JP3679999B2 - 温浴システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、業務用浴槽やクアハウスなどの温浴システムに関し、特に省エネルギーでの運転を実現する温浴システムに関するものである。
【0002】
【発明の背景】
旅館、ホテル、老人ホームや、クアハウスなどの温浴施設では、大型の浴槽が使用され、それ故、浴槽使用時間外(浴槽休止期間中)の熱損失(放熱)も大きい。しかしながら、従来、このような大型の浴槽においては、浴槽使用時間外の放熱を防止する配慮がなされていないのが実情である。一部では、浴槽使用時間外の放熱を防止するために、浴槽上面に蓋をすることが行われているが、人手を要するので、手間がかかると共に確実性も劣り、コスト高にもなり、熱損失防止の効果も限定的なものであった。また、従来のシステムでは、浴槽を清掃する場合には、その度に浴槽水を全て排水しなければならず、無駄が多く、こまめに清掃しにくかった。
【0003】
ところで、浴槽からの熱損失には、浴槽水面の蒸発による損失、浴槽水面の熱伝達による損失、浴槽の壁や底からの損失、入浴者による熱損失、循環配管及びろ過装置よりの熱損失等が考えられる。そして、本件発明者が算出したところ、浴槽使用時間中の浴槽よりの熱損失は、50%程度が水面よりの蒸発により起こることが明らかとなった。しかも、浴槽使用時間外は入浴者がいないので、入浴者による熱損失がなく、その比率は一層高くなると考えられる。従って、浴槽使用時間外の浴槽よりの蒸発をなくすことができれば、省エネルギー効果が大きく、しかも、水の蒸発がなくなるので水の濃縮を防止して、節水効果も期待できる。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、浴槽使用時間外の放熱(特に浴槽水面からの蒸発による熱損失)を有効に防止して省エネルギーを実現し、また節水効果も期待できる温浴システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の温浴システムは、浴槽と、この浴槽内の水を全て回収可能なオーバーフロー槽とを備える。そして、浴槽利用時間帯には、浴槽からのオーバーフロー水をオーバーフロー槽へ供給し、オーバーフロー槽の水をろ過すると共にオゾン殺菌して、熱交換器で昇温した後、浴槽へ戻す循環を繰り返す定常ろ過運転が行われる。また、浴槽利用時間終了後には、浴槽の湯を全てオーバーフロー槽へ回収し、その回収された水が設定温度以下となった場合には、オーバーフロー槽の水を熱交換器で昇温した後、オーバーフロー槽へ戻す循環を行うオーバーフロー槽循環運転が行われる。さらに、浴槽利用時間開始前には、オーバーフロー槽の水をろ過すると共にオゾン及び塩素殺菌して、熱交換器で昇温した後、オーバーフロー槽へ戻す循環を繰り返し、水が設定温度に昇温された後はオーバーフロー槽へ戻さずに浴槽へ供給する立上りろ過運転が行われることを特徴とする。
【0007】
また好ましくは上記構成に加えて、浴槽利用時間終了により浴槽の湯を全てオーバーフロー槽へ回収後、前記オーバーフロー槽循環運転前に、オーバーフロー槽の水を塩素殺菌するろ過終了運転と、その塩素殺菌されたオーバーフロー槽の水を用いてろ過器を逆洗する逆洗運転とが行われ、逆洗時の排水を用いて、熱交換器で給水が昇温されてオーバーフロー槽へ供給されることを特徴とする温浴システムである。
【0008】
さらに好ましくは上記構成に加えて、一定期間ごとに、浴槽の湯はオーバーフロー槽へ回収後に排水され、この排水を用いて、熱交換器で給水が昇温されてオーバーフロー槽へ供給され、この熱交換器からの排水は、雑用水として利用可能とされたことを特徴とする温浴システムである。
また、前記各工程における浴槽からの水の取り出しは、浴槽よりの自然落水のみで行われることを特徴とする上記いずれかに記載の温浴システムである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の温浴システムでは、オーバーフロー槽の容量を大きくし、浴槽使用時間外には、浴槽水を全てオーバーフロー槽に回収する構成とした。そして、オーバーフロー槽は保温タイプとされ、回収した湯の熱損失をできるだけ小さく抑えるようにした。
【0010】
ところで、ボイラなどの熱源の大きさは、浴槽ろ過器の熱交換器以上のものを設置しなければならない。そして、熱交換器の能力を決定する場合は、浴槽使用時の熱負荷(定常時負荷)と、浴槽休止状態から浴槽使用状態へ戻す際の加熱負荷(立上り負荷)とを比較し、大きい方が熱交換器負荷とされる。通常、立上り負荷の方が圧倒的に大きくなり、この負荷に合わせて熱交換器、温水ボイラ、温水循環ポンプ、3方弁、温水循環配管等が全て大きくなる。なお、立上り負荷とは、浴槽休止時に低下した浴槽水の水温を、再度立上り時に熱交換機で加熱して、浴槽使用温度(通常42℃)まで戻す際に要する熱負荷である。
