JPH0247063B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、充電された電極板を有する即用鉛蓄
電池を電解液を入れない状態で検査するための装
置に関する。

従来は、充電された電極板を有する電解液を入
れてない蓄電池において、電圧測定を行つて正確
な組立を決定しうるということは容易ではないと
考えられていた。同じ問題は、多数の素電池から
成る蓄電池、特に始動蓄電池の場合に提起され
る。これらの蓄電池は今日、充電状態にあるが、
電解液を含まずに多量の個数でストツクされる
が、各種の蓄電池にとつての正しい極性、極板の
正しい順序、シヨート及びその他の欠陥の不発生
は予め保証されていない。

欠陥の存在は、蓄電池が電解液を入れることに
よつて活性化された後で初めて明らかになる。該
欠陥は、例えば１個以上の素電池が逆転されてビ
ルトインされている場合には、2V、4V等だけ減
少した目標電圧として現われる。

正しくない極性は、自動車の電気装置の機能が
危険になる程激しい電圧降下を惹起しうる。この
ようなリスクは、購入後の顧客が自身で蓄電池に
電解液を入れ、引続く電圧テストをすることなく
自動車に取付けた後作動させる際に常に起つてい
る。

従つて本発明の基礎には、充電された乾燥スト
ツク可能の即用鉛蓄電池を申し分のない完成状態
を目指して検査可能にしかつ前記の危険な点を回
避するのに適当な装置を記載するという課題があ
る。

前記課題は本発明により、冒頭記載の装置にお
いて、該装置が完全蓄電池を構成する素電池のそ
れぞれにおける１組以上の正負電極の間に、接続
された前記電極の間のみにイオン伝導を供給する
ことのできる接続をつくる手段および接続された
電極の端子に電圧測定装置をあてるための手段か
ら成り、この際前記接続手段が連続的イオン伝導
を供給する電解液の含浸された材料を包含しかつ
前記の正負電極板にそれぞれ接触する端部を有
し、電解液含浸材料が毛管より成る剛毛体を有す
る剛毛様形成体の形をとり、毛管の上端部は毛管
相互を連絡する電解液容器中にはまり込んでお
り、下端部は正負電極に接触し、これによつて蓄
電池の極性、シヨートおよび開路を検査すること
のできる形式の鉛蓄電池の検査装置によつて解決
される。

充電された乾燥ストツク可能の数個の素電池よ
り成る蓄電池の存在する場合、電解液を入れた後
で初めて使用できる動作電圧は、すべての素電池
を同時に本発明による方法で処置して、２個以上
の反対極性の電極の間にその都度イオンを伝導す
る接続をつくると、端子で測定可能になる。

このためには、一方及び他方の種類の電極の表
面の分離した若干の個所を、電解液の含浸された
材料によつて相互に接触させかつ同材料内のイオ
ン伝導が接触個所の間の全道程にわたつて保持さ
れているように留意することだけが必要である。
他の伝導性を有する伝導部分、例えば電子伝導体
による接続は絶体に除外しなければならない。

実際には、電解液の含浸された灯心を使用する
ことができるが、このものは酸の汚染を回避する
ために最外端まで絶縁管でおおいかつ灯心の未端
を電池内に存在する少なくとも２個の反対極性の
電極のフレームの上側に載せる。この際両極性の
電極間の電気化学的電位差を電力なしに測定する
ことに成功する、それというのも諸研究が明らか
にしているように正電極のフレーム表面はその形
成時からすでにPbO₂で被覆されており、負電極
の物質ならびにフレームはともかく鉛より成りか
つ両フレームは唯イオン伝導的に橋絡されればよ
く、そのためには比較的少量の電解液で十分だか
らである。

充電された乾燥ストツク可能の蓄電池をこのよ
うにして検査すると、先ず第一に、イオン伝導の
接続がまだ使用されていない場合には素電池の極
に接続された真空管電圧計（デイジタル電圧計）
は、素電池が異常ない限り変動する電圧を有する
ことが確認される。素電池がシヨートしていると
電圧は変らずに零である。

灯心によるイオン伝導接続が十分に有効になつ
た場合には2Vを若干越える電池電圧が符号的に
正しく測定されうる。素電池が逆転されて組込ま
れていると、これは不正符号により判明する。

