JPH0257236B2

JPH0257236B2 -

Info

Publication number: JPH0257236B2
Application number: JP60265980A
Authority: JP
Inventors: Nooman Andaautsudo Haabaato
Original assignee: Borg Warner Corp
Current assignee: Borg Warner Corp
Priority date: 1984-11-26
Filing date: 1985-11-26
Publication date: 1990-12-04
Also published as: EP0183422A3; CA1255539A; EP0183422B1; EP0183422A2; AU4932285A; DE3577341D1; JPS61132792A; US4815954A; AU572704B2

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、全体として、複合ポンプに関し、特
に、低圧系統の密封性能を著るしく損わずに、高
圧系統の密封性能を改善し得るように、３個の歯
車のうち、１つの歯車を斜めに配設した複合ポン
プに関する。

（従来の技術および問題点）歯車ポンプは、従来技術において、周知であ
る。典型的な歯車ポンプは、内部で２つの噛合い
歯車が回転するポンプ室を画定するハウジングを
備えている。これら歯車の回転により、流体は、
比較的低圧の吸込み圧力でポンプ室内に吸込ま
れ、比較的高圧の吐出圧力でポンプ室から排出さ
れる。

歯車ポンプは、様々な種類の機械に流体を供給
するのに有用である。多くの機械の場合、異なる
負荷に対処するため、異なる圧力が必要である。

従来技術において、かかる必要性は、主に、
各々、特定の圧力で流体を供給し得るようにし
た、別個の複数の歯車ポンプを使用することで充
足していた。あるいは、従来の歯車ポンプは、多
段形とし、各段間の吐出口を接続して、異なる流
体圧力が得られるようにしたものもある。しか
し、かかる歯車ポンプは、非常に多くのポンプ歯
車およびポンプ調整装置を必要とするという欠点
がある。

上記の如き欠点は、三歯車式複合ポンプによつ
て解決することができる。かかる複合ポンプは、
1980年５月27日付けの米国特許第4204811号に開
示されている。このポンプは、３個の歯車を備
え、うち、中心の歯車が、他の２個の歯車と噛合
い、２組の同時に回転するポンプ歯車がそれぞ
れ、２つのポンプ系統の１方を形成するようにし
てある。２つの吸込口、並びに、高圧側と低圧側
の吐出口が設けてある。ポンプ歯車は、回転する
と、吸込口から流体を吸引する。低圧側の歯車組
が低圧側吐出口から、流体を排出し、高圧側の歯
車組が、高圧側吐出口から流体を排出する。低圧
側吐出口とその隣接する吸込口間の差圧は、比較
的低いため、流体漏れの問題は生じない。しか
し、高圧側吐出口とその隣接する吸込口間の差圧
は、比較的高圧であるため、重大な流体漏れの問
題が生ずる。このため、この流体漏れの虞れを少
なくし、現在利用可能な同様のポンプと比べて、
より効率的な高圧ポンプ系統を実現し得る三歯車
式複合ポンプが求められている。

（問題点を解決するための手段）本発明は、上記必要性に対処せんとするもので
ある。この目的達成のため、本発明は、第１、第
２および第３の相互に重複するポンプ室を備え、
３個の歯車の内１個を斜めに配設した三歯車式複
合ポンプを提供するものである。第１吸込口およ
び低圧側吐出口は、それぞれ第１室および第２室
に連通する。同様に、第２吸込口および高圧側吐
出口は、それぞれ第１ポンプ室および第３室に連
通する。第１ポンプ室は、低圧側吐出口から、第
２吸込口まで伸長する比較的短かい壁部分、およ
び高圧側吐出口から第１吸込口まで伸長する比較
的長い壁部分を備えている。第１歯車、第２歯車
および第３歯車は、それぞれのポンプ室内で回転
可能である。第１歯車および第２歯車が噛合い、
低圧側系統のポンプ歯車組を形成し、第１歯車お
よび第３歯車が噛合い、高圧側系統のポンプ歯車
組を形成する。第１歯車の比較的少数の歯が短か
い壁面部分と協働し、第１歯車の比較的多数の歯
が長い壁面部分と協働して、吐出口から吸込口に
流体が漏れるのを防止する密封作用を行なうこと
ができる。

本発明の目的および利点は、当業者なら、添付
図面を参照しながら、以下の詳細な説明を読むこ
とによつて、認識することができよう。

（実施例）本発明は、様々な異なる実施態様にて実施する
ことができるが、好適実施態様が第２図に示して
あり、これについて、以下詳細に説明する。但
し、以下の説明は、本発明の１例にしか過ぎず、
本発明の実施態様がこれら記載内容に限定される
ものではないことを承知する必要がある。