【0011】
このようなことから、オーバーフロー槽回収時の放熱損失を小さくできれば、立上り負荷をほぼ定常時負荷に揃えられるので、ボイラなどの熱源設備を小さくでき、エネルギー効率が大幅に改善することが可能になる。よって、浴槽休止時に浴槽水を全てオーバーフロー槽へ回収して保温しておくことで、二次的効果としてボイラなどの熱源の設備を小さくすることが可能になる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の温浴システム(温浴施設の省エネルギー運転システム)について、実施例に基づき更に詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の温浴システムの一実施例として、浴場などで用いられる浴槽水の浄化システムの配管系統図を示している。
【0014】
本実施例の温浴システムは、浴槽1と、その浴槽底部の浴槽水回収・排水共用目皿21、適温水ユニット2、オーバーフロー槽3、ろ過装置ユニット4などを備えて構成される。なお、ろ過装置ユニット4には、ろ過器5、自動5方弁6、ろ過ポンプ7、浴槽水昇温用熱交換器9、排熱回収熱交換器17、動力制御盤18などが含まれる。この動力制御盤18は、ろ過装置ユニット4を含む本システムを制御するものである。
【0015】
また、本システムには、付設機器として、塩素滅菌装置(塩素滅菌ポンプ19,薬液タンク20)や、回収弁25、ろ過・循環切替3方弁35、清掃排水弁26、排熱回収給水弁27の各自動弁がある。さらに、一般に熱源設備として温水ボイラ28や貯湯槽29等も備えている。
【0016】
オーバーフロー槽3は、浴槽使用時間外における放熱を低減させるために、浴槽水を全てを回収できる大きさの保温タイプのものである。これにより、前述したように、立上り負荷と定常時負荷との間の平準化が図られ、その負荷の平準化に基づいて最小の加熱設備を選定すればよくなる。そして、熱エネルギー効率を最大にすればよい。
【0017】
本実施例の温浴システムは、浴槽1とオーバーフロー槽3を備え、両者はオーバーフロー水ラインOBを介して接続されている。従って、浴槽1からのオーバーフロー水は、オーバーフロー水ラインOBを介して、オーバーフロー槽3に受け入れられる。
【0018】
浴槽1の底部には、浴槽水回収・排水共用目皿21が設けられており、この浴槽水回収・排水共用目皿21から下方へ延びる浴槽下部配管は途中で二又分かれしており、浴槽1からの水は回収又は排水のいずれかに分岐される。つまり、浴槽下部配管の一方は、回収弁25を介して前記オーバーフロー水ラインOBに接続されており、他方の配管は、清掃排水弁26を介して排水桝22に接続されている。
【0019】
図2には、浴槽下部の浴槽水回収・排水共用目皿21とそれに接続された浴槽下部配管の一部を示した。この図に示すように、前記一方の配管は、前記他方の配管からの分岐部に、略U字形状の折り返し部が形成されている。このような構成を採用したので、浴槽1の清掃時に浴槽内タイルを洗剤やブラシなどを用いて清掃しても、その清掃に用いた水は、ろ過循環ラインに混入することなく、前記他方の配管を介して確実に排水することができる。
【0020】
オーバーフロー槽3には、オーバーフロー槽用水位計24(24A,24B)が二つ設けられている。一方の水位計24Aは、給水弁の開閉制御用であり、他方の水位計24Bは、ろ過ポンプの運転と、減水ないし満水警報用である。
【0021】
オーバーフロー槽3には、適温水ユニット2から温水を供給可能とされている。適温水ユニット2は、貯湯槽29からの湯を給水と適宜に混合して、所望温度の湯をオーバーフロー槽3へ供給するものである。なお、貯湯槽29には、温水ボイラ28により設定温度(例えば60℃)に昇温された湯が貯留されている。
【0022】
温水ボイラ28は、貯湯槽29に貯える湯を沸かすと共に、浴槽水昇温用熱交換器9に湯を循環可能とされている。この熱交換器9は、オーバーフロー槽3ないし浴槽1の水を昇温するものであり、例えば70℃で温水ボイラ28から供給されて、60℃で温水ボイラ28に戻される循環が行われる。
【0023】
オーバーフロー槽3の水は、その槽の下部より導出可能とされている。この導出用のろ過水還ラインRRには、浴槽休止期間中のオーバーフロー槽循環運転用の測温抵抗体23や、集毛器8、ろ過運転用の測温抵抗体10が順に備えられ、ろ過ポンプ7を介してろ過器本体5へつながっている。
【0024】
ろ過器本体5には、自動5方弁6が備えられており、その内の二つはろ過器のろ層の内外に配置され、他の一つはろ過ポンプ7へ接続され、他の一つは浴槽水昇温用熱交換器9に接続され、残りの一つは排熱回収熱交換器17に接続されている。
【0025】
