JPH0253490A - アルギニン・デイミナーゼ遺伝子 - Google Patents

アルギニン・デイミナーゼ遺伝子

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JPH0253490A
JPH0253490A JP20275988A JP20275988A JPH0253490A JP H0253490 A JPH0253490 A JP H0253490A JP 20275988 A JP20275988 A JP 20275988A JP 20275988 A JP20275988 A JP 20275988A JP H0253490 A JPH0253490 A JP H0253490A
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arginine deiminase
dna
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一生 芳陵
Junzo Mizoguchi
溝口 順三
Yutaka Sato
裕 佐藤
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なアルギニン・デイミナーゼ遺伝子およ
び該遺伝子を用いたアルギニン・デイミナーゼの製造法
に関する。
〔従来の技術〕
アルギニン・デイミナーゼ(酵素分類番号3゜5.3.
6)は、L−アルギニンと水からし−シトルリンとアン
モニアを生成する酵素反応を触媒する酵素であり、動物
、細菌、酵母類にその存在が知られている〔酵素ハンド
ブック、602頁。
朝食書店、 1984年版、第1版第3刷〕。
これらの酵素のうち、精製されたと報告のあるものとし
ては、シュードモナス・プチダ(Pseud。
monas putida) 、マイコプラズマ・ホミ
ニス(Mycoplasma hominis)、マイ
コプラズマ・アルスリティディス(Mycoplasm
a arthritidis)が知られている〔カキモ
ト、ティー、ら(Kakimoto、 T、etal)
フェプス レター(FEBS Lett、)  VOL
、19. P 166468、 (1971) ;シム
ケ、アール、ティ、 (Shimke、RlT、)  
メソッド オブ エンザイモロジ−(Meth。
Enzymol、) VOL、17八、P 310−3
13. (1970) ;ワイクマン、ジエー、エル、
アンド ファルニー、デイ−イー、 (Weickma
n、J、L、 & Fahrney+D、E、)  ジ
ャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J、
Biol、Chem、) VOL、252.P2615
−2620.(1977))。
〔発明が解決しようとする問題点〕
腫瘍細胞増殖阻害剤として有用であるアルギニン・デイ
ミナーゼは、従来、アルギニン・デイミナーゼ生産菌に
より生産していたが、これらの製造法にはいくつかの問
題点があった。すなわち、これらのアルギニン・デイミ
ナーゼ生産菌は、アルギニン・デイミナーゼ生産性が低
いこと;マイコプラズマに属するマイコプラズマ・ホミ
ニス(門ycoplasma hominis)、マイ
コプラズマ・アルスリティディス(Mycoplasm
a arthritidis)から採取する場合は培養
管理が煩雑であり、該酵素の大量生産における酵素源と
して用いるには難点があること;精製純化するのに極め
て困難である等である。
アルギニン・デイミナーゼをコードする詳細な遺伝子の
一次構造及び構成するタンパク質のアミノ酸配列の一次
構造は未だ報告されておらず、上記問題点の具体的解決
法が求められていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、先に動物腫瘍細胞TRC−29Rの培養
中、顕著に増殖阻害を示す細胞株を見出し、その株につ
いて、種々研究を行った結果、その株に寄生したマイコ
プラズマ属に属する菌株マイコプラズマ・オラーレ(T
OIF)(微工研菌条寄第1970号(FERM  B
P−1970)〕が、アルギニン・デイミナーゼを産生
ずることを見出した。
さらに、本発明者らは、上記問題点に関し鋭意研究の結
果、アルギニン・デイミナーゼをコードする詳細な遺伝
子DNAの一次構造及び構成する該酵素のアミノ酸配列
の一次構造を決定することに成功し、該D N Aを保
持するベクターおよび形質転換体を得、該形質転換体を
培養するアルギニン・デイミナーゼの製造法を確立し本
発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に示す通りである。
アルギニン・デイミナーゼを構成するポリペプチドのア
ミノ酸配列をコードする塩基配列を含むDNA。
アルギニン・デイミナーゼを構成するポリペプチドのア
ミノ酸配列をコードする塩基配列を含むDNAを保持す
ることを特徴とするベクター宿主にとって外来性である
アルギニン・デイミナーゼを構成するポリペプチドのア
ミノ酸配列をコードする塩基配列を含むDNAを保持す
ることを特徴とする形質転換体、 N末端側より第1図〔図中、Aはアミノ酸残基または水
素原子を示し、Bはアミノ酸残基またはOHを示す〕で
表されるポリペプチドを構成成分とするアルギニン・デ
イミナーゼ、および宿主にとって外来性であるアルギニ
ン・デイミナーゼを構成するポリペプチドのアミノ酸配
列をコードする塩基配列を含むDNAを保持した形質転
換体を培養して、該DNAの遺伝情報を発現せしめ、該
培養物からアルギニン・デイミナーゼを構成するポリペ
プチドを採取することを特徴とするアルギニン・デイミ
ナーゼの製造法。
本発明のアルギニン・デイミナーゼを構成するポリペプ
チドのアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むDNA
は新規物であり、本発明においてアルギニン・デイミナ
ーゼとは前述の通りL−アルギニンと水からL−シトル
リンとアンモニアを生成する酵素反応を触媒するものを
示すが、特に例えば下記の理化学的性状を有するものを
挙げることができる。
(a)  作用;L−アルギニンと水からL−シトルリ
ンとアンモニアを生成する酵素反応を触媒する、 (b)  基質特異性;L−アルギニンに基質特異性を
有する、 (c)  至適pH;7゜0〜7.5、(d)pH安定
性;5.0〜10.0゜また、アルギニン・デイミナー
ゼを構成するポリペプチドのアミノ酸配列が、N末端側
より第1図〔図中、Aはアミノ酸残基または水素原子を
°″示し、Bはアミノ酸残基または−OHを示す]で表
されるものであってもよい。該ポリペプチドのアミノ酸
配列をコードする塩基配列を含むDNAとしては、図中
のA、Bがアミノ酸残基を示す場合であり、A、Bを含
め各アミノ酸に対応する一連のコドンのうちのいずれか
1個のコドンからなるDNA (ポリデオキシリボ核酸
)であればよい。
アルギニン・デイミナーゼを構成するポリペプチドのア
ミノ酸配列をコードする塩基配列の代表例として、5°
末端側より第2図〔図中、***はTGAまたはTGG
を示す〕で表される塩基配列を有するDNAを挙げるこ
とができる。該塩基配列を含むDNAは、該塩基配列の
5′末端側にアミノ酸をコードするコドンを1個以上有
したものでもよく、好ましくはATGまたはシグナルペ
プチドに対応するコドンを有したものを挙げることがで
きる。3 末端側には、アミノ酸をコードするコドンを
1個以上有するかまたは翻訳終止コドンを有するかのい
ずれでもよく、更に、その3゜末端側にアミノ酸をコー
ドするコドンを1個以上有する場合には、このアミノ酸
をコードするコドンの3″末端に翻訳終止コドンを有V
ることが好ましい。
これらの塩基配列は以下の如く決定した。即ち、予め、
後記の精製法により精製したアルギニン・デイミナーゼ
のN末端アミノ酸配列の一部を、液相プロティン シー
ケンサ−(ベックマン社製:BBCKMAN  Sys
tem  890ME)で決定し、該アミノ酸配列を基
にして合成されたプ・ローブを作製する。次いでこのプ
ローブを用い、後記の方法により作成された遺伝子ライ
ブラリーとコロニーハイブリダイゼーションを行い、ク
ローニングを行い、アルギニン・デイミナーゼを構成す
るポリペプチドのアミノ酸配列をコードする塩基配列を
含むDNAを保持する形質転換体′を得、該形質転換体
より、アルギニン・デイミナーゼを構成するポリペプチ
ドのアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むDNAを
採取する。その塩基配列は、5cience 214 
1205〜1210 (1981年)に示されているジ
デオキシ法で解読し、またアルギニン・デイミナーゼの
全アミノ酸配列は、塩基配列より予測決定し、本発明の
アルギニン・デイ制限酵素で切断し、該DNA断片をベ
クターに挿入し、得られた組換えプラスミドで宿主微生
物を形質転換しライブラリーを作製する方法が挙げられ
る。
分離精製された微生物DNAを切断する方法は、例えば
、超音波処理、制限酵素処理などにより行うことができ
るが、得られるDNA断片とベクターとの結合を容易な
らしめるため、制限酵素、とりわけ特定ヌクレオチド配
列に作用する、例えば、EcoRI 、旧ndllI 
、 Bam111などの■型制限酵素が適している。
ベクターとしては、宿主微生物体内で自律的に増殖しう
るファージまたはプラスミドから遺伝子組換え用として
構築されたものが適している。
ファージとしては、例えば、エシェリヒア・コリ(Es
cherichia coli)を宿主微生物とする場
合には、λgt・λC1λgt・λBなどが使用できる
また、プラスミドとしては、例えば、エシェリヒア・コ
リを宿主微生物とする場合にはpBR322。
pBR325、pAcYc184.  pUc12. 
