JPH0245517B2 - - Google Patents
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Landscapes
- Drying Of Solid Materials (AREA)
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Description
本発明は下水汚泥、し尿汚泥、その他各種産業
で生ずる泥状含水材料、特に、粘着性の強い材料
の乾燥を省エネルギー的かつ高能率に行なうため
の乾燥機の運転制御方法に関するものである。 一般に下水やし尿処理場、廃水処理場などから
発生する汚泥は適当な脱水機例えばベルトプレ
ス、フイルタプレス、遠心脱水機などで機械的に
脱水されてケーキ状となる。その含水率は約60〜
90%であり、このようなものを未処理のまま処分
することは公害防止の面から見て大いに問題であ
る。 汚泥の処分手段としては減容効果、臭気、衛生
面からしても乾燥・焼却処理が最も有効な方法で
あり今後更に進められていくであろう。このほか
有害物質が規制限度以下と認められたものについ
ては乾燥物として、あるいは含水率を乾燥によつ
て調節した上でコンポスト化したものを農地還元
する方法も有力である。 しかし、以上の方法も現在の乾燥技術では充分
とは言えず、汚泥の乾燥や焼却には常に燃費、臭
気の発生、粉塵の発生といつた問題がつきまと
う。 一般に、汚泥ケーキは含水率が高いので都市ご
みと違つて多くの場合助燃材として重油を消費す
る。比較的含水率の低いものでは炉内で発生する
高温の燃焼ガスを利用して炉の投入側を乾燥帯と
して有効に利用し自燃を可能にした例もある。し
かし乾燥帯はあくまで炉の一部を形成している性
質上構造的、機能的にさまざまな制約を受ける。
その結果必ずしも乾燥プロセスの管理が万全でな
くなり乾燥効率の低下や臭気、粉塵の発生を避け
ることがない。 多段炉やロータリーキルンでは燃焼帯で発生す
る700〜900℃の高温ガスと汚泥ケーキが直接接触
し乾燥が行なわれる。そのとき発生するガス成分
には蒸発した水分のほかに、汚泥が含んでいた悪
臭成分、加えて高温にさらされた汚泥中の有機物
の分解による悪臭成分や除去しにくいコゲ臭など
が含まれる。また、このようにして乾燥帯を通過
した燃焼ガスは温度降下して300℃程度となり、
悪臭成分の燃焼分解効果は全く望めない。つまり
悪臭の発生点と高温ガスの発生点が逆に位置して
いるためにこのような結果となるのである。従つ
て排ガスは再び重油を用いて直火燃焼脱臭を行な
うか、不充分な点を我慢して薬液洗浄を行なうか
しなければならず結局は運転費増大につながる。 流動炉は排ガスの臭気濃度が比較的低いといわ
れているが、これは排ガスの温度が700℃前後と
高いので、一種の直火燃焼脱臭の効果を持つため
である。しかし熱収支的にみても排ガス温度が高
い分多くの燃料を使つているので、燃費が増大す
ることは明らかである。 そこで必要となるのが、燃焼排ガスの持つエネ
ルギーを有効に回収できかつ二次公害の少ない乾
燥機である。 従来排ガスのエネルギーを回収して乾燥をする
ために多く用いられてきた機種の主なものを示す
と次の二種類である。 一つは回転撹拌乾燥機と呼ばれるもので、本体
は横型回転円筒体で内面にリフターを持ち、これ
によつて掻き上げられた材料を、本体に貫通した
軸にアームを持つ回転解枠機によつて打撃小粒化
し、熱風と直接接触するタイプである。 この装置の運転制御方法は、乾燥排ガス温度を
200℃前後に維持するよう供給する熱風の温度を
調節するというものであるが、その構造は第1図
に示すようなもので、回転円筒体は直径に比して
長さはその3〜5倍であり、材料の軸方向の混合
は殆どなく、いわゆる押出し流れにより材料が移
動する。 すなわち、第1図において21は回転円筒体、
22は回転解枠機、23はケーキ投入口、24は
熱風導入口、25は排ガス排出口、26は乾燥物
排出口をそれぞれ示しているが、材料の含水率、
粘着性、流動性及び温度が回転円筒体21の軸方
向に沿つて大きな分布を持つ、という重大な問題
点がある。 この回転撹拌乾燥機では排ガス温度を制御指標
としているので、機内に存在する材料の乾燥状態
を忠実にかつ即時的に知ることができず、装置の
安全な運転を維持するためには乾燥製品の含水率
は付着性のない粉末となるくらいに低く保たなけ
ればならない。冷風のリークによる排ガス温度降
下も、乾燥効率向上による温度降下も、熱風温度
低下による温度降下も温度降下という点では、原
因が異なつていてもすべて結果は同じである。 また、通常の制御は経済的に得られた熱風温度
や材料供給量などの運転条件で行なうが、径に比
べて軸長が長いので外乱に対応して熱風温度を変
化させてもその応答は遅く、制御結果は脈動とな
つて現われる。 しかして、乾燥理論によれば熱風温度は高い
程、材料含水率は高い程乾燥速度は大きくなる。
回転撹拌乾燥機は入口部では含水率が高く熱風温
度も高いのに対し、出口側ではいずれも低い。に
もかかわらず安定に運転するには効率の悪い出口
側に余裕を持たさなければならないが、これは装
置規模の増大という無駄につながる。 排ガス温度もそれ程下げて運転することもでき
ず当然品温も上昇し熱分解、炭火、着火、粉塵の
発生が起り、熱効率にも限界がある。 このような諸欠点は回転撹拌乾燥機の構造上宿
命的な性質、つまり入口から出口へかけて材料の
含水率に大きな分布を持ち、また排ガス温度とい
