JP2011246657A - 高炉用コークスの製造方法 - Google Patents

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Hironaga Inamasu
裕修 稲益
Takashi Yoshihara
孝 吉原
Akira Saito
彰 斉藤
Kazuya Izumi
一也 和泉
Hiroshi Miyamoto
博司 宮本
Tomohiro Sato
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Abstract

【課題】下水汚泥等の汚泥を高炉用コークスの一原料として有効利用できると共に、原料炭のみにより製造された高炉用コークスと比較して、得られる高炉用コークスのコークス強度を同等又はそれ以上にすることができる高炉用コークスの製造方法を提供すること。
【解決手段】下水汚泥等の汚泥を乾燥し、この乾燥の前後又は途中に造粒して乾燥造粒汚泥とし、この乾燥造粒汚泥を原料炭と混合し、この混合物をコークス炉に供給して乾留する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉用コークスの製造方法に関する。さらに詳しくは、下水汚泥等の汚泥を利用した高炉用コークスの製造方法に関する。
近年、COの削減や資源の有効利用の観点から、化石燃料の代替資源として、カーボンニュートラルであるバイオマスが注目されている。バイオマスとは、地球生物圏の物質循環系に組み込まれた生物体又は生物体から派生する有機物の集積をいい、農業系、林業系、畜産系水産系、廃棄物系等に分類される。この廃棄物系等に分類されるバイオマスの一例として下水汚泥等の汚泥が挙げられる。下水汚泥等の汚泥は、従来においては脱水処理や焼却処理により減容化されて埋め立て処分されていたが、最近では、下記特許文献1〜3に記載された技術のように、高炉用コークスの代替物として、あるいは高炉用コークスの一原料として利用されてきている。
特許文献1に記載された技術では、下水汚泥を乾留してガス(揮発成分)、油分、及びチャーを生成し、この生成したチャーを配合炭に1〜5質量%添加(混合)することで、配合炭の乾留時に発生するコークス中の亀裂伝播を抑制し、かつ、平均粒径が大きい高炉用コークスの製造を可能にしている。なお、このチャーを添加した配合炭は、乾留前に水分含有量を6質量%以下まで乾燥されている。また、乾燥後の配合炭には、コークス炉への搬送時に生じる微粉炭の発塵等の低減を目的として、下水汚泥を乾留して生成した油分から化学原料を抽出した後の残部油分が2〜6質量%添加されている。
特許文献2に記載された技術では、下水汚泥を乾留炉で乾留した後の成形塊状物を篩分けし、篩下の成形塊状物にバインダを添加し加圧成型した後に、下水汚泥と混合し、この混合物を乾留炉で乾留を行うことで、高炉用コークスと代替することが可能な均質な成形塊状物の製造を行なっている。
特許文献3に記載された技術では、下水汚泥を加圧脱水させた、含有水分量が70〜80質量%程度のフェルト状の下水汚泥ケーキを原料炭と混合し、この混合物の含有水分量を6質量%以下まで乾燥した後に、乾留することで高炉用コークスの製造を行っている。
特開2004−277452号公報 特開2006−111645号公報 特開2004−285259号公報
ところで、下水汚泥等の汚泥の性状は、高炉用コークスの原料として要求される性状とは若干異なるため、下水汚泥等の汚泥を高炉用コークスの代替物として、あるいは高炉用コークスの一原料として用いた場合に、得られる高炉用コークス(高炉用コークスの代替物)は、原料炭のみで製造した高炉用コークスと比較して、そのコークス強度が低くなることが知られている。特に下水汚泥等の汚泥に含まれる水分は、得られる高炉用コークスのコークス強度を著しく低下させる要因とされ、その含有水分量を可能な限り少なくすることが望ましいとされている。
また、一般に、揮発成分を含む燃料物を原料炭(配合炭)に混合すると、得られる高炉用コークスのコークス強度向上に有効に作用することが知られており、下水汚泥等の汚泥はこの揮発成分を含んでいる。
上記特許文献1に記載された技術では、チャーと原料炭とを混合した配合炭を乾燥させることで、得られる高炉用コークスのコークス強度が著しく低下することを抑制しているが、配合炭の乾留には、チャーのみが利用されており、下水汚泥に含まれていた、コークス強度向上に有効に作用する揮発成分は利用されていない。従って、得られる高炉用コークスは、原料炭のみから製造された高炉用コークスと比べると、そのコークス強度は低いものであった。
特許文献2に記載された技術では、下水汚泥に含まれる揮発成分を高炉用コークスの代替物(成形塊状物)の製造に有効利用しているが、乾留後の篩下にある成形塊状物をバイオマスと混合させて再度乾留炉で乾留を行っているため、下水汚泥に含まれる水分を完全に排除し難いものであり、成形塊状物のコークス強度の著しい低下を招いている。また、高強度の成形塊状物を得るためには、乾留と成形を繰り返す必要があるため、非効率的である。