 plJc13.  pUc18pUc19. pUc
118などが、バチルス・ズブチルス(Bacillu
s 5ubtillis)を宿主微生物とする場合には
pUBllo 、pc194などが使用でき、さらに、
エシェリヒア・コリおよびサツカロマイセス・セレビシ
アなどの二種以上の宿主微生物体内で自律的に増殖可能
なシャトルベクターを利用することもできる。このよう
なベクターを、先に述べたアルギニン・デイミナーゼ遺
伝子供与体である微生物DNAの切断に使用した制限酵
素と同じ制限酵素で切断して、ベクター断片を得ること
が好ましい。
微生物DNA断片とベクター断片とを結合させる方法は
、公知のDNAリガーゼを用いる方法であればよく、例
えば、微生物DNA断片の接着末端とベクター断片の接
着末端とのアニーリングの後、適当なりNAリガーゼの
作用により微生物DNA断片とベクター断片との組換え
DNAを作成する。必要ならば、アニーリングの後、宿
主微生物に移入して、生体内のDNAリガーゼを利用し
組換えDNAを作成することもできる。
宿主微生物としては、・組換えDNAが安定かつ自律的
に増殖可能で、且つ外来性DNAの形質が発現のできる
ものであればよく、例えば、宿主微生物がエシェリヒア
・コリの場合、エシェリヒア・コリDH1,エシェリヒ
ア・コリHB 1。(11゜エシェリヒア・コリW31
10.エシェリヒア・コリC600,変異株としてエシ
ェリヒア・コリCAJ64等が利用出来る。
宿主微生物に組換えDNAを移入する方法としては、例
えば、宿主微生物がエシェリヒア属に属する微生物の場
合には、カルシュラムイオンの存在下で組換えDNAの
移入を行い、またバチルス属に属する微生物の場合には
、コンピテントセル法またはプロトプラスト法などを採
用することができ、さらにマイクロインジヱクション法
を用いてもよい。
前述のDNAを採取するには以下の如く行う。
即ち、DNAの供与微生物を、例えば、液体培地で約1
〜3日間通気撹拌培養し、得られる培養物を遠心分離し
て集菌し、次いでこれを溶菌させることによってアルギ
ニン・デイミナーゼ遺伝子を含有する溶菌物を調製する
。溶菌方法としては、例えばリゾチームやβ−グルカナ
ーゼなどの細胞壁溶解酵素による処理が施され、必要に
よりプロテアーゼなどの他の酵素やラウリル硫酸ナトリ
ウムなどの界面活性剤が併用され、さらに細胞壁の物理
的破壊法である凍結融解やフレンチプレス処理を上述の
溶菌法との組み合せで行ってもよい。
このようにして得られた溶菌物からDNAを分離、精製
するには、常法に従って、例えばフェノール抽出による
除蛋白処理、プロテアーゼ処理、リボヌクレアーゼ処理
、アルコール沈澱、遠心分離などの方法を適宜組み合わ
せることにより行うことができる。
DNAの供与微生物は、アルギニン・デイミナーゼ産生
能を有する微生物であればよく、例えば、マイコプラズ
マ属、シュードモナス属に属する生産菌等の群から適宜
選ばれ、好ましくは、マイコプラズマ属に属するアルギ
ニン・デイミナーゼ生産菌が挙げられる。また、後記の
分類学的性状を有する新規なマイコプラズマ・オラーレ
(TGIF)(Mycop lasma  ora l
e (TGIF)、微工研菌条寄第1970号(FER
MBP−1970)を利用することが好まく、さらに、
遺伝子組換え技術を駆使して、アルギニン・デイミナー
ゼをコードする塩基配列を保持する形質転換体をDNA
の供与微生物として利用してもよい。
前述のマイコプラズマ・オラーレ(TGIF)の分類学
的性状は以下のとおりである。
■、培地における生育状態 マイコプラズマ・オラーレ(TGIF)の液体培地〔培
地組成;培地12中にPPLOブロスW10(DIFC
O社製)15g、L−アルギニン塩酸塩5g、ウマ血清
200mj!、酵母エキス25g。
酢酸タリウム0.25 g 、ペニシリンGカリウム1
0万単位、フェーノールレッド5mgを含有する)に於
ける増殖は、種菌として1X10’cFU/mj!(c
FUは集落形成単位(colony Forming 
Unit)を示す〕接種し、37°Cで、静置培養した
結果。
誘導期に続いて対数増殖期に入り、培養開始4〜5日後
に菌数が最大になる定常期に至る。定常期の期間は短く
、培養によって異なり、且つほぼ数時間で、減数期に入
る生育形態をとる。
■、生理的諸条件 生育し得るpH;6〜8、 至適pH;7.4〜7,6、 生育し得る温度;30〜37゛C1 至適生育温度;37“C0 ■、顕微鏡下における形態的特徴 寒天培地〔培地組成;培地11中に、バタトアガ−(D
IFCO社製)Log、PPLOブロス匈10 cV 
(DIFCO社製)14.5g、L−アルギニン塩酸塩
5g、L−グルタミン3g、DNA(粗製) 20mg
、  NAD 150mg、 グルコース10g、イー
グルビタミン液(XLOO)IOm 1 、 ウマ血清
200m1.酵母エキス25gを含有する]に於ける集
落の大きさは、10〜500μmであり、中心部が濃く
、周辺が薄く、いわゆる目玉焼状を呈する。染色はDi
enes (ディエネス)液〔メチレンブルー 2.5
g; アズールU  1.25g;マルトース10゜0
g; NazCO+ 0.25g;蒸留水 100mf
f)を用いて行った。染色液を寒天面に流し、1〜2分
後に余分の液を捨て、顕微鏡観測した。集落の中心部は
濃青色に周辺部は淡青色に染まって見えた。
100倍の顕微鏡倍率下では、周辺部は顆粒状に見えた
■、抗体による発育阻害 ワラス(Wallace A、C1yde、JR)著の
文献〔ジャーナル オプ イムノロジー(J、 Imm
unol、) VOL、92. P、 958−965
. (1964) )に従い、各マイコプラズマ種に対
する抗血清を含む培地上の発育阻害よりマイコプラズマ
・オラーレと同定された〔東京大学医学部付属動物実験
施設による〕。
■、グルコース、アルギニン、尿素の分解試験被検菌を
10%(V/ν)ウマ血清添加ハートインツユジョンプ
ロス(Heart 1nfusion broth) 
〔D i fco社製)で、24時間培養し、その1m
!!、をそれぞれグルコース、アルギニン、尿素を含む
被検培地および対照培地に接種した。培養試験管を密栓
して、37°Cで1週間培養した。被検物質を含まない
対照と0,5以上のpHの下降または上昇のみられたも
のを陽性として、判定した結果は以下の通りであった。
グルコース分解活性;陰性、 アルギニン分解活性;陽性、 尿素分解活性;陰性、 以上の結果から、細胞壁の完全欠如、直径0.1〜0.
