JPH0247922B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、浴遭湯の浄化循環装置に関するもの
で、詳しくは、浴槽と風呂釜とを吸込管と給湯管
とで連結する外釜式浴槽の浴槽湯を再循環させて
浄化する装置に関するものである。

「従来技術」および「発明が解決しようとする問
題点」 一般に、家庭用浴場等の小形浴場は、浴槽と風
呂釜とを吸込管と給湯管で連結し、浴槽湯（以
下、単に湯という）を再循環させて加熱する様に
成つている。従つて、入浴によつて人体から出る
垢や毛髪類や脂肪分等が湯に混入するので、湯が
次第に汚れることが避けられず、他の人の後から
入浴する人が不愉快な思いをしたり、湯面に浮遊
した垢や脂肪分等が浴槽の壁面に付着して不衛生
になると共に、その付着物を取除く浴槽の掃除が
煩らわしくなる等の難点がある。さらに、汚染し
た湯を外釜式の風呂釜との間に再循環させて加熱
すると湯中の垢分が管の内壁や風呂釜の加熱部内
壁に付着堆積するので、風呂釜の加熱効率を次第
に低下させたり、それ等の堆積物が何等かのはず
みで浴槽内へ多量に飛び出し湯を急激に汚染させ
る等の不具合点がある。

本発明の第一の目的は、湯の汚染による衛生上
の従来難点を解消することであり、さらに、第二
の目的として、湯のリサイクル使用による水資源
の有効活用と、湯の保有熱の活用による入浴用燃
料費の低減を図るものである。

「問題点を解決するための手段」 以上の目的を達成する本発明は以下の様に構成
されている。

即ち、そのうち第一発明は「パイプ連結した浴
槽と外釜式風呂釜と浄化部との組合せから成り、
前記浄化部には、浴槽湯用ポンプと流下式浄化槽
ならびに、前記浄化槽の下方に配列した集水槽が
設けられると共に、前記集水槽と前記外釜式風呂
釜間には所要の落差が確保されており、浴槽湯を
ポンプアツプして流下浄化し、前記浄化部を経由
して浴槽湯を浄化循環させる構造」に成つてい
る。

そして、第二発明は「パイプ連結した浴槽と外
釜式風呂釜と浄化部との組合せから成り、前記浄
化部には、浴槽湯用ポンプと流下式浄化槽と、前
記浄化槽の下方に配列した集水槽、ならびに、前
記集水槽の下方に配列した変流器とが設けてあ
り、前記変流器は、前記浴槽と前記外釜式風呂釜
との間に、所要の落差が確保されると共に、前記
集水槽の送湯管、前記外釜式風呂釜の吸入管と送
湯管、ならびに前記浴槽と給湯管とが接続されて
おり、 ・ 前記外釜式風呂釜が加熱作動のとき「前記集
水槽の送湯管から前記外釜式風呂釜の吸入管と
の間」と「前記外釜式風呂釜の送湯管から前記
浴槽への給湯管との間」に短絡流させ、 ・ 前記外釜式風呂釜が休止のとき「前記集水槽
の送湯管から前記浴槽への給湯管との間」にダ
イレクト流させ、 前記浄化部を経由して浴槽湯を浄化再循環させ
る構造」に成つている。

「実施例」および「作用」 以下、実施例に基づいて本発明の構成および作
用を詳しく説明する。まず、第一発明の一実施例
を示す第１図を参照して、本発明の浴槽湯の浄化
循環装置は、浴槽１と風呂釜２、ならびに浄化部
３との組合せからなり、浴槽１の底部に取付けた
吸込管４と浄化部３の吸込口５とが連結されると
共に、浴槽１の側壁中間に取付けた給湯管６と浄
化部３の送湯口７との中間に風呂釜２がパイプ連
結されている。そして、浄化部３は縦長形のボツ
クス体８に装着された流下式浄化槽９と浄化槽９
の下方に浄化水を集水する集水槽１２、ならびに
ボツクス体８の下部に取付けられたポンプ１１が
配設してあり、吸込口５とポンプ１１の吸入口が
パイプ連結されると共に、ポンプ１１の吐出側に
は、先端が浄化槽９の上方に開口するノズル１５
となる送湯管１４が取付けられ、さらに、集水槽
１２と送湯口７とが送湯管１３によつて連結され
ており、重力による自然流下によつて送湯管１３
内の湯水を浴槽１内へ送出できるよう、集水槽１
２と給湯管６との間には必要な落差H₁が設けて
ある。