う材料の状態に直接関係のない量を制御指標とし
ている性質のために生じるのである。 回転撹拌乾燥機以外ののもう一つの機種として
は中空スクリユー内部に熱媒やスチームを通し、
材料をスクリユーによつて撹拌移送しつつ加熱乾
燥するという間接加熱型乾燥機と呼ばれるものが
ある。 この型式の乾燥機では発生する乾燥排ガスが少
ないので脱臭等の排ガス処理が大変有利である。
しかしボイラーや熱交換器を必要としたり、温度
差の小さい伝導伝熱型であるので広い伝熱面積を
必要とし、装置が大型化するなどの欠点を持つて
いる。また材料の流れも回転撹拌乾燥機と同じよ
うに押出し流れであり材料含水率の分布も大きい
問題点もある。さらに、スクリユーの回転数は遅
く撹拌、解砕効果は弱いのでいきなり入口部に高
含水率の材料を投入することができない。従つて
乾燥製品の一部を戻して含水率を40〜50%に調整
して付着性を弱めなくてはならない。なお、特殊
なものではスクリユーに特別な工夫をして付着物
をけずり落とすようにしたものもある。 上記従来の2種類の乾燥機はいずれも、付着な
どの心配が伴わないで得られる乾燥製品の含水率
は10〜30%であり、30〜60%のものを安定かつ連
続的に排出することは不可能である。これは前に
も述べたように乾燥機内部の材料の状態忠実に把
握できる計画制御を行なつていないし、できない
構造だからである。 含水率が30〜60%の乾燥物が必要な場合が多く
ある。例えば焼却において含水率が低くて固形物
の発熱量が高い場合には、炉温が高くなりすぎ炉
壁の損傷や灰の熔融付着などの問題を起すので二
次空気を入れて冷却する必要がある。これにより
排ガス量は増大し、炉の運転にとつては不利であ
る。それにより含水率が、したがつて発熱量が適
当な材料を焼却すれば炉温も適当なものとなり、
水の潜熱で冷却されるので排ガス量の増加量は少
なくてすむ。 一般に汚泥は含水率が低い程付着性は減少し、
ある含水率以下では撹拌装置の作用で細かい粉塵
を発生する。しかし含水率を30%以上とすると発
生する粉塵は急激に少なくなる。 含水率の高い材料は表面が蒸発が盛んに起るの
でその温度は低く保たれる。従つて熱分解や炭化
が起らず、薬液洗浄程度では除去しにくいコゲ臭
の発生もないのである。 無添加で汚泥のコンポスト化をする場合には含
水率を乾燥によつて調節する必要がある。この場
合60%くらいが望ましいが、全量を60%まで乾燥
する場合と、一部を低含水率に乾燥して未乾燥汚
泥と混合する場合がある。 一般に水処理汚泥はタンパク質を多く含む。低
含水率にまで乾燥することによつて品温が上昇
し、タンパク質は熱変成して微生物分解性は劣
り、炭化物やタール等の抗生物性の物質も生成す
るのでコンポストには向かない。このような場合
には含水率をあまり低くせず、品温を上げないで
生物分解性を保たなければならない。 乾燥効率という面からみても、含水率がある程
度高く、乾燥速度の大きいうちに排出した方が有
利である。例えば含水率が85%の汚泥を40%にし
た場合と20%にした場合では乾燥によつて揮散す
る水の量は固形物1Kg当り前者で5Kg後者で5.4
である。つまり含水率では40%と20%という大き
な差があるように見えても、飛ばす水の量は殆ど
変わらないのである。 しかし含水率40%から20%へ乾燥するには、乾
燥理論からいつてどんどん乾燥速度が低くなる方
向へ変化していくために、ほんのわずかな水の量
を飛ばすだけなのに大きな装置容積と高い熱風温
度を必要とするのである。しかし含水率を40%で
安定排出できるなら装置規模は大きく減少する。 以上のように乾燥物の含水率をあまり低くせず
に排出することは多くの利点を持つている。 本発明は、以上のような従来装置の持つ多くの
欠点を排除し省エネルギー的で高能率な乾燥を行
なうことができる。乾燥機の運転制御方法を提供
するものである。 すなわち本発明は、乾燥装置として第2図に示
すような竪型円筒状の乾燥室1内に水平方向に回
転する撹拌羽根21を有する撹拌機構2を配備す
ると共に、前記乾燥室1底部もしくは乾燥室1側
壁下部に泥状物aの供給口及び熱風bの導入口を
配備し、前記乾燥室1上方に排ガスb′の排気口及
び、乾燥物a′の排出口に連なる溢流堰13を設け
た熱風乾燥装置を使用し、特定の条件下で乾燥処
理を行なうものであつて、泥状物aを竪型円筒状
の乾燥室1内に導入し、該乾燥室1内部に鉛直方
向に設けた回転軸22に連結された撹拌羽根21の
回転によつて転動造粒せしめつつ熱風乾燥するも
のであり、前記回転軸22の軸トルクを検出し、
これが設定トルク値を超えたときに前記泥状物a
の導入を停止し、設定トルク値を下回つたときに
前記泥状物aの導入を開始することを特徴とする
泥状物の乾燥方法である。 以下、本発明の実施に使用する乾燥装置につい
て第3図に従つて詳細に説明する。 竪型円筒状の乾燥室1内に鉛直回転軸22に水
平方向に回転可能な撹拌羽根21を上、中、下3
段にかつ互いに直交するように取付けて構成した
撹拌機構2が配設されている。乾燥室1の底板に
は、ピストンポンプまたはスネークポンプなどの
圧送装置5に連なる泥状物の供給管6が該底板の
中心点に関して対称的に2本分岐して(3本以上
としてもよい)かつ鉛直方向に接続されている
が、供給管6は乾燥室1の側壁下部に接続しても
よい。乾燥室1の側壁下部にはブロワ7に連なる
熱風導入管8が該側壁に対して接線方向かつ水平
方向に接続されているが、乾燥室1の底板に接続