2μmの基本小体を有し、集落形態として、寒天培地に
くい込んで増殖し、目玉焼状集落を形成する特徴を有し
、発育に血清を必要とすることからマイコプラズマ属に
属する。そこで、抗体による増殖阻害試験により、本菌
株は、マイコプラズ?−オラーレ(TGIF)(Myc
oplasmaora le (TGIF)、微工研菌
条寄第1970号(FERM  BP−1970)と同
定命名した。
宿主微生物への目的組換えDNA移入の有無についての
選択は、目的組換えDNAを保持するベクターの薬剤耐
性マーカーとアルギニン・デイミナーゼとを同時に発現
し得る微生物を検索すればコ14・例7″・集卵1耐性
′−”−°°基14択培地で生育し、且つアルギニン・
デイミナーゼを生成する微生物を選択すればよい。
かくして得た形質転換体を具体的に例示すれば、マイコ
プラズマ・オラーレ(TGIF)より採取したアルギニ
ン・デイミナーゼをコードするDNAをプラスミドpU
c118 (宝酒造社製)に組み込み、宿主微生物エシ
ェリヒア・コリD H1(T、Maniatis、、e
t al、Mo1ecular cloning、co
ld Springllarbor (1982) 、
 504−5(16)にトランスフォーメーションし遺
伝子ライブラリーを作製し、予め合成したプローブによ
りコロニーハイブリダイゼーションを行い、クローニン
グを行って得たエシェリヒア・コリDHI−PUCI 
1B−TGIF (Escherichia  col
i  DHI−PUCllB−TGIF、微工研菌条寄
第1969号(FERM  BP−1969)が挙げら
れる。
アルギニン・デイミナーゼをコードするDNAを含むベ
クターを製造するに当たっては、前述の如く得た遺伝子
ライブラリーをプローブによりコロニーハイブリダイゼ
ーションを行い、クローニングを行って得た形質転換体
より通常の方法により抽出すればよい。アルギニン・デ
イミナーゼをコードするDNAを含むベクターの具体的
な例示としては、エシェリヒア・コリDHI−PUC1
1B−TGIFより採取したプラスミド(pcTGIF
lと命名)が挙げられる。プラスミドpcTGIF1の
制限酵素開裂地図は、第3図に示される通りであった。
アルギニン・デイミナーゼを製造するに当だ、っては、
宿主微生物と同一のコドンニーセージを有する微生物を
DNAの供与微生物とした場合とそうでない場合とに分
け、それぞれに応じて操作を行う必要がある。即ち、も
ともと同一のコドンニーセージを有する場合かあるいは
供与微生物と同一のコドンニーセージを有するような変
異株を宿主微生物とした場合には、前記に記載の如く、
採取したアルギニン・デイミナーゼのアミノ酸配列をコ
ードするDNAを含む組換えDNAベクターを複製可能
な宿主微生物に移入した後、ベクターのマーカーとアル
ギニン・デイミナーゼの活性とを指標としてスクリーニ
ングして取得した該組換えDNAベクターを保持する微
生物を培養しアルギニン・デイミナーゼを採取すればよ
い。
宿主微生物と同一のコドンニーセージを有しない微生物
をDNAの供与微生物とした場合には、例えば、供与微
生物がマイコプラズマ属に属する微生物であり、エシェ
リヒア・コリ(Escherichiacoli)を宿
主微生物とするような場合には、マイコプラズマ属にお
いてトリプトファンをコードするコドンTGAが通常の
エシェリヒア・コリにおいては終止コドンであるので、
TCAをトリプトファンとして認識する様にナンセンス
サプレッションのかかうた変異株エシェリヒア・コリC
AJ 64 (Escherichia coli C
AJ64)  (京都大学理学部生物物理学科 小関治
男教授より分与を受けた〕等を使用してアルギニン・デ
イミナーゼの発現を行えばよい。具体的には、エシェリ
ヒア・コリCAJ64株をプラスミドpcTGIF1で
形質転換して得たエシェリヒア・コリCAJ64−PU
C118−TGIFを培養してアルギニン・デイミナー
ゼの発現を行えばよい。
また、例えば、供与微生物がマイコプラズマ属に属する
微生物であり、通常のエシェリヒア・コリ(Esche
richia coli)を宿主微生物とするような場
合には、予めマイコプラズマ属等の供与微生物から採取
したDNAまたは組換えDNAベクター中のコドンTG
Aを例えばトリプトファンをコードするTGGとするポ
イントミューチージョンを行った後、得られた変換DN
Aを含むベクターにて再度のエシェリヒア・コリを形質
転換し、アルギニン・デイミナーゼの製造をせしめても
よい。
TGAをTGGとなすポイントミューチージョンとして
は以下の方法が例示される。
前述のエシェリヒア・コリDH1−PUC11B −T
C,I Fに、M13KO?ファージを感染させ、pc
TGIFの一本鎖環状DNAを得る。次いで、この−本
鎖環状DNAに相補的で、かつTGAコドンのうちの一
つの相補配列を含むオリゴヌクレオチドを設計し、その
TGAに相補的な部分の3”AC75′のTをCに換え
たものを作製する。続いて、−本鎖環状DNAに、オリ
ゴヌクレオチドをアニーリングさせ、これをプライマー
としてDNA合成を行い、−本鎖環状DNAを二本鎖環
状DNAとし、エシェリヒア・コリヘトランスフォーメ
ーションする。先のオリゴヌクレオチドを放射能ラベル
し、プローブとしてコロニーハイブリダイゼーションを
行い、ポジティブ株を目的の変異DNA形質転換体とし
て選択する。同様な操作を順次繰り返すことにより全て
のTGAコドンをTGGとなすことができる。
このようにして−度選択されたアルギニン・デイミナー
ゼ遺伝子を保有する組換えDNAは、形ミナーゼ遺伝子
であるDNAを切り出し、これと同様な方法により切断
して得られる他のベクター断片とを結合させて、他の宿
主微生物に移入することも容易に実施できる。
かくして得られた形質転換体である微生物は、栄養培地
に培養されることにより多量のアルギニン・デイミナー
ゼを安定して産生し得る。
形質転換体である微生物の培養形態はその栄養生理的性
質を考慮して培養条件を選択すれば良く、通常多くの場
合は、液体培養で行うか、工業的には深部通気撹拌培養
を行うのが有利である。培地の栄養源としては、微生物
の培養に通常用いられるものが広く使用され得る。炭素
源としては、資化可能な炭素化合物であればよく、例え
ばグルコース、シュクロース、ラクトース、マルトース
フラクトース、糖蜜、などが使用される。窒素源として
は利用可能な窒素化合物であればよく、例えばペプトン
、肉エキス、酵母エキス、カゼイン加水分解物などが使
