JPH0247414A - 改良アスファルトマスチック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ダムをはじめ各種貯水池の遮水層に使用す
る改良アスファルトマスチックに関する。

〔従来の技術〕

ダムや各種貯水池の法面に遮水層を施工した水利構造物
は周知である。

例えばフィルダムの法面にアスファルト混合物からなる
フェーシングを施して水密性を保持させるものや、貯水
池にフェーシングを施して貯水池全体の水密性を維持さ
せるようにしたものなどがそれである。

ところで、この遣水用アスファルト混合物の表面保護層
として使用されている従来のアスファルトマスチックは
、主としてストレートアスファルト又はストレートアス
ファルトとブローンアスファルトとの混合物に石灰石粉
末すなわちフィラーと、アスベストとを加えてなるアス
ファルトマスチックが広く使用されていた。

いうまでもなく、アスベストの使用目的は法面における
アスファルトマスチックのだれ防止にある。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、アスベストは発がん他物質に指定され、その使
用が厳しく規制されている。そのためこのアスベストと
同様、だれ防止効果があり、しかも有害物質でない添加
材の開発が強く要望されていた。

この発明は、このような要請に対処する目的をもって開
発したもので、その狙いは従来品より施工性が向上し、
遮水効果の高い改良されたアスファルトマスチックを提
供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成する手段として、本発明は従来合成樹脂
材の剛性２寸法安定性２表面平滑性など機能性を向上さ
せる充填材として使用されている珪灰石（学名−ｏ１１
ａｓｔｏｎｉｔｅウオラストナイト。

Ｃａ５ｉ０３）に着眼し、これを前記有害なアスベスト
に代わる添加材としてアスファルトマスチックに使用し
たことにある。

周知のように珪灰石は、粒状、粉状のもののα型と針状
、長柱状のもののβ型がある。その物質はＣａＯとＳｉ
Ｏ□のほぼ等量からなる白色の天然産物で化学的に安定
性の高い物質である。しかもアスベストのように有害性
の物質でもない。ちなみに珪灰石の無害性については、
すでに各種の調査研究によって立証されている。

参考までに紹介すると、例えば珪灰石採掘現場に働く労
働者を対象とした免疫学的調査に基づく研究論文（ＳＣ
ＡＮ、　Ｊ、　ＷＯＲＫ　ＥＮＶＩＲＯＮ、　ＨＥＡＬ
ＴＨ（ＦＩＮＬＡＮＤ）　１９８３．９／２．１６９−
１７５．　）Ｉｕｎｓｋｏｎｅｎ　Ｍ、Ｓ　ｅｔａｌ＋
　Ｐｒｅｌｉｍｉｎａｒｙ　ｒｅｓｕｌｔｓ　ｆｒｏｍ
　ａ　ｃｏｈｏｒｔ　ｏｆｗｏｒｋｅｒｓ　ｅｘｐｏｓ
ｅｄ　ｔｏ　Ｗｏｌｌａｓｔｏｎｉｔｅ　ｉｎ　ａ　Ｆ
ｉｎｎｉｓｈｌｉｍｅｓｔｏｎｅ　ｑｕａｒｙ、　）あ
るいは （Ｓｈａｓｂｙ　ＤＭ、　Ｐｅｔｅｒｓｅｎ　Ｍ、　Ｈ
ｏｄｏｎｓ　Ｔ、　ＢｏｅｈｌｅｃｋｅＢ、　Ｍｅｒｃ
ｈａｎ　Ｊ、　”Ｒｅ５ｐｉｒａｔｏｒｙ　ｍｏｒｂｉ
ｄｉｔｙ　ｏｆ　ｗｏｒｋｅｒｓ　ｅｘｐｏｓｅｄ　ｔ
ｏ　Ｗｏｌｌａｓｔｏｎｉｔｅ　ｔｈｒｏｕｇｈ　ｍｉ
ｎｉｎｇａｎｄ　ｍｉｌｉｎｇ　Ｉｎ：　Ｌｅｍｅｎ　
Ｒ，Ｄｅｍｅｎｔ　ＦＭ、　ｅｄｓ、　　Ｄｕｓｔｓａ
ｎｄ　ｄｉｓｅａｓｅ、　　Ｐａｒｋ　Ｆｏｒｅｓｔ　
５ｏｕｔｈ、　Ｔｌ１ｉｎｏｉｓ：Ｐａｔｈｏｔｏｘ　
Ｐｕｂｌｉｓｈｅｒ、　Ｉｎｃ、　１９７９＋　２５１
−６）さらに結晶繊維の形状と発がん性に関する論文（
Ｊ、　ＮＡＴ、　ＣＨＡＮＣＥＲｌＮ５Ｔ　（Ｕ、　Ｓ
、　Ａ、）　１９８１．６７１５１９６５−９７５）　
、　５ｔａＬｏｎ　Ｍ、　Ｆ、　ｅｔ　ａｌ　Ｒｅ１ａ
ｔｉｏｎ　ｏｆｐａｒｔｉｃｌｅ　　ｄｉｍｅｎｔｉｏ
ｎ　　ｔｏ　　ｃａｒｃｉｎｏｇｅｎｉｃｉｔｙ　　ａ
ｍｐｈｉｂｏｌｅａｓｂｅｓｔｏｓｅｓ　ａｎｄ　ｏｔ
ｈｅｒ　ｆｉｂｒｏｕｓ　ｍ１ｎｅｒａｌｓ、）その他
によって、その有害性は否定されている。