してもよい。さらに、前記側壁上方には乾燥物排
出管14が下方に傾斜して接続されている。上記
撹拌羽根21は駆動機3によりギヤボツクス4を
介して回転される。 図中9はロータリダンパなどの気密型の排出装
置、10は乾燥物の排出口、11は乾燥排ガスの
排気管、12は熱風炉(又は熱交換器)、13は
乾燥物を乾燥物排出管14に導出するための溢流
堰、15はトルク変換器、16は増幅器、17は
計測制御装置である。 なお、供給管6は図のように乾燥室1の底板
に、かつその中心部に関して対称的に複数設ける
と共に、熱風導入管8は乾燥室1の側壁下部に、
上記底板の中心部に関して対称的にかつ上記側壁
に対して接線方向に複数設けるのが特に望まし
い。 上記撹拌羽根21は、図のように羽根板上面の
傾斜角度を水平方向に対して5〜30゜とすること
が望ましく、2枚の羽根板をその回転軸について
互いに反対側に組み合わせた2枚羽根型のものが
最適である。羽根板の形状については図示例では
平板としてあるが、曲面板でもよい。撹拌羽根2
1は上下方向に多段に40mm以上の間隔をあけて設
けること、羽根板の長手方向の先端部の周速は
0.5〜5m/secとなるように設計・運転すること
が好ましい。 乾燥室1の形状は、竪型円筒状で溢流堰13上
端の高さが直径の2倍以下であるものが良い。こ
れは、内部の泥状物が撹拌羽根21によつて上下
にも良く混合されるためである。良い混合によつ
て従来型のような入口部、出口部での含水率の大
きなへだたりをなくし、なるべく均一な含水率と
することによつて粘着性の強い高含水率域と粉末
化する低含水率域をなくし、最も望ましい領域で
運転することができる。 これを第1図によつて具体的に説明すると、従
来の回転撹拌乾燥機では大きく分けると材料の移
動方向に沿つて、材料の粘着性が大で流動性があ
る領域A、材料の粘着性が小で塑性を示す領域B
及び材料に粘着性がなく粉末化する領域Cの3つ
の領域が存在するのに対し、本発明では領域B内
のみにおいて乾燥処理を行なうようにしてある。 しかして、泥状物は圧送装置5により供給管6
を経て乾燥室1に供給され、熱風はブロワ7によ
り熱風導入管8を経て乾燥室1に導入される。 乾燥室1内に入つた泥状物は乾燥されつつ撹拌
羽根21の作用によつて一種の強制転動造粒作用
を受け、丸味のある直径3〜15mmくらいの粒状物
になる。乾燥室1に入つたばかりの含水率の高い
泥状物は、撹拌羽根21の作用によりすでに粒状
となつた乾燥物の表面に薄く平均的に付着すると
共に粒子表面はある程度湿潤し、これによりダス
トの発生及び品温の上昇も抑制され、水分蒸発速
度は常に最高の状態に保たれる。表面に乾燥物が
付着・成長して大粒径となつた粒子は、ある時点
で2分割あるいは3分割され、乾燥物の粒径範囲
は泥状物の性質と撹拌羽根21の周速によつて定
まる値で平衡状態となる。 上記粒子群は、撹拌羽根21によつて乾燥室側
壁に沿つた円運動をするとともに、外周側が最も
周速が速いため側壁側で上昇、中心部で下降とい
う対流運動を行なう。このため、乾燥室1内での
混合性は良好で含水率むらは極めて少ない。 しかして、泥状物の供給量に見合つた量の乾燥
造粒物は、溢流堰13をこえ乾燥物排出管14を
経て、連続的にあるいはロータリダンパによつて
断続的に排出される。このように、泥状物を乾燥
室1内下方に供給し上方から溢流排出することに
よつて、乾燥室1内の泥状物・乾燥物の充填密度
を高くとることができ、したがつて乾燥装置を小
型化することができる。 前述のように熱風は側壁下部に接線方向に設け
ダクトから導入することが望ましいが、これは、
乾燥室1内での熱風と泥状物の接触時間を最大限
にとることができ、撹拌羽根21と同じ方向の熱
風旋回流とすることによつて、熱風導入部の泥状
物による閉塞を防ぎ、熱風のシヨートパスを防ぐ
ことができるからである。 また、泥状物の供給は乾燥室1の底部から行な
うようにするのがよいことを述べたが、これは、
底部から供給することによつて乾燥物排出管14
への未乾燥物のシヨートパスを防ぐことができ、
供給管6から出た泥状物は、最下段の撹拌羽根の
剪断力によつて小さく切りとられ、供給管6を多
数本に分岐したのと同じように、泥状物の乾燥室
1内での速やかな均一分散を可能にすることがで
きるからである。このような操作は泥状物をパイ
プ輸送することによつて容易なものとなる。 しかして、回転軸22のトルクはトルク変換器
15によつて電気信号となり増幅器16、計測制
御装置17を経て制御出力となる。 本発明では材料の供給は間欠的に行なわれるの
で、回転軸22のトルクは材料の供給→含水率上
昇→トルク増大、材料供給停止→乾燥物の含水率
低下、トルク減少という挙動を示すことになる。 計測制御装置17の機能は、図示例のように任
意に設定したトルク値と実測値を比較し、設定値
を超えると圧送装置5を停止し、下回ると再び圧
送を開始するというものが簡単で良い。このほか
トルク値の増大、減少の曲線の傾きを設定値とす
ることもできる。また、更に良い制御を望むなら
任意の値に設定したトルク値を維持するよう供給
装置駆動機の回転数を連続的に制御すれば良い。 前記オン・オフ制御の場合、供給量が0か1か
という極端な制御となりトルク値が大きく脈動す
る場合には、常にある所定量は供給しておきオン
時の時更にこれに上乗せする方法もよい。例えば
オフのとき0.5、オンのとき1というようにであ
る。 乾燥機の熱的なバランスを常に良好な状態に維
持することは、材料の含水率変動、熱風の温度変
