JPH0246670Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は草花や野菜等を保護する園芸用ハウス
に関する。

露地で栽培される草花や野菜等に対して、雨避
けや日除けあるいは防寒のために幼苗をトンネル
状に形成した園芸用ハウス内で育成することがあ
る。このような園芸用ハウスは一般に、逆Ｕ字形
に弯曲された支柱の下端部を土中に差し込んで、
適宜に離隔して配設し、この支柱の上面に塩化ビ
ニル樹脂シートあるいは寒冷紗シートを被覆し
て、トンネル状に形成されて使用されるが、風で
吹き飛ばないように前記シートを支柱に強固に止
着したり、あるいは園芸作業や通風のためにシー
トを容易に巻き上げたりする必要がある。第１図
ないし第４図はこのようなシートの止着を示す従
来の園芸用ハウスであり、各図において、１は逆
Ｕ字形に弯曲されて配設された支柱であり、２は
この支柱１の上に被覆されたシートである。この
シート２の止着は第１図及び第２図の場合には、
土中に係止杭３，３……を適宜間隔で差し込ん
で、この係止杭３，３……にナイロン樹脂やゴム
等の紐４を掛け渡して、シート２の上面を押して
おり、又、第３図の場合には逆Ｕ字形に弯曲され
た止め棒５を土中に差し込み、支柱１，１……間
のシート２に上面から押圧しており、さらに第４
図の場合は内部に挾みばね６等が取り付けられた
短管状の押え金具７をシート上面から支柱１に嵌
着して行なつていた。しかしながら、第１図及び
第２図の園芸用ハウスでは、紐４が引張状態で掛
け渡されるため、係止杭３が土中から抜け易く、
一本でも係止杭３が抜けると紐４が弛んでシート
２が開放状態となつて幼苗の保護ができないと共
に、ハウスの組立作業にも熟練を要するという欠
点があつた。又、第３図の園芸用ハウスにおいて
も、支柱の外に止め棒５が必要であり、価格が高
騰すると共に、シートを押えつける力を充分に、
かつ均等となるように止め棒を土中に差し込むの
が難しいという欠点があり、さらには、第４図の
場合には、多数の押え金具７の取り付け及び取り
外しに時間を要し、気候に応じたシートの交換作
業が面倒であつた。従つて、いずれの園芸用ハウ
スにおいても、組立が難しく、その作業に時間を
要するものであり、実用的なものではなかつた。

本考案はこのようなシートの止着を容易に、し
かも確実に行なうことによつて、上記従来の欠点
を除去したものであり、逆Ｕ字形に弯曲された支
柱の上面に長手方向の溝が形成されると共に、該
支柱の左右の端部近辺に夫々、少なくとも一の係
止孔が開設されており、この支柱にシートが被覆
せしめられ、前記支柱の弯曲度よりも大径となる
ように逆Ｕ字形に弯曲され且つばね性が附与され
たバンドが該シートの上面から前記支柱の溝内に
挿入されると共に、該バンドの両端部から内方に
折り曲げて突出させた係止片が前記支柱の係止孔
内に挿入されてシートを止着することを特徴とし
ている。

