JPH0247812A - アモルファス合金圧粉コアおよびその製造方法 - Google Patents

アモルファス合金圧粉コアおよびその製造方法

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JPH0247812A
JPH0247812A JP19970588A JP19970588A JPH0247812A JP H0247812 A JPH0247812 A JP H0247812A JP 19970588 A JP19970588 A JP 19970588A JP 19970588 A JP19970588 A JP 19970588A JP H0247812 A JPH0247812 A JP H0247812A
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JP
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powder
amorphous alloy
alloy powder
core
less
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JP19970588A
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Inventor
Tsutomu Cho
勤 長
Masao Shigeta
重田 政雄
Kazunori Hirai
平井 一法
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、チョークコイル等に用いられるアモルファス
合金圧粉コアおよびその製造方法に関する。
〈従来の技術〉 スイッチング電源の出力平滑用、ノイズフィルター用ノ
ーマルモードチョーク等にチョークコイルが利用されて
いる。 チョークコイルは、一般に、直流電流に重畳し
て交流電流が流れるように構成され、その磁気特性とし
ては、B−H特性図においてB−H特性の不飽和領域が
広いことが要求される。 このため、従来、チョークコ
イルのコアにケイ素鋼板やアモルファス合金薄帯等の巻
回体を用い、このコアの磁路にギャップを設けて不飽和
領域を広くすることが行なわれている。
しかし、コアにギャップを設けた場合、ギャップ近傍で
磁気漏洩を生じ、また、損失が増大する他、磁歪振動に
よる唸りを生じるなど問題がある。 また、巻回体にギ
ャップを形成するので、生産性も悪い。
このような問題を解決するために、磁性粉末を温間ある
いは冷間ブレスにより圧粉した圧粉コアが製造されてい
る。 圧粉コアによれば、上記の問題が解決されるばか
りでな(、コアの形状を自在に設計することができる。
圧粉コアの原料粉末の材質としては、センダスト、Mo
−パーマロイ等の磁性粉を用いた圧粉コアが製造されて
いる。 しかし、このものは透磁率が低い。
そこで、特に高い透磁率および飽和磁束密度と低損失が
得られるアモルファス合金粉末を用いた圧粉コアが提案
されている(特開昭53−100905号公報、特開昭
55−133507号公報、特開昭57−39103号
公報、特開昭59−16306号公報、特開昭60−2
4346号公報)。
これらの圧粉コアに用いる場合、アモルファス合金粉末
を、通常、ケイ酸塩、水ガラス等の絶縁層で被覆して渦
電流を防ぎ、透磁率の周波数特性の悪化を防止している
また、アモルファス合金粉末の形状は、磁気特性が良好
なことから扁平(フレーク)状とすることが提案されて
いる(米国特許筒4、290.808号明細書、同第4
.197.146号明細書等) さらに、扁平状のアモルファス合金粉末を、その長軸が
磁路方向と平行になるように配向することが、磁気特性
、渦電流損の減少を満足する上で好ましいことが知られ
ており、このように配向させるために、粉末を型に充填
した後、振動を与えながら磁場中配向を行なうことが提
案されている(米国特許筒4.197.146号明細書
) 〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、米国特許筒4.197.146号明細書に記載
されているように、粉末を型に充填した後、磁場中配向
を行なった場合、型内では場所により磁束密度が異なる
ため、例えばトロイダル状のコアを製造する場合はコア
の半径方向に密度のムラが生じ易(、圧粉密度が上がり
にくい。