動などもあつて難しく、本発明の場合にも導入さ
れる熱風によつて揮散される水とまつたく同量の
水に相当する泥状物を供給することは実際上不可
能である。むしろ供給する泥状物は少し多い目に
なるよう供給装置を設定しておき、供給によつて
少しづつ機内泥状物の含水率を故意に増やしてト
ルクを増大させてオフ信号を出させて供給を停止
し、再び乾燥によつてトルクを下げて供給を開始
するという運転の方が、条件の変動に強く安定な
制御結果が得られる。すなわち、本発明において
は前記圧送装置5の供給能力は、入口熱風条件と
熱収支的に平衡する量を超えたものとするのが好
ましい。 トルクの設定値は泥状物の種類により実験的に
決定されるものである。設定値を高くすると得ら
れる乾燥物の含水率は高くなり低くすれば含水率
は低くなるので、適宜のトルク値に設定すること
によつて粉塵の発生を大幅に抑制することができ
る。 次に、第3図に示した竪型熱風乾燥装置を用い
て行なつた本発明の実施例を示す。なお、運転条
件及び結果などならびに従来の回転撹拌乾燥機に
関する一般的データを下表にまとめて示した。使
用した泥状物試料は、し尿低希釈活性汚泥法の余
剰汚泥を有機高分子凝集剤を添加してベルトプレ
スで脱水して得たケーキである。
で生ずる泥状含水材料、特に、粘着性の強い材料
の乾燥を省エネルギー的かつ高能率に行なうため
の乾燥機の運転制御方法に関するものである。 一般に下水やし尿処理場、廃水処理場などから
発生する汚泥は適当な脱水機例えばベルトプレ
ス、フイルタプレス、遠心脱水機などで機械的に
脱水されてケーキ状となる。その含水率は約60〜
90%であり、このようなものを未処理のまま処分
することは公害防止の面から見て大いに問題であ
る。 汚泥の処分手段としては減容効果、臭気、衛生
面からしても乾燥・焼却処理が最も有効な方法で
あり今後更に進められていくであろう。このほか
有害物質が規制限度以下と認められたものについ
ては乾燥物として、あるいは含水率を乾燥によつ
て調節した上でコンポスト化したものを農地還元
する方法も有力である。 しかし、以上の方法も現在の乾燥技術では充分
とは言えず、汚泥の乾燥や焼却には常に燃費、臭
気の発生、粉塵の発生といつた問題がつきまと
う。 一般に、汚泥ケーキは含水率が高いので都市ご
みと違つて多くの場合助燃材として重油を消費す
る。比較的含水率の低いものでは炉内で発生する
高温の燃焼ガスを利用して炉の投入側を乾燥帯と
して有効に利用し自燃を可能にした例もある。し
かし乾燥帯はあくまで炉の一部を形成している性
質上構造的、機能的にさまざまな制約を受ける。
その結果必ずしも乾燥プロセスの管理が万全でな
くなり乾燥効率の低下や臭気、粉塵の発生を避け
ることがない。 多段炉やロータリーキルンでは燃焼帯で発生す
る700〜900℃の高温ガスと汚泥ケーキが直接接触
し乾燥が行なわれる。そのとき発生するガス成分
には蒸発した水分のほかに、汚泥が含んでいた悪
臭成分、加えて高温にさらされた汚泥中の有機物
の分解による悪臭成分や除去しにくいコゲ臭など
が含まれる。また、このようにして乾燥帯を通過
した燃焼ガスは温度降下して300℃程度となり、
悪臭成分の燃焼分解効果は全く望めない。つまり
悪臭の発生点と高温ガスの発生点が逆に位置して
いるためにこのような結果となるのである。従つ
て排ガスは再び重油を用いて直火燃焼脱臭を行な
うか、不充分な点を我慢して薬液洗浄を行なうか
しなければならず結局は運転費増大につながる。 流動炉は排ガスの臭気濃度が比較的低いといわ
れているが、これは排ガスの温度が700℃前後と
高いので、一種の直火燃焼脱臭の効果を持つため
である。しかし熱収支的にみても排ガス温度が高
い分多くの燃料を使つているので、燃費が増大す
ることは明らかである。 そこで必要となるのが、燃焼排ガスの持つエネ
ルギーを有効に回収できかつ二次公害の少ない乾
燥機である。 従来排ガスのエネルギーを回収して乾燥をする
ために多く用いられてきた機種の主なものを示す
と次の二種類である。 一つは回転撹拌乾燥機と呼ばれるもので、本体
は横型回転円筒体で内面にリフターを持ち、これ
によつて掻き上げられた材料を、本体に貫通した
軸にアームを持つ回転解枠機によつて打撃小粒化
し、熱風と直接接触するタイプである。 この装置の運転制御方法は、乾燥排ガス温度を
200℃前後に維持するよう供給する熱風の温度を
調節するというものであるが、その構造は第1図
に示すようなもので、回転円筒体は直径に比して
長さはその3〜5倍であり、材料の軸方向の混合
は殆どなく、いわゆる押出し流れにより材料が移
動する。 すなわち、第1図において21は回転円筒体、
22は回転解枠機、23はケーキ投入口、24は
熱風導入口、25は排ガス排出口、26は乾燥物
排出口をそれぞれ示しているが、材料の含水率、
粘着性、流動性及び温度が回転円筒体21の軸方
向に沿つて大きな分布を持つ、という重大な問題
点がある。 この回転撹拌乾燥機では排ガス温度を制御指標
としているので、機内に存在する材料の乾燥状態
を忠実にかつ即時的に知ることができず、装置の
安全な運転を維持するためには乾燥製品の含水率
は付着性のない粉末となるくらいに低く保たなけ
ればならない。冷風のリークによる排ガス温度降
下も、乾燥効率向上による温度降下も、熱風温度
低下による温度降下も温度降下という点では、原
因が異なつていてもすべて結果は同じである。 また、通常の制御は経済的に得られた熱風温度
や材料供給量などの運転条件で行なうが、径に比
