置を実施例を用いて説
明するが、本発明の技術的範囲は以下述べる実施例に限
定されるものではない。
第11図は疲労試験片の亀裂開閉口荷重測定装置に本発
明を組み込んだ場合の構成図を示す。
同装置は、交流電源部(50)、検出部(60)、疲労
試験片(4)、信号処理部(62)、出力装置(64)
、疲労試験機(図示せず)からなる。
疲労試験片(4)の切欠き(54)を挾んで疲労試験片
(4)に検出端子(52a)  (52b)を”<″の
字型に折り曲げた導線の折れ点をスポット溶接する。取
付抵抗が小さければ溶接以外の方法で取り付けてもよい
。導線は銅あるいはニッケル線で作るのがよい。即ち、
切り欠きを挟んだ2点(52a)  (52b)からそ
れぞれ2本、合計4本のリード線が出る。この2点がブ
リッジ回路の被測定抵抗の検出端子になる。第1図のよ
うにリード線を取り付けた理由は、金属疲労試験片の切
り欠きの両端(52a)(52b)間の電気抵抗は掻く
小さいため、リード線の抵抗が疲労試験片の抵抗に含ま
れると出力感度が低下するのでこれを防止し、出力感度
を高めるためである。第1図のように結線すると、リー
ド線の抵抗値が試験片の抵抗値に含まれないので、出力
感度が高くなる。感度の低下を許容すれば第2図のよう
に結線してもよい。第1図と第2図の中間的な結線でも
よい。
検出端子(52a)  (52b)は切欠きの近傍であ
れば第1図のように疲労試験片の側面でなく、第2図の
ように疲労試験片の上面(または下面)に取り付けても
よい。
第1図の交流電源部(50)から交流を検出部(60)
の交流ブリッジ回路(3)に供給する。
本実施例では交流電源部(50)は発信器(1)とその
出力のパワーアンプ(2)からなっており、5 k、 
Hz、IAの交流を供給している。本実施例では5kH
zの搬送波を使用しているが5kHzでなければならな
いものではない。
以下、厚さ2mmの5PCC(JIS軟銅板)で作成し
た第3図の形状の疲労試験片を用いて、試験用周波数2
0 HZ I応力比R=−1,荷重振幅Po=2.9k
Nの条件で疲労試験を行い亀裂先端開閉口荷重を測定し
たときのデータを用いて本発明を説明する。
交流ブリッジ回路(3)において、DRは温度補償用抵
抗、R1、R2は固定抵抗、VRは可変抵抗である。可
変抵抗VRを用いて交流ブリッジの平衡点を少しずらす
のがよい。交流ブリッジは平衡点で出力が最低になるた
め、電圧変化を正しく検出できないからである。使用抵
抗は使用条件によって実験的に適切な大きさのものを使
用することになるが、−例の概略値を述べると、第3図
の形状の鋼材の場合の被測定抵抗は10−3〜10−4
Ω、DRは被測定抵抗とばば同じ大きさのものを使用す
るので10−3〜10−4Ω、R1、R2は100〜2
00Ω、VRはIKΩである。
交流ブリッジ回路からの出力波形のうちピーク付近で起
こる微少な電圧変動(以下、信号という)のみが目的の
出力である。この信号を以下の信号処理部で取り出す。
交流ブリッジからの出力は前置き増幅器(5)で100
0倍に拡大され、帯域フィルター(6)に出力される。
前置き増幅器(5)は帯域フィルター(6)の後に配置
してもよい。
帯域フィルター(6)は5kHzの搬送波と信号を通し
、それ以外のものすなわちノイズを除去するためのもの
である。実験によると5 kHzの搬送波を選択的に通
すフィルターを使用すると、信号は10Hzという低サ
イクルのため、搬送波と信号を通しノイズを除去するこ
とができる。
第4図(a)は第1図A点の帯域フィルター(6)の出
力波形である。同図の下半分には荷重波形も併記してい
る。帯域フィルターの出力は、電圧抑制回路(8)に入
力する。さらに、発信器(1)の出力を移相回路(7)
に通し周波数および位相が帯域フィルター(6)の出力
信号と等しく電圧振幅を一定にした交流を電圧抑制回路