また、本発明者等の研究によれば、この方法を用いて製
造した圧粉コア中の粉末は所望の配向となりに(く、さ
らに振動を与えることにより、逆に配向性は悪化する。
 その結果、渦電流損も満足すべき水準まで減少しない
。 また、透磁率も不十分である。
本発明は、渦電流損が少なく、透磁率の高いアモルファ
ス合金圧粉コアおよびその製造方法を提供することを目
的とする。
く課題を解決するための手段〉 このような目的は、下記の本発明によって達成される。
すなわち、本発明は下記(1)〜(5)である。
(1)扁平状のアモルファス合金粉末を圧粉して形成さ
れたアモルファス合金圧粉コアであって、圧粉時の圧力
印加方向に対し平行でありかつ使用時印加される磁界に
よりコア内に発生する磁束と平行であるコア断面を観察
したとき、この断面に現われる前記扁平状のアモルファ
ス合金粉末断面長手方向の前記磁束方向に対する傾きの
絶対値の平均が、10”以下であるアモルファス合金圧
粉コア。
(2)前記アモルファス合金粉末の主面の平均短径を、
その平均厚さで除した値が、3〜500である上記(1
)に記載のアモルファス合金圧粉コア。
(3)前記アモルファス合金粉末が、その表面に曲率半
径が0.5μm以下である凸部を実質的に有しない上記
(1)または(2)に記載のアモルファス合金圧粉コア
(4)上記(1)ないしく3)のいずれかに記載の圧粉
コア用アモルファス白金粉末が、その表面に絶縁層を有
するアモルファス合金圧粉コア。
(5)上記(1)ないしく4)のいずれかに記載のアモ
ルファス合金圧粉コアの製造方法であって、扁平状のア
モルファス合金粉末を金型に充填する速度が、1g/S
eC−Cm2以下であるアモルファス合金圧粉コアの製
造方法。
なお、JOURNAL OF MATERIALS 5
CIENCE 20(1985) 2776−27.4
t6には、アモルファス圧粉コアの断面写真が記載され
ている。 この断面が、本発明の測定に用いられる断面
、すなわち、圧粉時の圧力印加方向に対し平行でありか
つ使用時印加される磁界によりコア内に発生する磁束と
平行である断面であるかは不明であるが、この写真の上
下方向が圧粉時の圧力印加方向であり左右方向が磁束方
向であると仮に考えると、この断面に現われている粉末
断面の配向は本発明の範囲外[磁束方向に対する粉末断
面長手方向の傾きの絶対値の平均(粉末数11)が12
.7’″]のものであって、このような配向では本発明
の効果は実現しないものである。
以下、本発明の具体的構成を、詳細に説明する。
本発明のアモルファス合金圧粉コアは、扁平状のアモル
ファス合金粉末を圧粉して形成され、使用時に所定の磁
界を印加されて用いられる。
本発明では、このような圧粉コア中において、粉末が下
記のような配向を有する。
圧粉時の圧力印加方向に対し平行でありかつ使用時印加
される磁界によりコア内に発生する磁束と平行であるコ
ア断面(以下、A面と称する)を観察したとき、この断
面には、第3a図および第4a図に示されるように、コ
アを形成する扁平状のアモルファス合金粉末の断面が現
われる。
このA面において、例えば、幅が粉末の厚さの2〜5倍
で長さが粉末の厚さの10倍以上である領域を設定する
。 なお、この場合の幅とは前記の磁束と平行方向のも
のであり、長さとは前記圧力印加方向に対し平行方向の
ものである。
この領域内において、粉末の断面は方形状に現われる。
 この方形状の粉末断面の長手方向と前記磁束方向との
なす角度(鋭角)の絶対値を10個以上の粉末について
測定し、これらの平均を求めたとき、本発明ではこの平
均が10°以下とされる。 この場合、方形状の粉末断
面の長手方向とは、方形の対向する2つの短辺のそれぞ
れ中点をとり、これら2つの中点を通る直線によって決
定される。
なお、上記の領域内において、粉末断面が屈曲して観察
される場合、この粉末断面に粉末厚さの2〜5倍の直線
部が存在するときには、この直線部の傾きを上記角度と
する。 また、直線部が2つ以上存在するときは、これ
らの傾きの平均を上記角度とする。
この角度の平均が10@を超えると、コア中の各粉末間
に存在する絶縁領域(これは、粉末を被覆する絶縁層お
よび粉末間の空間から形成される)の体積が不揃いとな
り、渦電流による損失が増大する他、粉末のエツジが他
の粉末の絶縁層を破壊し易くなり、やはり渦電流による
損失が増大する。 また、この角度の平均が10’を超
えると、透磁率が低下する。
損失が低く、透磁率が高い圧粉コアであるためには、こ