べて軸長が長いので外乱に対応して熱風温度を変
化させてもその応答は遅く、制御結果は脈動とな
つて現われる。 しかして、乾燥理論によれば熱風温度は高い
程、材料含水率は高い程乾燥速度は大きくなる。
回転撹拌乾燥機は入口部では含水率が高く熱風温
度も高いのに対し、出口側ではいずれも低い。に
もかかわらず安定に運転するには効率の悪い出口
側に余裕を持たさなければならないが、これは装
置規模の増大という無駄につながる。 排ガス温度もそれ程下げて運転することもでき
ず当然品温も上昇し熱分解、炭火、着火、粉塵の
発生が起り、熱効率にも限界がある。 このような諸欠点は回転撹拌乾燥機の構造上宿
命的な性質、つまり入口から出口へかけて材料の
含水率に大きな分布を持ち、また排ガス温度とい
う材料の状態に直接関係のない量を制御指標とし
ている性質のために生じるのである。 回転撹拌乾燥機以外ののもう一つの機種として
は中空スクリユー内部に熱媒やスチームを通し、
材料をスクリユーによつて撹拌移送しつつ加熱乾
燥するという間接加熱型乾燥機と呼ばれるものが
ある。 この型式の乾燥機では発生する乾燥排ガスが少
ないので脱臭等の排ガス処理が大変有利である。
しかしボイラーや熱交換器を必要としたり、温度
差の小さい伝導伝熱型であるので広い伝熱面積を
必要とし、装置が大型化するなどの欠点を持つて
いる。また材料の流れも回転撹拌乾燥機と同じよ
うに押出し流れであり材料含水率の分布も大きい
問題点もある。さらに、スクリユーの回転数は遅
く撹拌、解砕効果は弱いのでいきなり入口部に高
含水率の材料を投入することができない。従つて
乾燥製品の一部を戻して含水率を40〜50%に調整
して付着性を弱めなくてはならない。なお、特殊
なものではスクリユーに特別な工夫をして付着物
をけずり落とすようにしたものもある。 上記従来の2種類の乾燥機はいずれも、付着な
どの心配が伴わないで得られる乾燥製品の含水率
は10〜30%であり、30〜60%のものを安定かつ連
続的に排出することは不可能である。これは前に
も述べたように乾燥機内部の材料の状態忠実に把
握できる計画制御を行なつていないし、できない
構造だからである。 含水率が30〜60%の乾燥物が必要な場合が多く
ある。例えば焼却において含水率が低くて固形物
の発熱量が高い場合には、炉温が高くなりすぎ炉
壁の損傷や灰の熔融付着などの問題を起すので二
次空気を入れて冷却する必要がある。これにより
排ガス量は増大し、炉の運転にとつては不利であ
る。それにより含水率が、したがつて発熱量が適
当な材料を焼却すれば炉温も適当なものとなり、
水の潜熱で冷却されるので排ガス量の増加量は少
なくてすむ。 一般に汚泥は含水率が低い程付着性は減少し、
ある含水率以下では撹拌装置の作用で細かい粉塵
を発生する。しかし含水率を30%以上とすると発
生する粉塵は急激に少なくなる。 含水率の高い材料は表面が蒸発が盛んに起るの
でその温度は低く保たれる。従つて熱分解や炭化
が起らず、薬液洗浄程度では除去しにくいコゲ臭
の発生もないのである。 無添加で汚泥のコンポスト化をする場合には含
水率を乾燥によつて調節する必要がある。この場
合60%くらいが望ましいが、全量を60%まで乾燥
する場合と、一部を低含水率に乾燥して未乾燥汚
泥と混合する場合がある。 一般に水処理汚泥はタンパク質を多く含む。低
含水率にまで乾燥することによつて品温が上昇
し、タンパク質は熱変成して微生物分解性は劣
り、炭化物やタール等の抗生物性の物質も生成す
るのでコンポストには向かない。このような場合
には含水率をあまり低くせず、品温を上げないで
生物分解性を保たなければならない。 乾燥効率という面からみても、含水率がある程
度高く、乾燥速度の大きいうちに排出した方が有
利である。例えば含水率が85%の汚泥を40%にし
た場合と20%にした場合では乾燥によつて揮散す
る水の量は固形物1Kg当り前者で5Kg後者で5.4
である。つまり含水率では40%と20%という大き
な差があるように見えても、飛ばす水の量は殆ど
変わらないのである。 しかし含水率40%から20%へ乾燥するには、乾
燥理論からいつてどんどん乾燥速度が低くなる方
向へ変化していくために、ほんのわずかな水の量
を飛ばすだけなのに大きな装置容積と高い熱風温
度を必要とするのである。しかし含水率を40%で
安定排出できるなら装置規模は大きく減少する。 以上のように乾燥物の含水率をあまり低くせず
に排出することは多くの利点を持つている。 本発明は、以上のような従来装置の持つ多くの
欠点を排除し省エネルギー的で高能率な乾燥を行
なうことができる。乾燥機の運転制御方法を提供
するものである。 すなわち本発明は、乾燥装置として第2図に示
すような竪型円筒状の乾燥室1内に水平方向に回
転する撹拌羽根21を有する撹拌機構2を配備す
ると共に、前記乾燥室1底部もしくは乾燥室1側
壁下部に泥状物aの供給口及び熱風bの導入口を
配備し、前記乾燥室1上方に排ガスb′の排気口及
び、乾燥物a′の排出口に連なる溢流堰13を設け
た熱風乾燥装置を使用し、特定の条件下で乾燥処
理を行なうものであつて、泥状物aを竪型円筒状
の乾燥室1内に導入し、該乾燥室1内部に鉛直方
向に設けた回転軸22に連結された撹拌羽根21の
回転によつて転動造粒せしめつつ熱風乾燥するも
のであり、前記回転軸22の軸トルクを検出し、
これが設定トルク値を超えたときに前記泥状物a
の導入を停止し、設定トルク値を下回つたときに
前記泥状物aの導入を開始することを特徴とする