ろ過器5からの排水は、排熱回収熱交換器17を介して排水可能である。この排熱回収熱交換器17は、排水の排熱を利用して給水を昇温するものである。つまり、排熱回収熱交換器17には給水ラインが熱回収給水弁27を介して入力され、熱交換器17からの出力ラインは流量計を介してオーバーフロー槽3へ接続されている。よって、給水を排熱回収熱交換器17で昇温した後、オーバーフロー槽3へ供給可能とされている。このようにして、本実施例の温浴システムでは、ろ過器5の逆洗時や浴槽水の排水時の排熱を、熱交換器17で回収することができる。
【0026】
ところで、本実施例のような温浴施設では、ろ過装置として通常、砂式が使用される。砂式の場合、定期的に行われる逆洗で、浴槽水が排水される。また、温浴施設では、浴槽水を定期的に全量排水して、浴槽内のタイル面などを清掃する必要がある。ところが、従前においては、逆洗や浴槽水排水を行う場合に、熱回収を行っていないのが実情であった。本実施例のシステムでは、上述したように、これら排水も有効に熱回収する熱回収用熱交換器17を別途設けて、熱を有効に利用するシステムとした。また、熱回収することは、適温水ユニット2による補給水がその分だけ少なくできる。よって、適温水ユニット2に供給される給湯量も少なくなり、給湯負荷も削減することが可能となる。
【0027】
排熱回収熱交換器17からの排水は、そのまま排水桝22へ排出してもよいが、本実施例では排水・雑用水切替3方弁36を介して、排水桝22と雑用水槽とに接続されている。よって、排水・雑用水切替3方弁36の切り替えによって、排水を排水桝22ないし雑用水槽のいずれか一方へ選択的に排出可能とされている。
【0028】
排水か雑用水かを切り替えるのは、排水には汚れレベルによって再利用可能なものが含まれるからである。再利用可能なものとしては、浴槽清掃時の排熱回収用に使用する浴槽水は汚れが少なく、トイレや浴室タイル面の洗浄水などとして十分に使用できる。よって、施設に雑用水設備が設置されている場合には、必要に応じてこの水を雑用水槽に貯留し、雑用水として再利用すれば、一層の節水効果が期待できる。また、雨水再利用などのシステムがある施設では、大幅な節水効果が期待できる。
【0029】
ところで、ろ過器5には、オゾン発生器13からのオゾンと、塩素滅菌用タンク20からの塩素が供給可能とされている。オゾン発生器13からのオゾンは、エゼクター15とオゾン溶解ポンプ14を介して、ろ過器5に供給される。一方、塩素滅菌用タンク20の塩素は、塩素滅菌ポンプ19にて薬注配管Mを通ってろ過器5に供給される。
【0030】
ろ過器5から浴槽水昇温用熱交換器9を介して延びるろ過水往ラインRSの中途には、ろ過・循環切替3方弁35が設けられて、二又分かれされている。この内の一方の管路は、ろ過・循環切替3方弁35から浴槽1の側面へ連絡されている。また、他方の管路は、ろ過・循環切替3方弁35からオーバーフロー槽3へ連絡されている。
【0031】
ろ過装置として「オゾン発生器内蔵型FRP製循環ろ過装置」を使用することで、水の濃縮をより低減でき、換水期間の延長を図ることができる。なお、浴槽の場合、入浴者の累計により有機物濃度が溶存成分の濃縮倍数以上に上がる可能性が高いが、オゾンを使用する殺菌システムでは、オゾンの酸化分解作用で有機物を分解するので、濃縮倍数の低減をそのまま享受することができる。
【0032】
本実施例の温浴システムは、浴槽利用時間帯(例えば10時〜22時の12時間)は定常ろ過運転が行われ、浴槽利用時間終了直後(例えば浴槽利用時間終了後の1時間程度(例えば22時〜23時の1時間))には、まず浴槽水回収とろ過終了運転が行われた後(本実施例では50分)、逆洗運転が行われる(本実施例では10分)。そして、浴槽休止時間帯(例えば23時〜翌朝8時の9時間)に入る。浴槽休止時間帯には、オーバーフロー槽循環運転が行われ、また必要に応じて浴槽の清掃及び浴槽水の排水が可能である。そして、浴槽利用時間開始直前(例えば浴槽利用時間開始2時間前(8時〜10時の2時間))には立上りろ過運転が行われる。以下、各運転の詳細について説明する。
【0033】
図3には、各工程の機器や電動弁類の作動状況を表すプログラミングチャート図を示した。また、図4には、浴槽水全量回収での定常ろ過運転時の運転タイムチャート及び水温分布図、加熱負荷分布図を示した。さらに、図5には、浴槽水全量回収での浴槽清掃排水時の運転タイムチャート及び水温分布図、加熱負荷分布図を示した。なお、図6には、参考のため、従来型の運転タイムチャート及び水温分布図、加熱負荷分布図を示した。
【0034】
(1)定常ろ過運転:
図7において太線で概略を示すように、浴槽1からのオーバーフロー水は、オーバーフローラインOBを介してオーバーフロー槽3に供給される。そして、オーバーフロー槽3からろ過水還ラインRRを介して、ろ過ポンプ7によりろ過器5に送水される。ろ過器5でろ過された水は、オゾン発生器13で殺菌され、昇温用熱交換器9へ送られる。昇温用熱交換器9で昇温された水は、ろ過水往ラインRSから浴槽1に戻される。そのために、切替3方弁35は浴槽循環位置とされている。このような工程を定常ろ過運転といい、全量オーバーフローが基本運転となる。
【0035】
本運転中、浴槽水面からの蒸発や入浴者の持ち出しなどにより、浴槽水が減少した場合には、オーバーフロー槽3の水位計24で感知され、オーバーフロー槽3に給水がなされる。すなわち、適温水ユニット2で給湯水と給水をミキシングして、例えば42℃の適温水で補給される。なお、塩素滅菌ポンプ19は、入浴者の塩素弊害を防ぐため定常ろ過運転中は運転しないようにしている。
【0036】
(2)立上りろ過運転:
立上りろ過運転とは、夜間休止後に定常ろ過運転に戻すための予備運転のことをいう。立上りろ過運転には、オーバーフロー槽3とろ過装置4間を循環して、例えば42℃に昇温する「オーバーフロー槽循環運転」(図8において太実線で概略を示す)と、浴槽に水を送水する「ろ過運転」とがある。
【0037】
立上りろ過運転は、浴槽1は水が空の状態で、オーバーフロー槽3は水がほぼ満水の状態でスタートされる。まず、オーバーフロー槽循環運転により、休止期間中に低下した水温を例えば42℃に昇温する。この際、オーバーフロー槽3の水を測温抵抗体10で計測して、その水をろ過水還ラインRRを介して、ろ過ポンプ7によりろ過器5に送水する。ろ過された水は、熱交換器9で昇温されて、ろ過水往ラインRSより、オーバーフロー槽3に戻される。そのために、ろ過・循環切替3方弁35は、オーバーフロー槽循環位置にセットされている。
【0038】
オーバーフロー槽循環運転によりオーバーフロー槽3の水が所望温度(例えば42℃)になれば、ろ過・循環切替3方弁35が浴槽循環の位置に切り替えられて、浴槽1に送水される。このろ過運転が続けられることで、やがて浴槽1が満水になり、オーバーフロー水ラインOBを介してオーバーフロー槽3に水が戻ってくることになる。これにより、立上りろ過運転から定常ろ過運転と同等の運転に移行することになるが、一定時間はこの運転を続け、入浴可能な水温を維持して立上りろ過運転は完了する。
【0039】
なお、立上りろ過運転中は、オーバーフロー槽循環運転ないしろ過運転中とも、オゾン発生器13と塩素滅菌ポンプ19を同時に運転する。この目的は、オゾン発生器13の運転で、通常の殺菌と、有機物や結合塩素の酸化分解を行い、塩素弊害を軽減することにある。また、塩素滅菌ポンプ19の運転については、夜間休止時に浴槽タイル面や配管などに空気中のレジオネラ属菌などの細菌類が付着していることが考えられるが、オゾン殺菌だけでは浴槽循環系全体の細部まで殺菌が期待できないので、塩素剤の注入により循環系内全体の殺菌力を保持するためである。このことにより、新公衆浴場法の水質基準の「遊離残留塩素濃度0.2〜0.4mg/lを1日2時間以上保つ」という基準をクリアすることができる。本実施例のシステムでは、立上り運転2時間と、ろ過終了運転1時間で、合計3時間となる。
【0040】
(3)回収及びろ過終了運転:
定常ろ過運転終了後には、浴槽水のオーバーフロー槽3への回収(図8において太点線で概略を示す)と、ろ過終了運転(図8において太実線で概略を示す)とが同時に行われる。この目的は、休止時間中の浴槽1よりの放熱を防止すると共に、休止時間中の浴槽水の菌の繁殖を防止することにある。また、この後の逆洗工程において、残留塩素を含んだ水を利用して逆洗・洗浄できるので、ろ材の隅々まで殺菌ができ、そして逆洗排水中にも残留塩素が残るので、排水桝22等でのレジオネラ属菌等の増殖を防止することもできる。
【0041】
回収及びろ過終了運転を行うために、定常ろ過運転終了後、回収弁25は開とされ、ろ過・循環切替3方弁35はオーバーフロー槽循環の位置に切り替えられる。そして、ろ過ポンプ7と塩素滅菌ポンプ19を運転して、オーバーフロー槽3の水を循環殺菌する。この運転時間中は、温度制御は行われない。そして、ろ過終了運転の終了後には、回収弁25は閉にされる。ろ過終了運転後には、浴槽1内の清掃はいつでも可能とされる。
【0042】
(4)逆洗運転:
逆洗運転(図9において太実線で概略を示した)は、ろ過終了運転後に1回行われる。逆洗とは、ろ過器のろ材で捕捉した濁質分を、ろ過とは逆の水の流れで洗い流すことである。逆洗工程には、「逆洗」と「洗浄」工程とがある。
【0043】
逆洗水は、オーバーフロー槽3に回収した浴槽水が使用されるので、水温は約42℃である。この熱量は、排熱回収熱交換器17で熱回収される。この際、排水・雑用水切替3方弁36は、排水側に切り替えられる。また、逆洗中は、熱回収給水弁27が開き、オーバーフロー槽3に給水を昇温して補給される。
【0044】