そこで本発明は、珪灰石が上記のように無害であること
、しかも不純物が少なく高品位であり、その上安価であ
る点に着眼し、これをアスファルト材および石粉（フィ
ラー）に下記のような配合比をもって混合した、すなわ
ち無害化した改良アスファルトマスチックを得たもので
ある。

アスファルト（ブローン、ストレート）２５〜４０％石
粉（フィラー）５０〜７０％ 珪灰石（ウオラストナイト）　　　　　５〜２０％〔作
用〕 上記アスファルトマスチックを用いてダム法面の遮水層
を施工した結果、その施工性および遮水性も高く、施工
後における流動もなく所期の目的を充分満足することが
できた。

〔実施例〕

さらに実施例に基づいて本発明によるアスファルトマス
チックの機能性について具体的に説明する。

まず加熱したストレートアスファルトおよびブローンア
スファルトの等量を混ぜ合わせ、これに第１表で示す重
量比で石粉および珪灰石を添加混練し、この混合物がペ
ースト状になるまで再度加熱混練して、遮水用のアスフ
ァルトマスチックを作った。そしてこの改良したアスフ
ァルトマスチックの施工時における粘性を確認するため
フローコン試験と、さらに施工後の流動性を確認するた
めスロープフロー試験を行った。

なお上記実施例において珪灰石はβ構造の珪灰石を使用
した。

第１図は前記第１表に示した配合比によるアスファルト
マスチックのフローコン試験の結果をグラフ化して示す
もので゛、同じく第２図は施工後における流動性を確認
するためのスロープフロー試験結果を示すものである。

なお第１図および第２図いずれにも比較のためアスベス
トを添加した従来のアスファルトマスチックの試験結果
も併わせで表記した。

まず前記試験結果を検討する前に、一般にダムや貯水池
の法面すなわち傾斜面の遮水層に使用されるアスファル
トマスチックの施工性、とくに施工時にだれ落ち現象を
起すかどうか、この視点からみたフロー値について説明
しておく。

周知のように施工時におけるアスファルトマスチックの
粘性、すなわちフロー値が大き過ぎると、その施工は困
難となり、逆に低く過ぎると流下してしまい遮水層とし
ての機能が損なわれるものである。

したがってダム法面等の斜面に施工する遮水用としての
アスファルトマスチックのフロー値は経験的に５〜１５
秒の範囲が適正とされている。

そこで、この観点から前記第１図に示した試験結果をみ
ると、珪灰石の添加量は重量比で７〜１０％の範囲が最
適であることが理解される。さらに珪灰石を添加した場
合は、その添加量を増してもフロー値の変化はおだやか
で、その添加量を前記のように７〜１０％に規制してお
けば、施工時におけるいわゆるだれ落ちの心配はない。

そこで本発明は、上記試験結果に基づき、アスファルト
；石粉；珪灰石の重量配合比は２５〜４０％：５０〜７
０％、５〜２０％に設定した。ただ斜面勾配によっては
、その配合比に若干の変動があることも付記しておく。

いずれにしても上記配合比をもったアスファルトマスチ
ックによると、だれ落ちの心配なく施工することが可能
であった。

ちなみに公害要因となる従来のアスベストを添加した場
合、第１図から想定されるようにその添加量によって大
きく粘度が上昇し、きわめて施工性が困難となり、その
有害性と合わせて、アスベストに代わる珪灰石の有意性
が立証された。

次に施工後における安定性についての指標であるスロー
プフロー試験結果であるが、第２図で示す試験条件から
みて珪灰石の添加量を７〜１０％（重量比）に規制して
おけば前記フローコン試験に基づき設定した珪灰石の重
量比添加量５〜２０％の範囲内に納まり、なんら問題は
ないことが明らかである。

〔発明の効果〕

以上フローコン試験およびスロープフロー試験によって
立証されたように珪灰石を重量比で７〜１０％、好まし
くは５〜１５％に規制して添加しておくと、その施工性
は保持され、また施工後におけるだれ落ちによる遮水機
能の喪失といった心配もなく、安定した水密性を保持す
るアスファルトマスチックとして機能することができる
。

したがって、この発明によるアスファルトマスチックを
用いると、いわゆる発がん問題を含め公害問題は一挙に
解決され、しかも珪灰石は天然産物であってきわめてコ
スト的にも安く、従来のアスベストに比較して格段に有
意である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る改良アスファルトマスチックのフ
ローコン試験結果を示すグラフであり、第２図は同じく
スロープフロー試験結果を示すものである。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）加熱されたアスファルトと石粉と針状又は長柱状
   の珪灰石とを混合し、この混合物がペースト状となるま
   で再度加熱混練してなる貯水池等の遮水層に用いるアス
   ファルトマスチック。
2. （２）前記アスファルト：石粉：珪灰石の混合割合は、
   重量比において２５〜４０％：５０〜７０％：５〜２０
   ％とすることを特徴とする請求項１記載の遮水層に用い
   る改良アスファルトマスチック。