(8)に入力し、帯域フィルター(6)の出力電圧から
差し引く。電圧抑制回路(8)は信号が出力電圧のピー
ク部にあるため、出力のうち、信号部近傍の情報のみ取
り出し後述の主増幅器(9)で効率的な増幅をし、出力
表示装置での表示を都合のよい状態にするために零点を
シフトするものである。従って電圧抑制回路(8)は必
須の構成要素ではない。
電圧抑制回路(8)からの出力は主増幅器(9)で希望
の出力に増幅された後、再び帯域フィルター(10)で
帯域フィルター(6)以降で発生したノイズを帯域フィ
ルター(6)の場合と同じように除去し搬送波と信号を
通過させる。帯域フィルター(10)は帯域フィルター
(6)と同種のものでよい。
帯域フィルター(10)の出力は絶対値平滑回路などの
検波回路(11)で包絡線検波して、搬送波を除去し信
号を取り出す。主増幅器(9)は検波回路(11〉の後
に配置することも可能である。
検波回路(11)の出力は低域フィルター(12)でノ
イズが除去された後、出力信号として出力装置(64)
に導かれる。
第4図(b)は第1図のB点の低域フィルター(12)
の出力波形である。同図の下半分には荷重波形も併記し
ている。
以上の処理で疲労試験片の被測定抵抗が検出できる。
亀裂開閉口荷重を求めるときは、上記の処理によって得
られた疲労亀裂の開閉状態を示す信号と、疲労試験機(
図示していない)から出力される荷重信号との組合せ処
理が必要になる。疲労亀裂の開閉状態を示すこの出力信
号と、疲労試験機から出力される荷重信号の間には位相
のずれがあるので移相回路(14)を用いて両者の位相
を合わせる必要がある。移相回路(14)は疲労亀裂の
開閉状態を示す信号処理系統に挿入してもよい。
第4図(c)は横軸に出力電圧を、縦軸に荷重を入力し
てオシロスコープで両者の関係を描いたものである。第
4図(d)は第4図(C)の荷重レベルに対応する亀裂
先端付近の開口状態の模式1荷重サイクルの具有過程に
おいては、荷重レベルが低い範囲では、荷重が増加する
と亀裂面の接触面積は減少する。それに伴い接触による
電気抵抗は増加するため出力電圧が増加する。荷重が更
に高くなって亀裂の先端が開口を開始すると、第4図(
c)に示すように荷重が増加しても亀裂面の接触面積の
変化に伴う出力電圧の変化がなくなる。荷重が更に高く
なると、第4図(C)に示すように亀裂先端での塑性変
形などの影響で出力電圧は少し低下する。すなわち、亀
裂先端が開口を開始する付近では出力電圧と荷重の関係
を示す曲線にかなり明瞭な折れ曲がり点が認められる。
この折れ曲がり点での荷重が亀裂先端の開口開始荷重(
第4図(C)のPop)に相当する。
除荷過程では上述の貝荷過程と逆の現象が起こる、第4
図に示すように負荷過程に類似した曲線が得られる。こ
の曲線の折れ曲がり点での荷重が亀裂先端の閉口開始荷
重(第4図(c)のPc l)に相当する。
こうして、出力電圧と荷重の関係をオシロスコープ(1
6)あるいはXYレコーダく15)に描かせ、この折れ
曲がり点を読み取ることによって、目的とする亀裂先端
の開口開始荷重Popあるいは閉口開始荷重のPclを
求めることができる。
上記実施例は望ましい例を示したものであり、本発明は
この実施例に拘束されるものではない。
すなわち、ノイズが少ない場合は帯域フィルター(6)
、 (10)、低域フィルター(12)を省略すること
が可能であり、出力変動値が大きい材料の場合は、移相
回路(7〉、電圧抑制回路(8)を省略することが可能
である。上記実施例では増幅器を前置き増幅器(5)と
主増幅器(9)に分けているがこれを一つにすることも
可能である。
増幅器を1つにするときは、増幅器を交流ブリッジ回路
(3)と検波回路(11)の間に配置する。
また、電圧抑制回路(8)、主増幅器(9)、帯域フィ
ルター(10)、検波回路(11)の配置を検波回路(