(5)浴槽の清掃及び浴槽水の排水:
浴槽1の清掃は、一定期間ごと(例えば2週間程度に1度)行うことが目安とされる。浴槽清掃可能な時間帯は、ろ過終了運転終了時から立上りろ過運転開始までの間となる。
【0045】
浴槽水の換水及び熱回収は、次の手順で行われる。ろ過運転回数を積算カウンターでカウントしておき、そのカウント数が設定回数(例えば14(2週間))になったときに、積算カウンターより出力して浴槽水の排水工程に入る。浴槽水排水工程になると、ろ過装置4の自動5方弁6が洗浄の位置になり、排水・雑用水切替3方弁36は雑用水側に切り替わる。ここで、ろ過ポンプ7が運転される。また、熱回収給水弁27は開とされる。
【0046】
オーバーフロー槽3の水は、ろ過水還ラインRRを介してろ過器5に送水される。自動5方弁6が洗浄工程なので、浴槽水は逆洗排水口より排熱回収熱交換器17を通り、雑用水槽に貯留される。この際、熱回収給水弁27が開なので、給水は排熱回収熱交換器17で昇温されてオーバーフロー槽3に補給される。排水する水量は、浴槽容量より逆洗洗排水で排水した分を引いたものとされる。なお、浴槽水排出量はタイマーにより設定される。
【0047】
上述したように、熱回収給水弁27が開なので、給水は排熱回収熱交換器17で昇温されてオーバーフロー槽3に補給されるが、補給する水量は温度差を取るために排水量の二分の一とされる。浴槽水の排水をオーバーフロー槽3の水で行うので、ろ過ポンプ7の空転防止のために、オーバーフロー槽水位計24でろ過ポンプ停止位置が設定されている。
【0048】
浴槽内のタイル面の清掃や浴槽内の補修作業は、浴槽清掃可能時間帯であれば浴槽水はオーバーフロー槽3に回収されているので、浴槽水を排水することなく、いつでも行うことができる。但し、立上りろ過運転開始前までに作業を完了しなければならない。また、洗剤などは水でよく洗い流して完全に排出する必要がある。
【0049】
なお、浴槽清掃時には、洗剤等で浴槽タイル面を清掃することができるが、清掃時の排水が浴槽循環ラインに混入することを避けることが重要である。清掃時の排水がろ過循環ラインに混入すれば、浴槽水が泡だってしまい使用に耐えない状態になってしまうからである。そのために、浴槽水回収・排水共用目皿21とその下部の接続配管の分岐構造が効果を発揮する。これにより、浴槽循環ラインへの排水の混入を、物理的に避けることができる。
【0050】
また、浴槽水排水時は、熱回収で補給された水の水温が低く、また量が多いのでオーバーフロー槽3の水温が低下する。この水温を休止時間中に休止時間設定水温になるまで昇温を行う必要がある。この運転を休止時間オーバーフロー槽循環運転という。
【0051】
ところで、浴槽底部の浴槽水回収・排水共用目皿21からの排水に関していうと、本実施例のシステムでは、ポンプ運転時(浴槽使用時)には、浴槽底部よりの吸込みによるろ過循環、逆洗、排水は行われない。従って、現在問題になっている浴槽吸込み口による事故が防げ、安全に浴槽を利用することができる。
つまり、本システムの各工程においては、浴槽よりの吸込みが自然落水のみを使用していてポンプサクションの配管を接続していないので、入浴者が吸い込まれ、その配管内部が真空になることがなく、入浴者の安全が確保されている。
【0052】
(6)休止期間中オーバーフロー槽循環運転:
上記の浴槽水排水後のオーバーフロー槽水温の昇温運転や通常の休止時にオーバーフロー槽水温が休止期間設定水温以下になった場合に行う運転である(図8において太実線で概略を示した)。この場合、測温抵抗体23は、測定した水温が休止期間設定水温(通常設定は38℃)以下になれば、切替3方弁35がオーバーフロー槽循環位置に切り替わり、ろ過ポンプ7を運転して、オーバーフロー槽3の水を昇温する。この運転で休止期間中設定水温になれば、ろ過ポンプ7は停止して待機することになる。休止期間中はこのような運転を繰り返し、休止期間設定温度を維持することになる。
【0053】
この運転の目的は、熱交換器9をできるだけ小さくしたいことと、負荷を平準化して熱源の容量を小さくするためである。なお、温度調節器は、通常の浴槽水設定用の他、休止期間水温設定用の2台が必要となる。
【0054】
次に、実用上のシステムについて述べる。
今、例えば浴槽1の容量が10m3である場合、ろ過の浄化能力は一般に次式により算出される。
Q=N×V
ここで、Qは浄化能力(m3/H)、Nは循環回数(回/H)、Vは浴槽水容量(m3)である。通常、循環回数は2〜3回/Hとされるから、ここでは2回/Hで算出することにする。すると、Q=2×10=20m3/Hの浄化能力のろ過装置が必要になる。
【0055】
