JPH0248078B2 - Hoshaseihaikibutsunogenyoshorihoho - Google Patents

Hoshaseihaikibutsunogenyoshorihoho

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JPH0248078B2
JPH0248078B2 JP18900082A JP18900082A JPH0248078B2 JP H0248078 B2 JPH0248078 B2 JP H0248078B2 JP 18900082 A JP18900082 A JP 18900082A JP 18900082 A JP18900082 A JP 18900082A JP H0248078 B2 JPH0248078 B2 JP H0248078B2
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waste
radioactive waste
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Kaname Matsumoto
Hiroyuki Matsura
Juji Hayase
Takaaki Kurita
Tetsuo Meguro
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Nippon Genshiryoku Jigyo KK
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Toshiba Corp
Nippon Genshiryoku Jigyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は原子力発電所等から発生する放射性廃
棄物の減容処理方法に関する。
従来一般に放射性廃棄物の減容方法としては放
射性廃棄物をセメント、アスフアルトまたはプラ
スチツクなどで均質に固化する方法がある。
従来技術についてその利点・欠点を述べると次
の通りである。
(1) セメント固化法:放射性廃棄物の固化は機械
強度および比重が大きく不燃性であるが、減容
性が悪く(減容率2)対象廃棄物が限定され
る欠点がある。
ここでいう減容率とは、次式に示す値をい
い、減容率が良いとはこの値が小さい事であ
る。
減容率=固化体の体積/乾燥前の廃棄物の体積 乾燥前の廃棄物の体積;廃液では水分80%換算
の体積であり使用済イオン交換樹脂及びフイ
ルタースラツジは水分50%換算の体積。
(2) アスフアルト固化法:減容性が良く(減容率
0.3〜0.5)耐水性に優れているが機械的強度
が低く易燃性であり対象廃棄物が限定されてい
る。
(3) プラスチツク固化法:放射性廃棄物の固化処
理に最近開発された方法であつて、固化材の種
類により熱可塑性樹脂を固化材として使用する
溶融用化方法と熱硬化性樹脂を固化材として使
用する重合固化方法とがある。これらの方法は
何れも固化材としてのプラスチツクを流動状態
(溶融状または液状)で廃棄物と混合し、冷却
または触媒の使用や加熱により固化材を硬化さ
せて固化体を作るものである。このプラスチツ
ク固化法には次のような欠点がある:(i)放射性
廃棄物の固化体に要求される機械的強度や耐水
性などの物性を満足させるに要する廃棄物混入
率=乾燥廃棄物の重量/固化材の重量はせいぜ
い1.5/1以下であり、良好な減容性が叫ばれて
いる放射性廃棄物の固化処理としてはなお不充
分である;(ii)熱可塑性樹脂を用いる場合には
200℃前後の加熱溶融温度を必要とし、また熱
硬化性樹脂を用いる場合には硬化の際に発熱が
あり、従つてこれらの加熱または発熱により廃
棄物の分解や発泡を起す可能性があり、また得
られた高温の固化体の冷却方法が難しく冷却中
に固化体に空洞やキレツの発生する場合があ
る。
