JPH0246268B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はカートリツジ式のコーキングガンに係
る。

本明細書においては、「ピストン」という用語
を往復運動する円板を意味するものとして使用す
る。

カートリツジ式のコーキングガンは多種類のも
のが公知であり、これらは標準寸法の交換自在の
カートリツジを使用する構造をもつ。この種のコ
ーキングガンでは、カートリツジの後方からカー
トリツジに導入される圧縮空気によつてカートリ
ツジ内の物質がカートリツジから放出される。着
脱自在のカートリツジでは、その交換がしばしば
複雑で時間がかかるのが問題となる。公知のコー
キングガンでは、カートリツジの先端がパツキン
を強く押圧しなければならず、このパツキンの密
封性が充分でなければ、圧縮空気がカートリツジ
のまわりに流れ、パツキンを通過して、放出され
た物質の中に混り込む危険がある。

ヨーロツパ特許出願第52060号は、カートリツ
ジとシーリング板を受容するホルダよりなるコー
キングガンを開示している。このシーリング板
は、カートリツジがホルダの前端に押当てられて
いる時は、カートリツジの後端開口部に押圧され
て前述の後端開口部を閉じるように構成されてい
る。シーリング板はホルダの前端に向かう方向に
バネによつて常時付勢され、さらにこのピストン
は、一部はシリンダ内に、他の一部はこのシリン
ダ内に同軸的に固定されたボルトに交換可能式に
軸方向に取付けられている。このボルトの頭部は
ホルダの前端へ向かうピストンの運動を規制する
ために使用され、さらにピストンがこの頭部に当
接すると、シリンダの内部からボルトの周囲へ至
る圧縮空気の通路を閉じるが、ボルトとピストン
の間には通例ではすきまがある。さらに、コーキ
ングガンが使用状態になく、その上にカートリツ
ジが置かれていない時にはシリンダ内の圧力はそ
れ程高くなく、従つてシリンダの内側に密封式に
当接するピストンの周縁舌状部をシリンダとの係
合を離れて前方に折れ曲げる。

本発明の目的は、カートリツジの装着から作動
への操作を迅速かつ容易に行い得るカートリツジ
式のコーキングガンを提供することにある。

本発明によれば、前記目的は、カートリツジ式
のコーキングガンであつて、ハンドル部と、前記
ハンドル部に着脱自在に取付けられており、カー
トリツジを保持する保持手段と、前記カートリツ
ジと同軸的に前記ハンドルに設けられた空気ピス
トンシリンダと、前記空気ピストンシリンダのピ
ストンにピストンロツドを介して同軸的に連結さ
れており、前記カートリツジを前記保持手段に向
かつて押すと同時に前記カートリツジの開口部を
密封する円板と、前記ピストンロツドの中に設け
られており、前記円板が前記カートリツジの開口
部を密封した際に前記カートリツジの開口部と前
記空気ピストンシリンダの圧縮空気の流入室とを
連通する通路と、前記通路に設けられており、前
記圧縮空気の流入室内の圧縮空気の圧力を減圧す
る減圧機構とを備えるコーキングガンによつて達
成される。

本発明によれば、空気ピストンシリンダのピス
トンにピストンロツドを介して同軸的に連結され
た円板が、ピストンロツドの移動に応じてカート
リツジをカートリツジの保持手段に向かつて押す
と同時にカートリツジの開口部を密封し、通路に
設けられた減圧機構を介して空気ピストンシリン
ダの圧縮空気の流入室の圧縮空気をカートリツジ
の開口部に導入を行い得、カートリツジの装着か
ら作動への操作を迅速かつ容易に行い得る。

本発明に係るハンドル部としては、ピストンロ
ツドが中心部を貫通するフランジ部を有するのが
よく、本発明に係る保持手段としては、後端部に
フランジ部に係合する板状部を有するのがよく、
当該板状部はピストンロツドを受容する凹部を有
するのがよい。これにより、カートリツジを保持
する保持手段の交換を迅速かつ容易に行い得る。