一方、浄化槽９は自然流下の多段方式の浄化構
造に成つており、例えば最上段の浄化トレイ１０
Ａにはスポンジ体やメツシユ体が充填されて湯水
中の異物を除くフイルターに、下段の１０Ｂ，１
０Ｃ，１０Ｄの浄化トレイには砂や浄化剤等が充
填され、図示矢印Ａの落差による自然流下によつ
て多段の浄化トレイ１０Ａ〜１０Ｄを透過させ、
充分に浄化する様に成つている。なお、この実施
例の浄化槽９はボツクス体８の前方に開閉自在の
扉１８が取付けられると共に、浄化トレイ１０Ａ
〜１０Ｄは引き出し構造に形成してあり、浄化ト
レイ１０Ａ〜１０Ｄの清掃や砂等の交換が簡便に
できる様にしてある。

また、送湯管１４によつてポンプアツプされた
湯水は、上端の拡散ノズル１５によつて拡散放射
されて、浄化トレイ１０Ａに落下すると共に、そ
の拡散放射のとき、ノズル１５の上方に設けた殺
菌脱臭灯１６によつて殺菌脱臭されるようにして
ある。

なお、落差H₁による集水槽１２からの送湯量
と、ポンプ１１による送湯量を調整するため、例
えば集水槽１２にフロートスイツチを取付けてポ
ンプ１１をオンオフ作動させ、集水槽１２のオー
バーフローが防止してある。なお、図中の１７は
ポンプ１１のモーターである。

そして、そのポンプ１１を作動させると浴槽１
内の湯水は吸込管４送湯管１４を経由して浄化槽
９の上方に拡散放射され、浄化トレイ１０Ａ〜１
０Ｄを流下透過して浄化される。そして、浄化さ
れた湯水は落差H₁による重力によつて送湯管１
３を流下し、風呂釜２内の加熱部を通過して給湯
管６から浴槽１内へ給湯され、浄化のための再循
環作用が、風呂釜２の加熱作動または加熱休止に
関係なく反復できる様に構成されている。

以上の構成の本発明の浴槽湯の浄化循環装置に
よると、浴槽１内の湯水が再循環して順次連続的
に浄化されるので、入浴によつて湯中に混入した
垢類や脂肪分や毛髪等の異物が充分に除去され、
多数の人が交替入浴しても最初の湯の清浄度が概
ねそのまま確保され清潔性を失うことがない。従
つて、浴槽１の周壁や吸込管４給湯管６、ならび
に風呂釜２の内部に垢類の付着堆積が全く生じる
ことがないので、浴槽１の清潔度は充分に維持さ
れると共に、風呂釜２の加熱効率は良好に維持さ
れ、さらに、浴槽１内の湯水は１日ごとに取り替
えることなく例えば２〜３ケ月、或はそれ以上の
長期間にリサイクル使用して節水を図ると共に、
前日の残温を利用することができる等の作用効果
がある。

つぎに、第二発明について説明する。その一実
施例を示す第２図を参照して、この第二発明の浴
槽湯の浄化循環装置は、浴槽１と外釜式の風呂釜
２、ならびに、浄化槽９を縦長形状のボツクス体
８に装着しポンプ１１を内蔵した浄化部３との組
合せから成り、浄化部３には、集水槽１２の下方
に設けた中空罐体の変流器２０が内蔵されると共
に、変流器２０は集水槽１２との落差H₂と、浴
槽１の給湯管６との落差H₃が設定されている。
そして、その浄化部３の浄化部槽９と集水槽１２
ならびにポンプ１１は、前記の第一発明と同一構
成であり、ポンプ１１によつて湯槽１から吸込管
４を経由して湯水を浄化槽９の上方にポンプアツ
プして浄化トレイ９Ａ〜９Ｄに流下させて浄化
し、浄化した湯水を集水槽１２に集水する様に成
つている。そして、その浄化部３に内蔵された変
流器２０は、集水槽１２からの送湯管１３と、浴
槽１への給湯管６、ならびに、風呂釜２の吸入口
２１と送湯管２２の４本のパイプが接続されてお
り、その４本のパイプが変流器２０を介して相互
に連通している。

