JPH0249378B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

産業上の利用分野 本発明はスラグから回収される粒度の小さい粉
鉄を結着するための結着剤に関する。 従来技術および問題点 溶鉱炉のスラグから回収される鉄粒子のうち粒
子の粗いものは容易に回収でき、製鋼原料などと
して再利用される。しかしながら、粒子の細かい
もの、特に１mm以下のものは、回収が困難なばか
りでなく、回収できても炉に投入するまでのハン
ドリング性が困難な上、投入の際、集塵機に吸い
込まれた炉に落ちないため、集塵機の負担とな
る。従つて現在この微細な鉄粒子が有効に使用さ
れないため問題となつている。 このようなスラグ回収粉鉄を有効に使用するに
は適当な結着剤で粉鉄を結着し、鉄ペレツトとす
るのがよい。 一方、鉄鉱石の運搬時の粉塵発生を防止する方
法として、粉塵をポルトランドセメント、ピツチ
などで結着する方法が知られている。 しかしながらこれらの結着剤でスラグ回収粉鉄
を結着するときは、該粉鉄が比較的均一な粒径を
有していること、および形状が扁平でなく、球形
に近いため、粒子間空隙が大きく、多量の結着剤
を必要とし、不経済であるのみならず、結着剤の
種類によつては、例えばセメント等を用いると、
粉鉄の品質を著るしく落すこととなる。 問題点を解決するための手段 本発明はポリアクリルアミドを有効成分とする
スラグ回収粉鉄用結着剤を提供する。 本発明結着剤により効果的に結着し得るスラグ
回収粉鉄は鉄鋼スラグ、製鉄スラグ、脱硫スラ
グ、熔鉱炉からのスラグから回収した粉鉄であ
る。この粉鉄は粒度分布が狭く、粒子空隙が大き
い。鉄分は約90％以上、通常95％以上含まれてお
り、この有効利用が望まれている。この有効利用
のためにはこれを更に結着して結着もしくは融着
してより大きい粒径として回収することが望まし
い。しかしながら、前述した如く、粉鉄は多くの
粒子空隙を有しているため、結着剤を使用しても
結着剤が粒子空隙に吸収され有効に利用されない
という問題があつた。本発明ではその結着剤とし
て比較的粒子空隙に融着されず粉鉄粒表面で表面
に電着する性質を有する結着剤を用いることによ
り上記問題を解決した。 本発明に用いる樹脂はポリアクリルアミドであ
る。 ポリアクリルアミドとしては純粋なポリアクリ
ルアミドであつてもよいが部分的にアクリル酸エ
チル等のエステル類の共重合体、またはポリアク
リル酸等との共重合体であつてもよい。ポリアク
リルアミドの部分ケン物であつてもよい。またメ
タクリル酸、メタクリル酸アミド、メタクリル酸
エステル等との部分共重合物であつてもよい。少
なくともアクリルアミドをモノマー構成成分の70
モル％以上含有しているのが好ましい。ポリアク
リルアミドの分子量は5000〜100000、特に10000
〜50000が好ましい。本発明において、ポリアク
リルアミドと、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル／アクリル酸共重合体、アクリル酸マレイン酸
共重合体等のビニル系重合体または共重合体を併
用してもよい。 本発明において上記ポリアクリルアミドは水溶
液、水性エマルジヨン、親水性有機溶剤を含む水
溶液、有機溶剤溶液として使用してもよい。本発
明粉鉄用結着剤は鉄用防錆剤、例えば亜硝酸ナト
リウム等の亜硝酸塩、エタノールアミン、ジエタ
ノールアミン等のアルカノールアミン類、カプリ
ン酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム等の中級
脂肪酸塩、ｐ―tert―ブチル安息香酸ナトリウム
等のアルキル安息香酸ナトリウム塩等を配合して
もよく、また鉄との濡れ性を改良するため湿潤
剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等を配
合してもよい。 結着剤の使用量は純分換算で粉鉄の0.1〜５重
量部、より好ましくは0.3〜1.0重量部である。 本発明結着剤はこれをスラグ回収粉鉄に加え、
十分混練し、所定の大きさの容器に入れ、常温ま
たは加熱下、例えば、10〜200℃で約0.5t／cm²〜
10t／cm²、より好ましくは、２〜5t／cm²の圧力で
加圧成形する。0.5t／cm²以下でも成形体を得るこ
とはできるが、得られたものは脆く10t／cm²以下
で成形すると設備が大型化しランニングコスト高
になる。 加圧成形は上記のプレス成形の他、振動しなが
らプレスしてもよく、またブリケツトマシンを用
いて行つてもよい。本発明で得られたスラグ回収
粉鉄の加圧成形体は種々の大きさのものを得るこ
とができ、強度30Kg／cm²以上で、通常の搬送に支
障なく、また電気炉用冷材として用いても除塵材
によつて除去されることがない。また本発明結着
剤は従来一般的な接着剤としてよく知られている
フエノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ロジ
ンエステル、ウレタン系接着剤等に比べ著しく高
い結着能力を有する。 以下実施例を挙げて本発明を説明する。 実施例 １ 表―１に示す結着剤を用い、これを所定量スラ
グから回収した粉鉄50ｇに加え、ビーカーに入
れ、ガラス棒で十分混練し、第１図に示すテスト
ピース用金型（25φの円筒に入れ加圧成型した。
図中、１は試料、２は金型、３は加圧ヘツドを示
す。加圧成型した塊化物は、成型直後、10分後、
20分後、１日後に第２図に示す装置を用いて圧壊
強度を測定した。図中、１試料、４はプレスおよ
び５は台座を示す。圧壊強度は試料を台座に載
せ、その円周方向はプレスで徐々に加圧し、試料
が破壊したときの圧力を読み取ることにより行つ
た。 尚、スラグ回収粉鉄の粒度は以下の通りであつ
た： ９メツシユ＋100％ 12メツシユ＋98.2％ 16メツシユ＋69.7％ 32メツシユ＋15.8％ 23メツシユ＋15.8％ 100メツシユ＋0.1％ 以上の如くして得られた結着粉鉄の圧縮強度お
よび落下強度を表―２に示す。 落下強度は加圧成型した塊化物を2mの高さか
ら鉄板上に繰り返し落下させ、割れたときの回数
を示した。 比較例 ポリアクリルアミドに代えて従来一般に接着剤
として用いられている化合物を用いた。使用樹脂
の種類および種類を表―１に示す。また得られた
結果を表―２に示す。

【表】

【表】

【表】 発明の効果 実施例に示す結果から明らかな如く、本発明結
着剤を使用すると少量でスラグ回収粉鉄を結着す
ることができる。得られた結着スラグ回収粉鉄の
強度は十分高く再使用に使用することが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は金型および第２図は圧壊強度試験機を
それぞれ示す。 １…試料、２…金型、３…加圧ヘツド、４…プ
レス、５…台座。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ポリアクリルアミドを主成分とするスラグ回
   収粉鉄用結着剤。