泥状物の乾燥方法である。 以下、本発明の実施に使用する乾燥装置につい
て第3図に従つて詳細に説明する。 竪型円筒状の乾燥室1内に鉛直回転軸22に水
平方向に回転可能な撹拌羽根21を上、中、下3
段にかつ互いに直交するように取付けて構成した
撹拌機構2が配設されている。乾燥室1の底板に
は、ピストンポンプまたはスネークポンプなどの
圧送装置5に連なる泥状物の供給管6が該底板の
中心点に関して対称的に2本分岐して(3本以上
としてもよい)かつ鉛直方向に接続されている
が、供給管6は乾燥室1の側壁下部に接続しても
よい。乾燥室1の側壁下部にはブロワ7に連なる
熱風導入管8が該側壁に対して接線方向かつ水平
方向に接続されているが、乾燥室1の底板に接続
してもよい。さらに、前記側壁上方には乾燥物排
出管14が下方に傾斜して接続されている。上記
撹拌羽根21は駆動機3によりギヤボツクス4を
介して回転される。 図中9はロータリダンパなどの気密型の排出装
置、10は乾燥物の排出口、11は乾燥排ガスの
排気管、12は熱風炉(又は熱交換器)、13は
乾燥物を乾燥物排出管14に導出するための溢流
堰、15はトルク変換器、16は増幅器、17は
計測制御装置である。 なお、供給管6は図のように乾燥室1の底板
に、かつその中心部に関して対称的に複数設ける
と共に、熱風導入管8は乾燥室1の側壁下部に、
上記底板の中心部に関して対称的にかつ上記側壁
に対して接線方向に複数設けるのが特に望まし
い。 上記撹拌羽根21は、図のように羽根板上面の
傾斜角度を水平方向に対して5〜30゜とすること
が望ましく、2枚の羽根板をその回転軸について
互いに反対側に組み合わせた2枚羽根型のものが
最適である。羽根板の形状については図示例では
平板としてあるが、曲面板でもよい。撹拌羽根2
1は上下方向に多段に40mm以上の間隔をあけて設
けること、羽根板の長手方向の先端部の周速は
0.5〜5m/secとなるように設計・運転すること
が好ましい。 乾燥室1の形状は、竪型円筒状で溢流堰13上
端の高さが直径の2倍以下であるものが良い。こ
れは、内部の泥状物が撹拌羽根21によつて上下
にも良く混合されるためである。良い混合によつ
て従来型のような入口部、出口部での含水率の大
きなへだたりをなくし、なるべく均一な含水率と
することによつて粘着性の強い高含水率域と粉末
化する低含水率域をなくし、最も望ましい領域で
運転することができる。 これを第1図によつて具体的に説明すると、従
来の回転撹拌乾燥機では大きく分けると材料の移
動方向に沿つて、材料の粘着性が大で流動性があ
る領域A、材料の粘着性が小で塑性を示す領域B
及び材料に粘着性がなく粉末化する領域Cの3つ
の領域が存在するのに対し、本発明では領域B内
のみにおいて乾燥処理を行なうようにしてある。 しかして、泥状物は圧送装置5により供給管6
を経て乾燥室1に供給され、熱風はブロワ7によ
り熱風導入管8を経て乾燥室1に導入される。 乾燥室1内に入つた泥状物は乾燥されつつ撹拌
羽根21の作用によつて一種の強制転動造粒作用
を受け、丸味のある直径3〜15mmくらいの粒状物
になる。乾燥室1に入つたばかりの含水率の高い
泥状物は、撹拌羽根21の作用によりすでに粒状
となつた乾燥物の表面に薄く平均的に付着すると
共に粒子表面はある程度湿潤し、これによりダス
トの発生及び品温の上昇も抑制され、水分蒸発速
度は常に最高の状態に保たれる。表面に乾燥物が
付着・成長して大粒径となつた粒子は、ある時点
で2分割あるいは3分割され、乾燥物の粒径範囲
は泥状物の性質と撹拌羽根21の周速によつて定
まる値で平衡状態となる。 上記粒子群は、撹拌羽根21によつて乾燥室側
壁に沿つた円運動をするとともに、外周側が最も
周速が速いため側壁側で上昇、中心部で下降とい
う対流運動を行なう。このため、乾燥室1内での
混合性は良好で含水率むらは極めて少ない。 しかして、泥状物の供給量に見合つた量の乾燥
造粒物は、溢流堰13をこえ乾燥物排出管14を
経て、連続的にあるいはロータリダンパによつて
断続的に排出される。このように、泥状物を乾燥
室1内下方に供給し上方から溢流排出することに
よつて、乾燥室1内の泥状物・乾燥物の充填密度
を高くとることができ、したがつて乾燥装置を小
型化することができる。 前述のように熱風は側壁下部に接線方向に設け
ダクトから導入することが望ましいが、これは、
乾燥室1内での熱風と泥状物の接触時間を最大限
にとることができ、撹拌羽根21と同じ方向の熱
風旋回流とすることによつて、熱風導入部の泥状
物による閉塞を防ぎ、熱風のシヨートパスを防ぐ
ことができるからである。 また、泥状物の供給は乾燥室1の底部から行な
うようにするのがよいことを述べたが、これは、
底部から供給することによつて乾燥物排出管14
への未乾燥物のシヨートパスを防ぐことができ、
供給管6から出た泥状物は、最下段の撹拌羽根の
剪断力によつて小さく切りとられ、供給管6を多
数本に分岐したのと同じように、泥状物の乾燥室
1内での速やかな均一分散を可能にすることがで
きるからである。このような操作は泥状物をパイ
プ輸送することによつて容易なものとなる。 しかして、回転軸22のトルクはトルク変換器
15によつて電気信号となり増幅器16、計測制
御装置17を経て制御出力となる。 本発明では材料の供給は間欠的に行なわれるの
で、回転軸22のトルクは材料の供給→含水率上
昇→トルク増大、材料供給停止→乾燥物の含水率