用される。その他、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、マグネ
シウム、カルシウムミナーゼを生産する範囲で適宜変更
し得るが、エシェリヒア・コリの場合、好ましくは20
〜42°C程度である。培養時間は、条件によって多少
異なるが、アルギニン・デイミナーゼが最高収量に達す
る時期を見計らって適当な時期に培養を終了すればよく
、通常は12〜48時間程度である。
培地pHは菌が発育し、アルギニン・デイミナーゼを生
産する範囲で適宜変更し得るが、特に好ましくはpH6
,0〜8.0程度である。
培養物中のアルギニン・デイミナーゼは、菌体を含む培
養液そのままを採取し、利用することもできるが、一般
には常法に従って、アルギニン・デイミナーゼが培養液
中に存在する場合には、濾過、遠心分離などによりアル
ギニン・デイミナーゼ含有溶液と微生物菌体とを分離し
た後に利用される。アルギニン・デイミナーゼが菌体内
に存在する場合には、得られた培養物を濾過または遠心
分離などの手段により、菌体を採取し、次いでこの菌体
を機械的方法またはリゾチームなどの酵素的方法で破壊
し、また必要に応じてEDTA等のキレート剤および/
または界面活性剤を添加してアルギニン・デイミナーゼ
を可溶化し水溶液として分離採取する。
この様にして得られたアルギニン・デイミナーゼ含有溶
液を、例えば、減圧濃縮、膜濃縮、更に、硫安、硫酸ナ
トリウムなどの塩析処理、あるいは親水性有機溶媒、例
えばメタノール、エタノール、アセトンなどによる分別
沈澱法により沈澱せしめればよい。次いでこの沈澱物を
、水に溶解し、半透膜にて透析せしめて、より低分子量
の不純物を除去することができる。また吸着剤あるいは
ゲル濾過剤などによるゲル濾過、吸着クロマトグラフィ
ー、イオン交換クロマトグラフィーにより精製し、これ
らの手段を用いて得られるアルギニン・デイミナーゼ含
有溶液は、減圧濃縮凍結乾燥等の処理にてより精製され
たアルギニン・デイミナーゼを得ることができる。
以上の製造法により得られるアルギニン・デイミナーゼ
として例えば下記の諸物性を有する新規なアルギニン・
デイミナーゼが例示される。
(1)アルギニン・デイミナーゼ活性測定法基質溶液の
調整: 200mM)リス−塩酸緩衝液(p H7,2) 20
0ulに50mMDTT(デイチオスレイトール)80
μffi、100mMアルギニン・塩酸付加物40μ尼
を溶解して、基質溶液を調整する。
酵素溶液の調整: 後述の実施例により得ら乳た本発明アルギニン・デイミ
ナーゼ溶液を110ff1トリス塩酸緩衝液(pH7,
0)でOD2.。=0.005になるように希釈して酵
素溶液とした。
活性測定: 前記の基質溶液320μlを小試験管に取り、37°C
1水浴中に2分間静置した後、酵素溶液80μ2添加し
、反応を開始する。正確に30分間37°Cで反応した
後、5M過塩素酸100μlを添加し反応を停止する。
その後、反応液に、酸化還元緩衝液(9,Og NH4
Fe(SO4) z ・12tlzO,11,0g(N
F14)zFe(SO4)z ・6HzOをIN硫酸溶
液に溶解し100mI!、とじた溶液〕125μlを加
え、その後酸混合液〔蒸留水200 m l、 HzP
Oa(d=1.74) 300mCHtPOn(d□1
.84)  100mjり  625 u2を加え、ジ
アセチルモノキシム溶液〔ジアセチルモノキシム0.7
5gを蒸留水に溶解し100m/!とじた溶液〕250
μlを加え、遮光下、20分間沸騰水中で加熱し、その
後冷却し、490nmの吸光度を測定する。シトルリン
生成量を算定するための標準線は、1M過塩素酸で調整
した種々の濃度(0,。(11〜0.05μmole/
 m l )のL−シトルリン溶液へ00μ2を用い、
上記酸化還元緩衝液125μ!添加以降の操作を行って
シトルリン濃度に対する490nmの吸光度の関係をプ
ロットして作成し、直線領域を標準検量線として使用し
た。
(2)基質特異性: 遊離アミノ酸に対する反応の特異性を調べるために、ア
ミノ酸混合液(lffiの10mMトリス塩酸緩衝液 
(pl+7.0  )  にL−フルギニン200mg
  、L−アスパラギン、H,856,8mg、t、−
yスパラギン酸20mg、L−シスチン50mg、L−
グルタミン酸20mg、L−グルタミン30。(11T
1g  1グリシンIQmg、L−ヒスチジン15mg
+L−ヒFoキシブt++J:z2抛g、L−イソUイ
シシ50mg、L−0イシン50mg、L−リグy−I
C140mg、LJft:ン15mg、L−7z:f&
y5::z15mg、LJoリン20mg+L−セリン
30mg、L−スレオニン20mg、L−チロシン20
mg、L−バリン20mg、L−トリプト7yン5mg
  を含有する)  800  u j2 に2 。
Oμ2の本発明アルギニン・デイミナーゼ溶*<0Dz
s。、=0.。(116 )を添加し、37℃、18時
間インキュベートした後、アミノ酸濃度の変化をアミノ
酸自動分析装置(日立 L−8500型)を用いて解析
した。対照として、本発明アルギニン・デイミナーゼ溶
液の代わりに10mM )リス塩酸緩衝た。
第1表 L−アルギニン 十 H,O→ シトルリン 十 N H3 (4)pH安定性: 10μ2の本発明酵素溶液(OD ZIO−= 0 。
8)を40μlの試験pH緩衝液と混合し、37°C1
3時間インキュベートした後、950μlのPBSを加
えて、20倍に希釈し、残存する酵素活性を前記酵素活
性測定法に従って計測した。その結果、pH5,0〜1
0.0まで安定であった。
尚、試験pH緩衝液は、pH3,0〜6.0まではO,
1Mクエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝液、pH7,0
〜9.0までは091Mトリス塩酸緩衝液、pH10,
0はO,1Mグリシン−Na OH緩衝液を用いた。
(5)至適pH: (3)酵素作用: 次の反応を触媒する。
47000モ5000 (SDS−PAGE法)550
00±5000 (ゲル濾過法)(7)等電点: アンフオライン ビーエージ−プレート(AMPHOL
INE PAGPLATE ; L K B社製)を用
いる等電点電気泳動法により測定した結果、p17.4
±0゜5に等電点を有する。
(8)N末端アミノ酸配列解析 後述の実施例に基づいて得られた本発明酵素(総OD、
、。、、=0.。(11)を用いて液相プロティン シ