次に、加熱用熱交換器能力の算定であるが、熱交換器の能力を算定する場合は、定常ろ過時の放熱量と立上り運転時間の熱負荷の大きい方で選定される。本実施例のシステムでは、浴槽水全量を保温タイプのオーバーフロー槽3に回収するので、浴槽水の温度低下は大幅に減少される。オーバーフロー槽(耐熱FRP製、保温厚さ50mm、水温42℃、室内温度18℃)の仕様によれば、保温能力は24時間後の低下水温で40.45℃とされている(Δt=1.55℃)。よって、このようなオーバーフロー槽3に浴槽水を全量回収すれば、回収しなかった場合に比較して大幅に省エネルギー効果を図ることができる。
【0056】
ここで、オーバーフロー槽3に浴槽水を回収する場合の熱交換器負荷を算出する。まず、定常ろ過運転時の放熱による加熱負荷の算出であるが、浴槽水面からの蒸発による損失熱量、浴槽水面よりの伝熱による損失熱量、浴槽の壁や底よりの伝熱による損失熱量、入浴者による損失熱量、オーバーフロー槽よりの放熱による損失熱量、配管及びろ過装置よりの放熱による損失熱量の全てを合計したものが定常ろ過運転時の加熱負荷となる。そして、実際の定常ろ過運転時の加熱負荷合計としては、加熱負荷の10%の余裕をみておく。
【0057】
次に、立上りろ過運転時の加熱負荷を算出する。算出の方法は、オーバーフロー槽3のろ過運転水や浴槽回収水などオーバーフロー槽に回収・補給される全ての水量及び水温を算出する。算出した合計水量をオーバーフロー槽回収後水量とし、各々の水温を混合させたものを回収時のオーバーフロー槽水温とする。そして、その水温をスタート水温として、休止時間後のオーバーフロー槽水温を求める。その後、休止時間後のオーバーフロー槽水温を浴槽使用水温まで上昇させるのに必要な熱量を再昇温熱量として求める。また、立上りろ過運転中は浴槽水面からの蒸発や、浴槽の底・壁からの放熱があり、それらの損失熱量を合計したものを立上りろ過運転中の損失熱量とする。そして、これら二つを合計したものを立上りろ過運転時の加熱負荷とする。
【0058】
以上の手法に従って算出した結果、本実施例では、定常ろ過運転時の加熱負荷合計は25178kcal/h、立上りろ過運転時の加熱負荷合計は41323kcal/hであった。そして、熱交換器は、定常ろ過運転時の加熱負荷合計と立上りろ過運転時の加熱負荷合計とを比較して、大きい方を熱交換器加熱負荷とされるので、ここでは立上りろ過運転時の加熱負荷合計を熱交換器加熱能力とする。
【0059】
このようにして算出した本システムの熱交換器能力を、従前のシステムと比較してみると、従前のシステムでは熱交換器能力が88333kcal/hであったが、本システムのようにオーバーフロー槽3に全量回収する場合の熱交換器能力は上述したように41323kcal/hである。よって、本実施例のシステムでは従前のものと比較して二分の一以下で済むことになり、熱源も二分の一の容量なのでよいことになる。
【0060】
次に排熱回収用熱交換器能力を算出する。逆洗・洗浄時、浴槽排水時共に同一の温度条件で熱回収が行われ、熱回収温度は42℃とする。この場合、チューブ側は42/37℃、20m3/H、シェル側は15/25℃、10m3/Hである。よって、熱交換器能力は、(42−37)×20000l/H×1=100000kcal/hのものが必要になる。
【0061】
次に1回当りの回収熱量を概算する。まず、逆洗・洗浄時であるが、逆洗時間3分、洗浄時間1.5分、逆洗・洗浄流量は共に20m3/H、補給水の流量は10m3/Hとする。すると、回収熱量(kcal/回)は、(25−15)×10000l/H×1×4.5/60=7500kcal/回である。なお、回収水量は、10000l/H×4.5/60=750l/回(0.75m3/回)である。
【0062】
また、浴槽水排水時であるが、ろ過ポンプ運転排水は浴槽容量から逆洗排水分を引いたものとする。排水流量は20m3/Hとすると、排水時間=(10−1.5)/20=約26分となる。そして、回収熱量(kcal/回)は、(25−15)×10000l/H×1×26/60=43333kcal/回である。なお、回収水量は、10000×26/60=4333l/回(4.3m3/回)である。
【0063】
次に、オーバーフロー槽3の容量の決定について考察する。まず、参考のために従来型について述べると、オーバーフロー槽の容量は通常ろ過運転時水位は、ろ過ポンプが空気を吸う高さよりも高く定められる。そして、その水位で浴槽に入浴者が入った時に溢れ出す水量と、その時にろ過ポンプが停止して浴槽より定常時に溢れ出ている水量及びオーバーフローラインに流れている水量が全てオーバーフロー槽に還ったとしてもオーバーフロー槽より溢れ出さない容量が必要となる。
【0064】
