JPH025793Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は壜等の容器に対する装着作業性を向上
させた混合針用ホルダーに関する。

〔従来の技術〕

ガラス壜、プラスチツク容器等に収容された医
療用の薬液、粉体等を他の容器に移送して混合を
行う作業は、薬液を外気に触れさせることなく短
時間のうちに完了させることが衛生上好ましいた
め、二つの容器の開口部内側にそれぞれ嵌着され
たゴム等の弾性体からなる栓に中空の両刃針を刺
し貫くことによつて二つの容器を気密状態のまま
で連通させることが行われている。この両刃針を
用いた二つの容器の接続作業は、栓を突き刺す際
の作業性と、突き刺した後における装着状態の保
持性を向上させるために、第４図に示すように、
中空筒形状で内側中央部に仕切板１ａを有した断
面略Ｈ形の合成樹脂製ハウジング１の該仕切板１
ａに、２通路を有した両刃針２を軸方向貫通させ
た状態で固定してなるホルダーを用いて行われて
いる。符号３，４は壜等の容器、３ａ，４ａは栓
を示し、両刃針２は各栓３ａ，４ａとの間の圧着
力と、ハウジング１内周面と各容器の開口部外周
面との間の嵌着力によつて装着状態を保持するこ
とができる。このような構成を有した混合針用ホ
ルダーとして、例えば特開昭54−1992号、実開昭
54−78397号、実開昭57−117351号、実公昭60−
19724号公報に記載されたものを挙げることがで
きる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら従来の混合針用ホルダーにあつて
は、ハウジングの形状が完全な円筒形、多角柱
形、或いはこれらを単純に組み合わせた段状形状
（特開昭54−1992号）で、しかも滑り易い合成樹
脂製であるばかりでなく、外周面が平坦であるた
め、人手によつてハウジングの軸方向両端の筒状
の嵌着部に容器の開口部を嵌着（このときには針
の穿刺も同時に進行する）するときに、かなりの
力を必要としたり、或いは手を滑らせて針の刃先
でケガをする恐れがある。とくに、プラスチツク
製の容器は強く圧迫すると変形してゴム栓に刺し
た針から内容物が流出する恐れがあるため、ホル
ダーの装着に大きい力を要する従来のホルダーは
衛生管理上も問題を有していた。また、ホルダー
を取り外す場合も同様の不便があつた。なお、上
記特開昭54−1992号公報に記載された段状のホル
ダーは段差を有しているため、容器に嵌着する際
に便利であるようにも考えられるが、外周面が平
坦であるため滑り易く、装着作業製は良好ではな
い。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記に鑑みてなされたものであり、両
刃針を有したホルダーを壜等の容器の開口部に嵌
着する際の作業性を向上させるため、中空筒形で
内側中央部に仕切部を有した合成樹脂性ハウジン
グの該仕切部に両刃針を貫通固定した混合針用ホ
ルダーの該ハウジングの外周上に外径方向へ突出
する滑り止めリブを形成した混合針用ホルダーを
提供するものである。

〔実施例〕

以下、本考案の混合針用ホルダーを詳細に説明
する。

第１図イ，ロ、第２図および第３図は本考案の
一実施例の斜視図、断面図および使用状態であ
り、このホルダー１０は、中空略筒形で内側中央
部に仕切部１２を有したハウジング１１と、仕切
部１２を軸方向へ貫通した状態で固着された１ま
たは２通路の両刃針２０とから概略構成されてい
る。ハウジング１１は、仕切部１２と、仕切部１
２の軸方向両側へ連続一体的に延長形成された大
径の筒状部１３および小径の筒状部１３とから成
る。大径の筒状部１３および小径の筒状部１４
は、第３図に示すように壜等の容器３，４の開口
部外周に嵌着される。大径の筒状部１３は、軸方
向内側から外側へ向けて拡開する切頭円錐形のテ
ーパー部１５と、テーパー部１５の外側端縁から
さらに軸方向外側に延長形成された筒状の嵌着部
１６とから成り、テーパー部１５の一端１５ａに
は外径方向へ突出する滑り止めリブ１７が一体形
成され、嵌着部１６の外側端縁１６ａは図示のよ
うに曲線状カツト縁面となつている。この曲線状
カツト縁面の形状は、外側端縁１６ａを下にして
ハウジング１１を平坦な面上に載置して立てよう
とした場合に、ハウジング１１が静止状態を維持
することが難しくなるように、換言すればハウジ
ング１１が僅かな外力で、または全く外力を加え
なくともすぐに倒れてしまうような曲線形状であ
ることが好ましい。この曲線状カツト縁面は小径
の筒状部１４の外側端縁１４ａに形成したもよ
い。また、各筒状部１３，１４（いずれか一方だ
けでもよい）の内壁には軸方向へのびる複数の落
下防止ストツパ１８が周方向へ所定間隔をおいて
突設されている。

なお、上記実施例では一方が大径で他方が小径
の筒状部１３，１４を示したが、同径であつても
差支えない。

以上の構成において、テーパー部１５の一端１
５ａには外径方向へ突出する滑り止めリブ１７が
一体形成されているため、人手によつてハウジン
グの軸方向両端の筒状部に容器の開口部を嵌着す
るときにこの滑り止めリブが滑り止めとなつた装
着作業性を向上させることができる。従つて、装
着作業に際して大きな力が不要であるばあかりで
なく、手を滑らせることが無くなるため手を滑ら
せて針の刃先でケガをする恐れを解消することが
できる。とくに、プラスチツク製の容器は強く圧
迫する変形としてゴム栓に刺した針から内容物が
流出する恐れがあるが、ホルダーの装着に要する
力が僅かでよい本考案のホルダーによれば衛生管
理上も問題がない。

〔考案の効果〕

以上のように本考案の混合針用ホルダーによれ
ば、中空筒形で内側中央部に仕切部を有した合成
樹脂製ハウジングの該仕切部に両刃針を貫通固定
した混合針用ホルダーの該ハウジングの外周上に
外径方向へ突出する滑り止めリブを形成したた
め、両刃針を有したホルダーを壜等の容器の開口
部に嵌着する際の作業性を向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロ、第２図および第３図は本考案の
一実施例の斜視図、断面図および使用状態説明
図、第４図は従来例の構成説明図。 符号の説明、１……ハウジング、１ａ……仕切
板、２……両刃針、３，４……容器、３ａ，４ａ
……栓、１３，１４……筒状部、１５……テーパ
ー部、１６……嵌着部、１４ａ，１６ａ……外側
端縁、１７……滑り止めリブ、１８……落下防止
ストツパ、２０……両刃針。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 中空筒形で内側中央部に設けられた仕切部に両
   刃針を貫通固定した混合針用ホルダーにおいて、 該ハウジングの外周上に外径方向へ突出する滑
   り止めリブを形成したことを特徴とする混合針用
   ホルダー。