(4) 最近、将来の行政機関の最終処分方式の決定
までの中間貯蔵方式として乾燥した廃棄物の廃
棄物のみで粒子化して中間貯蔵する方式が開発
された。この処理方式は最終処分に対する適応
性という観点からは優れた方式であるが廃棄物
の選択性に制限がある等の欠点がある。
しかしながらこれらの従来技術においては、
減容すべき放射性物質は極めて微量であるが、
非放射性の塩が多量に含まれているため、この
ように濃縮物を固化する方法では多量の固化体
が生成してしまい、例えばイオン交換樹脂再生
廃液の場合には復水脱塩塔1塔の再生でセメン
ト固化体約20本もの200ドラム缶を生成する。
このように放射性物質の量に比して余りにも多
くの固化体が生ずるため、廃棄物がドラム缶の
貯蔵量が増大し、減容率が悪く種々の問題を生
じている。
以上述べたように従来技術は何れも利点・欠点
を有していて減容性、比重、機械的強度、燃焼性
(耐火性)、耐候、耐放射線性、廃棄物の選択性を
すべて満足するような放射性廃棄物の減容処理方
法は未だ完成されていない。
本発明は従来技術における前述のような諸欠点
すなわち劣つた減容性、低い機械的強度、限定さ
れた対象廃棄物の選択性などを解決する放射性廃
棄物の処理方法、特に減容性において顕著に優れ
た処理方法を提供するべくなされたものである。
本発明は、放射性物質を含む濃厚塩廃液を蒸発
乾燥し、得られた乾燥生成物をゴム状弾性高分子
物質と混練する工程、こうして得た混練物を水で
抽出して非放射性可溶性成分を含有する抽出液と
抽出残さとを得る工程、および該抽出残さを脱
水・乾燥し、得られた乾燥抽出残さを乾燥放射性
廃棄物と混練する工程を含むことを特徴とする放
射性廃棄物の減容処理方法である。
更に本発明は、放射性物質を含む濃厚塩廃液を
蒸発・乾燥し、得られた乾燥生成物をゴム状弾性
高分子物質と混練する工程、こうして得た混練物
を水で抽出して非放射性可溶性成分を含有する抽
出液と抽出残さとを得る工程、および該抽出残さ
を脱水・乾燥し、得られた乾燥抽出残さを単独で
かまたは乾燥放射性廃棄物と混練し圧縮機により
圧縮する工程を含むことを特徴とする放射性廃棄
物の減容処理方法である。
なお、本明細書においては、上記ゴム状弾性高
分子物質や抽出残さと混練する場合の混練という
用語は、混合、混練または捏和を意味するが、便
宜上単に混練と称する。
本発明方法における濃厚塩廃液とは原子力発電
所等の施設から発生する濃厚な塩を含む廃棄物を
言い、例えば化学廃液(樹脂再生廃液等)を蒸発
濃縮した濃縮廃液があげられ、この濃縮廃液は一
般には含水率は95〜75%であり、Na2SO4(硫酸
ナトリウム、又はぼう硝)が主成分である。
本発明方法において、放射性物質を含む濃厚塩
廃液と混練するゴム状弾性高分子物質とは、通常
エラストマーといわれる高分子物質であつて、使
用温度範囲内で物理的な意味でのゴム状弾性の挙
動を有する一群の物質をいうが、本発明方法にお
いては上記物質のうち特にヤング率が5〜500
Kg/Km2のものを使用することが好ましい。ある種
のプラスチツクでは非結晶性または塩素化の割合
などによりヤング率が上記範囲内の値を示すもの
があり、例えば通常熱可塑性樹脂として取扱われ
ているポリエチレンを塩素化したもの(塩素化ポ
リエチレン)は塩素含有量20〜50%において結晶
性のものはプラスチツク状であるが、非結晶性の
ものはゴム状弾性を有し本発明方法の結合剤とし
て使用することができる。
本発明方法において結合剤に使用することので
きるゴム状弾性高分子物質の例としては天然ゴム
や合成ゴムであり、さらに詳しくは例えば次のも
のが挙げられる:天然ゴム、塩酸ゴム等の天然ゴ
ム誘導体;オレフイン系合成ゴム例えばイソプレ
ン、イソブチレン、ブチルゴム、塩素化ポリエチ
レン、エチレン−プロピレン共重合弾性体など;
ブタジエン系合成ゴム例えばブタジエン、ブタジ
