JPH0252144B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、少なくとも１つの水入口孔及び１つ
の水出口孔を有し、水入口孔を完全に閉鎖し又は
部分的に閉鎖して水出口孔と連通せしめうる回動
可能及び／又は変位可能な分配ピストンを受容す
る固定シリンダを備えた衛生水弁に関する。

この種の弁は長年にわたり特にいわゆる転一レ
バー又は単一ノブ混合弁として公知である。これ
らの部材によつてシリンダの入口孔は弁胴の供給
路及び分配ピストン壁面の両方に対してシールさ
れねばならない。さらに分配ピストンはシリンダ
に対し下方のみならず上方及び／又は外方にもシ
ールされねばならない。これは従来装置では動的
応力が加わる少なくとも４つのパツキンを設けね
ばならないことを意味する。これは従来の分配素
子の製造に使用されてきた材料によつてはシリン
ダと分配ピストンとの間に直接的なシールがなさ
れないためである。硬質材料製の分配素子によつ
ては所望のシールにかかせない非常に小さい許容
誤差を保つのは下可能か非常に費用のかかるもの
になる。プラスチツクス製分配素子にも同じ問題
点があり、さらに上記の種類のプラスチツクス製
装置では非常に精密な表面領域を得るのは非常に
困難である。

分配素子が互いに直接シールする装置を開発す
ることは、軟質材料製の動的応力のかかるパツキ
ンを使用せずにすむので製造費用を大幅に減少し
え、動作の信頼性を大幅に向上しうるため意義の
あることである。混合弁は分配素子自体がシール
を行うので軟質材料製の動的応力のかかるパツキ
ンを必要としないものとして公知である。この種
の装置では金属又は陶磁製の円盤状分配素子を備
えた混合弁が問題である。円盤状分配素子の場合
所望の表面領域特性を得ることは何ら困難ではな
く、シールに関する許容誤差も、分配円盤が互い
に押圧するだけなのだから問題ない。

円盤状分配素子を備える混合弁の欠点はその適
正領域をピストン弁に匹敵せしめるには大きな製
造費用がかかることである。ここで適正領域とは
レバー又はノブを大きく動かしても混合湯温度の
流域の温度変化が比較的小であることを意味す
る。円盤状分配素子を備えた片手混合器の形の衛
生水弁のもう１つの欠点は可動分配円盤及び必須
の流れ部が比較的大きな円盤領域を必要とし、こ
れにともない弁の径が大きくなることである。さ
らにこの種の従来型混合弁には可動分配円盤それ
ぞれへの衝撃力が比較的大きいため良質のリンク
又はベアリンク用の費用がかかるという欠点があ
る。

例えば、従来技術として実公昭14−9729号は冷
温の１対の給水管９，１０及び放水嘴８を有する
シリンダ１と、このシリンダ内で回動及び長手方
向運動するピストン３とからなる冷温調節コツク
を示す。

特公昭36−1835号も実公昭14−9729号と同様１
対の入口通路２，３及び蛇口５４を連通するシリ
ンダ１４と、このシリンダ内で回動及び長手方向
運動するピストン１７とからなる混合弁を示す。

実公昭36−25262号及び特公昭36−18291号も上
記特公昭36−1835号及び実公昭14−9729号が示す
弁装置又はコツクと本質的に一致する二本の入口
通路及び蛇口と連通するシリンダとピストンとか
らなる弁装置又はコツクを示す。

上記４例の従来技術装置又はコツクに充分な液
密性をもたせるには、それぞれの構成に応じた部
分に比較的多数のパツキン又はシールを設ける必
要があるか、又はピストンの外径とシリンダの内
径とが厳密に一致するよう工作する必要がある。

このため上記４例の従来技術弁装置又はコツク
は液密性を犠牲にしない限り、構成が複雑となる
か、又は製造上の交差を極めて小さくする必要が
あり、製造が困難であり製造費用も多大なものに
なるといつた欠点がある。

