JPH0246140Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、料金カードの挿入または硬貨の蓄積
等により、通話料の収納が可能な状態となつたと
き、交換機に対する直流ループの閉成を行ない、
発呼の可能な状態とする公衆電話機の改良に関す
るものである。

〔従来技術〕

従来のかゝる公衆電話機においては、オフフツ
ク後に、通話料の収納が可能な状態となつたとき
直流ループの閉成を行ない、ダイヤル発信による
発呼を許容するものとなつているが、該ダイヤル
または被呼者の話中等により再発呼を行なう際
は、一旦オンフツクを行なうと、直流ループの開
放と共に挿入中の料金カードまたは蓄積中の硬貨
をすべて返却するため、再度料金カードの挿入ま
たは硬貨の投入を行なわねばならず、利用者によ
る取扱いが面倒となる欠点を生じている。

この対策としては、再発呼用のスイツチを設
け、これの操作により直流ループの開放および閉
成のみを行なうものとした手段が用いられている
ものゝ、一般に公衆電話機では、警察、消防署等
に対する緊急通報用のスイツチも設けてあり、こ
れの操作に応じて無料発信を許容するものとなつ
ているため、スイツチの誤操作を生じ易いと共
に、スイツチ数の増加により部品点数および収容
スペースが大となり、価格の上昇および大形化を
招来する等の欠点を生ずる。

〔考案の概要〕

本考案は、従来のかゝる欠点を一挙に解消する
目的を有し、オフフツク後に料金カードの挿入ま
たは硬貨の投入を行なつたうえ、オンフツクおよ
びオフフツクを行なえば、料金カードまたは硬貨
の返却を行なわず、自動的に直流ループの開放お
よび閉成を行ない、交換機を一旦復旧させてから
再捕捉を行なうものとし、再発呼用のスイツチを
不要とした極めて効果的な公衆電話機を提供する
ものである。

〔実施例〕

以下、実施例を示す図によつて本考案の詳細を
説明する。

第１図は、磁気式の料金カードを用いる場合に
例を取つた全構成のブロツク図であり、交換機か
らの線路が接続される線路端子L₁，L₂に対し、
呼出信号の到来を検出する着信検出部１、リレー
接点l_pを有するループ制御部２、被呼者の応答に
基づく転極信号および課金信号を検出する信号検
出部３、ダイヤル回路４を介して通話回路５が接
続されており、接点l_pのオンにより交換機に対す
る直流ループが閉成され、ダイヤル回路４による
ダイヤル信号の送出および、通話回路５へ接続さ
れた送受器６による通話が行なわれるものとなつ
ている。

一方、マイクロプロセツサ等のプロセツサおよ
びメモリ等からなる制御部７、料金カードの収
容、返却、記録された通話度数の読取りおよび、
未使用通話度数の再記録等を行なうカードユニツ
ト８、フツクスイツチ９、押ボタンダイヤルおよ
び各種機能スイツチを有する操作部１０、料金カ
ードの記録通話度数および通話に応じて減算され
た未使用通話度数等の表示を行なう文字表示器等
を備えた表示部１１が設けてあり、これらは、交
流電源ACを整流のうえ安定化する電源部１２か
らの直流電源Ｅにより動作するものとなつてい
る。

また、制御部７には、各検出部１，３、カード
ユニツト８、フツクスイツチ９および操作部１０
からの出力が与えられており、これらに応じてプ
ロセツサがメモリ中のプログラムを実行し、必要
とするデータをメモリへアクセスしながら制御動
作を行ない、ループ制御部２、ダイヤル回路４、
通話回路５、カードユニツト８および表示部１１
を制御するものとなつている。

第２図Ａ，Ｂは、制御部７による制御状況のフ
ローチヤートであり、フツクスイツチ９からのオ
フフツク情報に応じて“START”し、“イニシ
ヤライズ”１０１により初期状態を設定してか
ら、カードユニツト８に対する料金カードの挿入
がなされ“カード挿入？”１０２がYESとなれ
ば、これの記録度数を読取り、“残度数あり？”
１０３のYESに応じ、通話料の収納が可能な状
態と判断し、“ループ閉成処理”１０４によりル
ープ制御部２へ指令を与えて接点l_pをオンとし、
直流ループの閉成を行なつたうえ、操作部１０の
操作にしたがつてダイヤル回路４を制御する“ダ
イヤル処理”１０５によりダイヤル発信を行な
い、フツクスイツチ９からの情報に応じて“オン
フツク？”１０６を判断し、これのNOを前提と
して信号検出部３の出力に基づき“被呼者応
答？”１０７を判断する。