の角度の平均は、5°以下であることがより好ましい。
 また、上記角度が10゜を超える粉末が、粉末100
個につき30個以下、好ましくは10個以下であれば、
損失減少および透磁率向上はさらに著しいものとなる。
さらに損失を減少させ透磁率を向上させるためには、コ
ア中の粉末は下記のような配向を有することが好ましい
すなわち、上記磁束と垂直なコア断面 (以下、B面と称する)を観察したとき、この断面には
第3b図および第4b図に示されるように、コアを形成
する扁平状のアモルファス合金粉末の断面が現われる。
このB面において、例えば、幅が粉末の厚さの2〜5倍
で長さが粉末の厚さの10倍以上である領域を設定する
。 なお、この場合の幅とは前記圧力印加方向に対し垂
直方向のものであり、長さとは前記圧力印加方向に対し
平行方向のものである。
この領域内において、粉末の断面は方形状に現われる。
 この方形状の粉末断面の長手方向と、圧粉方向に対し
直角方向とのなす角度(鋭角)を、10個以上の粉末に
ついて測定し、その絶対値の平均が、10°以下、特に
5°以下であることが好ましい。 また、この場合、上
記角度が10°を超える粉末が30個以下、好ましくは
10個以下であれば、損失減少および透磁率向上はさら
に著しいものとなる。 なお、この場合の長手方向の決
定は、上記したA面におけるものと同様である。 また
、上記の領域内において粉末断面が屈曲して観察される
場合、上記角度の測定方法は上記したA面におけるもの
と同様である。
上記各場合において、コア表面のうち圧粉方向に対し垂
直方向の対向する2面をそれぞれ上面および底面とし、
他の面を側面としたとき、A面およびB面における上記
のような配向け、粉末の粒径およびコアの寸法にもよる
が、側面から1mm以上、好ましくは0.1mm以上離
れたコア内部の全ての場所で実現していることが好まし
い。 これは、コア側面を形成する粉末は圧粉時に金型
側面との摩擦により配向が乱れるが、コア側面から1m
m未満の配向の乱れは損失および透磁率に対する影響が
小さいからである。
上記のような配向を有する圧粉コアを製造するためには
、圧粉工程において扁平状のアモルファス合金粉末を所
定の形状の金型に充填する際に、粉末の主面が金型の底
面とほぼ平行となるように充填する。
このような充填は、金型への粉末充填速度を制御するこ
とにより実現する。
本発明では、金型への粉末充填速度を、1g/sec・
cm2以下、すなわち、金型の底面積1cm”あたりI
g/sec以下の速度で粉末を充填することが好ましい
。 この範囲の速度にて粉末の充填を行なえば、重力の
作用により粉末はその主面が金型底面とほぼ平行となる
ように充填され、各粉末の主面同士も互いにほぼ平行と
なる。 充填速度が上記値を超えると、重力の作用によ
り粉末の主面が金型底面とほぼ平行となる前に他の粉末
が次々に充填されるため、粉末が乱雑に重なりやすく、
上記配向を有する圧粉コアが実現しない。この場合、圧
粉時の圧力印加方向は、金型底面とほぼ垂直方向とする
。 なお、金型への粉末充填速度を0.3g/sec−
cm”以下とすると、より好ましい結果を得る。
なお、上記の配向を得るためには、粉末の充填中および
充填後には金型に振動を与えないことが好ましく、特に
、充填後に振動を与えながら磁界を印加して磁場中配向
を行なうことは避けることが好ましい。
上記の配向を有するコアを実現するためには、粉末を金
型に充填する際に、潤滑剤を使用することが好ましい。
 用いる潤滑剤としては、冷間ブレスにより圧粉する場
合はステアリン酸亜鉛等の通常用いられる潤滑剤を使用
することができるが、本発明では後述するように温間プ
レスにより圧粉することが好ましく、この場合、耐熱性
が要求されるため、二硫化モリブデン等の耐熱性を有す
る固体潤滑剤を用いることが好ましい。 二硫化モリブ
デンを用いる場合、使用量はアモルファス合金粉末に対
し0.1〜5wt%程度であることが、アモルファス合
金粉末の充填率を低下させずに必要な潤滑効果を得るた
めに好ましい。
圧粉には冷間ブレス、温間ブレスのいずれも用いること
ができるが、本発明では、後述するように薄帯を機械的
に粉砕して得られる粉末を用いることが好ましく、この
粉末は常温での塑性変形が困難であるので、温間ブレス
により圧粉することが好ましい。 圧粉により、トロイ
ダル等の所望のコア形状に成形することができる。 な
お、本発明は、トロイダル状のコアに限らず、C型、U
型、L型、E型コア等にも好適に適用できる。  トロ