特許文献3に記載された技術では、下水汚泥に含まれる揮発成分を原料炭の乾留に有効利用しており、かつ下水汚泥と原料炭とを混合した混合物を乾燥させているので、得られる高炉用コークスのコークス強度が著しく低下することを抑制しているものの、原料炭のみから製造された高炉用コークスと比べると、そのコークス強度は低いものであった。
そこで、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、下水汚泥等の汚泥を高炉用コークスの一原料として有効利用できると共に、原料炭のみから製造された高炉用コークスと比較して、得られる高炉用コークスのコークス強度を同等又はそれ以上にすることができる高炉用コークスの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の高炉用コークスの製造方法は、下水汚泥等の汚泥を乾燥し、この乾燥の前後又は途中に造粒して乾燥造粒汚泥とし、この乾燥造粒汚泥を原料炭と混合し、この混合物をコークス炉に供給して乾留することを特徴とする。
上記の構成によれば、原料炭と混合されて乾留される乾燥造粒汚泥は、高炉用コークスのコークス強度向上に有効に作用する揮発成分を含むとともに、高炉用コークスのコークス強度を低下させる要因である含有水分量が乾燥により少なくされ、かつ造粒により粒径のバラつきが少なく高均一であり、略球形の粒状にされているので、原料炭のみにより製造された高炉用コークスと比較して、得られる高炉用コークスのコークス強度を同等又はそれ以上にすることができる。
また、本発明の高炉用コークスの製造方法においては、前記乾燥造粒汚泥の50%径が、2.6mm以上かつ5.0mm以下であることが好ましい
また、本発明の高炉用コークスの製造方法において、前記乾燥造粒汚泥は、転動造粒により形成されていることが好ましい。
下水汚泥等の汚泥を高炉用コークスの一原料として有効利用できると共に、原料炭のみにより製造された高炉用コークスと比較して、得られる高炉用コークスのコークス強度を同等又はそれ以上にすることができる。
本発明の一実施形態に係る高炉用コークスの製造方法の工程概略図である。 実施例1〜4、及び比較例1〜2における、乾燥造粒汚泥、又は下水汚泥の原料炭への添加率とコークス強度比との関係を示す図である。 実施例5〜13における、乾燥造粒汚泥の50%径とコークス強度比との関係を示す図である。 下水汚泥の原料炭への添加率とコークス強度比との関係を示す図である。 汚泥の含有水分量とコークス強度比との関係を示す図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明における汚泥とは、カーボンニュートラルである有機系汚泥を指し、例えば、下水汚泥、浄化槽汚泥、活性汚泥/処理汚泥、厨房排水汚泥(グリストラップ)等が挙げられる。ここで、下水汚泥とは、家庭から排水され下水道管まで至る枡や管に溜まった汚泥や側溝に溜まった汚泥、下水道本管に溜まった汚泥、ポンプ場に溜まった汚泥、終末処理場(浄化センター)内の各槽内の汚泥、浄化センターで脱水された汚泥(脱水ケーキ)などの汚泥である。浄化槽汚泥とは、下水が完備されていない場所で浄化槽を設置し、し尿・生活排水を微生物処理したものの残滓である。活性汚泥/処理汚泥とは食品工場などが排水処理の中で微生物処理を行ったあとの微生物の死骸などの余剰汚泥である。また、厨房排水汚泥(グリストラップ)とは、厨房内から発生する汚泥であり、主にグリストラップに浮遊している油分、及び沈殿物を指す。
以下、汚泥として下水汚泥を適用した場合における本発明の一実施形態について説明するが、その前に本発明の前提となる事項について説明する。
本発明実施形態において下水汚泥として、下水処理により得られる水分が98質量%程度のスラリー状の重力濃縮汚泥または機械濃縮汚泥を脱水した水分70〜80質量%程度の脱水ケーキ(汚泥ケーキ)を用いた。この下水汚泥は、主成分が炭素、水素、酸素からなる有機系廃棄物であり、高炉用コークスの原料炭として利用される石炭の主成分と基本的に同じである。なお、重力濃縮汚泥とは浄化センターの最初沈殿地から引き抜く汚泥(初沈汚泥)を重力濃縮した汚泥であり、機械濃縮汚泥とは浄化センターの最終沈殿地から引き抜く余剰な汚泥(余剰汚泥)を機械濃縮(遠心濃縮機、加圧/常圧浮上濃縮機等で濃縮)した汚泥を意味している。また、本実施形態においては、上記のように濃縮汚泥を脱水して得た脱水ケーキを用いているが、これに限定されるものではなく、未濃縮の汚泥を脱水して得た脱水ケーキを用いてもよいことは言うまでもない。
表1に代表的な下水汚泥(脱水ケーキ)の性状、原料炭として利用される石炭の性状、及び下水汚泥を乾留することで生成される炭化物(チャー)の性状について示す。なお、高炉用コークスの製造において、通常、原料炭は複数種類の石炭を配合した配合炭が使用されるが、ここでは原料炭の代表性状について示している。また、原料炭は、乾燥機により含有水分量が6〜8質量%程度まで乾燥させたものである。
表1に示すように、脱水ケーキは、原料炭の発熱量(エネルギー)よりは低いものの、原料炭の約2/3程度と高い発熱量を持つため、高炉用コークスの一原料として利用可能性があることが分かる。