詳しくは、第２図Ｂの様に、集水槽１２からの
送湯管１３は変流器２０の下方に、風呂釜２の吸
入管２１は送湯管１３近傍の底部に、浴槽１への
給湯管６は変流器２０の上部に、風呂釜２の送湯
管２２は給湯管６の下方近傍に、それぞれ接続さ
れると共に、風呂釜２と変流器２０との間には所
要の落差H₄が設定されており、風呂釜２を加熱
作動させると、浄化水は変流器２０内で図示矢印
Ｂの様に「集水槽１２からの送湯管１３→風呂釜
２の吸入口２１」と「風呂釜２の送湯管２２→浴
槽１への給湯管６」間に短絡流を生じ、また、風
呂釜２が休止すると、図示矢印Ｃの様に「集水槽
１２からの送湯管１３→浴槽１への送湯管６」へ
のダイレクトの短絡流がそれぞれ生じる様にして
ある。

そして、本実施例の浄化部３の全周、ならび
に、吸込管４と送湯管６の外周と浴槽１は保温断
熱層２７等が施してあり、浄化循環中の湯水の保
温が充分に配慮してある。また、モーター１７の
冷却と、モーター１７の余熱利用を図るため、モ
ーター１７にジヤケツト２３を取付けて導管２４
と２５によつて集水槽１２と変流器２０とが接続
されており、モーター１７からの回収熱を利用し
て加熱した湯水を変流器２０に送り込む様にして
ある。なお、図中の２６は変流器２０の空気抜
き、２８は保温蓋である。

以上の構成の第二発明の浴槽湯の浄化循環装置
は以下の様に作用する。即ち、この発明の浄化循
環装置の浄化部３は変流器２０を内蔵すると共
に、その変流器２０は集水槽１２と浴槽１の中間
に、それぞれ所要落差H₂H₃を有して配列され、
かつ風呂釜２が浴槽１と並列関係を成して接続さ
れ、変流器２０に対する４個の接続管が前記の配
列構成に成つているので、 ・ 風呂釜２が加熱作動すると、集水槽１２から
送湯管１３を経由して変流器２０の下方に入つ
た湯水は、図示矢印Ｂのように変流器２０の底
部にある吸入管２１に短絡流入すると共に、風
呂釜２で加熱された湯は送湯管２２から変流器
２０の上方に入り、密度差による浮力によつて
図示矢印Ｂの短絡流を起し、浄化水が連続的に
加熱されて浴槽１へ湯が連続供給される。

・ 風呂釜２が加熱休止すると、送湯管１３から
変流器２０に入つた湯水は、抵抗の少ない図示
矢印Ｃの径路によつてダイレクトに給湯管６に
流入して浴槽１に入り、風呂釜２をカツトした
ダイレクト流を生じて循環する。

以上の変流作用を生ずる。

そして、ポンプ１１を作動させると、浄化槽９
集水槽１２は、前記の第一発明と同様に作用して
湯の浄化作用を連続するので、前記の変流作用に
よつて、風呂釜２の加熱作動のときは、浄化して
加熱された湯が順次連続的に浴槽１へ供給され、
風呂釜２が休止のときは、風呂釜２をカツトした
ダイレクト流によつて湯１を順次再循環させて連
続的に浄化することができる。