11)、電圧抑制回路(8)、主増幅器(9)の順にし
てもよい。
以下、実施例を用いて本発明の特徴をより詳しく説明す
る。
[実施例1] @1図に示す装置を用いて次の条件で疲労亀裂先端開閉
口開始荷重を測定した。
材料      軟鋼板JIS  5PCC試験片形状
   片側切欠亀試験片(図2)厚さ2mm kHz A 3000倍 ロードセル オシロスコープ 5津製サーボパルサー(容量 5トン)最大荷重3.5 k N。
電源周波数 電源電流 全増幅率 荷重検出装置 出力装置 疲労試験機 最小背型−3,5kN、  亀裂 伝は中の周波数20 Hz s測定 時の周波数3Hz 測定時の亀裂長さ 0.9mm 第3図に示す疲労試験片の側面に第1図に示すように検
出端子(52a)  (52b)を取り付けて疲労試験
をした。測定結果を第5図と第1表に示す。第5図(a
)は第1図のB点の出力波形であり、第5図(b)は横
軸に低域フィルター(12)からの出力を、縦軸に移相
回路(14)を通過した荷重信号(13)をとったとき
のオシロスコープの出力をである。荷重信号(13)は
疲労試験機(図示せず)から送られてくる信号である。
[比較例1] 光学的方法での測定結果を第6図と第1表に示す。実施
例1と同一の荷重条件で吊手荷重から荷重を段階的に増
加させながら、各荷重段階で表面のレプリカを採取し、
そのレプリカについて電子顕微鏡写真上で測定すること
により亀裂縁の開口量を測定した。
横軸は亀裂先端から亀裂に沿って計った距離を、縦軸は
亀裂縁の開口量である。これから亀裂先端は萄′!iP
が約0.3PO(POは荷重振幅)、つまり、0.96
kN (”0.3x3.2)で開口していることがわか
る。この値は実施例1のPop=1.0kNとほぼ一致
している。
[実施例2] 測定時の亀裂長さが3.’7mm、最大荷重が2kN、
最小荷重が一2kNである以外は実施例1と同じ条件で
疲労亀裂先端開閉口開始荷重を測定した。測定結果を第
7図(a)、第8図及び第1表に示す。
[比較例2a] 実施例2と同一条件における除荷弾性コンプライアンス
法による測定結果を第7図(b)、第8図及び第1表に
示す。
[比較例2b] 実施例2と同一条件における光学的方法による測定結果
を第8図及び第1表に示す。
[実施例3] 材料を555C1亀裂長さを2.7mm、 iv輻幅率
50000倍と変えた以外は実施例2と同じ条件で測定
した結果を第8図と第1表に示す。
なお、555Cは5pccに比べて、抗張力、降伏点と
もがなり高く、それぞれ5pccの約2倍の強度を有す
る材料である。
[比較例3al 実施例3と同一条件における除荷弾性コンプライアンス
法による測定結果を第8図及び第1表に示す。
[比較例3bl 実施例3と同一条件における光学的方法による測定結果
を第8図及び第1表に示す。
[実施例4al 測定時の周波数を10Hzとし、測定時の亀裂長さを約
30μmと極端に短くしたこと以外は実施例1とほぼ同
じ条件で測定した結果を第9図(a)に示す。測定時の
亀裂長さが極端に短いにもかかわらず亀裂開閉口荷重が
明瞭に検出できている。亀裂長さが極端に短い場合、す
なわち、亀裂伝播の開始時の亀裂開閉口荷重の測定は、
他の方法では測定ができなかったが本発明によるとこれ
が可能になった。
なお、除荷弾性コンプライアンス法、超音波法及び直流
電位差法では亀裂長さが十分の数mm以下の場合の亀裂
開閉口荷重は検出できない。
[実施例4b] 測定時の亀裂長さを約50μmと、極端に短くしたにし
た以外は実施例4(a)と同一条件で測定した結果を第
9図(b)に示す。亀裂長さが極端に短いにもかかわら
ず実施例4(a)同様、亀裂開閉口荷重が明瞭に検出で
きている。
[実施例5] 工業用純チタンについても本発明の方法が精度よく適用
できることを実験で確認した。
く測定結果の比較〉 第8図の破線は除荷弾性コンプライアンス法で5pcc