例えば本発明による電解液含浸材料を有する始
動蓄電池の全６個の素電池を負荷させると、異常
のない場合には12Vを若干越える正しい極性によ
る電圧が測定されうる。１個の素電池がシヨート
していれば10Vが測定されうる。シヨートのある
２個の素電池の場合には8V等が測定される。１
個の素電池が誤つて逆転されて組込まれている場
合には、同電池はその逆電圧によつて8Vの全電
圧を生じ、２個の素電池が誤つて組込まれると全
電圧は4V等である。

これに対して電圧が相変らず変動している場合
には電極又はコネクターにおける開路が原因とし
て考えられる。

蓄電池は乾燥ストツク時にはすでにカバーされ
ているので、電解液含浸材料は注入口によつて各
素電池に導入されなければならない。特に、毛管
より成る剛毛体を有し、毛管の上端が小さい電解
液容器中にはまり込んでいてすべての毛管が相互
に連絡しあつている刷毛様形成体によつて両極性
の電極板の接触を行なうのが有利である。

次に本発明を図面により説明する。第１図は下
方に向けられた多数の毛管又はカニユーレ３に続
く底部を有する電解液容器２、グリツプ４及びイ
オン伝導性電解液の入口管５より成る刷毛様形成
体１を示す。容器２及び毛管３は有利には容易に
成形可能の、耐化学性プラスチツクより製造され
ている。電解液は有利にはガラス綿等より成る弛
い巻玉６によつて十分に動かないように置かれて
いてよい。容器２はホルダ７によつて電池蓋の注
入口を介して定置される。

第２図は、本発明により配置された、刷毛様形
成体１がそれとして用いられるイオン電導接続を
有する３個の素電池から成る鉛蓄電池８を示す。

前方の電池のスケツチから、毛管３がこれらの
先端で極板ブロツク上に広がり、同時に上方に在
る格子フレームの上面、例えば最外負電極１０の
フレーム９上に突き当つている様子が認められ
る。同様にして毛管３は、極板ブロツクの中央に
あるすべての他の正負電極の全格子フレーム上に
広がることによつてすべての極板の間のイオン伝
導接続がつくられ、この接続によつてこれらの素
電池の極で限定された電圧を十分測定することが
できる。従つて酸電解液を電池に入れる必要はな
い。

本発明による装置は、測定された電圧値に基い
て「良好」および「不良」の決定のみを判定する
が、故障がどのような種類であるかまたは故障が
どこに局在するかという詳しい検査を許さない。

本発明による測定装置を組込むことのできる故
障基準に関してプログラミング可能な電気的装置
を適当に設計すると、欠陥の種類及び場所を確認
し、最後に記号化さえ行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるイオン伝導接続をつくる
刷毛様形成体の縦断面図であり、第２図は第１図
による刷毛様形成体を有する３個の素電池から成
る鉛蓄電池の斜視図である： １…刷毛様形成体、２…電解液容器、３…毛
管、９…格子フレーム、１０…最外負電極。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 充電された電極板を有する即用鉛蓄電池を電
   解液に入れない状態で検査する装置において、該
   装置が完全蓄電池を構成する素電池のそれぞれに
   おける１組以上の正負電極の間に、接続された前
   記電極の間のみにイオン伝導を供給することので
   きる接続をつくる手段および接続された電極の端
   子に電圧測定装置をあてるための手段から成り、 この際前記接続手段が連続的イオン伝導を供給
   する電解液の含浸された材料を包含しかつ前記の
   正負電極板にそれぞれ接触する端部を有し； 電解液含浸材料が毛管より成る剛毛体を有する
   刷毛様形成体の形をとり； 毛管の上端部は毛管相互を連絡する電解液容器
   中にはまり込んでおり、下端部は正負電極に接触
   し、 これによつて蓄電池の極性、シヨートおよび開
   路を検査することのできる形式の鉛蓄電池の検査
   装置。 ２ 極板が上部に格子フレームを有し、同フレー
   ムの表面に毛管の下端部が接触する特許請求の範
   囲第１項記載の装置。