ーケンサ−(ベックマン社製: BBCKl’lAN 
SVstem 890M E )によりN末端側からの
アミノ酸配列を解析した結果、まず、以下の如く5番目
までの配列が明らかとなり、 X−3er−Va 1−Phe−3er−Asp(式中
、Xは水素原子又はMetを示す)更に、総0Dzso
、、−=0. 05のサンプルで解析の結果、以下の如
く300番目での配列が明らかとなった。
X−3e r−Va I−Phe−3e r −I  
 e−His−Vat−Tyr−Ser −G   u
−11e−C1y−Asp−Leu −Glu−3er
−Va  1−Leu−Va  1−H’  5−Gl
u−Pro−Gly−Lys −G   u − (式中、Xは水素原子又はMetを示す)(9)アミノ
酸組成分析 精製した本発明酵素標品(ODzs。、、=0.(18
)1dに12N塩酸を等量加え、105°C,24時間
加水分解した後、アミノ酸自動分析装置(日立L−85
00型)を用いて解析した。本発明酵素の分子量はSD
S電気泳動から約47000であり、アミノ酸の平均分
子量を110とすると構成アミノ酸は約427残基とな
ることから、分析結果を427残基当たりのアミノ酸残
基数で表し、その結果を第2表に示す。
第2表 考えられる。以下に本発明酵素の腫瘍細胞に対する理化
学的諸性状を示す。
(a)  細胞増殖抑制活性の測定法 測定に用いる細胞二本発明酵素に対し阻害感受性の高い
細胞としてCCRt−CEM細胞(ヒト以上の諸性質を
公知のアルギニン・デイミナーゼと比較すると、いずれ
の酵素とも異なることが判る。
また、本発明酵素は腫瘍細胞にたいする強い増殖阻害活
性を示すことから抗癌剤としての用途がび硫酸ジヒドロ
ストレプトマイシンを含む)。
測定方法二上記培養用培地で培養された対数増殖期にあ
るCCRF−CEM細胞を集め、新鮮な培養用培地に懸
濁し、細胞濃度を1゜11×104個/ m lに調整
する。その後、得られた細胞含有溶液を24穴マルチプ
レート(MULTIDISII  ; NUNC社製)
に900μ2/穴(well)づつ均質な細胞懸濁液を
播種する。フィルター(MTLLEX GVフィルター
;ミリポア社製)で濾過滅菌した試験溶液を100μf
fi/well添加し、ゆるく攪拌する。
コントロールとしてPBS (リン酸緩衝液生理食塩水
)100μLへelf添加する。細胞懸濁液を播種した
24穴マルチプレートそれぞれを、・5%CO□、95
%空気、’ t o o%温湿度37°Cのインキュベ
ーターで4日間培養した後、各−elf内の細胞数をコ
ールタ−カウンター(米国;コールタ−社製)を用いて
計測する。
%阻害する活性を1単位(u)とした。
(ロ)細胞増殖抑制に対するpH安定性10μfの本発
明酵素溶液(10000u/mりを40μlの試験pH
緩衝液と混合し、37°C13時間インキュベートした
後、950μlのPBSを加えて、20倍に希釈し、残
存する細胞増殖抑制活性を前記細胞増殖抑制活性の測定
法に示した方法に従って計測した。その結果、pH50
〜1O00まで安定であった。
尚、試験pH緩衝液は、pH3,0〜6.0まではO,
1Mクエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝液、pH7,0
〜9.0まではO,IMI−リス塩酸緩衝液、pH10
,oは0.1Mグリシン−NaOH緩衝液を用いた。
(c)細胞増殖抑制に対する熱安定性 10μ2の本発明酵素溶液(10000u/mf)を9
90μlの0.05M)リス塩酸緩衝液(pH7,0)
に加え、37°Cで24時間、60°Cで1時間、10
0°Cで5分間処理した後水冷し、残存する細胞増殖抑
制活性を測定することにより(d)細胞増殖抑制作用の
各種酵素に対する安定性各種の酵素を用い、それぞれの
至適pHで37゛C16時間反応した後、残存する細胞
増殖抑制活性を測定することにより評価した。以下にそ
の結果を第4表に示す。
第4表 00u/m1になる様に調整した後、残存する細胞増殖
抑制活性を測定することにより評価した。以下にその結
果を第5表に示す。
第5表 (e)細胞増殖抑制作用の各種の有機酸および有機溶媒
に対する安定性 本発明酵素溶液(2000u/mf)に各種の有機酸お
よび有機溶媒を各添加濃度(V/V%)で添加し、25
°C11時間反応した。その後反応液をPBSを用いて
希釈し、本発明酵素濃度を1(f)各種腫瘍細胞に対す
る増殖抑制作用各種培養系の腫瘍細胞に対する本発明酵
素の増殖抑制作用について、ヒトリンパ球系白血病由来
細胞株(cCRF−CEM、CCRF−H3B2゜CC
RF−3B、RPMI−8226)、ヒト骨髄系白血病
由来細胞株(K−562,HEL92・1・7)、ヒト
腎癌由来細胞株(TRC−29R)、ヒト肺癌由来細胞
株(TLC−7NC3)。
マウス乳癌由来細胞株(c−1271)を用い、これら
の細胞株の増殖に及ぼす影響を調べた。
培養に用いた培地は、C−12’7I細胞株には、E−
MEM培地に10%牛脂児血清を添加した培地を使用し
、それ以外の細胞株は、RPMI−1640培地に10
%牛脂児血清を添加した培地を使用した。それぞれの細
胞株を各培地で培養し、対数増殖期にあるこれらの腫瘍
細胞株を集め、新鮮な培養用培地に懸濁し、細胞濃度を
1×104個/ m lになる様に調整した。24穴マ
ルチプレートに均一に懸濁した細胞浮遊液を1mj2/
wellに播種した後、PBSに溶解した本発明酵素の
種々の濃度の希釈液100μf/well添加し、5%
CO□95%空気、100%湿度、37°Cのインキュ
ベーターで4日間培養した。対照として本発明酵素の希
釈液の代わりにPBSを添加して培養した。
培養後の細胞数の測定は、浮遊系の細胞(白血病由来細
胞)は、l5OTONII@ (米国;コールタ−社製
)で20倍に希釈し、付着性細胞は、培地を吸引除去し
た後0.1%トリプシン溶液1mlで、培養基質から細
胞を剥離し、l5OTONU@で20倍に希釈して測定
用サンプルとし、コールタ−カウンター(米国;コール
タ−社製)を用いて計測した。更に以下の式に従い増殖
抑制B;播種細胞数 C;対照溶液の細胞数 その結果、試験に供したすべての腫瘍細胞株で増殖抑制
作用が認められ、50%の増殖阻害をしめす本発明酵素
濃度は第6表に示す如く、280nmに於けるOD値が
10−5〜10−”の領域にあり、極めて微量で作用す
ることが明らかとなった。
第6表 (8)一般正常細胞に対する本発明酵素の影響マウス3
T3細胞は長期分裂増殖可能であるが、造腫瘍能を有さ