イダル状以外の形状でギャップ部を有する圧粉コアを作
製する場合は、付は合わせギャップ近傍で配向の乱れて
いる部分を取り除くことが好ましい。
温間ブレスの温度は、用いるアモルファス合金組成のガ
ラス化温度より高く結晶化温度より低いものとする。 
また、温間ブレスの圧力保持時間は、1秒間〜1時間程
度、圧力は1〜20 t / c m ”程度であるこ
とが好ましい。
圧粉後のアモルファス合金粉末には、歪取りのために熱
処理を施すことが好ましい。 熱処理温度は、用いるア
モルファス合金組成のキュリー点より高く結晶化温度よ
り低い温度であることが好ましい。 熱処理時間は、1
0分〜2時間とすることが好ましい。 また、熱処理時
の雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であること
が好ましい。
この後、通常、エポキシ樹脂等により塗装し、チョーク
コイル等用のコアとして用いる。
本発明に用いる扁平状のアモルファス合金粉末は、扁平
状であり、かつ圧粉コアに適用可能な磁気特性を有する
アモルファス合金粉末であれば特に制限はないが、良好
な特性を有する圧粉コアを得るためには、下記の性状を
有することが好ましい。
すなわち、光回折法を利用した粒度分布測定によって定
義される平均粒径は40〜2000μm、好ましくは6
0〜600μm程度である。 また、その平均厚さは5
〜45μm、好ましくは15〜25μm程度である。
また、主面の平均長径を平均短径で除した値は、好まし
くは3以下、さらに好ましくは1〜1.6である。 こ
の値が上記範囲外となると充填ムラを生じ、磁束方向に
対する粉末の主面の傾きが大きくなるため、磁気特性が
著しく劣化する。
また、主面の平均短径を粉末の平均厚さで除した値、す
なわち、アスペクト比は、3〜500、好ましくは5〜
100、さらに好ましくは10〜50であることが好ま
しい。 この値が上記範囲未満であると反磁場が太き(
なるため、透磁率が著しく低下する。
また、上記範囲を超えると粉末の寸法が大きくなりすぎ
、充填が困難となる。
なお、主面の決定、長径、短径および厚さの測定は、走
査型電子顕微鏡により行なうことが好ましい。
また、平均長径、平均短径、平均厚さは、粉末10個以
上について測定して求めることが好ましい。
なお、上記のような性状を有するアモルファス合金粉末
から本発明の圧粉コアを形成した場合、圧粉コア中の合
金粉末の長径、短径、厚さ等の性状は、材料である合金
粉末とほぼ同様である。 本発明の圧粉コアは上記した
よりな配向を有するため、コア中の粉末の性状は、コア
断面を走査型電子顕微鏡等を用いて観察することにより
容易に測定することができる。
また、本発明に用いる圧粉コア用アモルファス合金粉末
は、曲率半径が0.5μm以下である凸部、特に、曲率
半径が1μm以下である凸部を表面に実質的に有しない
ことが好ましい。
すなわち、粉末の主面および側面に上記のような凸部を
実質的に有しないものであり、そして、特に、主面と側
面との境界、すなわちエツジの曲率半径が0.5μm以
下、特に1μm以下となることがないものであることが
好ましい。
この場合、実質的に凸部を有しないとは、粉末100個
につき上記のような凸部が30個以下、好ましくは10
個以下、より好ましくは5個以下しか存在しないことを
意味する。
なお、本発明では、アモルファス合金粉末は、通常、後
述するような絶縁層を被覆して用いられるので、上記の
ような凸部を実質的に有しないアモルファス合金粉末は
、前述した圧粉時に互いに他の粉末の絶縁層を破壊する
ことがなく、透磁率の周波数特性が良好に保たれる。
このようなアモルファス合金粉末は、例えば以下のよう
にして製造される。
所定の組成の母合金を製造し、これを溶融して公知の液
体急冷法等の高速急冷法により薄帯化する。
母合金の組成としては、FeあるいはCoを主成分とし
、高速急冷により非晶質化する公知の種々のものであれ
ばよく、鉄族元素としてFeあるいはGoの他に鉄族遷
移金属元素を含んでいてもよ(、鉄族元素中のFeの含
有量が40at%以上、より好ましくは60〜100a
t%であり、Si、B、PSC等の1種以上をガラス化
元素として含むものであることが好ましい。
薄帯の厚さは10〜50μm程度とする。
得られた薄帯を、好ましくは脆化のための熱処理を行な
った後、粉砕する。
脆化のための熱処理は、温度300〜500℃程度にて
0.5〜5時間程度加熱することにより行なうことが好
