JPH0254916B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、核燃料集合体から燃料棒を取り出す
装置に関し、より詳細には、核燃料集合体から複
数の燃料棒を同時に取り出す装置に関する。

原子炉を一定期間運転した後、原子炉の炉心と
なる燃料集合体を再配置して、貧化した即ち使用
済の燃料集合体を新しいものと取り換えなければ
ならない。使用済の燃料集合体は反応容器から取
り出して、反応器の側にある水のプール中で貯蔵
するのが普通である。従来技術の燃料集合体は、
燃料棒のほかに、たとえば格子や制御棒案内チユ
ーブ等の構造材を含むので、貯蔵プールでは個々
の燃料棒が必要とするよりも大きなスペースが使
用済の燃料集合体によつて占められる。貯蔵プー
ルの容積は限られているから、燃料棒を密着充填
の列状で貯蔵し支持構造材を最小限にして、所定
容積の貯蔵プール中に貯蔵できる使用済の核燃料
の量を最大にすることが望ましい。そうすること
により燃料棒が原子炉敷地から運び出されて貯蔵
又は再処理されるまでの間の使用済み燃料棒の貯
蔵能力を増大させることができる。

貯蔵される使用済燃料の容積を最大にするため
に使用済燃料を再配列する一つの方法は、燃料集
合体から使用済の燃料棒を取り出し使用済燃料棒
を密に充填された列状で貯蔵する方法である。し
かしながら、使用済の燃料棒は原子炉運転中に照
射を受けているから、放射性が高く、燃料棒を冷
却媒に浸漬した状態で遠隔操作によつて取り扱う
ことしかできない。使用済燃料集合体が放射性で
あるため、使用済燃料集合体の移送の困難性が増
すだけでなく、燃料集合体をばらして使用済の燃
料棒を貯蔵する上での困難性も増大する。

従つて、本発明の第一の目的は、使用済の燃料
集合体から効率良く使用済燃料棒を取り出す装置
を提供することである。

上記の目的を考慮し、本発明は、核燃料集合体
から多数本の核燃料棒を引き出して掴む燃料棒把
持装置であつて、燃料集合体から引き出す燃料棒
の配置状態と対応する複数のテーパ付き孔部を持
つ係止プレートと、前記係止プレートの一端部に
接続された複数の取付けロツドと、前記取付けロ
ツドの他端部に接続された支持プレートと、前記
支持プレートと前記係止プレートの中間部分の前
記取付けロツドに滑動自在に配設されている上部
プレートと、前記上部プレートを貫通して滑動自
在に配設されている複数のシヤフトと、各々が前
記シヤフトの１本に取り付けた閉じた端部と前記
のテーパ付き孔部内に前記燃料棒の１本を受容し
て掴み取る開放端部とを持つ金属製で可撓性で実
質的に円筒形の中空コレツトと、前記コレツトと
前記上部プレートの中間部の前記の各シヤフトの
周上に配設され前記コレツトを前記係止プレート
方向に付勢する付勢手段と、前記支持プレート上
に配設され、前記上部プレートと接続されていて
前記取付けプレートに対して前記上部プレートを
選択的に相対移動させることにより前記コレツト
を前記のテーパ付き孔部に押し入れて前記燃料棒
を把持する駆動手段とから成ることを特徴とする
把持装置を提供せんとするものである。

添附の図面を参照しながら以下に説明する本発
明の実施例の記載から、本発明をより容易且つ明
確に理解できるものと考える。

第１図において、燃料集合体２０は、燃料棒２
２と、格子２４と、底部ノズル２６と、上部ノズ
ル２８と、案内チユーブ３０とから成る。燃料棒
２２は、核燃料ペレツトを収納し端部プラグによ
つて両端部が密栓されていて細長い円筒形金属製
チユーブである。燃料棒２２は、ほゞ長方形の列
状に配置され、格子２４によつて所定位置に滑動
自在に保持されている。格子２４は、燃料集合体
の長手方向の幾つかの位置に配置され、各燃料棒
を離間位置させ、チユーブ３０を互いに適宜に離
して置いて、核反応器の冷媒を燃料棒２２と熱交
換させて循環させる役割を果たす。案内チユーブ
３０は、燃料集合体の内部に配設される。案内チ
ユーブは制御棒３２を受け入れることができる中
空円筒形金属製チユーブである。案内チユーブ３
０は、上部ノズル２８、格子２４及び底部ノズル
２６に取り付けられ、燃料集合体２０を支持して
いる。

さて、第２図を参照して説明を続けると、燃料
集合体２０から燃料棒２２を引き出すことを望む
ときには、内部切除案内チユーブ３０等の各種の
手段を用いて上部ノズル２８を燃料集合体２０か
ら取り除くことができる。上部ノズル２８を取り
除いた後、多数本の燃料棒を把持する装置（この
装置全体を符号３４で示す）を燃料集合体２０の
上部に位置させることができる。