以下、添付図面を参照して本発明をさらに詳し
く説明する。

第１図のコーキングガン１は、ハンドル部とし
てのホルダ取付部３に着脱自在式に取付けられた
保持手段としてのホルダ２を含んでいる。ホルダ
２は、例えばコーキング用の詰め物の如き物質を
中に含むカートリツジ４を収容し得る構造になつ
ている。カートリツジ４は、カートリツジ４に固
定される小形ノズル（図示せず）上に着脱自在式
に固定された種々の形状の放出ノズル５を含む公
知の型式のものである。カートリツジ４は、種々
の形状の交換可能の本体として簡単に図示されて
いる。この本体内には、ピストンプレート（図示
せず）が収容されている。このピストンプレート
は、ノズル５の方向への前進の際、カートリツジ
４内の物質をノズル５を介して押出す。ホルダ２
の前部は、カートリツジ４へのノズル５の取付け
を可能ならしめる任意の適当な形状の半径方向に
配向した板状部６を含む。ホルダ２の後部は、第
２図に背面図で示した半径方向に配向した板状部
７を含んでいる。ホルダ２はさらに、その各々の
側に長手方向に伸長する２本のロツド９（第１図
にはその１本のみを示した）と、ロツド９間に横
断方向に伸長する支持部８を含んでいる。支持部
８はカートリツジ４に適合する形状を有してお
り、本具体例では、断面が半円弧状である。支持
部８は、断面が円形であつてもよい。また、支持
部８は、ホルダ２に配置されたカートリツジ４が
実質的にホルダ２の中心軸と同軸的に支持される
ように形状付けられるのがよい。

ホルダ取付部３は、ハウジング１１と、ハウジ
ング１１に連結されたハンドル１０（第３図）と
を含む。ハウジング１１の前部は、前部でフラン
ジ１３を支持するスリーブ１２を含む。スリーブ
１２とこれに結合するフランジ１３とは、スリー
ブ１２がホルダ２の板状部７と共働しうるように
寸法決定されている。従つて、ホルダ２は、板状
部７をスリーブ１２に取付けることによつてホル
ダ取付部３上に着脱自在に固定することができ、
スリーブ１２は板状部７内の適切な凹部３９内に
受容される。板状部７（第２図）はさらにホルダ
２がスリーブ１２と同軸的に固定されるように寸
法決定されている。ハウジング１１の前壁１４と
フランジ１３との間の軸方向距離はホルダ２の板
状部７がその間に摩擦的に固定されるよう、適正
に定められる。第１図では、この距離は簡明のた
め少々誇張して示されている。

第３図に示すように、ハウジング１１の空洞１
６内には、駆動ピストン１５が移動自在に収容さ
れている。駆動ピストン１５は、空洞１６の断面
と同一形状をもち、環状シーリング部材１７によ
つて空洞１６の壁と密封式に摺接している。駆動
ピストン１５は、ハウジング１１の前壁１４及び
スリーブ１２を通つて同軸式に摺動可能式に延伸
するピストンロツド１８に固定されている。ピス
トンロツド１８は、ハウジング１１の反対側に円
錐台形の円板としてのシーリング板１９を有して
おり、ピストン１９の錐面部は好ましくはゴムの
密封部２０により形成される。密封部２０は円状
の板２１と、円形フランジ２３をもつ締付スリー
ブ２２との間で締付けられる。締付スリーブ２２
と円状の板２１はねじを用いて結合される。ハウ
ジング１１と、ピストン１５と、ピストンロツド
１８とは、本発明に係る空気ピストンシリンダを
構成する。空洞１６は、本発明に係る空気ピスト
ンシリンダの圧縮空気の流入室を構成する。

シーリング板１９は、密封部２０の傾斜円錐面
２４がカートリツジ４の後端開口部の内周縁と共
働しうるように寸法決定されている。適当な押圧
によつて、傾斜円錐面２４はカートリツジ４の後
端開口部を完全に密封することによつて閉じる。
さらに、駆動ピストン１５は、傾斜円錐面２４
が、標準型カートリツジ４の範囲内で変わりうる
種々の直径のカートリツジ４と共働しうるように
寸法決定されている。

駆動ピストン１５、ピストンロツド１８及びシ
ーリング板１９には、通路２５が貫通しており、
通路２５は、駆動ピストン１５、スリーブ１２及
びシーリング板１９と同軸的に延伸している。ピ
ストンロツド１８の内部において、通路２５は減
圧機構としての減圧弁３１を含む空洞２６をも
つ。減圧弁３１は、圧縮バネ２８によつて環状シ
ーリング部材２９に押圧される弁体２７を含む。
減圧弁３１の各部を固定するため、バネ２８は、
摩擦によつてピストンロツド１８の空洞２６内に
保持される円板３０を用いてピストンロツド１８
の空洞２６の定位置に保持されている。第３図に
示すように、ピストンロツド１８はねじによりシ
ーリング板１９に固定されている。

