JPH0248080B2 - - Google Patents

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JPH0248080B2
JPH0248080B2 JP58030605A JP3060583A JPH0248080B2 JP H0248080 B2 JPH0248080 B2 JP H0248080B2 JP 58030605 A JP58030605 A JP 58030605A JP 3060583 A JP3060583 A JP 3060583A JP H0248080 B2 JPH0248080 B2 JP H0248080B2
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stimulable phosphor
phosphor sheet
autoradiography
support
sheet
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JP58030605A
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Hisashi Shiraishi
Hisatoyo Kato
Junji Myahara
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE8484101963T priority patent/DE3485353D1/de
Priority to EP84101963A priority patent/EP0126218B1/en
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Publication of JPH0248080B2 publication Critical patent/JPH0248080B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K4/00Conversion screens for the conversion of the spatial distribution of X-rays or particle radiation into visible images, e.g. fluoroscopic screens
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/29Measurement performed on radiation beams, e.g. position or section of the beam; Measurement of spatial distribution of radiation
    • G01T1/2914Measurement of spatial distribution of radiation
    • G01T1/2921Static instruments for imaging the distribution of radioactivity in one or two dimensions; Radio-isotope cameras
    • G01T1/2942Static instruments for imaging the distribution of radioactivity in one or two dimensions; Radio-isotope cameras using autoradiographic methods

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、蓄積性蛍光体シートに関するもので
ある。さらに詳しくは、本発明は、特に蓄積性蛍
光体シートを含む測定キツトを用いるオートラジ
オグラフイーに利用するための蓄積性蛍光体シー
トとして有用な蓄積性蛍光体シートに関するもの
である。
放射性標識を付与した物質を生物体に投与した
のち、その生物体、あるいは、その生物体の組織
の一部を試料とし、この試料と高感度X線フイル
ムなどの放射線フイルムとを一定時間重ね合わせ
ることによつて、該フイルムを感光(あるいは、
露光)させ、その感光部位から該試料中における
放射性標識物質の位置情報を得ることからなるオ
ートラジオグラフイー(ラジオオートグラフイー
とも呼ばれる)は、従来より知られている。この
オートラジオグラフイーは、たとえば、生物体に
おける投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態
などを詳しく研究するために利用されている。こ
のようなオートラジオグラフイーについては、た
とえば、次に示す文献に記載がある。
生化学実験講座6 トレーサ実験法(上)271
〜289頁、『8.オートラジオグラフイー』末吉徹、
重松昭世(1977年、(株)東京化学同人刊) また近年では、オートラジオグラフイーは、放
射性標識を付与された生物体の組織および/また
は生物体由来の物質を含む支持媒体における放射
性標識物質の位置情報を得るためにも有効に利用
されている。
たとえば、蛋白質、核酸などのような生物体由
来の高分子物質に放射性標識を付与し、その放射
性標識高分子物質、その誘導体、あるいはその分
解物などをゲル電気泳動などの分離展開操作にか
けてゲル状支持媒体において分離展開し、そのゲ
ル状支持媒体と高感度X線フイルムとを一定時間
重ね合わせることにより、該フイルムを感光さ
せ、その感光部位から得られる該ゲル中における
放射性標識物質の位置情報を基にして、その高分
子物質の分離、同定、あるいは高分子物質の分子
量、特性の評価などを行なう方法も開発され、実
際に利用されている。
このようなオートラジオグラフイーについては
たとえば、次に示す文献に記載されている。
「ELECTROPHORESIS OF PROTEINS
IN POLYACRY LAMIDE AND STARCH
GELS」、A.H.Gordon(North−Holland
Publishing Company、Amsterdam1969):邦訳
『ゲル電気泳動法、東京化学同人発行1974』 特に近年においては、オートラジオグラフイー
はDNAなどの核酸の塩基配列の決定にも有効に
利用されており、従つて生物体に由来する高分子
物質の構造決定において非常に有用な手段となつ
ている。
このオートラジオグラフイーを利用することに
よりDNAの塩基配列を決定する方法としては、
マキサム・ギルバート(Maxam−Gilbert)法、
およびサンガー・クールソン(Sanger−
Coulson)法が知られている。これらの方法は、
DNAが二本の鎖状分子からなる二重ラセン構造
を有し、かつその二本の鎖状分子は、各々四種類
の塩基、すなわちアデニン(A)、グアニン(G)、シト
シン(C)そしてチミン(T)なる塩基を有する構成
単位から構成されていること、そして、この二本
の鎖状分子の間はこれら四種類の塩基間の水素結
合によつて架橋されており、しかも各構成単位間
の水素結合は、G−CおよびA−Tの二種類の組
合わせのみにおいて実現しているというDNAの
特徴的な構造を巧妙に利用して、その塩基配列を
決定する方法である。
たとえば、マキサム・ギルバート法は次に記載
するような操作により実施する。
塩基配列を決定しようとしているDNAあるい
はDNAの分解物の鎖状分子の一方の側の端部に
燐(P)の放射性同位元素を含む基を結合させる
ことにより、その対象物を放射性標織物質とした
のち、化学的手段を利用して鎖状分子の各塩基の
間の結合を塩基特異的に切断する。次に、この操
作により得られるDNAあるいはDNAの分解物の
多数の塩基特異的切断分解物の混合物をゲル電気
泳動法により支持媒体上で分離展開し、多数の塩
基特異的切断分解物がそれぞれ帯状を形成して分