低下、トルク減少という挙動を示すことになる。 計測制御装置17の機能は、図示例のように任
意に設定したトルク値と実測値を比較し、設定値
を超えると圧送装置5を停止し、下回ると再び圧
送を開始するというものが簡単で良い。このほか
トルク値の増大、減少の曲線の傾きを設定値とす
ることもできる。また、更に良い制御を望むなら
任意の値に設定したトルク値を維持するよう供給
装置駆動機の回転数を連続的に制御すれば良い。 前記オン・オフ制御の場合、供給量が0か1か
という極端な制御となりトルク値が大きく脈動す
る場合には、常にある所定量は供給しておきオン
時の時更にこれに上乗せする方法もよい。例えば
オフのとき0.5、オンのとき1というようにであ
る。 乾燥機の熱的なバランスを常に良好な状態に維
持することは、材料の含水率変動、熱風の温度変
動などもあつて難しく、本発明の場合にも導入さ
れる熱風によつて揮散される水とまつたく同量の
水に相当する泥状物を供給することは実際上不可
能である。むしろ供給する泥状物は少し多い目に
なるよう供給装置を設定しておき、供給によつて
少しづつ機内泥状物の含水率を故意に増やしてト
ルクを増大させてオフ信号を出させて供給を停止
し、再び乾燥によつてトルクを下げて供給を開始
するという運転の方が、条件の変動に強く安定な
制御結果が得られる。すなわち、本発明において
は前記圧送装置5の供給能力は、入口熱風条件と
熱収支的に平衡する量を超えたものとするのが好
ましい。 トルクの設定値は泥状物の種類により実験的に
決定されるものである。設定値を高くすると得ら
れる乾燥物の含水率は高くなり低くすれば含水率
は低くなるので、適宜のトルク値に設定すること
によつて粉塵の発生を大幅に抑制することができ
る。 次に、第3図に示した竪型熱風乾燥装置を用い
て行なつた本発明の実施例を示す。なお、運転条
件及び結果などならびに従来の回転撹拌乾燥機に
関する一般的データを下表にまとめて示した。使
用した泥状物試料は、し尿低希釈活性汚泥法の余
剰汚泥を有機高分子凝集剤を添加してベルトプレ
スで脱水して得たケーキである。
【表】
【表】
上表のうち本発明法によるデータは、回転軸の
トルクを10Kg・mに設定し、設定値を超えたら試
料の供給を停止し、設定値を下回つたら供給を開
始するというオン・オフ制御をした場合のもので
あるが、このような軸トルクに基づく制御法を用
いず運転する場合には排ガス温度と乾燥室内の泥
状物層内状況の目視(ダストの発生や団塊の発
生)によることになる。しかし、排ガス温度は第
3図に示す装置の乾燥機構の特徴により、熱風温
度と湿度から求まる湿球温度になつているため、
殆ど変化がない(変化幅は2〜3℃程度)。従つ
て、このような微少な変化を制御指標とすること
は困難である。また、ダストの発生等も良い情報
とはなるが、計測制御の指標とするにはこれにふ
さわしい計測器がなく、現状では採用できない。 排ガス温度と前記層内の状況を監視しながら操
作員がつきつきりで運転したところ、製品含水率
は45〜63%とばらつき、製品の粒径も30mmを超え
るほどの大きいものから粉末まで含まれダストも
多く発生した。これは人の目視という不正確さか
らきたもので、回転軸トルクと違つて即時性を持
たない指標では望ましい運転は困難であつた。 しかして、第4図は上記運転例における軸トル
クの経時変化を示したものであり、軸トルクが10
Kg・mを超えると供給装置はオフとなるが、その
後しばらくトルクは上昇する。これは層内で泥状
物が分散しているためと考えられる。再びトルク
は低下してきて10Kg・mを下回ると供給が開始さ
れる。このときもトルクは更に低下をする。。以
上がトルクの制御結果である。 上表によれば、第3図に示すような構造の熱風
乾燥装置を回転軸のトルクを制御指標として用い
て自動運転することにより、従来装置に比べて装
置容積、重油使用量が大幅に節減され、排ガス臭
気温度も低減できることがわかる。そして、得ら
れた乾燥製品は転動造粒によつて緻密で丸味のあ
る平均4mmの粒状であり、これを直ちにドラム缶
を改造した通気可能な容器に入れ通気したところ
約20時間後に73℃に達し、容易にコンポスト化で
きることが実証された。 以上のように本発明によれば、従来方法・装置
の欠点を排除し、簡単な構造の装置で効率良く、
省エネルギー的に粘着性泥状物の乾燥を行なうこ
とができ、含水率が均一な、緻密で丸味のある粒
状乾燥物を安定して得ることができ、粉塵の発生
ならびに悪臭の発生も抑制され、その後の乾燥物
の処理の負担を大幅に軽減し得るなど多大の実益
が得られるものである。
トルクを10Kg・mに設定し、設定値を超えたら試
料の供給を停止し、設定値を下回つたら供給を開
始するというオン・オフ制御をした場合のもので
あるが、このような軸トルクに基づく制御法を用
いず運転する場合には排ガス温度と乾燥室内の泥
状物層内状況の目視(ダストの発生や団塊の発
生)によることになる。しかし、排ガス温度は第
3図に示す装置の乾燥機構の特徴により、熱風温
度と湿度から求まる湿球温度になつているため、
殆ど変化がない(変化幅は2〜3℃程度)。従つ
て、このような微少な変化を制御指標とすること
は困難である。また、ダストの発生等も良い情報
とはなるが、計測制御の指標とするにはこれにふ
さわしい計測器がなく、現状では採用できない。 排ガス温度と前記層内の状況を監視しながら操
作員がつきつきりで運転したところ、製品含水率
は45〜63%とばらつき、製品の粒径も30mmを超え
るほどの大きいものから粉末まで含まれダストも