添付図面、特に、第１図に関し、詳細に説明す
ると、符号１０は、従来技術で公知の典型的な三
歯車式複合ポンプを示す。このポンプ１０は、第
１壁面部分１６および第２壁面部分１８を有する
第１ポンプ室１４と、壁面部分２２を有する第２
ポンプ室２０と、および壁面部分２６を有する第
３ポンプ室２４とを画定するハウジング１２を備
えている。第１ポンプ室１４、第２ポンプ室２０
および第３ポンプ室２４は重複し、第１ポンプ軸
心Ａと同一線上に配設されている。

第１歯車２８は、第１室１４内にて、第１歯車
軸心３０を中心として回転可能である。この歯車
は、歯３２を備えている。第２歯車３４は、第２
室２０内にて、第２歯車軸心３６を中心として回
転可能であり、歯３８を備えている。第３歯車４
０は、第３室２４内にて、第３歯車軸心４２を中
心として回転可能であり、歯４４を備えている。
歯車軸心３０，３６および４２は、略平行であ
り、ポンプ軸心Ａを画定する。

ハウジング１２は、また、第１吸込口４６およ
び低圧側吐出口４８を備えている。これら吸込口
４６および吐出口４８は、それぞれ、第１歯車２
８および第２歯車３４の両側で、第１室１４およ
び第２室２０と連通している。ハウジング１２
は、さらに、第１歯車２８および第３歯車４０の
両側で第１室１４および第３室２４と連通する第
２吸込口５０および高圧側吐出口５２を備えてい
る。

第１吸込口４６は、適当な管路５４を介して、
流体リザーバ５６と連通し、低圧側吐出口４８
は、適当な管路５８を介して、低圧負荷６０、例
えば、潤滑装置と連通している。同様に、吸込口
５０は、適当な管路６２を介して、流体リザーバ
５６および高圧側吐出口５２は、適当な管路６４
を介して、高圧負荷６６、例えば、流体動力装置
にそれぞれ連通している。

第１歯車２８および第２歯車３４は、低圧負荷
６０に対し、比較的低圧の流体を供給する低圧系
統のポンプ歯車組２８，３４を形成する。同様
に、第１歯車２８および第３歯車４０は、高圧負
荷６６に対し、比較的高圧の流体を供給する高圧
系統のポンプ歯車組２８，４０を形成する。

ポンプ１０が単一系統ポンプであれば、低圧側
吐出口４８および高圧側吐出口５２の連通する負
荷は単一であるから、これら吐出口における圧力
は平衡を保つ。しかし、ポンプ１０は、複合ポン
プであるため、上記吐出口４８は、低圧負荷６０
と、吐出口５２は高圧負荷６６と、それぞれ連通
する。低圧系統の歯車組２８，３４は、吐出口４
８に比較的低い圧力を発生させる一方、同時に、
高圧系統の歯車組２８，４０は、吐出口５２に比
較的高い圧力を発生させる。このため、吐出口５
２と４８の間には、差圧が生じる。この差圧によ
り偏倚力が生じ、このため、第１歯車２８は、高
圧側吐出口５２から離れる。その結果、歯３２お
よび壁面部分１６間の密封性は増大する一方、歯
３２および壁面部分１８間の密封性は低下する。
換言すれば、低圧側吐出口４８から吸込口５０へ
の漏れは少なくなるが、高圧側吐出口５２から第
１吸込口４６への漏れは増加する。かかる流体漏
れの増加により、ポンプ１０の高圧系統の効率は
低下する。

上記高圧側吐出口５２から第１吸込口４６への
流体漏れを少なくし、よつて、ポンプ効率の向上
を図ることが、本発明の目的である。

次に、好適実施態様を示す第２図を参照する
と、符号１０ａは、本発明による三歯車式複合ポ
ンプを示す。ポンプ１０ａは、第１壁面部分１６
ａおよび第２壁面部分１８ａを有する第１室１４
ａを画定するハウジング１２ａを備えている。こ
のハウジング１２ａは、また、壁面部分２２ａを
有する第２ポンプ室２０ａ、および壁面部分２６
ａを有する第３ポンプ室２４ａを画定する。上記
第１ポンプ室１４ａおよび第２ポンプ室２０ａ
は、重複し、ポンプ軸心Ａと→同一線上に配設さ
れている。第１ポンプ室１４ａおよび第３ポンプ
室２４ａは、重複し、ポンプ軸心Ａと交差するよ
うに配向された第２ポンプ軸心Ｂと同一線上に配
設されている。