離展開された分離展開列(視覚的には見ることが
できない)を得ることができる。この支持媒体と
高感度X線フイルムとを低温下にて長時間重ね合
わせておくと、放射性同位元素を分子中に含む塩
基特異的切断分解物が存在する位置に面したX線
フイルムの部分は感光して潜像を形成する。この
ようにして潜像を形成したX線フイルムを現像す
ることにより、多数の帯状帯域からなるオートラ
ジオグラフがX線フイルム上に可視像として現わ
れる。そして、この可視化されたオートラジオグ
ラフと特異的切断手段とから、放射性同位元素が
結合された鎖状分子の端部から一定の位置関係に
ある塩基を順次決定することができ、このように
して対象物のすべての塩基の配列を決定すること
ができる。
なお、上記に要約したマキサム・ギルバート法
については次の文献に詳細に記載されている。
METHODS IN ENZYMOLOGY、VOL.65、
PART I(ACADEMIC PRESS、NEW YORK
LONDON TORONTC SYDNEY SAN
FRANCISICO、1980) サンガー・クールソン法もまたDNAの特徴的
な構造に着目し、DNA合成酵素、ゲル電気泳動
およびオートラジオグラフイーを利用してDNA
の塩基配列を決定する方法であり、このサンガ
ー・クールソン法および前記のマキサム・ギルバ
ート法の特徴および操作についての簡単な記述は
次の文献に見られる。
『遺伝情報を原語で読む・意表を衝いたDNA
の塩基配列解析法』三浦謹一郎、現代化学、1977
年9月号46〜54頁((株)東京化学同人刊) これまでに述べたようにオートラジオグラフイ
ーは、放射性標識が付されている生物体由来の物
質の混合物からなる試料を支持媒体(たとえば、
電気泳動分離用支持媒体、あるいは薄層クロマト
グラフイー用支持媒体など)を用いて分離展開し
たのち、その支持媒体上で分離展開された各物質
の一次元的もしくは二次元的な位置情報を、該物
質の放射性を利用して検出測定することにより、
それらの物質の分離および同定などを行なうため
に有効に利用されている。従つて、この種のオー
トラジオグラフイーを利用することにより、たと
えば生体高分子の構造決定などを効率良く達成す
ることができるため、近年ではこのような種類の
オートラジオグラフイーも広く利用されている。
しかしながら、このように有用なオートラジオ
グラフイーを実際に利用する場合には、いくつか
の問題がある。
その第一は、支持媒体上に分離展開された放射
性標識物質の位置を可視化するために、その支持
媒体と高感度X線フイルムなどの放射線フイルム
とを一定時間重ね合わせることによつて、該フイ
ルムを感光(露光)させる操作が煩雑であり、か
つ長時間を必要とする点である。すなわち従来の
オートラジオグフイーにおいて上記の露光操作
は、低温(たとえば、0℃付近、そして核酸の塩
基配列決定などにおけるゲル状支持媒体の露光の
場合には−70〜−90℃)で、かつ長時間(たとえ
ば、数日間)かけて実施されている。これは、オ
ートラジオグラフイーの測定対象となる通常の放
射性標識物質は一般に高い放射性を有していない
ため、充分な感光を得るためには露光を長時間し
なければならないこと、そして、たとえば室温な
どの比較的高い温度にて支持媒体と放射線フイル
ムとを長時間重ね合わせておくと、放射線フイル
ムの感光成分である銀塩が、その支持媒体中の各
種の物質により化学カブリを受け、このため該フ
イルムに精度の高い感光画像が得られにくく、従
つて、そのような化学カブリを低減するために露
光操作を低温下で行なう必要があることなどの理
由による。そのような厳しい露光条件を緩和する
ために放射線フイルムの感度を更に高めることも
考えられるが、従来のオートラジオグラフイーの
ための放射線フイルムは、既に非常に高感度にさ
れたものが用いられており、得られる画像の鮮明
さを考慮すると、放射線フイルムの飛躍的な高感
度化は困難である。
また、放射線フイルムの感光成分の銀塩は化学
的刺激のみでなく、物理的な刺激にも影響されや
すい欠点があり、これもオートラジオグラフイー
の操作を困難にし、かつその精度を低下させる原
因となる。すなわち、オートラジオグラフイーに
おいては一般に放射線フイルムを支持媒体と接触
した状態として露出操作を行なう必要があるた
め、放射線フイルムの移動、設置などの作業は放
射線フイルムを裸の状態にして行なうことが多
い。従つて、そのような作業の際に、放射線フイ
ルムが操作担当者の手あるいは機器などに接触す
る機会が増加し、その接触などに起因する物理的
圧力などによつて放射線フイルムは物理的カブリ
現象を起す傾向があり、この点もオートラジオグ
ラフイーの精度を低下させる原因となる。そし
て、そのような放射線フイルムの物理的カブリの
発生を回避するためには、その取扱い作業におい
て高度の熟練と注意とを必要とし、オートラジオ
グラフイーの操作をさらに複雑にする結果とな
る。
またさらに、従来のオートラジオグラフイーで
は上記のように長時間の露光操作が行なわれるた
め、放射性標識物質以外に試料中に含まれる自然
放射能もまた放射線フイルムの露光に関与し、得
られる放射性標識物質の位置情報の精度を低下さ
せるとの問題がある。そのような自然放射能によ
る妨害を除くために、たとえば、対照試料を用い
た並行実験の実施、露光時間の適正化などが図ら
れているが、並行実験の実施による実験回数の増
大、好適な露光時間の決定を行なうための予備実
験の必要性などにより、その操作全体が煩雑にな
るとの欠点がある。
本発明者は、従来のオートラジオグラフイーに
附随する上記のような問題点の解決を目的として
鋭意研究を行なつた結果、オートラジオグラフイ
ーにおいて用いる感光材料として、放射線フイル
ムの代りに、輝尽性蛍光体を結合剤中に分散して
なる蛍光体層を有する蓄積性蛍光体シートを用い
ることにより、前記の問題点の解決あるいは欠点
の低減が実現することを見出し、この発明を既に
特許出願した(特願昭57−193418)。
上記の既出願の発明に開示されたオートラジオ
グラフイーによれば、たとえば、試料が分離展開
されている分離展開用支持媒体上の放射性標識物
質の位置情報を取り出すために用いる感光材料と
して、輝尽性蛍光体を結合剤中に分散してなる蛍
光体層を有する蓄積性蛍光体シートを用いること
により、露光時間の大幅な短縮化が実現するのみ
でなく、環境温度あるいはその付近の温度という
ような相対的に高い温度条件であつても、得られ
る放射性標識物質の位置情報の精度を低下させる
ことなく、露光を行なうことができる。この点は
従来のおいて冷却下に実施されていたオートラジ
オグラフイーにおける露光操作を著しく簡略化す
るものである。また露光時間の大幅な短縮化が実
現することにより、オートラジオグラフイーの操
作全体が短時間で効率良く実施できることにな
り、この点においても実用上非常に有利となる。
さらに、オートラジオグラフイーの感光材料とし
て上記の蓄積性蛍光体シートを利用することによ
り、従来放射線フイルムの使用において大きな問
題となつていた化学カブリおよび物理カブリが実
質的に発生しなくなる点も、オートラジオグラフ
イーの精度の向上および作業性において非常に有
利に作用する。
また、感光材料として蓄積性蛍光体シートを使
用した場合には、蓄積性蛍光体シートに転写され
た放射性標識物質の位置情報を得るためには特に
画像化を行なう必要はなく、その蓄積性蛍光体シ
ートをレーザーなどの電磁波で走査することによ
り上記の位置情報を読み出し、その位置情報を画
像、記号あるいは数値、あるいはそれらの組合わ
せなどの任意な形態に変えて取り出すことが可能
となる。さらに、上記の位置情報を電気的手段な
どを利用して更に加工することにより、所望の各
種の形態で必要な情報を入手することも可能であ
る。
蓄積性蛍光体シートを利用するオートラジオグ
ラフイーは、以上述べたように様々な利点を持つ
ており、その有用性は非常に高いものである。