と555Cの2つの材料について測定した比較例2aと
比較例3aの測定結果であり、開口開始荷重レベルを示
している。
除荷弾性コンプライアンス法で得られる測定値は1点で
あるため、その点を通り横軸に平行な破線を引いた。光
学的方法での測定値と比較するためである。破線と、光
学的方法で測定した後述の実線のほぼ水平になったとこ
ろがほぼ一致することから、除荷弾性コンプライアンス
法では亀裂先端から20μm程度離れた点での亀裂開口
荷重を検出しており、亀裂先端での開口荷重を検出して
いるのではないことがわかる。
第8図の白丸、黒丸の測定点及び実線は光学的方法で5
PCCと855Cの2つの材料について測定した比較例
2bと比較例3bの測定結果であり、亀裂先端からの距
離と亀裂縁の開口開始荷重の関係を示している。光学的
方法による測定は亀裂部のレプリカをとり、それを電子
顕微鏡で検鏡するため極めて時間がかがる測定法である
が、測定値は真の値に近いと考えられている。実線にお
ける亀裂縁の開口荷重の亀裂先端での外挿値は本発明に
よる実施例2と実施例3の測定値とほぼ一致する。この
ことは、本発明による測定ではまさに亀裂先端での開口
開始荷重を検出していることを意味する。
第1表は各実施例、比較例で得た測定値を比較したもの
である。同表では慣習にしたがって、Pop、Pclで
なく、加えられた荷重範囲(Pmax−Pmin)に対
する、亀裂先端が開口している荷重範囲(Pma x−
P o p)または(Pmax−Pmin)の比、すな
わち、 Uop= (Pmax−Pop)/ (Pmax−Pm
in) 、 Uc l =  (Pmax−Pc 1)/ (Pma
x−Pmin) で整理をしている。
ここに、Uopは負荷時の亀裂先端開口比Uclは除荷
時の亀裂先端開口比 と呼ばれている指標である。
第1表でPopは従来法では光学的方法が最も精度がよ
いとされているので、この値を基準にすると、除荷弾性
コンプライアンス法は誤差が大きいが、本発明の値はほ
ぼ光学的の値に一致していることがわかる。
Pclは光学的方法では測定できないので、基準値がな
いが比較できないが除荷弾性コンプライアンス法の値と
比較するとかなりの差がある。POpの精度から判断す
ると本発明の測定値がより信頼できる。
第1表には、各測定に要した概略時間も記載している。
いずれもデータ採取を決めた直後からの時間であり、試
験片作成時間、準備時間及び測定開始までの疲労試験時
間は含まれていない。光学的方法は第8図かられかるよ
うに最低5〜6点のデータがないとPop、Pclは求
まらないので、5点のデータを採取するときの時間とし
た。しかも、光学的方法では何時データを採取したらよ
いかの決定に非常に時間が掛かるがこの決定に要する時
間は無視しているので同表の時間はかなり割引をした時
間である。それでも、光学的方法では10〜20時間必
要である。本発明の測定に要する時間は約10秒と極め
て短い。
[効果] 疲労試験片を被測定抵抗とする交流ブリッジ回路を用い
た本発明を利用すると次の効果がある。
(1)金属は電気型導度が高いため疲労試験片の切欠き
を挾む2点間の電気抵抗はきわめて小さい。
しかも、亀裂先端部の接触面積は亀裂面全体の面積に比
較してごく小さいため、疲労亀裂の開閉口に伴う前記2
点間の電気抵抗の変化量はさらに小さいが、その電気抵
抗の僅かの変化を精度よく検出でき、その結果として疲
労亀裂の先端から数ミクロンから数十ミクロンにわたる
範囲での亀裂の開閉口状態の変化を精度よく検出できる
本発明によって得られる抵抗変化と疲労試験機からの荷
重信号を組み合わせると金属の亀裂開閉口荷重を制度よ
く測定できる。第8図、第1表から従来法より精度、測
定時間において、本発明を用いた方法が優れていること
がわかる。
(2)第2表は本発明を利用した測定法と従来法の比較