被呼者の応答により転極信号が与えられ、ステ
ツプ１０７がYESとなれば、料金カードより読
取つた残度数から１通話度数の減算を行ない、残
余の末使用度数を更新記録する“カード度数減算
処理”１０８を行なつたうえ、ステツプ１０６と
同様に“オンフツク？”１０９を判断し、これの
NOを前提として信号検出部３の出力に基づき
“課金信号受信？”１１０を判断し、これがYES
になると、料金カードの“残度数０？”１１１が
NOであることを前提としてステツプ１０８以降
を反復する。

また、オンフツクがなされ、ステツプ１０６ま
たは１０９がYESとなれば、プロセツサ中に構
成される“オンフツクタイマー・セツト”１２１
によりこれをスタートさせ、フツクスイツチ９か
らの情報に応じて“オフフツク？”１２２を判断
し、これのNOおよび“オンフツクタイマー・タ
イムアツプ？”１２３のNOを介してステツプ１
２２と１２３とを反復し、ステツプ１２３が
YESになれば、ループ開放処理”１２４により
ループ制御部２の接点l_pをオフとし、直流ループ
を開放のうえ、カードユニツト８を制御して“カ
ード返却処理”１２５を行ない、料金カードを排
出した後、ステツプ１２２と同様の“オンフツ
ク？”１２６がYESとなれば、“END”へ至つて
待機状態へ移行する。

以上に対し、オンフツクによるステツプ１０６
または１０９のYESによいで、オフフツクがな
されてステツプ１２２がYESとなれば、“ループ
開放処理”１３１へ移行し、ループ制御部２の接
点l_pをオフとして直流ループを開放のうえ、プロ
セツサ中へ構成される“再捕捉タイマー・セツ
ト”１３２によりこれをスタートさせ、“再捕捉
タイマー・タイムアツプ？”１３３がNOの期間
中に交換機を復旧させてから、ステツプ１３３の
YESに応じてステツプ１０４へ移行し、接点l_pを
オンとして直流ループを閉成し交換機を再捕捉の
うえ、再発呼を自在とする。

したがつて、最初のオフフツク後にオンフツク
およびオフフツクがなされ、オンフツクの期間が
オンフツクタイマーにより定められる所定時間末
満のフツキングであれば、交換機が復旧する時間
以上として再捕捉タイマーにより定められた一定
時間のみ直流ループの開放がなされ、料金カード
が返却されないまゝ再発呼が行なえるものとな
る。

なお、ステツプ１１１のYESではステツプ１
２４へ、ステツプ１０３のNOではステツプ１２
５へ直ちに移行し、通話の阻止が行なわれる。

第３図は、再発呼を行なうためのフツキングを
示すタイミングチヤートであり、最初のオフフツ
クOFH₁の後、オンフツクONH₁がなされたう
え、オンフツクタイマーの設定時間toを経過する
以前にオフフツクOFH₂が行なわれゝば、再発呼
が自在となるのに対し、オンフツクONH₂が設定
時間to以上にわたつて行なわれると、完全に直流
ループが開放される。

たゞし、料金カードのみを使用する場合のほ
か、硬貨のみを使用する場合、または、硬貨およ
び料金カードを併用する場合にも本考案を適用で
きると共に、第１図の構成は条件に応じた選定が
任意であり、第２図においては、状況にしたがつ
てステツプの入替え、または、不要なステツプの
省略ができる等、種々の変形が自在である。

〔考案の効果〕

以上の説明により明らかなとおり本考案によれ
ば、特に再発呼スイツチを設けることなく、フツ
キングにより再発呼が自在となり、料金カードの
再挿入または硬貨の再投入が不要となるため、該
操作の防止および部品点数の減少による低価格化
ならびに小形化が実現し、各種の公衆電話機にお
いて多大な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は全構成の
ブロツク図、第２図Ａ，Ｂは制御状況を示すフロ
ーチヤート、第３図はフツキングを示すタイミン
グチヤートである。 ２……ループ制御部、４……ダイヤル回路、５
……通話回路、６……送受器、７……制御部、８
……カードユニツト、９……フツクスイツチ、１
０……操作部、L₁，L₂……線路端子、l_p……リレ
ー接点。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 通話料の収納が可能な状態となつたとき交換機
   に対する直流ループの閉成を行なう公衆電話機に
   おいて、オフフツク後のオンフツクに応じてスタ
   ートするオンフツクタイマーと、該タイマーがタ
   イムアツプする以前のオフフツクに応じて前記直
   流ループを開放する手段と、該開放時間を規制し
   て前記交換機を復旧させたうえ再度前記直流ルー
   プの閉成を行なわせ前記交換機の再捕捉を行なう
   再捕捉タイマーとを備えたことを特徴とする公衆
   電話機。