JPH0255609B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、内燃機関用の燃料噴射ポンプであつ
て、遠心調整器及びフイードポンプを備えてお
り、遠心調整器が負荷に関連して作動せしめられ
る調節部材を有しており、フイードポンプの吐出
圧が噴射時期調節のための調節ピストンを負荷し
ており、前記吐出圧が圧力制御弁を介して回転数
に比例してかつ付加的に機関特性値に関連して燃
料の一部を流出弁を介して流出させることによつ
て制御可能である形式のものから出発する。この
種の燃料噴射ポンプにおいては噴射時期調節がも
つぱら回転数に関連して行なわれる。しかしなが
ら内燃機関内の燃料は負荷の影響を著しく強く受
けるので、噴射開始の際の燃焼プロセスを最適に
するために負荷も考慮されねばならない。

噴射開始に際し負荷を考慮して燃料プロセスを
最適にするために本発明の構成では、吐出圧制御
のために調節部材が制御通路を開放制御するよう
になつており、前記制御通路が付加的に流出弁に
よつて開閉制御されるようになつている。

本発明に基づく前記構成を備えた燃料噴射ポン
プにおいては、全負荷状態の場合に負荷に関連し
て噴射時期に対する必要な制御が得られ、かつ開
始時に噴射時期に対する制御が機関特性値に関連
して行なわれる場合には負荷に関連した燃料オー
バーフロー及び連続的な燃料オーバーフローが遮
断され噴射時期早め調節が保証される。

次に図面を用いて本発明の実施例を具体的に説
明する。

噴射ポンプの概略図においては、ポンプピスト
ン並びにポンプピストンのカム伝動装置は示され
ていない。それというのはこれらは種々の形式で
構成されていてよいからである。カム伝動装置内
には噴射時期を調節するために噴射時期調節ピス
トン２のピン１が係合しており、この噴射時期調
節ピストンは作業室３内の液体の圧力によつて戻
しばね４の力に抗して摺動可能である。作業室３
内に圧力を形成するために燃料噴射ポンプによつ
てフイードポンプ５が駆動され、このフイードポ
ンプの吐出量は回転数に比例している。圧力は圧
力制御弁６を介して回転数に比例して制御され、
したがつて作業室３内の圧力により噴射時期調節
ピストン２が回転数の増大に伴つて戻しばね４の
ばね力に抗して相応にずらされる。これにより、
噴射開始が回転数の増大に伴つて次第に早め方向
にうつされる。フイードポンプ５から圧力導管７
が作業室３に通じており、戻しばね４を収容して
いる室８からは戻し導管９がポンプの吸込み側に
通じている。圧力導管７からはバランス導管１０
が噴射ポンプの吸込み室１１に通じており、した
がつて吸込み室１１内に作業室３内と同じ圧力が
生じ。吸込み室１１内の圧力変動が作業室３内の
相応の圧力変動を生ぜしめる。

圧力制御弁６は制御ピストン１２とこの制御ピ
ストンを収容しかつ位置の異なる２つの流出開口
を備えたシリンダから成つており、制御ピストン
１２がフイードポンプ５によつて吐出された燃料
によりばね１３の力に抗して負荷されていて、両
方の流出開口を負荷に関連して開放制御するよう
になつており、流出開口か戻し導管１４を介して
フイードポンプ５の吸込側に通じている。

吸込み室１１内へはポンプケーシングからスプ
ール１５が突入しており、このスプール上には軸
方向に摺動可能に調節部材１６が配置されてお
り、この調節部材の位置は負荷の尺度になる。例
えば調節部材１６として遠心調整器の調節スリー
ブが用いられてよく、この遠心調整器には一つの
方向で遠心おもりがかつ別の方向で、任意に若し
くは負荷に関連して変えられる戻し力が作用して
いる。遠心力に関連して調節する代わりに液力が
用いられてもよく；調節部材１６にとつて重要な
ことは調節部材がが負荷に関連した作用を受ける
か若しくは負荷に関連した位置を取ることであ
る。調節部材６は吸込み室１１に向かつて開いた
制御孔１７を有しており、この制御孔はスプール
１５のリング溝１８と協働しており、このリング
溝は制御通路１９を介して流出通路２０に通じて
いる。流出通路２０は圧力軽減されて例えばフイ
ードポンプ５の吸込み側に接続されている。調節
部材６は制御通路１９の開放制御された全負荷位
置で示されている。負荷が減少するやいなや調節
部６が右側へ移動させられ、吸込み室１１が制御
通路１９から遮断される。逆に、負荷の増大に伴
つて例えば内燃機関の温度上昇に基づき着火が早
期に、すなわち上死点に達する前に生じることを
避けるために、全負荷が生じると制御通路１９が
調節部材１６によつて開放制御され、吸込み室１
１から燃料が流出し、これによつて吸込み室１
１、ひいては作業室１３内の圧力が降下せしめら
れ、噴射時期が遅らされる。比較的低い負荷にお
いては吸込み室１１が制御通路１９から遮断され
ており、かつ噴射時期がもつぱら圧力制御弁６に
よつて規定されている。このことは流出弁２１が
開放制御されている間、すなわち通常運転の間に
あてはまる。

冷えた内燃機関を始動する場合若しくはそのほ
かの条件においては、通常制御に対して、流出弁
２１が遮断されるか少なくとも絞られることによ
つて早め調節が行なわれる。したがつて流出弁を
遮断若しくは絞ることによつて制御通路１９から
流出通路２０への流れが堰止めされ、その結果全
負荷時の調節部材１６を介した遅らせ調節は行な
われないか若しくは限られた範囲でのみ行なわれ
る。