上記のオートラジオグラフイーにおいては、た
とえば、独立に存在する支持媒体(例、電気泳動
分離用支持媒体、あるいは薄層クロマトグラフイ
ー用支持媒体など)の上で、放射性標識が付され
ている生物体由来の物質の混合物からなる試料を
分離展開したのち、この支持媒体の上に蓄積性蛍
光体シートを重ね合わせて露光操作を行なうこと
ができる。しかしながら、この蓄積性蛍光体シー
トを用いるオートラジオグラフイーの利点を効果
的に利用するためには、支持媒体を予め蓄積性蛍
光体シートの表面に設置しておき、その状態にて
試料を該支持媒体上で分離展開し、必要により該
支持媒体を分離除去したのち、前述の位置情報の
読み取りを行なうことが好ましい。
上記の支持媒体を予め蓄積性蛍光体シートの表
面に設置する作業は、たとえば、支持媒体の構成
材料として一般的に利用される高分子化合物ある
いはその原料成分などを含む水性溶液を蓄積性蛍
光体シートの上に塗布積層して、次い乾燥、ある
いは加熱などを行なうことにより実施される。と
ころが、通常の蓄積性蛍光体シートの表面には疎
水性のプラスチツク材料からなる保護膜が付設さ
れており、この疎水性保護膜表面が支持媒体の構
成材料もしくはその原料成分の水性溶液との親和
性に乏しいため、蓄積性蛍光体シートとその上に
形成される支持媒体が密着しにくい点が問題とな
る。蓄積性蛍光体シートと支持媒体との密着性が
乏しい場合には、支持媒体の脱離などのトラブ
ル、そして特に蓄積性蛍光体シートと支持媒体と
の間に空隙が発生しやすいため、該支持媒体上で
実施される試料の分離展開操作が不均一となり、
その結果としてオートラジオグラフイーの精度を
大きく低下させるという問題が発生しやすい。従
つて、上記の支持媒体を蓄積性蛍光体シートに予
め付設させてオートラジオグラフイーを行なう態
様を実施するためには、通常の蓄積性蛍光体シー
トを用いることは有利ではない。
従つて、本発明は、感光材料として蓄積性蛍光
体シートを用いるオートラジオグラフイーにおい
て、試料を分離展開するための支持媒体、あるい
はその他試料を含有させるための支持媒体を蓄積
性蛍光体シートに予め付設させてオートラジオグ
ラフイーを行なう態様を実施するために特に好ま
しく利用される蓄積性蛍光体シートを提供するこ
とを主な目的とするものである。
また、本発明は、試料を分離展開した支持媒体
を蓄積性蛍光体シートに重ね合わせて露光操作を
行なう際における支持媒体と蓄積性蛍光体シート
との間の高い密着性を実現することのできる蓄積
性蛍光体シートを提供することもその目的とする
ものである。
本発明は、支持体と、この支持体上に設けられ
た輝尽性蛍光体を分散状態で含有支持する結合剤
からなる蛍光体層、および該蛍光体層上に設けら
れた保護膜から実質的に構成されている蓄積性蛍
光体シートであつて、該保護膜の表面が親水性を
付与されていることを特徴とする蓄積性蛍光体シ
ートにある。
次に本発明を、詳しく説明する。
本発明の蓄積性蛍光体シートの典型的な態様と
しては、次のような蓄積性蛍光体シートを挙げる
ことができる。
(1) 支持体と、この支持体上に設けられた輝尽性
蛍光体を分散状態で含有支持する結合剤からな
る蛍光体層、および該蛍光体層上に設けられた
保護膜から実質的に構成されている蓄積性蛍光
体シートであつて、その保護膜に親水化処理が
施されて親水性とされている蓄積性蛍光体シー
ト。
(2) 支持体と、この支持体上に設けられた輝尽性
蛍光体を分散状態で含有支持する結合剤からな
る蛍光体層、および該蛍光体層上に設けられた
保護膜から実質的に構成されている蓄積性蛍光
体シートであつて、保護膜の上に親水性層が付
設されて親水性とされている蓄積性蛍光体シー
ト。
支持体と、この支持体上に設けられた輝尽性蛍
光体を分散状態で含有支持する結合剤からなる蛍
光体層、および該蛍光体層上に設けられた保護膜
から実質的に構成されている蓄積性蛍光体シート
は放射線像変換パネルとも呼ばれており、その例
は、たとえば、特開昭55−12145号公報などに記
載されており、一般的な構成としては既に公知で
ある。
すなわち、蓄積性蛍光体シートは被写体を透過
した放射線エネルギー、あるいは被検体から発せ
られた放射線エネルギーを該パネルの輝尽性蛍光
体に吸収させ、そののちに輝尽性蛍光体を可視光
線および赤外線などの電磁波(励起光)を用いて
時系列的に励起することにより、輝尽性蛍光体中
に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光として
放出させ、この蛍光を光電的に読み取つて電気信
号を得、この電気信号を感光フイルムなどの記録
材料、CRTなどの表示装置上に可視画像として
再生するか、あるいは数値化もしくは記号化した
位置情報などとして表わすものである。
以下に、本発明において好適に使用される蓄積
性蛍光体シートについて簡単に説明する。
蓄積性蛍光体シートの基本的な機能を提供する
蛍光体層は、輝尽性蛍光体と、これを分散状態で
含有支持する結合剤とからなるものであり、この
輝尽性蛍光体は、放射線を吸収したのち、可視光
線および赤外線などの電磁波(励起光)の照射を
受けると発光(輝尽発光)を示す性質を有するも
のである。従つて、たとえば、放射性標識物質を
含む試料などのような被検体から発せられた放射
線は、その放射線量に比例して蓄積性蛍光体シー
トの蛍光体層に吸収され、蓄積性蛍光体シート上
には被検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積
像として形成される。この蓄積像は、可視光線お
よび赤外線などの電磁波(励起光)で励起するこ
とにより、輝尽発光(蛍光)として放射させるこ
とができ、この輝尽発光を光電的に読み取つて電
気信号に変換することにより、放射線エネルギー
の蓄積像を可視画像、あるいは放射性(標識)物
質の位置情報を示す数値、記号などに変換するこ
とが可能となる。
蓄積性蛍光体シートの支持体は、従来の放射線
写真法における増感紙の支持体として用いられて
いる各種の材料から任意に選ぶことができる。そ
のような材料の例としては、セルロースアセテー
ト、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリアミド、ポリイミド、トリアセテート、
ポリカーボネートなどのプラスチツク物質のフイ
ルム、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔など
の金属シート、通常の紙、バライタ紙、レジンコ
ート紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するピグ
メント紙、ポリビニルアルコールなどをサイジン
グした紙などを挙げることができる。ただし、蓄
積性蛍光体シートの情報記録材料としての特性お
よび取扱いなどを考慮した場合、本発明において
特に好ましい支持体の材料はプラスチツクフイル
ムである。このプラスチツクフイルムにはカーボ
ンブラツクなどの光吸収性物質が練り込まれてい
てもよく、あるいは二酸化チタンなどの光反射性
物質が練り込まれていてもよい。前者は高鮮鋭度
タイプの蓄積性蛍光体シートに適した支持体であ
り、後者は高感度タイプの蓄積性蛍光体シートに
適した支持体である。
公知の蓄積性蛍光体シートにおいて、支持体と
蛍光体層の結合を強化するため、あるいは蓄積性
蛍光体シートとしての感度もしくは画質を向上さ
せるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表
面にゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性
付与層としたり、あるいは二酸化チタンなどの光
反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボン
ブラツクなどの光吸収性物質からなる光吸収層を