第２図〜第４図において、把持装置３４は、燃
料棒２０を挿入できる複数のテーパ付き孔部３８
を持つ係止プレート３６を有する。これらのテー
パ付き孔部３８は、燃料集合体２０から取り出す
燃料棒２２の数に対応させて配置されている。各
テーパ付き孔部３８は、一側部に燃料棒２２を受
容する第一テーパ４０を持ち、他側部にはコレツ
ト４４を受容する第二テーパ４２を持つ。第一テ
ーパ４０は異なる寸法の燃料棒２２が容易にテー
パ付き孔部３８に入り中心部に位置させられるよ
うに設計され、第二テーパ４２は約６度の角度が
ついていてコレツト４４を挿入し燃料棒２２の上
方に位置できるように設計されている。第二テー
パ４２の機能としては、コレツト４４を後退させ
せた時以外は燃料棒２２の保持によつてコレツト
が事故により引き込まれることがないよう自己係
止する機能もある。

把持装置３４は、複数の取付け棒４８が滑動自
在に貫通配置される上部プレート４６を有する。
取付け棒４８の一端部は係止プレート３６に取り
付けられ、他端部は支持プレート５０に取り付け
られている。取付け棒４８は駆動プレート５２に
も貫通配置されており、駆動プレート５２は複数
のピン５４によつて上部プレート４６に接続され
ている。複動油圧シリンダーのような駆動手段５
６が支持プレート５０に取り付けられ、支持プレ
ート５０を介して延び駆動プレート５２に取り付
けられているピストン５８がある。駆動手段５６
は更に支持アーム６０に取り付けられ、把持装置
３４を燃料集合体２０と一体相対関係をなすよう
支持している。駆動手段５６は、ピストン５８と
駆動プレート５２とを係止プレート３６に対し
て、選択的に相対移動させる手段である。駆動プ
レート５２はピン５４によつて上部プレート４６
に接続され、駆動プレート５２及び上部プレート
４６は取付け棒４８上に滑動自在に配設されてい
るから、ピストン５８が動くと、上部プレート４
６及び駆動プレート５２は、第３図及び第４図に
示すように、支持プレート５０及び係止プレート
３６に対して相対移動する。

各コレツト４４は、燃料棒２２の上方に配設さ
れテーパつき孔部３８に挿入できる開口端部を持
つ実質的に中空の円筒形金属製部材である。コレ
ツト４４は17−4PHステンレス鋼製にすること
ができ、内部に少なくとも２本の長手方向スロツ
ト６２がある。各長手方向スロツト６２はコレツ
ト４４の開口端部からコレツト全長のほゞ半ばに
達し、スロツトの終端部は実質的に円形の開口部
になつている。コレツト４４の開口端部にはテー
パ付き案内縁部６６があり、テーパ付き孔部３８
中への挿入をし易くなつている。長手方向スロツ
ト６２によつてコレツト４４には充分な弾性が与
えられ、横断方向の幅が異なつている燃料棒２２
を把持するようテーパ付き孔部３８中の燃料棒２
２の上方にコレツト４４を挿入できる。コレツト
４４が柔難で弾力性を持つているので、燃料棒２
２を損傷することなく燃料集合体２０から燃料棒
を取り出すために、コレツト４４により燃料棒２
２をしつかりと把持することができる。円形開口
部６４もストレスの集中をもたらすことなく、コ
レツト４４の弾性を高める。

各コレツト４４は、閉鎖端部に取り付けられる
か又は閉鎖端部と一体構造の金属製シヤフト６８
を有し、各シヤフト６８は滑動自在に上部プレー
ト４６に貫通配置されている。各シヤフト６８
は、上部プレート４６の上面で各シヤフトの端部
に付設されたナツト又は保持リングの如き保持装
置７０を有し、この保持装置７０により、シヤフ
ト６８は上部プレート４６からはずれないよう防
止されている。各シヤフト６８は、シヤフト６８
の周囲のコレツト４４と上部プレート４６との間
に配設されコレツト４４を上部プレート４６から
遠ざかる方向に付勢又は押圧しているコイルばね
の如き付勢手段がある。

シヤフト６８及びシヤフトと組みになつたコレ
ツト４４の数並びに位置は、テーパ付き孔部３８
の数並びに位置と対応し、テーパ付き孔部３８の
数並びに位置は燃料集合体２０から取り出す燃料
棒２２の数並びに位置と対応している。

把持装置３４は更に、係止プレート３６の一端
部に取り付けられ上部プレート４６と接触配置さ
れていて、係止プレート３６に対する上部プレー
ト４６の移動を制限している複数の円筒形係止部
３４を有する。