本発明の目的は前述の弁のシールについての欠
点を除去し、構成が簡単で動作が信頼しうる衛生
水弁を提供することにある。

この目的は延在縦方向割り溝を備えるシリンダ
を設けることにより本質上達成される。

縦方向割り溝があるために、分配ピストン及び
シリンダの大きさを、分配ピストンがシリンダの
細い幅より僅かに大なる部分を有するがシリンダ
を弾性的に拡大するこをで容易にシリンダ内へ導
けるように、選定しうる。このようにして作成し
た分配ピストン及びシリンダでは、問題なく技術
的制御ができるはるかに大きな特定の許容誤差限
界が得られ、そのため分配ピストンのシリンダへ
の結合後動作領域間に残る割り溝は単一部材の製
造における許容誤差限界より数等小さい。さらに
シリンダの入口孔及び出口孔を対応する弁胴孔に
対しシールするＯリングにある程度存在する予張
力によりシリンダはピストンの方向へ補助的に押
圧されている。本発明の他の特徴はシリンダの壁
の厚みが縦方向割り溝から離れるにつれ増大する
ことである。これはシリンダの穴をシリンダ外径
方向へ偏心せしめることで技術的に達成される。
かかるシリンダを使用することで許容誤差限界は
非常に大きくなる。本発明のもう１つの特徴は衛
生水弁が水及び湯用の両入口孔及び混合湯用の出
口孔が同じ高さに設けられている混合弁として提
供されていることである。孔のかかる位置には、
出口孔が入口孔より高く又は低くシリンダに設け
られている公知のピストン混合弁に比べて分配ピ
ストン及びシリンダ双方の構成の高さが比較的小
さいという利点がある。

本発明の別の特徴は延在縦方向割り溝は入口孔
間を通つており、出口孔は縦方向割り溝とは反対
側のシリンダ部分に設けられていることである。
このようにすると比較的単純な構成の分配ピスト
ンを使用しうる。よつて本発明の特徴により排出
形の流れ室に、入口孔を出口孔に連通させる塊状
又は管状体の分配ピストンを構成して入口孔を出
口孔に連通させる流れ室は分配ピストンの壁を貫
通する単純な開口として形成されねばならない分
配ピストンが提供される。

本発明の別の特徴により各入口孔の延長寸法は
出口孔のそれより大きい。この方法により所望の
広い適正領域が得られ、出口からわかる水の配分
の問題はこの孔の縦方向長さを大にすることで簡
単に解決される。また、本発明の特徴は静的応力
のくわわるＯリングパツキンによる入口孔及び出
口孔の対応吸込及び排出路に対するシールに関
し、シリンダの外側の入口孔と２つの入口孔の間
にＯリングパツキンをシリンダ周方向に支持する
延在縦方向リブと縦方向割り溝の両側に延在縦方
向リブを設け、カツプ状カウンタベアリングをＯ
リングパツキンを上下方向に支持するため縦方向
リブの間に位置せしめることにある。Ｏリングパ
ツキンのかかる支持ではシリンダ材料の物理的性
質は周方向に利用されるのでシリンダはＯリング
パツキンの支持に関し後部をなくして作成しう
る。この利点は本発明の特徴であるシリンダがＯ
リングパツキンを支持するシエル中で支持される
という構成の結果である。シエルはＯリングパツ
キンを受容する対応開口を有する。このシエルは
本発明の特徴により延在縦方向割り溝が設けられ
ており金属ストリツプから孔あけされ巻かれて形
成され、これは大変経済的である。

図面を参照するに、塊状分配ピストン２が回転
可能かつ変位可能に案内される混合弁のシリンダ
を１で示してある。シリンダ１は延在縦方向割り
溝３を設けられ、水及び湯用の２つの入口孔４及
び混合湯用出口孔５を有する。縦方向割り溝３は
シリンダ１で出口孔５とは反対側に、出口孔５と
は同じ高さの２つの入口孔４の間に、入口孔４よ
りは大なる縦方向長さで設けられている。入口孔
４を出口孔５に連通させるため分配ピストンは排
出形の流れ室６を有する。入口孔４及び出口孔５
の図示していない弁胴の対応吸込及び排出路に対
するシールはＯリング７によつて行われる。Ｏリ
ング７をシリンダの周方向に支持するためにシリ
ンダの外側には延在縦方向リブ８が出口孔５と２
つの入口孔４との間に、また延在縦方向リブ９が
縦方向割り溝３の両側に設けられている。Ｏリン
グ７を上下方向に支持するためシエル状カウンタ
ベアリング１０が縦方向リブ８，９の間にある。

本発明による混合弁の動作は公知のピストン弁
に対応する。シリンダ１と同様好ましくは酸化ア
ルミニウム製である分配ピストン２を切り換える
ことで温度がチエツクされ、分配ピストン２を変
位させることで混合弁が閉じられて所望量に湯が
調節される。