設けることも行なわれている。本発明において用
いられる支持体についても、これらの各種の層を
設けることができ、それらの構成は所望の蓄積性
蛍光体シートの目的、用途などに応じて任意に選
択することができる。
さらに、本出願人による特願昭57−82431号明
細書に開示されているように、得られる画像の鮮
鋭度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の
表面(支持体の蛍光体層側の表面に接着性付与
層、光反射層、光吸収層、あるいは金属箔などが
設けられている場合には、その表面を意味する)
には、凹凸が形成されていてもよい。
支持体の上には、前記のように蛍光体層が形成
されている。蛍光体層は、基本的には粒子状の輝
尽性蛍光体を分散状態で含有支持する結合剤から
なる層である。
輝尽性蛍光体は、先に述べたように放射線を照
射した後、励起を照射すると輝尽発光を示す蛍光
体であるが、実用的な面からは波長が400〜800n
mの範囲にある励起光によつて300〜500nmの波
長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であることが望ま
しい。本発明において利用されるの蓄積性蛍光体
シートに用いられる輝尽性蛍光体としては、二価
のユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲ
ン化物系蛍光体であることが好ましいが、これに
限定されるものではない。
本発明の蓄積性蛍光体シートに用いられる輝尽
性蛍光体の例としては、 米国特許第3859527号明細書に記載されている
SrS:Ce、Sm、SrS:Eu、Sm、ThO2:Er、お
よびLa2O3S:Eu、Smなどの組成式で表わされ
る蛍光体、 特開昭55−12142号公報に記載されている
ZnS:Cu、Pb、BaO・xAl2O3:Eu[ただし、0.8
≦x≦10]、および、M〓O・xSiO2:A[ただし、
M〓はMg、Ca、Sr、Zn、Cd、またはBaであり、
AはCe、Tb、Eu、Tm、Pb、Tl、Bi、または
Mnであり、xは0.5≦x≦2.5である]などの組
成式で表わされる蛍光体、 特開昭55−12143号公報に記載されている
(Ba1-x-y、Mgx、Cay)FX:aEu2+[ただし、X
はClおよびBrのうちの少なくとも一つであり、
xおよびyは、0<x+y≦0.6、かつxy≠0で
あり、aは10-6≦a≦5×10-2である]の組成式
で表わされる蛍光体、 特開昭55−12144号公報に記載されている
LnOX:XA[ただし、LnはLa、Y、Gd、および
Luのうちの少なくとも一つ、XはClおよびBrの
うちの少なくとも一つ、AはCeおよびTbのうち
の少なくとも一つ、そして、xは、0<x<0.1
である]の組成式で表わされる蛍光体、 特開昭55−12145号公報に記載されている
(Ba1-x、M〓x)FX:yA[ただし、M〓はMg、
Ca、Sr、Zn、およびCdのうちの少なくとも一
つ、XはCl、Br、およびIのうちの少なくとも
一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、
Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一つ、そ
してxは、0≦x<0.6、yは0≦y≦0.2であ
る]の組成式で表わされる蛍光体、 特開昭55−160078号公報に記載されているM〓
FX・xA:yLn[ただし、M〓はBa、Ca、Sr、
Mg、Zn、およびCdのうちの少なくとも一種、A
はBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、
Al2O3、Y2O3、La2O3、In2O3、SiO2、TlO2
ZrO2、GeO2、SnO2、Nb2O5、Ta2O5、および
ThO2のうちの少なくとも一種、LnはEu、Tb、
Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Sm、
およびGdのうちの少なくとも一種、XはCl、
Br、およびIのうちの少なくとも一種であり、
xおよびyはそれぞれ5×10-5≦x≦0.5、およ
び0≦y≦0.2である]の組成式で表わされる蛍
光体、 特開昭56−116777号公報に記載されている
(Ba1-x、M〓x)F2・aBaX2:yEu、zA[ただし、
M〓はベリリウム、マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうち
の少なくとも一種、Xは塩素、臭素、および沃素
のうちの少なくとも一種、Aはジルコニウムおよ
びスカンジウムのうちの少なくとも一種であり、
a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、
0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z
≦10-2である]の組成式で表わされる蛍光体、 特開昭57−23673号公報に記載されている
(Ba1-x、M〓x)F2・aBaX2:yEu、zB[ただし、
M〓はベリリウム、マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうち
の少なくとも一種、Xは塩素、臭素、および沃素
のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、お
よびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、
10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦2×10-1
ある]の組成式で表わされる蛍光体、 特開昭57−23675号公報に記載されている
(Ba1-x、M〓x)F2・aBaX2:yEu、zA[ただし、
M〓はベリリウム、マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうち
の少なくとも一種、Xは塩素、臭素、および沃素
のうちの少なくとも一種、Aは砒素および硅素の
うちの少なくとも一種であり、a、x、y、およ
びzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6
≦y≦2×10-1、および0<z≦5×10-1であ
る]の組成式で表わされる蛍光体、 本出願人による特願昭56−167498号明細書に記
載されているM〓OX:xCe[ただし、M〓はPr、
Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、H0、Er、Tm、
Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくと
も一種の三価金属であり、XはClおよびBrのう
ちのいずれか一方あるいはその両方であり、xは
0<x<0.1である]の組成式で表わされる蛍光
体、 本出願人による特願昭57−89875号明細書に記
載されているBa1-xMx/2LX/2FX:yEu2+[ただし、
Mは、Li、Na、K、Rb、およびCsからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表わ
し;Lは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、
Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、
Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる
少なくとも一種の三価金属を表わし;Xは、Cl、
Br、およびIからなる群より選ばれる少なくと
も一種のハロゲンを表わし;そして、xは10-2