第１歯車２８ａは、第１ポンプ室１４ａ内に
て、第１歯車軸３０ａを中心として、回転可能で
ある。この第１歯車２８ａは、歯３２ａを備えて
いる。第２歯車３４ａは、第２ポンプ室２０ａ内
で、第２歯車軸３６ａを中心として回転可能であ
り、歯３８ａを備えている。第３歯車４０ａは、
第３ポンプ室２４ａ内で、第３歯車軸４２ａを中
心として回転可能であり、歯４４ａを備えてい
る。上記歯車軸３０ａ，３６ａおよび４２ａは略
平行である。第１歯車軸３０ａおよび第２歯車軸
３６ａは、ポンプ軸心Ａを画定する一方、第１歯
車軸３０ａおよび第３歯車軸４２ａは、ポンプ軸
心Ｂを画定する。ポンプ軸心ＡおよびＢは、第１
歯車軸３０ａにて、交差している。

ハウジング１２ａは、また、第１吸込口４６ａ
および低圧側吐出口４８ａを備えている。上記第
１吸込口４６ａおよび低圧側吐出口４８ａは、第
１歯車２８ａおよび第２歯車３４ａの両側で、第
１ポンプ室１４ａおよび第２ポンプ室２０ａと連
通している。ハウジング１２ａは、さらに、第１
歯車２８ａおよび第３歯車４０ａの両側で、第１
ポンプ室１４ａおよび第３ポンプ室２４ａと連通
する第２吸込口５０ａおよび高圧側吐出口５２ａ
を備えている。

第１吸込口４６ａは、管路５４を介して、流体
リザーバ５６に連通し、低圧側吐出口４８ａは、
管路５８を介して、低圧負荷６０に連通してい
る。同様に、第２吸込口５０ａは、管路６２を介
して、流体リザーバ５６に連通し、高圧側吐出口
５２ａは管路６４を介して、高圧負荷６６に連通
している。

第１歯車２８ａおよび第２歯車３４ａは、低圧
負荷６０に対し、比較的低圧の流体を供給する低
圧系統のポンプ歯車組２８ａ，３４ａを形成す
る。同様に、第１歯車２８ａおよび第３歯車４０
ａは、高圧負荷６６に対し、比較的高圧の流体を
供給する高圧系統のポンプ歯車組２８ａ，４０ａ
を形成する。

第２図を第１図と比較すると、第２壁面部分１
８ａは、第１図の第２壁面部分１８より、長いこ
とが認識できよう。この第２壁面部分１８ａは、
第１壁面部分１６ａと比べても長い。

ハウジング１２ａ内では、吐出口から、その隣
接する吸込口に若干の流体漏れが生ずる。低圧側
吐出口４８ａから、その隣接する第２吸込口５０
ａへの漏れは、上記低圧側吐出口４８ａと第２吸
込口５０ａ間の差圧が僅かであるため、比較的少
ない。これに反し、高圧側吐出口５２ａから、そ
の隣接する第１吸込口４６ａへの漏れは、上記高
圧側吐出口５２ａと第１吸込口４６ａ間の差圧が
大きいため、比較的大きい。しかし、第１壁面部
分１８ａの長さが長いため、より多数の歯３２ａ
で、密封し、この流体漏れを防止することができ
る。換言すれば、第２図の実施態様は、第１図の
実施態様と比べて、上記密封を行なうためのより
多数の歯が得られるのである。その結果、密封性
が向上し、流体漏れは減少し、ポンプの高圧系統
の効率向上を実現することができる。

この密封性向上は、第１壁面部分１６ａと協働
して密封し、低圧側吐出口４８ａから第２吸込口
５０ａへの流体漏れを防止する歯３２ａの数を少
数にするという犠性によつて得られるものであ
る。しかし、上記低圧側吐出口４８ａと第２吸込
口５０ａ間の差圧は、比較的低圧であるため、少
数の歯数でも、十分な密封性が得られるのであ
る。さらに、高圧側吐出口５２ａにおける比較的
高い圧力により、偏倚力が生じ、このため、第１
歯車２８ａは、上記高圧側吐出口５２ａから離れ
る。これによつて、歯３２ａおよび第１壁面部分
１６ａ間の密封性が向上する。

各種吸込口および吐出口の特定の寸法および形
状は、設計上の選択の問題に過ぎないが、十分な
歯数で密封することにより、上述の如き、高圧側
吐出口からの流体漏れを防止するという目的を達
成し得るものでなければならない。