実際のオーバーフロー槽の水位制御は、図10のようになる。図中、符号101はコモン102、給水弁開103、給水弁閉104の3つの脚を有する3P水位計であり、符号105は、コモン106、減水警報107、ろ過ポンプ停止108、ろ過ポンプ運転109、満水警報110の5つの脚を有する5P水位計である。また、符号111部分は通常運転水量であり、符号112部分は入浴者による溢れ、定常的な浴槽よりの溢れ、オーバーフロー管の水を回収するためのクッション部分である。また、符号113部分はオーバーフロー槽の有効容量であり、符号114,115部分はオーバーフロー槽のデッドスペースである。なお、符号116は浴槽よりのオーバーフロー入口、符号117は給水入口、符号118はオーバーフロー槽のオーバーフロー管、符号119は定常運転水位である。ここでは、定常運転水量はオーバーフロー水槽の二分の一程度とされる。
【0065】
一方、本実施例のシステム、つまり全量浴槽水を回収するオーバーフロー槽3の容量は、次のようにして求められる。浴槽水を全量オーバーフロー槽3に回収する場合、浴槽水を全量回収する関係上、オーバーフロー槽3がやや大きくなってしまう。しかしながら、オーバーフロー槽3が大きくなると、イニシャルコストが高くなるので、できるだけ小さくするのが望ましい。浴槽水全量回収の場合は、入浴者が浴槽1に入っている時には回収を行わないので、その分の容量を除外できる。また、ろ過終了運転と同時に回収するので、逆洗で排水した量は減少するが、排熱回収した量がオーバーフロー槽3に補給されるので、その量が増える。その他の考え方は通常型と変わらない。
【0066】
実際の全量回収オーバーフロー槽3の水位制御は、図11及び図12のようになる。図11は、定常時(逆洗終了時)の全量回収オーバーフロー槽水位制御図である。図中、符号24Aはコモン24a、給水弁開24b、給水弁閉24cの3つの脚を有する3P水位計であり、符号24Bは、コモン24d、減水警報24e、ろ過ポンプ停止24f、ろ過ポンプ運転24g、満水警報24hの5つの脚を有する5P水位計である。また、符号3A部分は定常ろ過運転水量(2.4m3)、符号3B部分はろ過終了運転後の溢れ量(0.41m3)、符号3C部分は浴槽水回収量(浴槽容量10m3を回収するが逆洗で1.5m3排水するので8.5m3)、符号3D部分は逆洗時排熱回収分(0.75m3)であり、符号3E部分がクッション分となる。なお、符号3Fは定常ろ過運転水位であり、符号3G部分がクッション部分となる。そして、回収時水量は、2.4+0.41+8.5+0.75=約12.1m3、回収時のオーバーフロー槽水温は40.8℃であり、オーバーフロー槽容量は15m3とされる。
【0067】
また、図12は、浴槽清掃排水時の全量回収オーバーフロー槽水位制御図である。構成自体は、前記図11のものと同じであるから説明は省略する。そして、図中、符号3A部分は定常ろ過運転水量(2.4m3)、符号3B部分はろ過終了運転後の溢れ量(0.41m3)、符号3D部分は逆洗時排熱回収分(0.75m3)、符号3H部分は浴槽排水時の回収分(4.3m3)である。そして、浴槽排水時のオーバーフロー槽混合水温は、(2.4×41.8+0.41×41.8+0.75×25+4.3×25)/7.86=約31.0℃となり、浴槽排水時のオーバーフロー槽水温は31.0℃となり、休止期間時の設定温度38℃以下になるので、オーバーフロー循環で昇温を行う。そして、昇温時間、昇温熱量は次のようになる。つまり、熱交換器の加熱能力を50000kcal/Hとすると、昇温時間=(38−31.0)×7860l/50000=約1時間6分となる。よって、放熱量を含めて、1時間20分とする。従って、38℃までの昇温に必要な熱量は67670kcal/回となる。
【0068】
次に、適温水ユニット2の選定について述べる。従来型では、逆洗排水及び浴槽清掃排水時に排水した水量を立上りろ過運転中にオーバーフロー槽を介して浴槽に補給しなければならない。浴槽清掃排水時の排水量が大きいので、その排水量に見合った補給水量の適温水ユニットが必要になる。具体手には10m3の浴槽水を排水するので立上げ時間が2時間とすれば、最小で5000l/Hの能力が必要になる。全量オーバーフロー槽3に回収する場合は、浴槽清掃排水時には排熱回収を行って4333lをオーバーフロー槽3に補給するので、残りの5667lを2時間で補給すればよい。このことは、適温水ユニット3が小さくできるだけでなく、消費する給湯水の熱量も節約できる。適温水ユニット2は60℃の給湯水と給水(季節により水温が変動するが15℃と仮定)をミキシングバルブで混合して42℃の適温水を供給する。給湯水は温水ボイラ28で加熱されて供給されるが、その使用量が少なければ温水ボイラ28の燃料消費も少なくて済む。
【0069】
上記実施例のシステムによれば、全量浴槽水をオーバーフロー槽3に回収することによって、昇温用熱交換器9の加熱能力が小さくなり、それに伴って熱源容量(温水ボイラなど)が小さくできる。また、1日の熱量消費量が大幅に削減される。
【0070】