ないことから、正常細胞に近い細胞として、細胞変異及
び細胞毒性の研究に広く用いられており、今回一般正常
細胞に対する本発明酵素の影響の指標として用いた。マ
ウス3T3細胞を10%牛脂児血清を含むイーグルME
M培地に懸濁し、5X10’個/mlになるように調整
し、φ35mmの組織培養用プラスチックデイシュに2
m1−づつ播種した。更にPBSに溶解した0D211
゜、、、値4.7X10−’の本発明酵素溶液を終濃度
が0Dzso+sm値2.35xlO−’(10,2u
 / m l )になるように添加し、5%CO□、9
5%空気、100%湿度、37’Cのインキュベーター
で培養した。対照として本発明酵素溶液の代わりにPB
Sを添加して培養した。2日間及び4日間培養した後、
0.1%トリプシン溶液を用いて細胞を剥離し、再度培
養用培地に懸濁させて単細胞浮遊液とした。細胞浮遊液
1容にPBSに溶解した0、1%トリバンブルー溶液9
容を加えた後、ノイバウエル氏血球計測盤を用いて細胞
数を計測した。トリパンブルーにより青色に染まる細胞
は死細胞、染まらない細胞は生細胞であるので、その数
を計測した結果、第7表に示す如く、本発明酵素添加培
養と無添加培養の場合に於いて、細胞生存率に有意な差
は認められず、本発明酵素が、正常細胞に対して直接的
な毒性を有さないことを示した。
第7表 また本質的にアルギニン・デイミナーゼ活性のあるアル
ギニン・デイミナーゼムテインのDNAは、本発明のア
ルギニン・デイミナーゼ遺伝子から遺伝子工学的手法に
より作製される人工変異遺伝子を意味し、この人工変異
遺伝子は上述の種々なる遺伝子工学的方法を使用して得
られ、特に優れた性質を有するアルギニン・デイミナー
ゼムテインDNAは、最終的には、このムティンDNA
をベクターに挿入せしめて組換えDNAを作成し、これ
を宿主微生物に移入させることによって、アルギニン・
デイミナーゼムテインの製造が可能である。
本明細書に記載のアミノ酸、ペプチド、核酸、核酸関連
物質、その他に関する略号は、それらの当該分野におけ
る慣用略号に基づくもので、それらの例を以下に列記す
る。またすべてのアミノ酸はL体を示すものとする。
DNA  :  デオキシリボ核酸 RNA  :  リボ核酸 A  : アデニン T  : チミン G  : グアニン C: シトシン Ala  :  アラニン Arg  :  アルギニン Asn  :  アスパラギン Asp  :  アスパラギン酸 Cys  :  システィン Gln  :  グルタミン Glu  :  グルタミン酸 cry  :  グリシン His  :  ヒスチジン 11e  :  イソロイシン Leu  :  ロイシン Lys  :  リジン Met  :  メチオニン Phe  :  フェニルアラニン Pro  :  プロリン Ser  :  セリン Thr  :  スレオニン Trp  :   トリプトファン Tyr  :  チロシン Val  :  バリン 〔実施例〕 以下、実施例を挙げて本発明の詳細な説明するが、本発
明はこれらによって何ら限定されるものではない。
実施例 1)マイコプラズマからのDNAの抽出PPLOフロス
(DIFCO社製)7容、ウマ血清2容、酵母エキス1
容、ペニシリンGIO00u/mj2.酢酸タリウム5
00μg / m lを加えた液体培地12に、I X
 10hCFU/mj2のマイコプラズマ・オラーレ(
TGIF)を10m1接種し、37°C,5日間静置培
養した。培養液を高速冷却遠心分離機(日立5CR−2
0BA型)を用い、14.OOOrpm(25,000
G)で15分間遠心分離し、2.8gのマイコプラズマ
菌体を得た。マイコプラズマからのDNAの抽出は、J
、Marmurの方法(JoMol、Biol、 (1
961)3.2(18−218)により行った。即ち、
マイコプラズマ菌体を50mj!のO,IM  EDT
A含有生理食塩水に懸濁し、先と同じ条件で菌体を遠心
分離した後、再度25m1の0.1M  EDTA含有
生理食塩水に懸濁した。これに20%SDSを加え、6
0°Cで10分間処理し、細胞を破壊した後、最終濃度
がIMになるように過塩素酸ナトリウムを加え蛋白を変
性せしめ、等量のクロロホルム:イソアミルアルコール
=24:1混合液を加え30分分間中かに振盪した後、
10.00Orpm(13,0OOG)で10分間遠心
し、分離した水層を他の容器に移し、2倍量のエタノー
ルを加え析出してくる染色体をガラス棒にからめて取得
した。
この染色体を生理食塩含有クエン酸緩衝液(pH7,0
)10mffiに溶解し、再度クロロホルムにて処理し
、2.5倍量のエタノールを加え、3000rpm (
2,0OOG)で15分間遠心した。沈澱した染色体を
75%エタノールで洗い、乾燥後、再び生理食塩含有ク
エン酸緩衝液(pH7,0)5m/!に溶解し、最終濃
度5 Q u g/mlのRNaseA(シグマ社製)
を加え、37°C130分間RNAを分解した。次いで
これを再度クロロホルムにて処理しエタノール沈澱した
後、染色体を0.1mM  EDTA含有0.3M酢酸
緩衝液(pH7,0)に溶解した。これに0゜54倍量
のイソプロパツールを加え、析出してきた染色体を再び
ガラス棒にからめて取得した。
この染色体を再び(163M酢酸緩衝液(pF(70)
に溶解し、0.54倍量のイソプロパツールを加え3.
OOOrpm(2,0OOG)で15分間遠心し、沈澱
した染色体を75%エタノールで洗い、乾燥せしめ、染
色体標品179μgを得た。
2)マイコプラズマ遺伝子ライブラリーの作成マイコプ
ラズマ染色体2μgを制限エンドヌクレアーゼ5au3
AI (東洋紡績社製)6uで10mMTr i 5−
HCI (pH7,5)、50mMNaC1,10mM
  MgC1z、1mMDTT10μg/mI!、 B
SA(ヘーリンガー・マンハイム社製)存在下37°C
52時間切断処理した。
また、ベクタープラスミドpLIc11B (coIE
l orL加ビ M13[G ;全酒造社製)2μgを
制限エンドヌクレアーゼBam旧 (東洋紡績社製)6
uで50mM  Tr i 5−HCffi (pH’
7. 5)、100mM  NaC1,10mM  M
gCQ□、1mMDTT、10μg/mff1  BS
A(ヘーリンガー・マンハイム社製)存在下、37°C
116時間切断処理した後、フェノール処理、フェノー
ル・クロロフォルム処理を行い、エタノール沈Sした。
この直鎖状になったpHc118を大腸菌由来アルカリ