ましい。
粉砕には、スタンプミル、ボールミル、振動ボールミル
、カッターミル等を用いることが好ましい。
この粉砕により、上記の寸法程度の扁平状のアモルファ
ス合金粉末とする。
次に、得られた扁平状のアモルファス合金粉末の主面、
側面および主面と側面との境界のエツジに存在する上記
曲率半径以下の凸部を除去する。
凸部の除去は、どのような方法によってもよ(、上記の
ような凸部が除去できれば、圧粉時に互いに他の粉末の
絶縁層を破壊することがなく、透磁率の周波数特性が良
好に保たれる。
凸部の除去方法の具体例としては、スペックミル(振動
ボールミル)の研磨作用によるものが挙げられる。 ス
タンプミルは、通常、粉砕に用いられるが、スペックミ
ルのボール径を小さ(することにより衝撃力が減少し、
上記のような凸部の研削作用を発揮する。 凸部の除去
に好適なボール径、作業時間等は、粉末の組成、粉末の
充填量等に依存するため、実験的に求めることが好まし
いが、ボール径は1mm〜50mm程度が好ましい。
また、凸部の除去は、アモルファス合金粉末を塩酸等の
鉱酸処理することによっても行なうことができる。 具
体的には、0.1〜IN程度のHCl2溶液にアモルフ
ァス合金粉末を浸漬し、好ましくは撹拌しながら1秒〜
1時間程度処理する。 次いで、水洗、アルコール洗浄
を行ない乾燥する。 なお、塩酸処理の他、硝酸、硫酸
等を用いることによっても凸部の除去を行なうことが可
能である。
凸部の除去後、アモルファス合金粉末に絶縁層を被覆す
る。
絶縁層としては、絶縁機能を有する材質であれば特に制
限はなく、水ガラス、シリカコロイド、シランカップリ
ング剤、リン酸亜鉛等を用いることができるが、後述す
る圧粉工程で温間ブレスを用いる場合、耐熱性、絶縁性
、絶縁層の厚さの点から、水ガラス、シリカコロイド等
が好ましく、これらのうち経済性の点で特に水ガラスを
用いることが好ましい。
水ガラスとは、アルカリ−ケイ酸系ガラスの水溶液であ
る。
絶縁層の厚さとしては、用いる材質にもよるが、0.1
〜2μm程度であることが、充分な絶縁効果が得られ、
しかも圧粉コア中のアモルファス合金粉末の充填率を高
め、透磁率を向上させることができるので好ましい。
〈実施例〉 以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をさらに詳
細に説明する。
[実施例1] Fe、8S ie Bus(数字は原子比を表わす)の
組成の合金を溶湯とし、液体急冷法により厚さ21 t
Lmのアモルファス合金薄帯を作製した。
この薄帯に400℃、1時間の脆化処理を施し次いで振
動ミルにより粉砕した。
得られたアモルファス合金粉末は扁平状であり、光回折
を用いた粒度分布測定器による測定の結果、平均粒径9
3μmであった。
また、走査型電子顕微鏡により粉末50個について測定
した結果、平均厚さ21μm、平均長径を平均短径で除
した値は1.37、平均短径を平均厚さで除した値(ア
スペクト比)は19であった。 このアモルファス合金
粉末を粉末No、1とした。 このサンプルの走査型電
子顕微鏡による粉末主面と粉末側面の境界付近の写真を
第1図に示す。
第1図に示されるように粉砕後の粉末の主面と側面との
境界のエツジは鋭いものであった。
このエツジの曲率半径は、0.5μm以下であった。
次に、粉末No、1の粉末をスペックミルに投入し、粉
末表面、特に主面と側面境界のエツジの研削処理を行な
った。 スペックミルのボール径は1.56mm、作業
時間は0.5時間とした。 研削処理後の粉末を粉末N
o、2とした。 このサンプルの主面と側面との境界付
近の写真を第2図に示す。
第2図から明らかなように、粉砕後に存在した粉末表面
の鋭い凸部は消失し、粉末表面には曲率半径2μm以下
の凸部は実質的に存在しない。
次に、粉末No、2を水ガラス1wt%水溶液。
に浸漬し、その後、120℃にて30分間乾燥した。 
乾燥後、凝集した粉末を解砕、整粒した。 これにより
約1.2μm厚の絶縁層が形成された。
次に、この粉末を粉末に対し3wt%の二硫化モリブデ
ンと混合した。 得られた混合物を表1に示す速度で金
型に充填した。 表1に示す速度は、金型への粉末の充
填速度(g/sec−cm”)である。 なお、サンプ
ルN026では、粉末充填後、金型に振動を与えなから
1000eの磁界を印加した。m界の方向は、コア使用
時の磁束の方向とした。
次いで温間ブレスにより圧扮し、外径14mm、内径1