図示説明した実施例は本発明を実施した１例に
すぎず、本発明はこれに限定されない。本発明の
基本的思想に他の実施例の可能性も含まれる。例
えば本発明は、ノブが２つの混合弁及び湯及び水
を提供するのみの単なるターンオフ弁に適用しう
る。他の可能性は特許請求の範囲に示されている
が、そこで２つの入口孔及び出口孔が同じ高さに
あるとしているのは本発明に沿つて出口孔の上縁
が入口孔の下縁のそれぞれより低くなく、出口孔
の下縁が入口孔の上縁より高くないことを意味す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は分配ピストンを備えたシリンダの縦断
面図、第２図は第１図の線−に沿つた断面
図、第３図はＯリングパツキンを備えたシリンダ
の図、第４図は第３図の線−に沿つた縦断面
図、第５図は第３図の線−に沿つた断面図で
ある。 １……シリンダ、２……分配ピストン、３……
縦方向割り溝、４……入口孔、５……出口孔、６
……流れ室、７……Ｏリング、８，９……縦方向
リブ、１０……シエル状カウンタベアリング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 長手方向に貫通する長手方向孔を有し、壁に
   湯及び水用の２つの入口孔及び混合湯の出口孔が
   形成された円筒状固定シリンダと、固定シリンダ
   の長手方向孔内に回動及び長手方向に変位可能に
   設けられ回動により湯水混合割合を調整し、長手
   方向変位により出口孔より出る湯水量を調整する
   ピストンとからなる衛生水弁であつて、該ピスト
   ンは該シリンダの長手方向孔の径より僅かに大な
   る径を有し、該シリンダの上記２つの入口孔間で
   該出口孔に対向する位置の壁には長手方向に延在
   する割り溝を設けてなり、ピストンが該シリンダ
   孔に挿入される際、該ピストンが該シリンダを拡
   張して静的なシール手段を用いずとも液密で機械
   的なシールを形成するよう該ピストンと該シリン
   ダとの接触面に半径方向圧縮力が働くように構成
   した衛生水弁。 ２ 該シリンダ孔の軸と該シリンダの軸とは重な
   らず平行であることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の衛生水弁。 ３ 該ピストン及び該シリンダは酸化アルミニウ
   ム製であることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の衛生水弁。 ４ シリンダの壁厚は該長手方向割り溝から始ま
   つて該長手方向割り溝に直径上対向するシリンダ
   の最大壁厚部まで増大することを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の衛生水弁。 ５ 該ピストンには該少なくとも１つの入口孔と
   該出口孔を連通する横方向通路が設けられている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の衛
   生水弁。 ６ 該ピストンは管状体であることを特徴とする
   特許請求の範囲第５項記載の衛生水弁。 ７ 該シリンダ壁には該弁及び該シリンダの対応
   する水入口孔及び水排出孔間の液密シールをなす
   よう該少なくとも１つの入口孔と該出口孔を囲む
   ようにＯリングパツキンが取付けられることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載の衛生水弁。 ８ 該シリンダには、該長手方向割り溝の両側に
   １本ずつの長手方向リブと、１対の離間した長手
   方向延在リブとが設けられ、該少なくとも１つの
   入口孔は該１対のリブの間に位置することを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の衛生水弁。 ９ 該シリンダの上端及び下端のそれぞれに設置
   される１対の略カツプ形状ベアリングからなるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第８項記載の衛生
   水弁。 １０ 該シリンダの該少なくとも１つの入口孔と
   該出口孔に対応する少なくとも１つの水入口孔と
   出口孔とを有するカウンタベアリングからなり、
   該カウンタベアリング中該孔を画成する面は該シ
   リンダの該孔と該衛生水弁の対応する孔との間に
   液密シールをなすＯリングパツキンを取付ける手
   段をなすことを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の衛生水弁。 １１ 該カウンタベアリングは金属スリーブの形
   であることを特徴とする特許請求の範囲第１０項
   記載の衛生水弁。 １２ 該出口孔の水平な上縁はシリンダ壁におい
   て該少なくとも１つの入口孔の水平な上縁より低
   くない位置にあることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の衛生水弁。 １３ 該出口孔の水平な下縁は該少なくとも１つ
   の入口孔の水平な上縁より高くない位置にあるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の衛生
   水弁。 １４ 衛生水弁と動作的に結合され、長手方向に
   貫通する長手方向孔を有し、壁に湯及び水用の２
   つの入口孔及び混合湯の出口孔が形成された円筒
   状固定シリンダと、固定シリンダの長手方向孔内
   に回動及び長手方向に変位可能に設けられ回動に
   より湯水混合割合を調整し、長手方向変位により
   出口孔より出る湯水量を調整するピストンとから
   なる衛生水弁であつて、該ピストンは該シリンダ
   の長手方向孔の径より僅かに大なる径を有し、該
   シリンダの上記２つの入口孔間で該出口孔に対向
   する位置の壁には長手方向に延在する割り溝を設
   けてなり、ピストンが該シリンダ孔に挿入される
   際該ピストンが該シリンダを拡張して静的なシー
   ル手段を用いずとも液密で機械的なシールを形成
   するよう該ピストンと該シリンダとの接触面に半
   径方向圧縮力が働くように構成した弁組立体。