フォスファターゼ(東洋紡績社製)で、5QmMTr 
i 5−HC(! (pH8,0)、LmMMgci□
存在下、65°C11時間反応させ、5末端のリン酸基
を除去した。
以上の操作を行ったplJc118100 n g、マ
イコプラズマ染色体200ngをT4DNAライゲース
(全酒造社製)100uで、66mM  Tris−H
CQ (pH7,6)、6.6mM  MgC12,1
0mM  DTT、660uM  ATP(ヘーリンガ
ー・マンハイム社製)存在下16°C116時間ライゲ
ーションした。これをに、Sh igesadaの方法
(細胞工学(1983) 2,616−626)によっ
てコンピテント細胞としたIE、coli DHI(F
−+recA1+enA1.gyrA96. thi−
1,hsdR17(7h−+mk” )、5upE−4
4−+rell+λ−) (T、Maniatis、、
et al、Mo1ecular cl。
ning、coXd Spring)Iarbor(1
982)、504−5(16)にトランスフォーメーシ
ョンし、50μg / m Rアンピシリン含有し平板
寒天培地(バタトトリプトン(DIFCO社製)20g
/j!、酵母エキス(DIFCO社製)5g/ffi、
N a CQ 5 g / It、バタトアガ−(D1
’FCO社製)15g/iV、)にて−夜培養し約30
,000のアンピシリン耐性コロニーを得、マイコプラ
ズマ遺伝子ライブラリーとした。
3)放射性オリゴヌクレオチドプローブの作製判明して
いるアルギニン・デイミナーゼのN末端側の30アミノ
酸配列を基に、その遺伝子の5゛末端側から90塩基配
列を予想した。この予想配列の中から17塩基配列2ケ
所を選び、その配列を持つオリゴヌクレオチド2種を設
計した。この際予想される塩基配列は複数であり、それ
に対応するオリゴヌクレオチドも複数の配列のものの混
合物とした。
このオリゴヌクレオチドをアール・エル・レンシンジャ
ーらの方法(R几ルetsinger、 、W、B、L
ursford Journal Am、Chem、5
ociety 98+3655 )に基づきDNAシン
セサイザー(ベックマン社製: Beckman Sy
steml plus)を用いて作製した。
完成したオリゴヌクレオチド200ngをT4ポリヌク
レオチドキナーゼバッファー(50mMTris−HC
I (pH8,0)、10mM  Mgcffi□、1
0mM  2−メルカプトエタノール)および、20μ
Ciのγ”P−ATP (アマシャムジャパン社製)存
在下、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(東洋紡績社製)
8.5uで37°C130分間反応せしめ、アイソトー
プ!pを取り込ませ放射性オリゴヌクレオチドプローブ
とした。
4)アルギニン・デイミナーゼ遺伝子含有クローンのス
クリーニング 前述の如くにより得た遺伝子ライブラリー即ち平板寒天
培地上のアンピシリン耐性コロニー上にナイロンメンブ
レンフィルター(PALL社製:バイオダインA)を重
ね、フィルター上に該コロニー菌体の一部を移行させた
。さらに、同じ平板寒天培地より同一の操作で該コロニ
ー菌体の一部を移行させたもう一枚のフィルターを作成
し、以後の操作を並行して行った。該コロニー菌体の一
部を移行させたフィルターを別の50μg / m 1
アンピシリン含有し寒天平板培地上に重ね、フィルター
上の菌体を37°Cで16時間培養した。培養後、この
フィルターをアルカリ変性溶液(0゜5N  NaOH
,1,5N  NaCj2)に5分間浸し、さらに3M
酢酸ナトリウム緩衝液(pH55)に5分間浸した後乾
燥した。このフィルターを80°Cで1時間加熱し、菌
体中にあったプラスミドDNAをフィルターに固定した
さらにこのフィルターをプレハイブリダイゼーション溶
液(NaCffi  52.6g/f、クエン酸三ナト
リウム 26.5g//!、ピロリン酸ナトリウム 0
.5g/j!、ドデシル硫酸ナトリウム 1 g/l、
フィコール(ファルマシア社製)1 g/l、ポリビニ
ルピロリドン Ig/ffi、BSA(ベーリンガー・
マンハイム社1りIg/f、サケ精子DNA(ファルマ
シア社製)100mg/l>に浸し、37’CT:16
時間プレハイブリダイゼーションを行った。その後、フ
ィルターをパイプリダイゼーション溶液(上記プレハイ
ブリダイゼーション溶液の組成中より、ドデシル硫酸ナ
トリウムおよびサケ精子DNAを除き、tRNA(ベー
リンガー・マンハイム社製)20mg/!を加えたもの
)に浸し、先に用意した放射性オリゴヌクレオチドプロ
ーブ2種を、二枚のフィルターにそれぞれ1種ずつ加え
、35〜40°Cで24時間ハイブリダイゼーションを
行った。
ハイブリダイゼーション後、洗浄液(NaCffi52
.6g/f、クエン酸三ナトリウム 26゜5 g/I
!、、ピロリン酸ナトリウム 0.5g#)でフィルタ
ーを3回洗浄し、次いでこのフィルターを38〜42°
Cの洗浄液に10分間浸し、余分なプローブを洗い落と
した。フィルターは風乾後X線フィルム(富士写真フィ
ルム社製: NewRXO−H) に重ね、遮光下、−
70°Cで24時間オートラジオグラフィーを行った。
オートラジオグラフィー終了後、フィルムを現像し、2
種のプローブの両方にポジティブシグナルが観察された
コロニーを確認した。該コロニーを、アルギニン・デイ
ミナーゼをコードするDNAを含む形質転換体(エシェ
リヒア・コリDHI−PUC118−TG I F)と
して取得した。
5)組換えプラスミドの抽出 エシェリヒア・コリDHI−PUCI 18−TGIF
よりティー、マニアテイスらの方法(T、Maniat
is、、et al、Mo1ecular cloni
ng、cold Spring Harbor(198
2)、86−94)によって、アルギニン・デイミナー
ゼをコードするDNAを含む組換えプラスミドpcTG
IF1を抽出した。このプラスミド中のマイコプラズマ
染色体由来の部位をジデオキシ法(Science肚 
1205〜1210 (1981年))により塩基配列
を決定し、アルギニン・デイミナーゼをコードする全D
NAが含まれていることを確認すると共にその全塩基配
列を決定した。EcoRI 、 Hind m、 5a
u3AIを用いてこのプラスミドの制限酵素開裂地図を
作成し、その結果を第3図に示す。
6)トランスフェクション E、coli CAJ64株を2XYT培地(1,6χ
Bacto Tripton(DIFCO社製) 1.