x≦0.5、yは0<y≦0.1である]の組成式で表
わされる蛍光体、 本出願人による特願昭57−137374号明細書に記
載されているBaFX・xA:yEu2+[ただし、Xは、
Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンであり;Aは、テトラフル
オロホウ酸化合物の焼成物であり;そして、xは
10-6≦x≦0.1、yは0<y≦0.1である]の組成
式で表わされる蛍光体、 本出願人による特願昭57−158048号明細書に記
載されているBaFX・xA;yEu2+[ただし、Xは、
Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンであり;Aは、ヘキサフル
オロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキ
サフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金
属の塩からなるヘキサフルオロ化合物群より選ば
れる少なくとも一種の化合物の焼成物であり;そ
して、xは10-6≦x≦0.1、yは0<y≦0.1であ
る]の組成式で表わされる蛍光体、 本出願人による特願昭57−166320号明細書に記
載されているBaFX・xNaX′:aEu2+[ただし、
XおよびX′は、それぞれCl、Br、およびIのう
ちの少なくとも一種であり、xおよびaはそれぞ
れ0<x≦2、および0<a≦0.2である]の組
成式で表わされる蛍光体、 本出願人による特願昭57−166696号明細書に記
載されているM〓FX・xNaX′:yEu2+:zA[ただ
し、M〓は、Ba、Sr、およびCaからなる群より
選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であ
り;XおよびX′は、それぞれCl、Br、およびI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンであり;Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、およ
びNiより選ばれる少なくとも一種の遷移金属で
あり;そして、xは0<x≦2、yは0<y≦
0.2、およびzは0<z≦10-2である]の組成式
で表わされる蛍光体、 本出願人による特願昭57−184455号明細書に記
載されているM〓FX・aM〓X′・bM′〓X″2・cM〓
3・xA:yEu2+[ただし、M〓はBa、Sr、およ
びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種の
アルカリ土類金属であり;M〓はLi、Na、K、
Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ金属であり;M′〓はBeおよび
Mgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二
価金属であり;M〓はAl、Ga、In、およびTlか
らなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属
であり;Aは金属酸化物であり;XはCl、Br、
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種
のハロゲンであり;X′、X″、およびXは、F、
Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンであり;そして、aは0≦
a≦2、bは0≦b≦10-2、cは0≦c≦10-2
かつa+b+c≧10-6であり;xは0<x≦0.5、
yは0<y≦0.2である]の組成式で表わされる
蛍光体、 などを挙げることができる。
ただし、本発明に用いられる輝尽性蛍光体は上
述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照
射したのちに励起光を照射した場合に、輝尽発光
を示す蛍光体であればいかなるものであつてもよ
い。
また蛍光体層の結合剤の例としては、ゼラチン
等の蛋白質、デキストラン等のポリサツカライ
ド、またはアラビアゴムのような天然高分子物
質;および、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビ
ニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩
化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリメチ
ルメタクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポ
リマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブ
チレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエス
テルなどのような合成高分子物質などにより代表
される結合剤を挙げることができる。このような
結合剤のなかで特に好ましいものは、ニトロセル
ロース、線状ポリエステル、およびニトロセルロ
ースと線状ポリエステルとの混合物である。
蛍光体層は、たとえば、次のような方法により
支持体上に形成することができる。
まず、上記の輝尽性蛍光体粒子と結合剤とを適
当な溶剤(たとえば、低級アルコール、塩素原子
含有炭化水素、ケトン、エステル、エーテル)に
加え、これを充分に混合して、結合剤溶液中に蛍
光体粒子が均一に分散した塗布液を調製する。
塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体粒子との
混合比は、目的とする蓄積性蛍光体シートの特
性、蛍光体粒子の種類などによつて異なるが、一
般には結合剤と蛍光体粒子との混合比は、1:1
乃至1:100(重量比)の範囲から選ばれ、そして
特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶ
ことが好ましい。
なお、塗布液には、該塗布液中における蛍光体
粒子の分散性を向上させるための分散剤、また、
形成後の蛍光体層中における結合剤と蛍光体粒子
との間の結合力を向上させるための可塑剤などの
種々の添加剤が混合されていてもよい。そのよう
な目的に用いられる分散剤の例としては、フタル
酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性
剤などを挙げることができる。そして可塑剤の例
としては、燐酸トリフエニル、燐酸トリクレジ
ル、燐酸ジフエニルなどの燐酸エステル;フタル
酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフ
タル酸エステル;グリコール酸エチルフタリルエ
チル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどの
グリコール酸エステル;そして、トリエチレング
リコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチ
レングリコールとコハク酸とのポリエステルなど
のポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸との
ポリエステルなどを挙げることができる。
上記のようにして調製された蛍光体粒子と結合
剤とを含有する塗布液を、次に、支持体の表面に
均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成す
る。この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえ
ば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフ
コーターなどを用いることにより行なうことがで
きる。
ついで、形成された塗膜を徐々に加熱すること
により乾燥して、支持体上への蛍光体層の形成を
完了する。蛍光体層の層厚は、目的とする蓄積性
蛍光体シートの特性、蛍光体粒子の種類、結合剤
と蛍光体粒子との混合比などによつて異なるが、
通常は20μm乃至1mmとする。ただし、この層厚
は50乃至500μmとするのが好ましい。
なお、蛍光体層は、必ずしも上記のように支持
体上に塗布液を直接塗布して形成する必要はな
く、たとえば、別に、ガラス板、金属板、プラス
チツクシートなどのシート上に塗布液を塗布乾燥
することにより蛍光体層を形成した後、これを、
支持体上に押圧するか、あるいは接着剤を用いる
方法などにより支持体と蛍光体層とを接合しても
よい。
蛍光体層の上には前述のように保護膜が設けら
れる。この保護膜は、たとえば、酢酸セルロー
ス、ニトロセルロースなどの透明なセルロース誘
導体;ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネ
ート、ポリ酢酸ビニル・酢酸ビニルコポリマー、
ポリエチレテレフタレート、ポリエチレン、ポリ
塩化ビニリデン、ポリアミドなどの透明な合成高
分子物質から形成されるものである。保護膜の膜
厚は、通常1乃至100μm、好ましくは3乃至50μ
mとされる。
本発明においては、以上のようにして形成され
た蓄積性蛍光体シートの保護膜の表面に親水性が
付与される。
蓄積性蛍光体シートの保護膜表面を親水性とす
る代表的な方法としては、保護膜表面を親水化処
理する方法、および保護膜表面に親水性付与層を
設ける方法を挙げることができる。
前者の保護膜表面を親水化処理する方法として
は、たとえば、次のような表面活性化処理を利用
する方法を挙げることができる。すなわち、酸、
アルカリ、エツチング液等の薬品による化学的処
理;粗面化処理等の物理的処理;コロナ放電、高
周波放電、グロー放電、活性プラズマ等の電気的
処理;紫外線、レーザー等の光による処理;火焔
処理;オゾン酸化処理などをその例として挙げる
ことができる。
後者の保護膜表面に親水性付与層を設ける方法
において、親水性付与層に用いられる材料の例と
しては、ゼラチン、デンプン、アガロース、セル
ロースなどの天然高分子物質およびその誘導体;
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメタ
クリレートなどの合成ホモポリマー、および、水
酸基あるいはカルボキシル基などの親水性を有す
る親水性モノマーと疎水性モノマー(例えば、エ
チレン、プロピレン、スチレン、メタクリル酸エ
ステル、アクリレル酸エステル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン等のエチレン性不飽和モノマー、お
よびブタジエン、イソプレン、イソブチレン等の
ジエン類)との共重合により得られる合成コポリ
マーなどの親水性合成高分子物質を挙げることが
できる。
上記の親水性付与層の保護膜上への付設は、た
とえば、水あるいはその他の溶媒に溶解した溶液
として、またはラテツクス状分散剤としてシート
表面に塗布するなど公知の層形成方法により行な
うことができる。なお、親水性付与層は単層でも
よいし、または複数の層として積層してもよい。
蓄積性蛍光体シートの保護膜表面に親水性を付
与する方法の実施に際しては、たとえば、米国特
許第2698241号、第2764520号、第2864755号、第
2864756号、第2972534号、第3057792号、第
3071466号、第3072483号、第3143421号、第
3145105号、第3145242号、第3360488号、第
3376208号、第3462335号、第3475193号、英国特
許第788365号、第804005号、第891469号などに記
載されているプラスチツク表面の親水化処理方法
を参考にすることができる。
本発明の蓄積性蛍光体シートをオートラジオグ
ラフイー用測定キツトの構成部材として用いる場
合には、もう一方の構成部材である支持媒体、す
なわち、放射性標識が付された生物体由来の物質
を分離展開するための支持媒体を、蓄積性蛍光体
シートの保護膜表面に付設した形態の測定キツト
とする。
上記の支持媒体は、従来のオートラジオグラフ
イー技術において利用されているが、あるいはそ
の利用が提案されている各種の分離展開用支持媒
体から任意に選択することができる。そのような
分離展開用支持媒体の例としては、ゲル状支持媒
体、アセテート膜などのポリマー成形体、あるい
は濾紙などの各種の支持媒体の形態の電気泳動分
離用支持媒体、そしてシリカゲルなどからなる薄
層クロマトグラフイー用支持媒体を挙げることが
できる。
なお、利用できる支持媒体は上記に例示した支
持媒体に限定されるものではなく、オートラジオ
グラフイー技術において試料の分離展開に利用で
き、かつ蓄積性蛍光体シート上に付設することが
できるものであれば任意の支持媒体を用いること
ができる。
分離展開用支持媒体の蓄積性蛍光体シート上へ
の付設は、該支持媒体の形成と同時に行なわれる
ことが好ましい。すなわち、ガラス板、プラスチ
ツクフイルムなどの通常の基体(支持補助具)上
に支持媒体を形成する場合と同様に、常法に従つ
て行なうことができる。たとえば、支持媒体原料
を適当な溶媒中に溶解(または分散)させて溶液
(または懸濁液)としたのち、この溶液を蓄積性
蛍光体シートの保護膜表面に、プラスチツクの枠
をシート上に置いておいてその中に注入すること
により、あるいは単に塗布することなどにより、
支持媒体を形成することができる。ただし、支持
媒体は従来公知の技術に従つて、予めガラス板、
プラスチツクフイルムなどの通常の基体上で形成
したのち、これを蓄積性蛍光体シートの保護膜表
面に付設することもできる。
使用される溶媒としては、支持媒体原料との組
み合わせにおいてすでに公知の各種の溶剤、PH調
製された緩衝液などの中から、目的に応じて任意
に選択することができる。そのような溶媒につい
ても既に良く知られており、ここで特に触れるこ
とはしない。
次に、本発明の蓄積性蛍光体シートを用いた測
定キツトを利用するオートラジオグラフイー操作
について説明する。
分離展開の対象とされる試料、すなわち放射性
標識が付された生物体由来の物質の例としては、
蛋白質、核酸、それらの誘導体、それらの分解物
のような高分子物質を挙げることができる。これ
らの物質に放射性標識を付与する方法は、既に良
く知られている。なお、オートラジオグラフイー
用測定キツトの測定対象となるに生物体由来の物
質は、上記のような高分子物質に限定されるもの
ではない。
また、前記のような各種の分離展開用支持媒体
を用いて分離展開方法、たとえば電気泳動を実施
し、その支持媒体上に試料を分離展開させる方法
についても既に良く知られており、ここで特に触
れることはしない。
次に、支持媒体上に試料が分離展開されたオー
トラジオグラフイー用測定キツトに、必要により
適当な光、熱などを照射することにより、試料の
分離展開過程において蓄積性蛍光体シートに蓄積
された放射線エネルギーを蛍光として放出させ
る。すなわち、試料中に含まれている自然放射能
により、また放射性標識が付されている試料が支
持媒体上で分離展開される過程において移動中の
放射性標識物質から放出された放射線により測定
キツトの蓄積性蛍光体シートが感光されて、測定
対象以外の放射線エネルギー蓄積像が蓄積性蛍光
体シートに形成されるため、これが目的のオート
ラジオグラフを有する放射線エネルギー蓄積像に
対してノイズとなる。従つて、そのノイズの影響
が無視できない程度である場合には、目的のオー
トラジオグラフを有する放射線エネルギー蓄積像
を蓄積性蛍光体シートに形成させる前に、そのノ
イズを消去することが望ましい。
なお、上記のノイズの消去操作は、試料が分離