表である。同表は比較例として記載した以外の従来法と
の比較も行っている。同表から本発明の効果が従来法に
比べて著しいことがわかる。
(3)構成的に本発明に最も近い直流法と比較しても、
本発明は下記の特徴がある。
■ 工業用純チタンだけでなく、−鍛鋼材を含む大半の
導電性の金属の亀裂開閉口開始有節を測定することがで
きるので、本発明の適用範囲は極めて広い。
■ Pclの測定ができる。
■ 連続測定ができる。
■ 疲労試験速度が約30倍早くできる。
■ 測定時間が1/30<らいになる。
■ 亀裂長さが極めて短い時、すなわち亀裂伝播開始近
傍の微小亀裂に対しても開閉口開始荷重を測定できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の測定装置の構成図第2図
は測定装置の一部の別実施例 第3図は疲労試験片の外形図 第4図は出力信号と亀裂開閉口状態の説明図第5図は実
施例1の測定結果 第6図は光学的方法(比較例1)による亀裂縁の開口量 第7図は実施例2と除萄弾性コンプライアンス法(比較
例2a)にまる測定結果 第8図は各測定法による測定値の比較 第9図は微小亀裂長さが微少な実施例4(a)、実施例
4(b)の測定結果 である。 1:発振器、2:パワーアンプ、3:交流ブリッジ回路
、4:疲労試験片、5:前置き増幅器、6:帯域フィル
ター、7:移相回路、8:電圧抑制回路、9:主増幅器
、10:帯域フィルター11:検波回路、12:低域フ
ィルター 13=疲労試験機からの荷重信号、14:移
相回路、15 : XYI/:7−ダ、16:オシロス
コープ50:交流電源部、52a、52b:検出端子、
54:切欠き、56:亀裂、58:亀裂先端、60:検
出部、62:信号処理部、64:出力装置

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 [1]疲労試験片(4)の切欠き(54)を挟む位置に
    検出端子(52a)(52b)を取り付け、疲労試験機
    によって前記疲労試験片(4)に繰り返し荷重を与えた
    場合に生じる亀裂(56)の開閉口状態の変化に基づく
    前記検出端子(52a)(52b)間の抵抗の変化を交
    流ブリッジ回路(3)の出力として取り出す金属の疲労
    試験片の亀裂開閉口状態の検出方法 [2]交流ブリッジ回路(3)の被測定抵抗である疲労
    試験片(4)に取り付ける検出端子(52a)またはそ
    の近傍に交流電源部からの導線の1つを、検出端子(5
    2b)またはその近傍に交流ブリッジ回路の出力線の1
    つを結線していることを特徴とする請求項1記載の金属
    の疲労試験片の亀裂開閉口状態の検出方法 [3]交流ブリッジ回路(3)、前記交流ブリッジ回路
    (3)に接続された交流電源部(50)、前記交流ブリ
    ッジ回路(3)の被測定抵抗検出端子(52a)(52
    b)、前記交流ブリッジ回路(3)の出力側に接続され
    た増幅器、前記増幅器の後段に接続され被測定抵抗信号
    を取り出す検波回路(11)を備えた金属疲労試験片の
    亀裂開閉口状態の変化に基づく抵抗変化の検出装置
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016080631A (ja) * 2014-10-21 2016-05-16 株式会社島津製作所 材料試験機

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JP2016080631A (ja) * 2014-10-21 2016-05-16 株式会社島津製作所 材料試験機

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