OX Yeast Extract(DIFCO社製)
0.5χNacl )を用いて37°Cで培養し、OD
3.。、、=0.5に達したときの菌体を使用した。
集菌した菌体をlOm!!、の50 mM  Ca C
l tに懸濁し、0°Cで20分間静置した後集菌し、
再度2mlの50 mM  Ca Cl zに懸濁し、
0°Cで30分間静置した。この懸濁液100μ!にプ
ラスミドpcTGIF1溶液1 ttl、(1ng/p
i)を添加し0゛Cで30分間静置した後、42℃90
秒間、0°C90秒間のヒートショックを加え、続いて
900μfのし培地(2,0χBacto Tript
on(DIFCO社製)0.5χYeast Extr
act(DIFCO社製)0.5χNac1 )を添加
して37°C50分間インキュベートした。インキュベ
ート後、菌体を5cIg / m 1アンピシリン含有
し寒天平板培地(L培地+1.5χBacto Aga
r(DIFCO社製))上に播種し、37°Cで1晩培
養しコロニーを形成した菌株をエシェリヒア・コリCA
J64−PUCI 1B−TGIFとして得た。
7)培養と細胞抽出物の調製 pcTGIPlで形質転換した菌株を50μg/m!ア
ンピシリン含有し培地(1,0χBacto Trip
ton(DIPCO社製) 0.5% Yeast E
xtract(DIFCO社製)1.0χNacl )
 15 ml中で37°C118時間培養した後、遠心
分離(6000rpm 、10分間)により集菌し30
0ufのT E (10mMTris−)1cI(DI
FCO社製)、1mM EDTA、pH7,4)に懸濁
した。
超音波破砕機を用いて菌体を破砕した後、1400Or
pm、5分間遠心分離し、上清を取得して細胞抽出物と
した。
8)細胞抽出物のアルギニン・デイミナーゼ活性の確認 pcTGIFlで形質転換したE、coli CAJ6
4でのTGIF1遺伝子の発現を確認するために、形質
転換後の細胞抽出物中のアルギニン・デイミナーゼ活性
を測定した。
細胞抽出物160μ℃に200mM)リス緩衝液(pH
7,2)を400ul、50mM  DTT(ジチオス
テイトール)を160uI2.100mM  L−アル
ギニン溶液を80μ!添加した後ポアサイズ0.22μ
mのメンブランフィルタ−(Amico社製)で濾過滅
菌し、無菌的に37°Cで18時間インキュベートシた
。インキュベート後の反応液400μ!に5M過塩素酸
100μlを添加して反応を停止させ、次いで酸還緩衝
液(INH□SOa 100m1 中にNIl、Fe(
504)Z ・121120を9.0gおよび(NHa
) zFe(Son) 2 ・6HzOを11.0gを
含む)125μ2、酸混合液(Izo 200m1,8
3P04(d=1.74)300m1、H2S04(d
=1.84)100+alの混合液)、ジアセチルモノ
オキシムン容液(0,75g/100+++1HzO)
  250 tl i、を順次添加した後、遮光して沸
騰水上で20分間加熱した。冷水で温度を室温に戻した
後490nmの吸光度を測定し、標準検量線からシトル
リンの生成量を算定した。
形質転換していないE、coli CAJ64の抽出物
について、上記と同じ操作を行い対照とした。
表8に示した結果から明らかな様に、pcTGIF1プ
ラスミドの移入により、アルギニン・デイミナーゼ活性
の発現が確認された。
表8 殖阻害剤として有用である該酵素を大量に提供すること
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、アルギニン・デイミナーゼを構成するポリペ
プチドのアミノ酸配列を示す。第2図は、アルギニン・
デイミナーゼを構成するポリペプチドのアミノ酸配列を
コードする塩基配列を含むDNAを示す。第3図は、プ
ラスミドpcTGrFlの制限酵素開裂地図である。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)アルギニン・デイミナーゼを構成するポリペプチ
    ドのアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むDNA。
  2. (2)アルギニン・デイミナーゼが下記の理化学的性状
    を有するものである特許請求の範囲第1項記載のDNA
    、 (a)作用;L−アルギニンと水からL−シトルリンと
    アンモニアを生成する酵素反応を触媒する、 (b)基質特異性;L−アルギニンに基質特異性を有す
    る、 (c)至適pH;7.0〜7.5、 (d)pH安定性;5.0〜10.0。
  3. (3)アルギニン・デイミナーゼを構成するポリペプチ
    ドのアミノ酸配列が、N末端側より第1図〔図中、Aは
    アミノ酸残基または水素原子を示し、Bはアミノ酸残基
    または−OHを示す〕で表されるものである特許請求の
    範囲第1項記載のDNA。
  4. (4)塩基配列が、5′末端側より第2図〔図中、**
    *はTGAまたはTGGを示す〕で表されるものである
    特許請求の範囲第1項記載のDNA。
  5. (5)アルギニン・デイミナーゼを構成するポリペプチ
    ドのアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むDNAを
    保持することを特徴とするベクター。
  6. (6)アルギニン・デイミナーゼが下記の理化学的性状
    を有するものである特許請求の範囲第5項記載のベクタ
    ー、 (a)作用;L−アルギニンと水からL−シトルリンと
    アンモアを生成する酵素反応を触媒する、 (b)基質特異性:L−アルギニンに基質特異性を有す
    る、 (c)至適pH;7.0〜7.5、 (d)pH安定性:5.0〜10.0。
  7. (7)アルギニン・デイミナーゼを構成するポリペプチ
    ドのアミノ酸配列が、N末端側より第1図〔図中、Aは
    アミノ酸残基または水素原子を示し、Bはアミノ酸残基
    または−OHを示す〕で表されるものである特許請求の
    範囲第5項記載のベクター。
  8. (8)塩基配列が、5′末端側より第2図〔図中、**
    *はTGAまたはTGGを示す〕で表されるものである
    特許請求の範囲第5項記載のベクター。
  9. (9)ベクターが、プラスミドである特許請求の範囲第
    5項記載のベクター。
  10. (10)ベクターが、プラスミドpcTGIF1である
    特許請求の範囲第5項記載のベクター。
  11. (11)宿主にとって外来性であるアルギニン・デイミ
    ナーゼを構成するポリペプチドのアミノ酸配列をコード
    する塩基配列を含むDNAを保持することを特徴とする
    形質転換体。
  12. (12)アルギニン・デイミナーゼが下記の理化学的性
    状を有するものである特許請求の範囲第11項記載の形
    質転換体、 (a)作用:L−アルギニンと水からL−シトルリンと
    アンモアを生成する酵素反応を触媒する、 (b)基質特異性;L−アルギニンに基質特異性を有す
    る、 (c)至適pH;7.0〜7.5、 (d)pH安定性;5.0〜10.0。
  13. (13)アルギニン・デイミナーゼを構成するポリペプ
    チドのアミノ酸配列が、N末端側より第1図〔図中、A
    はアミノ酸残基または水素原子を示し、Bはアミノ酸残
    基または−OHを示す〕で表されるものである特許請求
    の範囲第11項記載の形質転換体。
  14. (14)塩基配列が、5′末端側より第2図〔図中、*
    **はTGAまたはTGGを示す〕で表されるものであ
    る特許請求の範囲第11項記載の形質転換体。
  15. (15)形質転換体が、エシェリヒア属に属する微生物
    である特許請求の範囲第11項記載の形質転換体。
  16. (16)形質転換体が、エシェリヒア・コリに属する微
    生物である特許請求の範囲第11項記載の形質転換体。
  17. (17)形質転換体が、エシェリヒア・コリDH1−P
    UC118−TGIF、エシェリヒア・コリCAJ64
    −PUC118−TGIFおよびその突然変異体よりな
    る群から選ばれたものである特許請求の範囲第11項記
    載の形質転換体。
  18. (18)N末端側より第1図〔図中、Aはアミノ酸残基
    または水素原子を示し、Bはアミノ酸残基または−OH
    を示す〕で表されるポリペプチドを構成成分とするアル
    ギニン・デイミナーゼ。
  19. (19)宿主にとって外来性であるアルギニン・デイミ
    ナーゼを構成するポリペプチドのアミノ酸配列をコード
    する塩基配列を含むDNAを保持した形質転換体を培養
    して、該DNAの遺伝情報を発現せしめ、該培養物から
    アルギニン・デイミナーゼを構成するポリペプチドを採
    取することを特徴とするアルギニン・デイミナーゼの製
    造法。
  20. (20)アルギニン・デイミナーゼが下記の理化学的性
    状を有するものである特許請求の範囲第19項記載の製
    造法、 (a)作用;L−アルギニンと水からL−シトルリンと
    アンモニアを生成する酵素反応を触媒する、 (b)基質特異性;L−アルギニンに基質特異性を有す
    る、 (c)至適pH;7.0〜7.5、 (d)pH安定性;5.0〜10.0。
  21. (21)アルギニン・デイミナーゼがN末端側より第1
    図〔図中、Aはアミノ酸残基または水素原子を示し、B
    はアミノ酸残基または−OHを示す〕で表されるポリペ
    プチドを構成成分とするものである特許請求の範囲第1
    9項記載の製造法。
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