ケーシング１１の後部には、空洞１６から延長
している通路３２が設けられている。放出弁３４
を含む導管３３を介して、通路３２はハンドル１
０の下部に配置された接続口３５に接続される。
接続口３５はコーキングガンの圧縮空気導管３６
（第１図）への結合を可能にする。圧縮空気導管
３６は適当な圧縮空気源と連結される。放出弁３
４は引金３７によつて作動し、使用者がこの引金
３７を動かすと、駆動ピストン１５とハウジング
１１の後壁３８の間の空洞１６に導管３３を介し
て圧縮空気が導かれる。

コーキングガンを使用したいと所望する時、カ
ートリツジ４をホルダ２内に配置し、その後使用
者は圧縮空気を空洞１６に送る通路を開くため引
金３７を押す。空洞１６内の圧縮空気はまず駆動
ピストン１５を駆動し、従つて密封部２０がカー
トリツジ４の背面の内縁に封止式に衝止するま
で、シーリング板１９を軸方向に前進させる。空
洞１６への圧縮空気の流入が続くと、空洞１６の
内圧は圧縮バネ２８の圧縮力にさからつて弁体２
７を移動させ減圧弁３１を開成する。つまり圧縮
空気が通路２５を通つてカートリツジ４の中に達
する。さらに、空洞１６への圧縮空気の流入が続
くと、圧縮空気はピストンプレートの背後からカ
ートリツジ４に入り、ピストンプレートは押し進
められて、カートリツジ４の内部の物質を押出
す。

駆動ピストン１５及び減圧弁３１は、シーリン
グ板１９がカートリツジ４に衝止して初めて減圧
弁３１が圧縮空気を導通させるように相互的に寸
法を決められている。従つてシーリング板１９は
確実に密封式にカートリツジ４の後端開口部を閉
じる。カートリツジ４はこの工程の間ホルダ２の
板状部６に対し押当てられている。

以上、好ましい一具体例について本発明を説明
したが、勿論数多くの変形を本発明の範囲内で行
つてもよい。ホルダ２は例えば種々の形状であつ
てもよく、またコーキングガンの他の部分に永久
的に固定してもよい。従つてホルダ２はカートリ
ツジ４のための樋形状であつてもよい。但し重要
な特徴は、カートリツジ４がシーリング板１９に
対して常に正確な位置決めを確保されていなくと
も、シーリング板１９を用いてカートリツジ４の
自動的な正確な位置決めが行われるように、ホル
ダ２内で僅かに傾斜しうることである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のコーキングガンの一具体例の
説明図、第２図はホルダの後部板状部の背面図、
第３図はハンドル部の拡大概略断面図である。 １……コーキングガン、２……ホルダ、３……
ホルダ取付部、４……カートリツジ、５……放出
ノズル、６，７……板状部、１０……ハンドル、
１１……ハウジング、１５……駆動ピストン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カートリツジ式のコーキングガンであつて、
   ハンドル部と、前記ハンドル部に着脱自在に取付
   けられており、カートリツジを保持する保持手段
   と、前記カートリツジと同軸的に前記ハンドルに
   設けられた空気ピストンシリンダと、前記空気ピ
   ストンシリンダのピストンにピストンロツドを介
   して同軸的に連結されており、前記カートリツジ
   を前記保持手段に向かつて押すと同時に前記カー
   トリツジの開口部を密封する円板と、前記ピスト
   ンロツドの中に設けられており、前記円板が前記
   カートリツジの開口部を密封した際に前記カート
   リツジの開口部と前記空気ピストンシリンダの圧
   縮空気の流入室とを連通する通路と、前記通路に
   設けられており、前記圧縮空気の流入室内の圧縮
   空気の圧力を減圧する減圧機構とを備えるコーキ
   ングガン。 ２ 前記円板が、円錐台形部を有する特許請求の
   範囲第１項に記載のコーキングガン。 ３ 前記ハンドル部は、前記ピストンロツドが中
   心部を貫通するフランジ部を有しており、前記保
   持手段は、前記フランジ部に係合する板状部を有
   しており、前記板状部は前記ピストンロツドを受
   容する凹部を有している特許請求の範囲第１項又
   は第２項に記載のコーキングガン。