エン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体、メチルブタジエン、クロロプ
レン、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル
共重合体など。この外にウレタンゴム、シリコン
ゴムなども使用できる。これらのゴム状弾性高分
子物質は単独かまたは組合せて使用することがで
きる。
本発明方法によれば、ゴム状弾性高分子物質だ
けでも廃棄物の混入率は熱可塑性樹脂や熱硬化性
樹脂よりも大きく、そのままでも結合剤として使
用できるが、ジオクチルフタレートは、廃棄物を
ゴム状弾性高分子物質に充填させる場合に併用す
ると、得られるペレツトの圧縮強度を低下させる
ことなく、ゴム状弾性高分子物質に乾燥廃棄物を
高充填させることができるので、特に添加するの
が好ましく、その配合割合はゴム状弾性高分子物
質に対して10〜100重量%、好ましくは30〜70重
量%である。
なお、液状ゴム例えばニトリルゴム等の可塑
剤、ステアリン酸鉛のような滑剤を添加すること
ができる。また特に塩素系合成ゴムの場合には三
塩基性硫酸鉛のような安定剤を添加するの好まし
い。これら添加剤は合成ゴムにおける通常の可塑
剤、滑剤および安定剤であり、それらの好ましい
配合割合はゴム状弾性高分子物質に対して10〜
100重量%、更に好ましくは30〜70重量%の可塑
剤、0.5〜2重量%の滑剤およびに5〜20重量%
の安定剤である。なお、有機過酸化物、それは有
機過酸化物のような架橋剤およびトリアリルシア
ヌレートまたはトリアリルイソシアヌレートのよ
うな架橋助剤は、本発明による混練物を水で抽出
する際の抽出効率から考えると添加しない方が好
ましい。
本発明によれば、前記抽出工程によつて得られ
る抽出残さと混練するための放射性廃棄物として
は、前述の放射性物質を含む濃厚塩廃液に限定さ
れず、原子力発電所等の施設から発生する各種廃
液およびスラリーも対象とすることができ、例え
ば次のものが挙げられる。
(1) 使用済イオン交換樹脂 粒径は0.5m/mφの粒状のものと、パウデ
ツクス(powdex−商品名)呼ばれる粉状のも
のがあり、沸騰水型炉(BWR)で原子炉水浄
化系、復水脱塩系、燃料プール水脱塩、放射性
廃棄処理系等で、また加圧水型炉(OWR)で
はバイパス浄化剤(浄化脱塩、脱ホウ素)、燃
料ピツト脱塩、抽出冷却材処理系等でそれぞれ
発生する。
(2) 機器、配管から発生する腐食生成物を含有す
る廃液(クラツドという)、流体と接する機器、
配管から発生する。Fe2O3が主成分である。
(3) フイルタースラツジ 機器ドレイン、床ドレイン等の過から生じ
る。主成分はパルプ状微粉末のフイルター・エ
イド(過助剤)である。
(4) 焼却灰 焼却炉から出る。
(5) 洗濯廃液 作業員の汚染した衣服の洗濯時に発生する。
以下に本発明の実施の態様を第1図を参照しな
がら説明する。
原子力発電所等で発生した放射性物質を含有す
る濃厚塩廃液aは先づ乾燥工程1に導かれる。こ
の乾燥工程1において濃厚塩廃液aは蒸発乾燥さ
れて水分5重量%以下、好ましくは1重量%以下
の乾燥物bとなる。乾燥物bは通常粉体として得
られる。なお、濃厚塩廃液中に粒状の使用済イオ
ン交換樹脂が存在する場合には、該樹脂粒子はそ
のままでは乾燥しにくいので、乾燥機の能率を高
めるために、粉砕機によりスラリーの状態で該樹
脂粒子を予め粉砕することが好ましい。乾燥機は
減圧濃縮等の比較的低温で行なえるものが好まし
く、例えば薄膜乾燥機またはドラム型乾燥機がよ
い。乾燥機で乾燥された濃厚塩廃液aの乾燥物b
は水分計により所定の含水量に達したかどうか確
認され、所定水含量にまで乾燥されていない高水
分含有乾燥物は再度乾燥処理される。
所定含水量に乾燥された濃厚塩廃液aの乾燥物
bは、混合・混練工程2に送られる。この混合・
混練工程では、まずゴム状弾性高分子物質cと上
記乾燥物bとが、所定の重量割合で計量された後