そして、以上の風呂釜２の休止時のダイレクト
流は、以下の冷却防止作用がある。即ち、消火し
た風呂釜２に湯水を循環させると、その湯水の保
有熱によつて風呂釜２内の空気が温まり、焚口か
ら煙突に流れる煙突作用の大気流によつて循環湯
水を急速に冷却させる冷却作用を生ずる。しか
し、変流器２０による変流作用によつて風呂釜２
内の循環を停止することができるので、風呂釜２
による前記の冷却作用の影響を排除することがで
きる。

また、第２図示実施例は、モーター１７にジヤ
ケツト２３が設けられ、モーター１７の発生熱を
回収して湯水を加熱し、変流器２０の送湯管１３
の近傍に供給する廃熱回収機構が付設してあるの
で、その廃熱回収によつて加熱された湯水は浮力
によつて変流器２０内で図示矢印Ｄのダイレクト
流を生じ、送湯管１３から入つた湯水のダイレク
ト流を誘導促進させると共に、湯水の温度低下を
補う作用がある。

以上の様に、第二発明の浴槽湯の浄化循環装置
は、前記の第一発明と同一の作用効果を奏すると
共に、湯の温度低下を防止する作用があり、例え
ば冬期でも、前日の残湯に短時間の追焚をすれば
清浄な適温湯となり、速やかに入浴することがで
きる利点がある。

即ち、第２図実施例の浄化循環装置を取付けた
浴槽では、従来冬期に水から約40分の加熱時間を
要したものが、本装置による湯の保有熱利用とリ
サイクル使用によつて、約13〜17分の追焚のみで
入浴が可能となり、従来と対比して燃料費が約1/
３〜1/2に低減する顕著な効果を示した。

「発明の効果」 以上の説明の様に、本発明の浴槽湯の浄化循環
装置は、浴槽湯の清浄性を良好に保つことができ
るので、入浴時の衛生性を向上すると共に浴槽類
の汚染を防止し、清潔感を一段と向上する。そし
て、浴槽湯はリサイクル使用が可能になるので、
水資源の有効活用を図ると共に、入浴準備作業が
極めて簡易になつて一般の日常生活の便宜を向上
し、併せて、前記のリサイクル使用による保有熱
の活用によつて入浴用の燃料エネルギーの大幅節
減を図る等の多大の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図：第一発明の浴槽湯の浄化循環装置の一
実施例を示し、Ａはその正面図、Ｂはその浄化部
の側面図、第２図：第二発明の浴槽湯の浄化循環
装置の一実施例を示し、Ａはその正面図、Ｂはそ
の要部の部分大正面図。 主な符号、１……浴槽、２……風呂釜、３……
浄化部、４……吸込管、６……給湯管、９……浄
化槽、１０Ａ〜１０Ｄ……浄化トレイ、１１……
ポンプ、１２……集水槽、１３，１４，２２……
送湯管、１５……ノズル、１６……殺菌灯、１８
……扉、２０……変流器、２１……吸入管、２３
……ジヤケツト、２４，２５……導管、２７……
保温断熱層、２８……浴槽蓋。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ パイプ連結した浴槽と外釜式風呂釜と浄化部
   との組合せから成り、前記浄化部には、浴槽湯用
   ポンプと流下式浄化槽と、前記浄化槽の下方に配
   列した集水槽、ならびに、前記集水槽の下方に配
   列した変流器とが設けてあり、前記変流器は、前
   記浴槽と前記外釜式風呂釜との間に、所要の落差
   が確保されると共に、前記集水槽の送湯管、前記
   外釜式風呂釜の吸入管と送湯管、ならびに前記浴
   槽の給湯管とが接続されており、 ・ 前記外釜式風呂釜が加熱作動のとき「前記集
   水槽の送湯管から前記外釜式風呂釜の吸入管と
   の間」と「前記外釜式風呂釜の送湯管から前記
   浴槽への給湯管との間」に短絡流させ、 ・ 前記外釜式風呂釜が休止のとき「前記集水槽
   の送湯管から前記浴槽への給湯管との間」にダ
   イレクト流させ、 前記浄化部を経由して浴槽湯を浄化再循環させ
   ることを特徴とする浴槽湯の浄化循環装置。