展開された支持媒体をそのまま、あるいはそれを
乾燥処理、分離展開物の固定処理などの任意の処
理を行なつた状態で実施することができる。
次に、付設されている分離展開用支持媒体上に
試料が分離展開されたオートラジオグラフイー用
測定キツトを、好ましくは暗所あるいは暗箱中に
て一定時間放置することにより蓄積性蛍光体シー
トを露光させ、分離展開されている放射性標識物
質から放出される放射線の少なくとも一部を該測
定キツト中の蓄積性蛍光体シートに吸収させる。
この操作により、支持媒体上に分離展開された放
射性標識物質のオートラジオグラフが蓄積性蛍光
体シートに放射線エネルギーの蓄積像として転写
される。
上記の露光操作において露光時間は、試料に含
まれている放射性標識物質の放射能の強さ、該物
質の濃度、密度、あるいは蓄積性蛍光体シートの
感度などにより変動する。ただし、感光材料とし
て蓄積性蛍光体シートを用いた場合には、従来の
放射線フイルムを使用する場合に必要な露光時間
に比較して、その露光時間は大幅に短縮される。
また、露光により支持媒体から蓄積性蛍光体シ
ートに転写蓄積されたその支持媒体上に放射性標
識物質の位置情報を読み出す操作において、該蛍
光体シートに蓄積されているエネルギーの強さ、
分布、所望の情報などに応じて各種の電気的処理
を施すことにより、得られる位置情報の状態を変
えることが可能であるため、露光操作時における
露光時間の厳密な制御は特に必要とはしない。
露光操作を実施する温度には特に制限はない
が、本発明の蓄積性蛍光体シートを利用したオー
トラジオグラフイーは、特に10〜35℃などの環境
温度にて実施することが可能である。ただし、従
来のオートラジオグラフイーにおいて利用されて
いるような低温(たとえば、5℃付近、あるいは
それ以下の温度)において露光操作を行なつても
よい。
次いで、試料のオートラジオグラフが転写蓄積
された蓄積性蛍光体シートを読み出し工程にかけ
る。読み出し工程は、蓄積性蛍光体シートに支持
媒体が付設された状態でも、あるいは測定キツト
から蓄積性蛍光体シートを分離したのちでも行な
うことができるが、後者の蓄積性蛍光体シートの
みを読みを読み出し工程にかけるのが望ましい。
測定キツトから分離展開用支持媒体を除去するに
は、目的に応じてたとえば、支持媒体をはがす
か、またはかき取る方法、水などの溶媒を用いて
洗い流す方法などにより、容易に行なうことがで
きる。
本発明において蓄積性蛍光体シートに転写蓄積
されたオートラジオグラフが有する放射性標識物
質の位置情報を読み出すための方法について、添
付図面の第1図に示した読出装置(あるいは読取
装置)の例を参照しながら次に略述する。
第1図は、蓄積性蛍光体シート(以下において
は、蛍光体シートと略記することもある)1に蓄
積記録されている放射性標識物質の一次元もしく
は二次元的な位置情報を読み出すための読出装置
の例の概略図を示している。
読出装置においては次のような読出操作が行な
われる。
レーザー光源2から発生したレーザー光3はフ
イルター4を通過することにより、このレーザー
光2による励起に応じて蛍光体シート1から発生
する輝尽発光の波長領域に該当する波長領域の部
分がカツトされる。フイルター4を通過したレー
ザー光2は次にビーム・エクスパンダー5により
ビーム径の大きさが厳密に調整される。次いでレ
ーザー光は、ガルバノミラー等の光偏向器6によ
り偏向処理され、平面反射鏡7により反射された
のち蛍光体シート1上に一次元的に偏向して入射
する。なお、光偏向器6と平面反射鏡7の間には
fθレンズ8等が配置され、蛍光体シート1の上を
偏向レーザー光が走査した場合に、常に均一なビ
ーム速度を維持するようにされている。
ここで用いるレーザー光源2は、そのレーザー
光3の波長領域が、蛍光体シート1から発する輝
尽発光の主要波長領域と重複しないように選択さ
れる。
蛍光体シート1は、上記の偏向レーザー光の照
射下において、矢印9の方向に移送される。従つ
て、蛍光体シート1の全面にわたつて偏向レーザ
ー光が照射されるようになる。
蛍光体シート1は、上記のようなレーザー光の
照射を受けると、蓄積記録されている放射線エネ
ルギーに比例する光量の輝尽発光を示し、この光
は導光性シート10に入射する。この導光性シー
ト10はその入射面が直線状で、蛍光体シート1
上の走査線に対向するように近接して配置されて
おり、その射出面は円環を形成し、フオトマルな
どの光検出器11の受光面に連絡している。この
導光性シート10は、たとえばアクリル系合成樹
脂などの透明な熱可塑性樹脂シートを加工してつ
くられたもので、入射面より入射した光がその内
部において全反射しながら射出面へ伝達されるよ
うに構成されている。蛍光体シート1からの輝尽
発光は、この導光性シート10内を導かれて射出
面に到達し、その射出面から射出されて光検出器
11に受光される。
なお、導光性シートの好ましい形状、材質等は
特開昭55−87970号公報、同56−11397号公報等に
開示がある。
光検出器11の受光面には、輝尽発光の波長領
域の光のみを透過し、励起光(レーザー光)の波
長領域の光をカツトするフイルターが貼着され、
輝尽発光のみを検出しうるようにされている。光
検出器11により検出された輝尽発光は電気信号
に変換され、制御回路12から出力される増幅率
設定値aに従つて感度設定された増幅器13にお
いて適正レベルの電気信号に増幅されたのち、
A/D変換器14に入力される。A/D変換器1
4は、同じく制御回路12から出力される収録ス
ケールフアクター設定値bに従い信号変動幅に適
したスケールフアクターでデジタル信号に変換さ
れ、信号処理回路15に入力される。信号処理回
路15では、同じく制御回路12から出力される
再生画像処理条件設定値cに基づいて、濃度およ
びコントラストが適正で観察読影適正の優れた可
視画像が得られるように信号処理が行なわれ、次
いで必要により磁気テープなどの保存手段を介し
て、記録装置(図示なし)へ電送される。
なお、制御回路12から出力される増幅率設定
値a、収録スケールフアクターb、および、再生
画像処理条件設定値cは、たとえば、上記の読出
操作の前に予備的な読出操作(先読み操作)を行
なうことにより得られた蓄積記録情報に応じて、
濃度およびコントラストが最も均一でかつ観察読
影性能の優れた画像が得られるように上記のa,
b,cのフアクターを設定することができ、ある
いは予め試料中の放電性物質の含有量がわかつて
いる場合には、その試料についての蓄積性蛍光体
シートの露光時間に応じてそれらのフアクターを
経験的に設定することもできる。
記録装置としては、たとえば、感光材料上をレ
ーザー光等で走査して光学的に記録するもの、
CRT等に電子的に表示するもの、CRT等に表示
されたX線画像をビデオ・プリンター等に記録す
るもの、熱線を用いて感熱記録材料上に記録する
ものなど種々の原理に基づいた記録装置を用いる
ことができる。
ただし、記録装置は上記のように可視画像化す
るものに限られるものではなく、前述したように
試料中の放射性標識物質の一次元的もしくは二次
元的な位置情報を、たとえば数字化もしくは記号
化するなどして記録することもできる。
また、蓄積性蛍光体シートに転写蓄積されたオ
ートラジオグラフが有する放射性標識物質の位置
情報を読み出すための方法としては、上記に例示
した以外の任意な方法を利用することも当然可能
である。
なお、本明細書において試料中の放射性標識物
質の「位置情報」とは、試料中における放射性標
識物質もしくはその集合体の位置を中心とする各
種の情報、たとえば、試料中に存在する放射性物
質の集合体の存在位置と形状、その位置における
放射性物質の濃度、分布などからなる情報の一つ
もしくは任意の組合わせとして得られる各種の情
報を意味する。
また、本明細書におけるこれまでの記述におい
ては、本発明の親水性が施された蓄積性蛍光体シ
ートの特に有用な実施の態様として、蓄積性蛍光
