JPH024813Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野及び考案の目的 本考案は、オープンカーのサイドウインド部分
におけるサイドウインド用の幌の取付構造に関す
るものであつて、その目的とする処は、ドアやボ
デーのベルトライン面とサイドウインドに相当す
る幌下端縁とのシール性を改善すると共に、取付
けが簡単であり、またボデーサイドにスナツプボ
タン等が露出せず、外観の見栄えのよい意匠的効
果に優れた比較的廉価に提供できるオープンカー
のサイドウインド部分の幌取付構造を提供するこ
とにある。

従来技術 従来、オープンカーのサイドウインド部分は、
透明部を備えたサイドウインドたる幌部分が天井
を被つている幌と一体的に形成されており、この
幌部分を天井の幌から両サイドへ夫々垂下した構
造のものが知られている。この場合、このサイド
ウインド部分に垂下している幌をベルトラインに
固定するため、ベルトラインより下方のボデー外
側面上の複数のスナツプボタン等で幌の下端部分
を固定する構造が採用されている。

しかし、前述従来の構造では、スナツプボタン
等で取り付けられている間隙は何等シールされて
いないため、走行中に前記間隙から隙間風や雨水
が吹き込むという欠点があるほか、幌を取外した
場合、ボデーサイド上に、複数のスナツプボタン
等が露出するため外観の見栄えが悪いという欠点
がある。

考案の構成 本考案は、オープンカーのサイドウインド部分
において該オープンカーの天井を被覆する幌から
垂下するサイドウインド用の幌の下端の先端が、
ボデー側のベルトラインに沿つて外側へ折り曲げ
られて取り付けられるようになつており、前記折
り曲げられている先端上部内側に、断面Ｕ字状の
硬質材製のフレームの一辺が取り付けられ、該フ
レームの他辺が内側へ張出し、かつ、複数のワイ
ヤー係止部が形成されていると共に、該断面ｕ字
状のフレーム下端面に、ボデー側のベルトライン
に圧接するウエザーストリツプが取り付けられて
おり、他方ボデー側のベルトライン部に、前記ワ
イヤー係止部に係脱自在とされた緊締用のワイヤ
ーが出没自在に配設されていることを特徴とする
ものである。

作用、効果 本考案は前述の如き構成からなるものであつ
て、オープンカーの天井部分に幌を張設した後、
両サイドのサイドウインド用の幌を天井から垂下
し、その下端の先端をボデー側のベルトラインに
沿つて外側へ折り曲げる。

つぎに垂下する幌の幌下端の折り曲げられてい
る先端の内側に取り付けられている断面Ｕ字状の
フレームを、ウエザーストリツプを介してボデー
側のベルトラインに当接すると共に、該ベルトラ
イン面に取り付けられている複数の緊締用のワイ
ヤーの先端を、前記フレームの複数のワイヤー係
止部に引掛けて緊締し係止する。前記フレームは
充分な剛性を有する硬質材製のものであり、スチ
イール、アルミニウム又は合成樹脂等が使用でき
る。

また、フレームは断面Ｕ字状のフレームの一辺
がサイドウインド用の幌先端の折曲げられている
上部内側に取り付けられていると共に、該フレー
ムの他辺がボデー内側に張出しており、該他辺に
僅かの間隔をおいて切溝が形成されてワイヤー係
止部とされたものであつて、ワイヤー係止部はフ
レーム全長に亘り複数個所に形成されている。

また、ワイヤー係止部に係止する緊締用のワイ
ヤーは、前記複数の係止部に対応した位置におい
てボデー側のベルトライン面を貫通し、ボデーの
アウターパネルとインナーパネルとの間に挿通さ
れ、さらにインナーパネルを貫通して車室内へ引
き出され、インナーパネル内側に取り付けられて
いるラツチに取り付けられており、該ラツチを緩
めてベルトライン面上に顕出しているワイヤーの
先端部を、前記フレームの係止部に引掛けた後、
ラツチを閉めてフレームをベルトライン面に密着
するものである。もつとも、本考案における幌フ
レームのワイヤー係止部は前記の如き構造のもの
である必要はなく、ラツチに取付けられているワ
イヤーが係止できるものであればよい。

さらに、前記断面ｕ字状のフレーム下端面に、
ゴム等の弾性体からなるウエザーストリツプが取
り付けられており、該ウエザーストリツプを介し
て断面ｕ字状のフレームの下端面がボデー側のベ
ルトラインに圧接されるものである。

前記のように、本考案は構造も簡単であつて、
しかもサイドウインド用の幌下端がフレームとワ
イヤーとの係止によつてボデー側のベルトライン
面上に隙間の全くない状態で密着しているため、
隙間風や雨水等が漏洩するおそれは全くない。

また、幌を取外すときは、内側に取り付けられ
ているラツチを緩めてベルトライン面上のワイヤ
ーを引伸ばしてフレームとの係止を解き、サイド
ウインド用の幌を天井部の幌にまき上げた後、天
井部の取外しと同時に取外せばよい。

他方、ボデー側のベルトライン面上に引伸ばさ
れているワイヤーは、内側のラツチを作動させれ
ば、ワイヤーの先端がベルトライン面に簡単に収
められる。尚、この場合、ワイヤー先端に掛け金
を取り付けると共に、ベルトライン面に掛け金が
収納できる凹欠部を形成しておけば、ベルトライ
ン面上にはワイヤー先端が露出せず外観の見栄え
が良く、またワイヤーの取り出しの際に掛け金を
手指で簡単に引き出せると云う利点がある。尚、
サイドウインド用の幌の前端縁又は後端縁は
夫々、フロントウインドフレーム、ピラー又はロ
ールバー等にスナツプボタン等で取り付ければよ
い。