次に、本発明装置の操作について述べる。

たとえば費消燃料補給プログラムに従つて燃料
集合体から何本かの燃料棒を取り出そうと考えた
ときには、燃料集合体２０を係止装置上に位置さ
せて底部ノズル２６をしつかりと保持させる。次
に、上部ノズル２８を取り除き、把持装置３４を
第２図に示すように、支持アーム６０により燃料
集合体２０の上方に位置させる。次いで、把持装
置３４を燃料集合体２０に向けて下げ除去する燃
料棒の全てが係止プレート３６のテーパ付き孔部
３８の内部に位置するようにする。この位置関係
を第３図に示してあるが、コレツト４４は燃料棒
２２の上方に位置しているけれども係止状態には
ない。次に、駆動手段５６を始動させると、ピス
トン５８が延びる。ピストン５８延びると、駆動
プレート５２及び上部プレート４６が取付け棒４
８に沿つて係止プレート３６に向かつて滑動し
て、最終的には第４図に示すように上部プレート
４６が係止部７４に当たる。上部プレート４６が
係止プレート３６に向かつて移動するにつれて、
付勢手段７２は圧縮され、シヤフト６８は上部プ
レート４６を通つて突き出る。付勢手段７２の圧
縮により、コレツト４４は更に深くテーパ付き孔
部３８に押し入れられる。コレツト４４がテーパ
付き孔部３８に挿入されるに伴ない、縁部６６は
第二テーパ４２と接触し、第二テーパによつてコ
レツト４４は燃料棒２２を堅固に把持するよう強
いられることになる。コレツト４４が可撓性を持
つこと及び第二テーパの作用により、横断面の幅
が異なる各種の燃料棒２２がコレツト４４により
把持可能になる。コレツト４４をテーパ付き孔部
３８に挿入しつゝシヤフト６８を上部プレート４
６に対して独立に滑動させることができるので、
コレツト４４はテーパ付き孔部３８の特定深さ位
置で特定寸法の燃料棒を掴むことになり、その結
果、各種の異なる寸法の燃料棒２２を把持するコ
レツト４４の能力が高まることになる。シヤフト
６８は互いに独立して各個に上部プレート４６に
対して相対移動させることができるので、各孔部
内にある特定の燃料棒と係合させるためには、単
に対応するテーパ付き孔部３８に各コレツト４４
を挿入するだけでよい。斯くして、把持装置３４
は同一の又は異なる寸法を持つ複数の燃料棒を引
き出すことができる状態になる。

コレツト４４が燃料棒２２を掴んだ状態で、支
持アーム６０を始動して、把持装置３４と該装置
によつて掴まれた燃料棒２２とを燃料集合体２０
に対して相対移動させることができる。このよう
にして、複数本の燃料棒２２を同時に燃料集合体
から引き出すことが可能になる。コレツト４４が
弾性を持ち第二テーパ４２の独特の形状により、
駆動手段５６への動力供給が中断された場合で
も、燃料棒２２はコレツト４４から抜け落ちな
い。逆に、燃料棒２２をコレツト４４から離すた
めには、駆動手段５６を動かしてピストン５８を
後退させ、コレツト４４をテーパ付き孔部３８か
ら引き出さなければならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、燃料集合体及び制御棒機構を示す斜
視図である。第２図は、燃料集合体及び把持装置
を示す立面図である。第３図は、係止解除位置に
ある把持装置の一部を断面で示す立面図である。
第４図は、係止位置にある把持装置の一部を断面
で示す立面図である。 ２０……核燃料集合体、２２……核燃料棒、３
６……係止プレート、３８……テーパ付き孔部、
４４……中空コレツト、４６……上部プレート、
４８……取付けロツド、５０……支持プレート、
５６……駆動手段、６８……シヤフト、７２……
付勢手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 核燃料集合体から多数本の核燃料棒を引き出
   して掴む燃料棒把持装置であつて、燃料集合体か
   ら引き出す燃料棒の配置状態と対応する複数のテ
   ーパ付き孔部を持つ係止プレートと、前記係止プ
   レートの一端部に接続された複数の取付けロツド
   と、前記取付けロツドの他端部に接続された支持
   プレートと、前記支持プレートと前記係止プレー
   トの中間部分の前記取付けロツドに滑動自在に配
   設されている上部プレートと、前記上部プレート
   を貫通して滑動自在に配設されている複数のシヤ
   フトと、各々が前記シヤフトの１本に取り付けた
   閉じた端部と前記のテーパ付き孔部内に前記燃料
   棒の１本を受容して掴み取る開放端部とを持つ金
   属製で可撓性で実質的に円筒形の中空コレツト
   と、前記コレツト前記上部プレートの中間部の前
   記の各シヤフトの周上に配設され前記コレツトを
   前記係止プレート方向に付勢する付勢手段と、前
   記支持プレート上に配設され前記上部プレートと
   接続されていて前記係止プレートに対して前記上
   部プレートを選択的に相対移動させることにより
   前記コレツトを前記のテーパ付き孔部に押し入れ
   て前記燃料棒を把持する駆動手段とから成ること
   を特徴とする把持装置。