圧力制御弁６のばね１３を収容している室２２
が制御通路１９に接続されており、したがつて制
御通路１９内の動圧が室２２内にも伝達されかつ
そこではばね１３を助成して制御ピストン１２に
作用する。これによつて制御ピストン１２が図面
で見て下方に移動させられ、したがつて作業室３
内の圧力が上昇して、噴射時期調節ピストン２が
右側へ早め方向に移動させられる。室２２を制御
通路１９に接続する代わりに、この室２２が早め
調節のための別の流出弁によつて制御されていて
もよい；重要なことは、冷たい内燃機関において
流出弁が遮断され、これによつて吸込み室１１か
ら燃料が制御通路１９を通つて流出できなくなつ
ていることである。その結果吸込み室内の圧力の
降下が避けられかつ、作業室３内に作用する圧力
の降下による噴射時期の遅らせ調節が避けられ
る。

制御通路１９を調節部材１６によつて遮断する
部分負荷範囲においても、流出弁２１を介した噴
射時期調節に対する申し分のない機能を保証する
ために有利には制御ピストン１２内に縦方向絞り
孔２３が配置されていてよい。この縦方向絞り孔
を介して、流出弁２１の開いている間常に燃料が
流出して相応に制御される。

流出弁２１は圧力制限弁２４として構成されて
おり、この圧力制限弁が調節モータ２５を介して
開放制御可能である。閉鎖方向にばね２６が作用
している。調節モータとして機械的に作動可能な
調節部材若しくは例えば電磁石、膨張部材が用い
られてよい。この場合にはしばしば調節のために
用いられる機関特性値は温度であつてもよい。

制御通路１９内に形成される動圧が、堰止め中
に、通常用いれるオーバーフロー弁２７を閉じる
ために使われ、ひいては吸込み室１１及び作業室
３内の圧力を高めて高速回転中の噴射時期を早め
る。このオーバーフロー弁２７は、ピストン２８
を戻しばれ３０に抗して多かれ少なかれ移動させ
ることにより吸込み室１１のオーバーフロー導管
２９を開放制御する。制御通路１９は、オーバー
フロー弁２７の戻しばね３０を受容している室に
接続されており、したがつて制御通路内に生じる
動圧が戻しばね３０の力を助成しかつピストンを
図示の位置へ押す。図面は燃料噴射ポンプを全負
荷及び流出弁２１の閉じられた状態で示してい
る。オーバーフロー弁２７は動圧に基づき閉じら
れており、圧力制御弁６においては制御ピストン
１２が戻し導管１４の上側へ押されかつ調節部材
１６が吸込み室１１を制御通路１９に接続してい
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示す概略図である。 １……ピン、２……噴射時期調節ピストン、３
……作業室、４……戻しばね、５……フイードポ
ンプ、６……圧力制御弁、７……圧力導管、８…
…室、９……戻し導管、１０……バランス導管、
１１……吸込み室、１２……制御ピストン、１３
……ばね、１４……戻し導管、１５……スプー
ル、１６……調節部材、１７……制御孔、１８…
…リング溝、１９……制御通路、２０……流出通
路、２１……流出弁、２２……室、２３……縦方
向絞り孔、２４……圧力制限弁、２５……調節モ
ータ、２６……ばね、２７……オーバーフロー
弁、２８……ピストン、２９……オーバーフロー
導管、３０……戻しばね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内燃機関用の燃料噴射ポンプであつて、遠心
   調整器及びフイードポンプを備えており、遠心調
   整器が負荷に関連して作動可能な調節部材を有し
   ており、フイードポンプの吐出圧が噴射時期調節
   のための調節ピストンを負荷しており、前記吐出
   圧が圧力制御弁を介して回転数に比例してかつ付
   加的に機関特性値に関連して燃料の一部を流出弁
   を介して流出させることによつて制御可能である
   形式のものにおいて、吐出圧制御のために調節部
   材１６が制御通路１９を開放制御するようになつ
   ており、前記制御通路１９が付加的に流出弁２１
   によつて開閉制御されるようになつていることを
   特徴とする内燃機関用の燃料噴射ポンプ。 ２ 流出弁２１が圧力制限弁２４として構成され
   ており、この圧力制限弁が機関特性値に関連して
   働く調節モータ２５によつて制御可能である特許
   請求の範囲第１項記載の燃料噴射ポンプ。 ３ 圧力制御弁６が、ばね１３によつて負荷され
   た制御ピストン１２で以て作動し、かつ圧力制御
   弁６のばねを収容している室２２が制御通路１９
   に接続されている特許請求の範囲第１項記載の燃
   料噴射ポンプ。 ４ 圧力制御弁６の制御ピストン１２内に縦方向
   絞り孔２３が設けられている特許請求の範囲第３
   項記載の燃料噴射ポンプ。 ５ 制御ピストン１２が戻し導管１４への第１の
   流出開口を、かつ適当な行程の進んだ後に戻し導
   管１４への第２の流出開口を開放制御する特許請
   求の範囲第３項記載の燃料噴射ポンプ。 ６ 燃料がオーバーフロー通路２９を介して連続
   的に流出するようになつており、オーバーフロー
   通路２９がオーバーフロー弁２７によつて開閉制
   御されるようになつており、このオーバーフロー
   弁のばね側が常に制御通路１９に接続されるよう
   になつている特許請求の範囲第１項記載の燃料噴
   射ポンプ。