本考案は以上の如くサイドウインド用の幌を天
井に張設した幌から垂下して取り付ける場合、該
サイドウインド用の幌の幌下端に断面Ｕ字状のフ
レームを取付け、該フレームに複数のワイヤー係
止部を形成し、これにワイヤーを係止してサイド
ウインド用の幌の幌下端部をウエザーストリツプ
を介してボデー側のベルトライン面上に密着でき
るから、幌下端とベルトライン面との間を完全に
シールすることができ、従つて隙間風、雨水等の
漏洩を完全に防止できる。

また、幌を取外した場合には、従来の如くベル
トライン面上またはボデー外面にスナツプボタン
がないから外観の見栄えもよく、また、その構造
も簡単であるからコストも廉価である。

実施例 第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示した
ものであり、以下、これら図面に基づいて本考案
を説明する。サイドウインド用の幌１が第１図に
示すように天井に張設する幌２から両サイドに垂
れ下げられており、該サイドウインド用の幌１の
幌下端の先端３がドア１３のベルトライン４表面
でボデーの外側へ折曲げられている。

前記サイドウインド用の幌１の先端上部内側に
は第２図に示すように、断面Ｕ字状の硬質材製の
フレーム５が取り付けられており、該フレーム５
はサイドウインド部分の巾と同一の長さで断面Ｕ
字状をなす一辺６で、取り付けられ、他辺７が内
側へ張り出しており、該フレーム５の下端面にゴ
ム等の弾性体からなるウエザーストリツプ１７が
取り付けられている。

また、前記内側に張出している他辺７に、複数
の係止部８が形成されている。該係止部８は僅か
な間隔をもつて設けられた２の切溝９，９によつ
て形成されている。

他方、サイドウインド用の幌１が垂れ下げられ
ているドア１３のベルトライン４表面で、前記フ
レーム５に形成されている複数のワイヤー係止部
８に対応する位置には凹陥部１０が形成されてお
り、該凹陥部１０内には、第３図に示されるよう
に、緊締用のワイヤー１１の先端に取付けられて
いる掛け金１２が配置されている。

また、前記ワイヤー１１は第４図に示すよう
に、ボデー側のベルトライン、図示例ではドア１
３のベルトライン４を貫通してドア１３のアウタ
ーパネル１４及びインナーパネル１５内に挿通さ
れており、その先端がインナーパネル１５を貫通
して車室内へ引き出され、インナーパネル１５に
取付けられているラツチ１６に取付けられてい
る。

つぎに、サイドウインド用の幌１を取付けるに
は、インナーパネル１５に取付けられているラツ
チ１６を緩めて、ベルトライン４の凹陥部１０内
に装着されている掛け金１２を引張つて取り出
し、サイドウインド用の幌１のフレーム５のワイ
ヤー係止部８に、掛け金１２を引掛けた後、ラツ
チ１６でワイヤー１１を引張れば、フレーム５が
ウエザーストツプ１７を介してベルトライン４表
面に密着して固定される。尚、図示を省略した
が、幌１の前端縁、後端縁は、スナツプボタン等
によつてフロントウインドフレーム、ロールバー
に取付けられる。

本考案はサイドウインド用の幌１が、これに取
り付けられている剛性あるフレーム５で幌１の全
巾に亘つてドアのベルトラインに密着できるか
ら、従来のスナツプボタンによる部分的な取り付
け構造と異なり、幌１の下端とベルトライン４と
の間に隙間は全くなくシール性は極めて良好であ
るばかりか構造も簡単である。

また、幌の取外しの場合はラツチ１６を緩めて
掛け金１２をフレーム５のワイヤー係止部８から
取外して幌１の下端部をフレームの状態とし、幌
２と同時に取外すことができる。

尚、幌１を取外した後、ラツチ１６を作動させ
てワイヤー１１を引張つて先端の掛け金１２をベ
ルトライン４に形成されている凹陥部１０内へ装
着できるから、外観の見栄えもよく、構造も簡単
であるから費用も低廉である。以上説明した実施
例は、ドア１３部分に設けられる幌１に関するも
のであるがドア以外の車体部分のサイドウインド
用の幌も全く同一構造とされるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例を示す要部斜視図、第２
図はボデーの内側から見た要部斜視図、第３図は
ベルトライン上のワイヤー先端部の部分斜視図、
第４図は取り付け状態を示す説明図である。 １：幌、２：サイドウインド部分の幌、３：サ
イドウインド部分の幌先端部、４：ベルトライ
ン、５：フレーム、６，７：フレームの辺、８：
係止部、９：切溝、１０：凹陥部、１１：ワイヤ
ー、１２：ワイヤー先端の掛け金、１３：ドア、
１４：アウターパネル、１５：インナーパネル、
１６：ラツチ、１７：ウエザーストリツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オープンカーのサイドウインド部分において、
   該オープンカーの天井を被覆する幌から垂下する
   サイドウインド用の幌下端の先端が、ボデー側の
   ベルトラインに沿つて外側へ折り曲げられて取り
   付けられるようになつており、前記折り曲げられ
   ている先端上部内側に、断面ｕ字状の硬質材製の
   フレームの一辺が取り付けられ、該フレームの他
   辺がボデーの内側へ張出し、かつ、複数のワイヤ
   ー係止部が形成されていると共に、該断面ｕ字状
   のフレーム下端面に、ボデー側のベルトラインに
   圧接するウエザーストリツプが取り付けられてお
   り、他方ボデー側のベルトライン部に、前記ワイ
   ヤー係止部に着脱自在とされた緊締用のワイヤー
   が出没自在に配設されていることを特徴とするオ
   ープンカーのサイドウインド部分の幌取付構造。