多く発生した。これは人の目視という不正確さか
らきたもので、回転軸トルクと違つて即時性を持
たない指標では望ましい運転は困難であつた。 しかして、第4図は上記運転例における軸トル
クの経時変化を示したものであり、軸トルクが10
Kg・mを超えると供給装置はオフとなるが、その
後しばらくトルクは上昇する。これは層内で泥状
物が分散しているためと考えられる。再びトルク
は低下してきて10Kg・mを下回ると供給が開始さ
れる。このときもトルクは更に低下をする。。以
上がトルクの制御結果である。 上表によれば、第3図に示すような構造の熱風
乾燥装置を回転軸のトルクを制御指標として用い
て自動運転することにより、従来装置に比べて装
置容積、重油使用量が大幅に節減され、排ガス臭
気温度も低減できることがわかる。そして、得ら
れた乾燥製品は転動造粒によつて緻密で丸味のあ
る平均4mmの粒状であり、これを直ちにドラム缶
を改造した通気可能な容器に入れ通気したところ
約20時間後に73℃に達し、容易にコンポスト化で
きることが実証された。 以上のように本発明によれば、従来方法・装置
の欠点を排除し、簡単な構造の装置で効率良く、
省エネルギー的に粘着性泥状物の乾燥を行なうこ
とができ、含水率が均一な、緻密で丸味のある粒
状乾燥物を安定して得ることができ、粉塵の発生
ならびに悪臭の発生も抑制され、その後の乾燥物
の処理の負担を大幅に軽減し得るなど多大の実益
が得られるものである。
第1図は従来の回転撹拌乾燥機の縦断面図、第
2図は本発明の実施に使用する竪型熱風乾燥装置
の概略断面図、第3図は本発明の実施例に使用し
た竪型熱風乾燥装置の部分断面図、第4図はこの
実施例における軸トルクの経時変化を示すグラフ
である。 1…乾燥室、2…撹拌機構、21…撹拌羽根、
22…回転軸、3…駆動機、4…ギヤボツクス、
5…圧送装置、6…供給管、7…ブロワ、8…熱
風導入管、9…排出装置、10…排出口、11…
排気管、12…熱風炉(又は熱交換器)、13…
溢流堰、14…乾燥物排出管、15…トルク変換
器、16…増幅器、17…計測制御装置。
2図は本発明の実施に使用する竪型熱風乾燥装置
の概略断面図、第3図は本発明の実施例に使用し
た竪型熱風乾燥装置の部分断面図、第4図はこの
実施例における軸トルクの経時変化を示すグラフ
である。 1…乾燥室、2…撹拌機構、21…撹拌羽根、
22…回転軸、3…駆動機、4…ギヤボツクス、
5…圧送装置、6…供給管、7…ブロワ、8…熱
風導入管、9…排出装置、10…排出口、11…
排気管、12…熱風炉(又は熱交換器)、13…
溢流堰、14…乾燥物排出管、15…トルク変換
器、16…増幅器、17…計測制御装置。
Claims (1)
- 1 竪型円筒状乾燥室内に、鉛直回転軸に撹拌羽
根を水平方向に、かつ多段に付設した撹拌機構を
設け、泥状物及び熱風を前記乾燥室底部または乾
燥室側壁下部より導入し、前記撹拌羽根の回転に
よつて泥状物を転動造粒せしめつつ乾燥し、該乾
燥物を前記乾燥室上方部から溢流排出する乾燥方
法であつて、前記鉛直回転軸の軸トルクを検出
し、これが設定トルク値を越えたときに前記泥状
物の導入を停止し、設定トルク値を下回つたとき
に前記泥状物の導入を開始することを特徴とする
泥状物の乾燥方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58107920A JPS60900A (ja) | 1983-06-17 | 1983-06-17 | 泥状物の乾燥方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58107920A JPS60900A (ja) | 1983-06-17 | 1983-06-17 | 泥状物の乾燥方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60900A JPS60900A (ja) | 1985-01-05 |
JPH0245517B2 true JPH0245517B2 (ja) | 1990-10-09 |
Family
ID=14471394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58107920A Granted JPS60900A (ja) | 1983-06-17 | 1983-06-17 | 泥状物の乾燥方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60900A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0253017U (ja) * | 1988-10-08 | 1990-04-17 | ||
JPH04276713A (ja) * | 1991-03-04 | 1992-10-01 | Nakanishi Opt:Kk | 眼鏡部品とその製造方法 |
JP2013185332A (ja) * | 2012-03-07 | 2013-09-19 | Penta Ocean Construction Co Ltd | 撹乱ピートの流動性管理装置及び該装置を使用した固化処理土の製造方法 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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