混合される。必要により可塑剤、滑剤、安定剤等
の添加剤も所定量計量され、これらと混合され
る。
乾燥物bとゴム状弾性高分子物質cの混合割合
(重量比)はゴム状弾性高分子物質c100部に対し
て乾燥物bは400〜1700部程度、好ましくは900〜
1300部である。混合機で充分混合された乾燥物b
とゴム状弾性高分子物質cなどよりなる混合物は
次に混練される。このとき混練物dは好ましくは
溶融されることなく30〜120℃、更に好ましくは
40〜100℃に加熱されるが、通常混練機では摩擦
熱により混練物dが90℃程度に昇温するので特に
外部加熱することなく混練物dの加熱を達成する
ことができる。混練機としては混練造粒機、混練
押出機、ロール式混練機、又はバンバリー式〓和
機等が使用出来る。このようにして均一に分散さ
せた固化体としてつくられた混練物dは成形工程
3に送られる。
成形工程3では、後述の抽出工程4の処理効率
のために、混練物dは0.5〜4mm程度のシート、
糸またはベレツトのような細片に成形される。混
練物dの厚さが4mm以下であれば3日間以内で90
%以上抽出できるが、厚さが増すと抽出効率がお
ちる。この成形手段は、金型成形やカツターによ
る切断でもよいが、前記混合混練工程2と同様好
ましくは溶融されることなく30〜120℃、更に好
ましくは40〜100℃で成形を行なうのが好ましい。
従つて混合・混練工程2と成形工程3を同一の機
械例えば混練造粒機で行なうと便利である。
このように成形された混練物dは中間貯蔵とし
ても適当で、成形後すぐにまたは貯蔵後抽出工程
4で水によつて非放射性の塩が抽出される。抽出
温度は、低すぎると抽出速度が遅くなり、高すぎ
ると混練物dがやわらかくなつてつきやすくなる
ので10〜80℃、好ましくは30〜60℃で行なうのが
適当である。抽出に使用する水は抽出効率の点か
ら純水が好ましい。なお抽出時非常に激しく撹拌
すると混練物d中の不溶性放射物質が抽出液中に
脱落して除染率を悪くする。第2図にこの抽出工
程4のフローの一例を示す。この例では、混練物
dが入れられた抽出槽50に水供給タンク51か
ら純水が供給され、混練物が撹拌機52によつて
ゆるやかに撹拌されて抽出が行なわれる。この抽
出液は濃縮器給液ポンプ53により濃縮器54に
供給され蒸発濃縮される。濃縮器54から発生し
た蒸気は凝縮器55で凝縮され、その凝縮水が前
記水供給タンク51に供給される。
減圧濃縮器などを使用した場合、発生する蒸気
は比較的低い温度なので直接水供給タンク51の
水で凝縮してもよい。これにより抽出に使用され
る水が循環される。所定濃度になつた抽出液fは
濃縮機54から次工程に供給され、その分だけ水
供給タンク51に補給水が供給されて抽出が続け
られる。かくして得られた抽出残さeはスポンジ
状となり、ここに放射性物質の大部分が含まれ
る。この抽出残さeは、次に乾燥工程5に送られ
る。
乾燥工程5では抽出残さeを脱水乾燥し、水分
を5重量%以下にした上で、必要によりこの抽出
残さeを再度結合剤として放射性廃棄物と混練す
るのに都合のよい細片とする。乾燥は通常遠心脱
水機等によつて粗乾燥後、恒温乾燥機等により抽
出残さeの溶融されない温度で行なうのが望まし
く、120℃以下、好ましくは50〜70℃で行なうの
がよい。
前述した様に、乾燥された放射性物質を含む抽
出残さeは、必要により再度結合剤として放射性
廃棄物と混練されるが、この放射性廃棄物が次の
場合の何れであるかによつて次の処理工程が分か
れる。即ち、 (A) 濃厚塩廃液を多量に含む放射性廃棄物、換言
すれば放射性物質を含む濃厚塩廃液aを対象と
する場合; (B) 濃厚塩廃液を多量に含まず前記抽出工程4を
実施しても抽出効果が上らないような放射性廃
棄物gを対象とする場合。
上記(A)の場合は、前記混合・混練工程2に乾燥
された抽出残さeが送られ、新たな乾燥物bと混
合・混練される。この混練物bは成形工程3、抽