さらに、逆洗排水や浴槽清掃排水を排熱回収熱交換器17で熱回収するので、再加熱負荷が小さくて済む。また、オーバーフロー槽3に補給される水の水温が高くなり、そして補給する水も少なくなるので、給湯負荷が大幅に少なくなる。
【0071】
その上、休止期間中の浴槽水面からの蒸発がほとんどなくなるので、水の節約になる。また、その分、適温水ユニット2よりの補給水量が少なくなるので、給湯負荷が軽減される。
【0072】
これらの省エネルギー・節水効果を図13の表に示した。なお、その他の効果ととして、温水ボイラなどの熱源施設が約半分の容量にできる。それに伴って、イニシャルコストや設置スペースが軽減できる。加熱用熱交換器の容量も小さくできる。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の温浴システムによれば、浴槽水を全量回収するオーバーフロー槽を備えることにより、浴槽使用時間外の放熱を有効に防止して省エネルギーを実現し、また節水効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温浴システムの一実施例を示し、浴槽水の浄化システムの配管系統図である。
【図2】図1の浴槽下部を示し、浴槽水回収・排水共用目皿とそれに接続された浴槽下部配管の一部を示す図である。
【図3】図1のシステムにおける各工程の機器や電動弁類の作動状況を表すプログラミングチャート図である。
【図4】図1のシステムにおける定常ろ過運転時の運転タイムチャート及び水温分布図、加熱負荷分布図である。
【図5】図1のシステムにおける浴槽清掃排水時の運転タイムチャート及び水温分布図、加熱負荷分布図である。
【図6】従来型のシステムにおける運転タイムチャート及び水温分布図、加熱負荷分布図である。
【図7】図1のシステムにおける定常ろ過運転の概略を太線で示した図である。
【図8】図1のシステムにおける立上りろ過運転(オーバーフロー槽循環運転)や、ろ過終了運転、休止期間中オーバーフロー槽循環運転の概略を太実線で示すと共に、回収工程の概略を太点線で示した図である。
【図9】図1のシステムにおける逆洗運転の概略を太線で示した図である。
【図10】従来型オーバーフロー槽の水位制御図である。
【図11】全量回収オーバーフロー槽水位制御図であり、定常時を示している。
【図12】全量回収オーバーフロー槽水位制御図であり、浴槽清掃排水時を示している。
【図13】従来型システムと本発明の全量回収型システムとのエネルギー消費量を比較した図である。
【符号の説明】
1 浴槽
2 適温水ユニット
3 オーバーフロー槽
4 ろ過装置ユニット
5 ろ過器本体
9 浴槽水昇温用熱交換器
13 オゾン発生器
14 オゾン溶解ポンプ
17 排熱回収熱交換器
19 塩素滅菌ポンプ
20 塩素滅菌用タンク
21 浴槽水回収・排水共用目皿
28 温水ボイラ
29 貯湯槽
35 ろ過・循環切替3方弁
36 排水・雑用水切替3方弁
Claims (4)
- 浴槽と、この浴槽内の水を全て回収可能なオーバーフロー槽とを備え、
浴槽利用時間帯には、浴槽からのオーバーフロー水をオーバーフロー槽へ供給し、オーバーフロー槽の水をろ過すると共にオゾン殺菌して、熱交換器で昇温した後、浴槽へ戻す循環を繰り返す定常ろ過運転が行われ、
浴槽利用時間終了後には、浴槽の湯を全てオーバーフロー槽へ回収し、その回収された水が設定温度以下となった場合には、オーバーフロー槽の水を熱交換器で昇温した後、オーバーフロー槽へ戻す循環を行うオーバーフロー槽循環運転が行われ、
浴槽利用時間開始前には、オーバーフロー槽の水をろ過すると共にオゾン及び塩素殺菌して、熱交換器で昇温した後、オーバーフロー槽へ戻す循環を繰り返し、水が設定温度に昇温された後はオーバーフロー槽へ戻さずに浴槽へ供給する立上りろ過運転が行われる
ことを特徴とする温浴システム。 - 浴槽利用時間終了により浴槽の湯を全てオーバーフロー槽へ回収後、前記オーバーフロー槽循環運転前に、オーバーフロー槽の水を塩素殺菌するろ過終了運転と、その塩素殺菌されたオーバーフロー槽の水を用いてろ過器を逆洗する逆洗運転とが行われ、
逆洗時の排水を用いて、熱交換器で給水が昇温されてオーバーフロー槽へ供給される
ことを特徴とする請求項1に記載の温浴システム。 - 一定期間ごとに、浴槽の湯はオーバーフロー槽へ回収後に排水され、
この排水を用いて、熱交換器で給水が昇温されてオーバーフロー槽へ供給され、
この熱交換器からの排水は、雑用水として利用可能とされた
ことを特徴とする請求項2に記載の温浴システム。 - 前記各工程における浴槽からの水の取り出しは、浴槽よりの自然落水のみで行われる
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の温浴システム。
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