以下、本考案の一実施例を第５図ないし第１１
図を参照して、具体的に説明する。

第５図は本考案に用いられる支柱１１の正面図
であり、この支柱１１は逆Ｕ字形に弯曲されて、
両端部１１ａ，１１ａが土中に差し込まれるよう
になつている。その支柱１１はアルミニウム合
金、合成樹脂、鋼材等の素材で形成されるが、上
面には長手方向に溝１２が形成されると共に、両
端部１１ａ，１１ａ近傍には第７図に示すような
係止孔１３が夫々開設されている。前記溝１２は
支柱１１の上面を長手方向に削成して形成するこ
ともできるが、第６図イ及びロに示すように、パ
イプ材の中央部を押圧して没入せしめて形成して
もよく、この方が支柱１１の強度を高めることが
できると共に、成形が容易である。又、係止孔１
３は各端部に適宜の間隔で複数開設して、支柱の
高さに応じてシートを止着するようにしてもよ
い。このように形成された支柱１１は両端部が土
中に差し込まれて適宜の間隔で配設され、このよ
うに配設された支柱の上面には塩化ビニル樹脂、
寒冷紗等の長尺なシートが被覆せしめられる。そ
して、このシート上面にはバンド１４が取着され
て、シートを上面から止着するようになつてい
る。このバンド１４は第８図に示すように、逆Ｕ
字形に弯曲されてばね性が附与された鋼線材等か
ら形成され、好ましくはこの鋼線材に合成樹脂管
が外挿されたり、塗料が塗布されて防錆処理がな
されたものを使用することができ、前記支柱１１
の溝１２内に挿入されるようになつている。又、
この弯曲度は前記支柱の弯曲度よりも大径となる
ように形成されており、支柱に取着された際には
適度のばね力でシートを押圧するようになつてい
る。このバンド１４の両端部は共に外方に弯曲１
５されると共に、この弯曲部１５，１５からは内
方に折り曲げられた係止片１６，１６が突出して
おり、この係止片１６，１６が前記支柱１１の係
止孔１３，１３内に挿入されて、係着するように
なつている。

このように構成された本実施例によつて園芸用
ハウスを組み立てるには、第９図に示すように支
柱１１の両端部を土中に差し込み、シート１７を
被覆して、各支柱１１の溝１２内に夫々、バンド
１４を挿入し、バンド１４の係止片１６を係止孔
１３内に挿入することによつて行なわれる。この
挿入により、係止片１６は第８図に示す実線の状
態から鎖線の状態のように移動して係止孔との係
着が確実に行なわれる。従つて、組み立てに時間
を要することなく、熟練も必要ないから、園芸用
ハウスの組み立てが容易となると共に、シートは
バンドによつて確実に止着されるから風等によつ
て吹き飛ばされることもない。又、園芸作業や通
風のために、シートの一部を巻き上げる場合にも
第１０図に示すように、一部のバンド１４を取り
外すだけで可能であり、シートの他の部分はバン
ドによつて止着されているから、ハウスが崩れる
こともなく、園芸作業が容易となるばかりでな
く、幼苗が成長して、ハウスの丈を上げる場合に
も、第１１図のように支柱１１を土中から適宜抜
き上げるだけで、シート１７及びバンド１４も同
時に移動するから、シート及びバンドを取り外し
て再度取り付ける手間が省け、その作業が容易に
なる。

このように、本考案によると、構造が簡単で安
価であり且つ組み立てが容易で、しかもシートの
止着が確実であると共に、園芸作業にも支障のな
い園芸用ハウスを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は従来例の斜視図、第５図
は本考案の一実施例の支柱の正面図、第６図イ，
ロはそのＡ−Ａ線断面図、第７図は第５図の要部
の断面図、第８図はバンドの一例の正面図、第９
図は組み立て状態の正面図、第１０図及び第１１
図は園芸作業を示す斜視図及び正面図である。 １１……支柱、１２……溝、１３……係止孔、
１４……バンド、１６……係止片、１７……シー
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 逆Ｕ字形に弯曲された支柱の上面に長手方向の
   溝が形成されると共に、該支柱の左右の端部近辺
   に夫々少なくとも一の係止孔が開設されており、
   この支柱にシートが被覆せしめられ、前記支柱の
   弯曲度よりも大径となるように逆Ｕ字形に弯曲さ
   れ且つばね性が附与されたバンドが該シートの上
   面から前記支柱の溝内に挿入されると共に、該バ
   ンドの両端部から内方に折り曲げて突出させた係
   止片が前記支柱の係止孔内に挿入されてシートを
   止着することを特徴とする園芸用ハウス。