出工程4および乾燥工程5と順次送られ工程され
て1サイクルが終了する。このサイクルを繰返す
ことにより、抽出残さeの中の放射性物質の混入
割合が高められ、高い減容率の固化体が得られ
る。
なお、上記混合・混練工程2においては、通常
抽出残さeだけ乾燥物bと混練されるが、この様
なバツチ式運転によらずゴム状弾性高分子物質
c、添加剤および上記抽出残さeを所定割合混合
したものと乾燥物bとを混練する定常的運転方法
を採用してもよい。
このようにして所定の放射性物質の混入率、即
ち減容率の得られた混練物dまたは乾燥された抽
出残さeは高減容体でありそのままでもよいが、
後述の圧縮処理を施こすことにより更に高減容さ
れた固化体にすることができる。さらに、これら
数サイクルの処理を施された抽出残さeは、要す
ればまだ新たな放射性廃棄物と混練されていない
抽出残さeと共に前記(B)の濃厚塩廃液を多量に含
まず抽出工程4を実施しても抽出効果が上らない
放射性廃棄物の結合剤として使用出来る。
上記(B)の場合においては、抽出残さeは別系統
の混合・混練工程7に送られる。この混合・混練
工程7で抽出残さeと混練された放射性廃棄物g
は別の乾燥工程6で乾燥されたものである。この
乾燥工程6は前記の乾燥工程1と本質的に同じで
あるが、フイルタースラツジのように乾燥しにく
い廃棄物の場合には含水率を約30%にすれば次の
混練・成形工程7で操作上特に問題は生じない。
混合・混練工程7で抽出残さeと放射性物質g
との混練された混練物は、成形工程8で前記成形
工程3と同じ様にペレツト、条、シート等の細片
状に成形される。成形物の形状は特に限定されな
いが、貯蔵の際の搬送、取り出しの便利さを考慮
して径0.5〜3.0cm、高さ0.5〜3.0cm程度の円柱状
のペレツトにするのがよい。この成形物は、圧縮
強度、落下強度、耐火性、耐湿性、摩耗性、耐放
射線性等に優れており、放射性廃棄物の最終処分
方式に関する行政機関の決定がなされるまでの中
間貯蔵物として適当である。
次に、必要によりこの成形物の減容率や強度を
上げる場合は、圧縮工程9で圧縮処理が施こされ
る。上記成形物の集合物に対して加えるべき圧縮
力は、成形物の含有する廃棄物の種類およびゴム
状弾性高分子物質と放射性廃棄物の配合割合によ
つて異なるが、一般には約200〜300Kg/cm2で均質
な圧縮固化体hを得ることができる。上記成形物
をより以上の強度のある固化体とする為には、混
練造粒機等で前記粒子化物を得た造粒圧力以上の
約400〜500Kg/cm2の圧力以上、好ましくは1000
Kg/cm2以上の圧縮力で圧縮する必要があり、廃棄
物の種類によつては2000Kg/cm2以上で圧縮するの
が望ましい場合がある。この圧縮処理における温
度は、温度が高ければ高い程より低い圧縮力で同
等の効果が得られるが、一般に120℃以下の温度
で行なうのが好ましい。またこの成形物は著しい
低温になるとゴム状弾性が無くなりプラスチツク
状となるが、本圧縮処理は成形物がゴム状弾性を
有している状態で処理しなければならない。従つ
て本圧縮処理は10℃〜120℃、好ましくは、50℃
〜90℃で1分間から10分間面圧をかけたまま保持
することによつて行う。これにより圧縮固化体h
の空隙を減少させ緻密な構造にすることができ
る。また、スプリングバツクのある使用済イオン
交換樹脂を多量に含む成形物を圧縮する際には、
加熱しながら圧縮したのち、圧縮加圧力を保持し
ながら冷却することにより圧縮固化体hのスプリ
ングバツクを抑制することができる。
この圧縮工程9で得られた圧縮固化体hは前述
の中間貯蔵物として用いることが出来るのは勿論
であるが、この圧縮固化体hを一体ブロツク又は
数ブロツクに分割してドラム缶等に充填し、アス
フアルト、プラスチツク、セメント等の固化剤で
固化することにより放射性廃棄物を二重に封じ込
めることもできる。その際には、ドラム缶等には
あらかじめ厚さ数mmの樹脂ライニング等を施して