上記のように、本発明は、高圧側吐出口から、
その隣接する吸込口への流体漏れを減少させるこ
とによつて、簡単且つ経済的に、ポンプ効率を向
上させることのできる三歯車式複合ポンプに関す
る技術的思想を開示するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来技術で公知の三歯車式複合ポン
プの図解図、および第２図は、１個の歯車を斜め
に配設した、本発明による三歯車式複合ポンプの
図解図である。（主要符号の説明）、１０ａ……三歯車式複合
ポンプ、１２ａ……ハウジング、１４ａ……第１
ポンプ室、１６ａ……第１壁面部分、１８ａ……
第２壁面部分、２０ａ……第２ポンプ室、２２ａ
……壁面部分、２４ａ……第３ポンプ室、２６ａ
……壁面部分、２８ａ……第１歯車、３０ａ……
第１歯車軸、３２ａ……歯、３４ａ……第２歯
車、３６ａ……第２歯車軸、３８ａ……歯、４０
ａ……第３歯車、４２ａ……第３歯車軸、４４ａ
……歯、４６ａ……第１吸込口、４８ａ……低圧
側吐出口、５０ａ……第２吸込口、５２ａ……高
圧側吐出口、５４，５８，６２，６４……管路、
５６……流体リザーバ、６０……低圧負荷、６６
……高圧負荷。

Claims

【特許請求の範囲】１重複する第１ポンプ室１４ａ、第２ポンプ室
２０ａおよび第３ポンプ室２４ａ、前記第１ポン
プ室および第２ポンプ室と連通する第１吸込口４
６ａおよび低圧側吐出口４８ａ、並びに前記第１
ポンプ室および第３ポンプ室と連通する第２吸込
口５０ａおよび高圧側吐出口５２ａを有するハウ
ジング１２ａと、前記第１ポンプ室２８ａ、第２
ポンプ室３４ａおよび第３ポンプ室４０ａ内でそ
れぞれ回転可能な第１歯車２８ａ、第２歯車３４
ａおよび第３歯車４０ａとを備え、前記第１ポン
プ室が前記低圧側吐出口から前記第２吸込口まで
伸長する比較的短かい壁面部分１６ａおよび前記
高圧側吐出口から前記第１吸込口まで伸長する比
較的長い壁面部分１８ａを備え、前記第１歯車お
よび第３歯車が噛合つて低圧系統のポンプ歯車２
８ａ，４０ａを形成し、前記第１歯車が、前記短
かい壁面部分と協働する比較的少数の歯数および
前記長い壁面部分と協働する比較的多数の歯数を
備え、前記圧力吐出口から前記吸込口への流体漏
れを防止することを特徴とする三歯車式複合ポン
プ１０ａ。２重複する第１ポンプ室、第２ポンプ室および
第３ポンプ室、前記第１ポンプ室および第２ポン
プ室と連通する第１吸込口および低圧側吐出口、
前記第１ポンプ室および第３ポンプ室と連通する
第２吸込口および高圧側吐出口を有するハウジン
グと、前記第１ポンプ室、第２ポンプ室および第
３ポンプ室内で第１歯車軸、第２歯車軸および第
３歯車軸を中心としてそれぞれ回転可能な第１歯
車、第２歯車および第３歯車とを備え、前記第１
歯車および第２歯車が、低圧系統の第１ポンプ歯
車組を形成し、前記第１歯車および第３歯車が高
圧系統の第２ポンプ歯車組を形成する三歯車式二
連ポンプにおいて、前記第１歯車軸および第２歯
車軸が第１ポンプ軸心を画定し、前記第１歯車軸
および第３歯車軸が前記第３歯車を、前記第２吸
込口に向けて前記第１歯車および第２歯車と斜め
に配設するように前記第１ポンプ軸心と交差する
第２ポンプ軸心を画定するように改良したことを
特徴とする三歯車式複合ポンプ。３前記第１ポンプ室が前記低圧側吐出口から、
前記第２吸込口まで伸長する第１壁面部分と、お
よび前記高圧側吐出口から、前記第１吸込口まで
伸長する第２壁面部分とを備え、前記第１壁面部
分が比較的短かく、かつ前記第２壁面部分が比較
的長いように改良したことを特徴とする特許請求
の範囲第２項に記載した三歯車式複合ポンプ。４前記第１歯車が前記両壁面部分と協働し、密
封を行なう複数の歯を備え、比較的少数の歯が前
記第１壁面部分と協働し、前記低圧側吐出口か
ら、前記第２吸込口への流体漏れを防止する密封
を行ない、かつ比較的多数の歯が、前記第２壁面
部分と協働し、前記高圧側吐出口から、前記第１
吸込口への流体漏れを防止する密封を行なうよう
に改良したことを特徴とする特許請求の範囲第３
項に記載した三歯車式複合ポンプ。