体シートの保護膜の表面に放射性標識物質を含む
試料を分離展開用の支持媒体を付設し、これを用
いてオートラジオグラフイーを行なう例を示した
が、本発明の蓄積性蛍光体シートの実施の態様は
これに限られるものではなく、たとえば微生物培
養用の培地などの任意の親水性層を蓄積性蛍光体
シートに付設する場合において本発明の親水性が
施された蓄積性蛍光体シートを有利に利用するこ
とができる。
なお、本発明の蓄積性蛍光体シートには必ずし
も試料の分離展開用支持媒体、あるいは培地など
を予め付設しておく必要はない。すなわち、放射
性標識物質を含む試料の分離展開操作が完了した
支持媒体、あるいは放射性標識物質を含む試料の
培養が行なわれた培地などにおける放射性標識物
質の位置情報を得るために、その支持媒体などと
重ね合わせて露光操作を実施する場合においても
本発明は、その支持媒体と高い密着性し、これに
より露光操作が簡便になり、また得られる位置情
報の精度を高めることが可能となるため有用であ
る。
次に本発明の蓄積性蛍光体シートを用いた測定
キツトを利用するオートラジオグラフイーの実施
態様を、前述のマキサム・ギルバート法を利用し
たDNAの塩基配列決定法の初期操作を例にして
記載する。
実施例 1 (1) 蓄積性蛍光体シートを含むオートラジオグラ
フイー用測定キツトの製造 輝尽性のユーロピウム賦活弗化臭化バリウム
蛍光体(BaFBr:Eu)の粒子と線状ポリエス
テル樹脂との混合物にメチルエチルケトンを添
加し、さらに硝化度11.5%のニトロセルロース
を添加して蛍光体粒子を分散状態で含有する分
散液を調製した。次に、この分散液に燐酸トリ
クレジル、n−ブタノール、そしてメチルエチ
ルケトンを添加したのち、プロペラミキサーを
用いて充分に撹拌混合して、蛍光体粒子が均一
に分散し、かつ粘度が25〜35PS(25℃)の塗布
液を調製した。
ガラス板上に水平に置いたカーボンブラツク
練り込みポリエチレンテレフタレートシート
(支持体、厚み:250μm)の上に、この塗布液
をドクターブレードを用いて均一に塗布した。
そして塗布後に、塗膜が形成された支持体を乾
燥器内に入れ、この乾燥器内部の温度を25℃か
ら100℃に徐々に上昇させて、塗膜の乾燥を行
なつた。このようにして、支持体上に層厚が
300μmの蛍光体層を形成した。
次いで、この蛍光体層の上に、透明なポリエ
チレンテレフタレートフイルム(厚み:12μ
m)の片面にポリエステル系接着剤を付与した
のち、接着剤層側を下に向けて置いて接着する
ことにより保護膜を形成し、支持体、蛍光体
層、および保護膜から構成された蓄積性蛍光体
シートを得た。
次に、蓄積性蛍光体シートの保護膜表面にグ
ロー放電処理を行なつた。このグロー放電処理
は、0.05mmHgに保つた真空タンク内において、
半円状の棒状電極(断面の直径:2cm、長さ:
40cm)4本が10cm間隔で絶縁板上に取り付けら
れて構成された電極板から15cm離れた位置を、
放電電圧3kV、処理理時間3秒、電極電流
0.4Aの条件で、蓄積性蛍光体シートの保護膜
が電極面に対向して走行するように操作するこ
とにより行なつた。
そして、厚さ4mmのガラス板上に、グロー放
電処理された保護膜を上にして蓄積性蛍光体シ
ートを置き、短冊状のポリメチルメタクリレー
トのスペーサー(厚み:1.5mm)を置いて枠を
つくり、同じ厚さのガラス板で挟み、このガラ
ス板と蛍光体シートとの間に、モールド(1.5
mm×200mm×200mm)をつくつた。このモールド
中に、常法により調製したアクリルアミドのト
リス・ホウ酸緩衝液(アクリルアミド濃度:8
%、架橋剤率:3%)を注入して重合させた。
このようにして、ポリアクリルルアミドのスラ
グゲルが形成さされた測定キツトを得た。
(2) オートラジオグラフイー 常法により大腸菌プラスミドDNA
(pBR322)を制限酵素Hind−により切断し
たのち、5′−末端を 32Pで標識して、二本鎖
DNA( 32P標識物)1μgを得た。
別に調製した5mMの塩化マグネシウムおよ
び1mMのジチオスレイトールを含む20mMの
トリス[トリス(ヒドロキシメチル)アミノメ
タン]・塩酸緩衝液(PH7.4)20μに上記の二
本鎖DNA1μgと制限酵素Hae−約1単位を
加え、37℃にて1時間の特異的分解反応を行な
い、上記断片の分解生成物を含む分解混合物溶
液を得た。
この分解混合物溶液を試料として、前記の測
定キツトを用い、かつ1mMのEDTAを含む
50mMのトリス・ホウ酸緩衝液(PH8.3)を電
極液として、電圧500Vにてスラブゲル支持体
上で電気泳動操作を実施した。試料に予め加え
ておいたマーカー色素がゲルの下端部に到達し
た時点にて泳動を停止させ、座標軸の原点とな
る位置に 32P含有インクで印を付けた。
次に、上記の測定キツトを曝光して蓄積性蛍
光体シート上のノイズを消去した後、室温(約
25℃)下、暗箱中にて1分間放置して露光操作
を行なつた。
暗室中でこの測定キツトから蓄積性蛍光体シ
ートのみを取り出したのち、この蓄積性蛍光体
シートを第1図に示すような読出装置に導入
し、 32P含有インクで印を付けた位置を座標軸
の原点として、 32P標識断片の分解生成物の泳
動位置を示す位置情報を読出した。次いで、こ
の位置情報に従い、分離されたスラブゲル支持
体のうち 32P標識を有する分解生成物を含むゲ
ル部分を薄いカミソリを用いて切出して、これ
を試験管に移した。
なお、確認のために、上記の一部切出し操作
を行なつた残りのゲルを再び蓄積性蛍光体シー
トと重ね合わせたのち、読出装置にて 32P標識
を有する分解生成物の残存の有無を調べたとこ
ろ、 32P標識を有する分解生成物の全量が取り
去られていることがわかつた。すなわち、上記
の蓄積性蛍光体シートを介して得た 32P標識を
有する分解生成物の位置情報は精度の高いもの
であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は、蓄積性蛍光体シートを利用するオー
トラジオグラフイーにおいて、蓄積性蛍光体シー
トに転写蓄積された試料中の放射性標識物質の位
置情報を読み出すための読出装置(あるいは読取
装置)の例を示すものである。 1:蓄積性蛍光体シート、2:レーザー光源、
3:レーザー光、4:フイルター、5:ビーム・
エクスパンダー、6:光偏向器、7:平面反射
鏡、8:fθレンズ、9:移送方向、10:導光性
シート、11:光検出器、12:制御回路、1
3:増幅器、14:A/D変換器、15:信号処
理回路。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 支持体と、該支持体上に設けられた輝尽性蛍
    光体を分散状態で含有支持する結合剤からなる蛍
    光体層、および該蛍光体層上に設けられた保護膜
    から実質的に構成されている蓄積性蛍光体シート
    であつて、該保護膜の表面が親水性を付与されて
    いることを特徴とする蓄積性蛍光体シート。 2 保護膜に親水化処理が施されて親水性とされ
    ていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の蓄積性蛍光体シート。 3 保護膜の上に親水性層が付設されて親水性と
    されていることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の蓄積性蛍光体シート。 4 輝尽性蛍光体が、二価のユーロピウム賦活ア
    ルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1乃至3項の
    いずれかの項記載の蓄積性蛍光体シート。
JP58030605A 1983-02-24 1983-02-24 蓄積性蛍光体シ−ト Granted JPS59155800A (ja)

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