おくか、圧縮固化体hをドラム缶等に収納後プラ
スチツク、アスフアルト等の固化剤を注入するよ
うにしてもよい。
次に、前記抽出工程4で取出された抽出液fの
処理について述べる。この抽出液f中には多量の
非放射性物質と共に微量の不溶性放射性物質およ
び可溶性放射性物質が存在するので、廃水処理工
程10に送つて、これらの放射性物質を除去すれ
ばよいが、この抽出液fを乾燥工程11、混合・
混練工程12、成形工程13、抽出工程14、乾
燥工程15へと順次送り、抽出液fを蒸発乾燥し
て得た乾燥物b′中の不溶性放射性物質を新たなゴ
ム状弾性高分子物質cに抽出させるようにしても
よい。その場合の各工程11,12,13,14
および15の処理条件は、前記乾燥工程1、混
合・混練工程2、成形工程3、抽出工程4、乾燥
工程5の各工程の条件と同じである。
乾燥工程15で得た乾燥された抽出残さe′は前
述の乾燥工程5で得た乾燥された抽出残さeと同
様に放射性廃棄物の結合剤として使用出来る。
抽出工程14で取り出された抽出液f′は廃水処
理工程16で処理されて、残存する放射性廃棄物
は除去されるが、この廃水処理工程16は当然先
の廃水処理工程10より負荷が軽減される。
上記廃水処理工程10,16においては、次の
操作の組合せによる晶析共沈処理が行なわれて処
理水は放射能が検出限界以下となり放出される。
Ni++、Co++、Mn++およびZn++からなる群
から選ばれた2価金属イオンを添加する操作、 前記2価金属イオンに対して当量以上のフエ
ロシアン酸イオンを添加する操作、 前記フエロシアン酸イオンの過剰量に対して
当量以上の第二鉄イオンを添加する操作、 アルカリを添加してPHを8.5〜11に調整する
操作、 硫化イオンを添加する操作、および 硫化イオンと反応して沈澱物を生成しうる金
属イオンを添加する操作。
以下に実施例によつて本発明を更に具体的に説
明する。
実施例 塩素含有量30%の非結晶性塩素化ポリエチレン
200g、ジオクチルフタレート100g、三塩基性硫
酸鉛20gおよびステアリン酸鉛2gよりなる結合
剤を原子力発電所濃縮廃液の乾燥廃棄物(水分1
%以下)2576gと共にロール式混練機により混練
した。混練は最初に塩素化ポリエチレンを全部ロ
ールに巻き付け、これに残りの成分を順次添加し
て行つた。混練物は摩擦熱により外部加熱を行わ
ずに50〜60℃に昇温した。冷却後に得られた固化
体の比重は2.26、減容率は0.12であつた。
ロール式混練機で作製した固化体は厚さ2〜3
mmのシート状物として得られる。このシート状固
化体を約3mm角の板状体に切断し、約10の水に
浸漬した。1日1回水を交換し、3日目で固化体
に含まれる可溶性塩類のうち90%が溶出した。可
溶成分溶出後の抽出残さはスポンジ状となる。
この抽出残さを40℃の温風で水分5重量%まで
乾燥し、得られた乾燥物を細断して再び濃縮廃液
の乾燥廃棄物と混練した。ここで重量混合比は抽
出残さ1に対して乾燥廃棄物を新たに8加え、比
重2.26、減容率0.09の固化体を得た。
一方、乾燥した抽出残さを一部取り出し、圧縮
機にて面圧200Kg/cm2で圧縮した結果、比重1.65、
減容率0.04の固化体を得た。
以上に本発明を詳細に説明したが、本発明によ
れば次のような多くの効果を得ることができる。
(i) 貯蔵される減容固化体中には放射性物質が良
好に残留し、しかも大部分の非放射性物質は抽
出により除去されるので、本発明による固化体
は従来のものと比較して著しく減容されてい
る。
(ii) 固体化にゴム状弾性高分子物質を使用するの
で弾性のある壊れにくい固化体が得られ、この
固化体は耐候性、耐久性、耐放熱線性に優れて
おり、塩素化ポリエチレンを使用したときには
難燃性が得られるので特に安全性が高い。
(iii) 処理工程において高温、高圧、腐食性処理等
の苛酷な条件を課していないので設備が簡単で