0mm、高さ5mmのトロイダル状の圧粉コアを作製し
た(サンプルN011〜7)。 温間ブレスの温度は4
70℃、保持圧力は10t/cm”  圧力保持時間は
30秒間とした。
これらのサンプルをファインカッターにより切断して前
述のA面およびB面を露出し、これらの露出面を#15
00のサンドベーパーにより研磨した後、走査型電子顕
微鏡にて写真撮影した。 得られた写真のうち、サンプ
ルNo。
5のA面およびB面の写真をそれぞれ第3a図および第
3b図に、また、サンプルNO12のA面およびB面の
写真を第4a図および第4b図に示す。 なお、A面お
よびB面は、コア上面と底面のほぼ中間でかつコア内周
面からの距離が2mmの位置を中心とした断面である。
各サンプルのA面およびB面の写真に、前述の領域を設
定した。
A面では、領域内の方形状の粉末断面の長手方向と磁束
が通る方向とのなす角度(鋭角)の絶対値を各粉末につ
いて測定し、これらの平均を求めた。 これをαとした
。 また、上記角度が10°を超える粉末の数の全測定
粉末に対する百分率を計算し、これをAlo。とじた。
B面では、領域内の方形状の粉末断面の長手方向と圧粉
方向に対し直角方向とのなす角度(鋭角)の絶対値を各
粉末について測定し、これらの平均を求めた。 これを
βとした。 また、上記角度が10°を超える粉末の数
の全測定粉末数に対する百分率を計算し、これをB l
ooとした。
なお、測定した粉末の数は、各サンプルにつき17個以
上とした。
各サンプルのα、A1゜。、β、B looを、表1に
示す。
さらに、これらのサンプルについて、下記の磁気特性を
測定した。
(磁気特性) ■実効透磁率(μm0) 横河ヒューレットパッカード社製LF インピーダンスアナライザー4192Aを使用して測定
した。
測定磁界Hm=lOmOe、測定周波数100kHzと
した。
■鉄損 ノルマ社製Uファンクションメータを使用して測定した
測定周波数100KHz、測定レベル Bm=500Gとした。
結果を表1に示す。
表1に示されるように、本発明のサンプルNo、3.4
.5では実効透磁率μm。が高(、しかもその周波数特
性が良く、かつ、鉄損が低いことが明らかである。
〈発明の作用効果〉 本発明の製造方法により得られる本発明のアモルファス
合金圧粉コアは、所定の配向を有するため、渦電流損が
低(、透磁率が高い。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は粒子構造を示す図面代用写真であ
って、アモルファス合金粉末の走査型電子顕微鏡写真で
ある。 第3a図、第3b図、第4a図および第4b図は粒子構
造を示す図面代用写真であって、アモルファス合金圧粉
コアの断面の走査型電子顕微鏡写真である。 i−。 g 〜 E:L ):i g 〜 二〇 1.4 r、n )パ i ]、 O,p ra ト′i ・4・

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)扁平状のアモルファス合金粉末を圧粉して形成さ
    れたアモルファス合金圧粉コアであって、圧粉時の圧力
    印加方向に対し平行でありかつ使用時印加される磁界に
    よりコア内に発生する磁束と平行であるコア断面を観察
    したとき、この断面に現われる前記扁平状のアモルファ
    ス合金粉末断面長手方向の前記磁束方向に対する傾きの
    絶対値の平均が、10゜以下であるアモルファス合金圧
    粉コア。
  2. (2)前記アモルファス合金粉末の主面の 平均短径を、その平均厚さで除した値が、 3〜500である請求項1に記載のアモルファス合金圧
    粉コア。
  3. (3)前記アモルファス合金粉末が、その表面に曲率半
    径が0.5μm以下である凸部を実質的に有しない請求
    項1または2に記載のアモルファス合金圧粉コア。
  4. (4)請求項1ないし3のいずれかに記載の圧粉コア用
    アモルファス合金粉末が、その表面に絶縁層を有するア
    モルファス合金圧粉コア。
  5. (5)請求項1ないし4のいずれかに記載のアモルファ
    ス合金圧粉コアの製造方法であって、扁平状のアモルフ
    ァス合金粉末を金型に充填する速度が、1g/sec・
    cm^2以下であるアモルファス合金圧粉コアの製造方
    法。
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