操作も容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施の態様を説明するた
めのフローシート図であり、第2図は本発明方法
の抽出工程の他の実施の一例を示すフローシート
図である。 図中符号:1,5,6,11,15……乾燥工
程、2,7,12……混合・混練工程、3,8,
13……成形工程、4,14……抽出工程、9…
…圧縮工程、10,16……廃水処理工程、a…
…濃厚塩廃液;b,b′……乾燥物;c……ゴム状
弾性高分子物質;d,d′……混練物;e,e′……
抽出残さ;f,f′……抽出液;g……放射性廃棄
物;h……圧縮固化体。50……抽出槽、51…
…水供給タンク、52……撹拌機、53……ポン
プ、54……濃縮器、55……凝縮器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 放射性物質を含む濃厚塩廃液を蒸発乾燥し、
    得られた乾燥生成物をゴム状弾性高分子物質と混
    練する工程、こうして得た混練物を水で抽出して
    非放射性可溶性成分を含有する抽出液と抽出残さ
    とを得る抽出工程、および該抽出残さを脱水乾燥
    し、得られた乾燥抽出残さを乾燥放射性廃棄物と
    混練する工程を含むことを特徴とする放射性廃棄
    物の減容処理方法。 2 放射性物質を含む濃厚塩廃液として上記抽出
    液を使用することを特徴とする特許請求の範囲第
    1項に記載の放射性廃棄物の減容処理方法。 3 乾燥抽出残さと混練する乾燥放射性廃棄物と
    して放射性物質を含む濃厚塩廃液の乾燥生成物を
    使用することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    または第2項に記載の放射性廃棄物の減容処理方
    法。 4 乾燥抽出残さと混練する乾燥放射性廃棄物と
    して濃厚塩廃液を含まない放射性廃棄物の乾燥生
    成物を使用することを特徴とする特許請求の範囲
    第1項または第2項に記載の放射性廃棄物の減容
    処理方法。 5 乾燥抽出残さと乾燥放射性廃棄物とを混練す
    る工程、およびこの混練物を水で再抽出して抽出
    残さを得る工程を繰返して行うことを特徴とする
    特許請求の範囲第1〜4項の何れかに記載の放射
    性廃棄物の減容処理方法。 6 放射性物質を含む濃厚塩廃液を蒸発乾燥し、
    得られた乾燥生成物をゴム状弾性高分子物質と混
    練する工程、こうして得た混練物を水で抽出して
    非放射性可溶性成分を含有する抽出液と抽出残さ
    とを得る抽出工程、および該抽出残さを脱水乾燥
    し、得られた乾燥抽出残さを単独かまたは乾燥放
    射性廃棄物と混練して圧縮する工程を含むことを
    特徴とする放射性廃棄物の減容処理方法。 7 放射性物質を含む濃厚塩廃液として上記抽出
    液を使用することを特徴とする特許請求の範囲第
    6項に記載の放射性廃棄物の減容処理方法。 8 乾燥抽出残さと混練する乾燥放射性廃棄物と
    して放射性物質を含む濃厚塩廃液の乾燥生成物を
    使用することを特徴とする特許請求の範囲第6項
    または第7項に記載の放射性廃棄物の減容処理方
    法。 9 乾燥抽出残さと混練する乾燥放射性廃棄物と
    して濃厚塩廃液を含まない放射性廃棄物の乾燥生
    成物を使用することを特徴とする特許請求の範囲
    第6項または第7項に記載の放射性廃棄物の減容
    処理方法。 10 乾燥抽出残さと乾燥放射性廃棄物とを混練
    する工程、およびこの混練物を水で再抽出して抽
    出残さを得る工程を繰返して行うことを特徴とす
    る特許請求の範囲第6〜9項の何れかに記載の放
    射性廃棄物の減容処理方法。
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