また、表1に示すように、脱水ケーキを乾留して生成される炭化物は、乾留過程において揮発成分が放出されているため、脱水ケーキと比較して発熱量が低下していることが分かる。従って、脱水ケーキの揮発成分が持つエネルギーの有効利用、及び下水汚泥の乾留設備の設置負担等の観点から、脱水ケーキは乾留せずに(揮発成分を含んだまま)高炉用コークスの一原料として利用した方が望ましいことが分かる。
上記のように、下水汚泥(脱水ケーキ)は原料炭と主成分が同じであり、かつ発熱量も原料炭の2/3と高いものであるが、表1からも分かるように原料炭とは性状が異なる。従って、通常、高炉用コークスの原料として、下水汚泥を原料炭に添加した混合物を用いた場合には、原料炭のみにより製造された高炉用コークスと比較して、得られる高炉用コークスのコークス強度は低下することが知られている。
そこで、下水汚泥の原料炭への添加率が高炉用コークスのコークス強度に与える影響、及び汚泥の含有水分量が高炉用コークスのコークス強度に与える影響を調べる試験を行った。
下水汚泥の原料炭への添加率が高炉用コークスのコークス強度に与える影響は、下水汚泥(含有水分量77.8質量%)の原料炭への添加率(原料炭に対する下水汚泥のドライベース質量比率)を0.5質量%、1.0質量%、1.5質量%と変え、それぞれの添加率で製造された高炉用コークスのコークス強度DI150 15(ドラム強度)を測定し、原料炭のみ(下水汚泥の原料炭への添加率がゼロ)で製造された高炉用コークスのコークス強度を100とした相対強度(コークス強度比)を算出することで調べた。その結果を図4に示す。図4は、下水汚泥の原料炭への添加率とコークス強度比との関係を示す図である。なお、コークス強度DI150 15とは、JISK2151に準じ、ドラム150回転後に15mm篩上の残存した重量比で表すドラム強度指数を意味する。
図4に示すように、下水汚泥の原料炭への添加率が増加するに伴い、高炉用コークスのコークス強度が低下することが分かる。また、乾燥処理及び造粒処理を行っていない下水汚泥を原料炭に添加した場合には、高炉用コークスのコークス強度を著しく低下させることが分かる。
汚泥の含有水分量が高炉用コークスのコークス強度に与える影響については、原料炭と混合する汚泥の含有水分量を変えて高炉用コークスを製造し、それぞれの高炉用コークスのコークス強度DI150 15を測定し、原料炭のみで製造された高炉用コークスのコークス強度を100とした相対強度を算出することで調べた。その結果を図5に示す。図5は、汚泥の含有水分量とコークス強度比との関係を示す図である。汚泥の原料炭に対する添加率を1.5質量%とした。また、原料炭と混合する汚泥としては、77.8質量%の下水汚泥(脱水ケーキ)、乾燥処理され含有水分量が、5.5質量%、及び44質量%にされた乾燥汚泥を用いた。なお、乾燥汚泥は、目視でも形状にバラツキがあり不均一と分かるものであった。
図5に示すように、下水汚泥の含有水分量を減少させることで、高炉用コークスのコークス強度低下の影響は小さくなっており、コークス強度の大きい高炉用コークスを製造するためには、下水汚泥の含有水分量を極力小さくすることが望ましいことが分かる。また、上述したように、一般に下水汚泥に含まれる水分は、得られる高炉用コークスのコークス強度を低下させる要因とされており、この試験でそれを確認できる結果が得られていることが分かる。
またさらに、図5に示すように、下水汚泥の原料炭に対する添加率が1.5質量%程度であれば、下水汚泥の含有水分量が約6質量%程度である場合と含有水分量が40〜50質量%である場合とでは、得られる高炉用コークスのコークス強度は略同程度であることが分かる。このことから、コークス強度への影響が略同程度ならば、下水汚泥の乾燥処理工程の負荷を考えると、必ずしも6質量%程度までの乾燥は必要でないことが分かる。また、図5に示すように、下水汚泥を乾燥させただけでは、原料炭のみで製造された高炉用コークスのコークス強度と比較して、得られる高炉用コークスのコークス強度は低いものであることが分かる。
以上のことを踏まえて、本発明者らは、鋭意研究した結果、下水汚泥を乾燥処理に加えて造粒処理を行い乾燥造粒汚泥とすることで、得られる高炉用コークスのコークス強度が向上されること、及びこの乾燥造粒汚泥の50%径の好ましい範囲等を見出し、この知見に基づき本発明が完成するに至ったのである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(高炉用コークスの製造工程)
まず、本実施形態に係る高炉用コークスの製造工程の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係る高炉用コークスの製造方法の工程概略図である。
汚泥濃縮機1から供給された水分98質量%程度の重力濃縮汚泥または機械濃縮汚泥は、脱水機2により脱水されて、水分70〜80質量%程度の下水汚泥(脱水ケーキ)にされる。この脱水ケーキは、汚泥乾燥機3により乾燥処理(具体的には後述する)され、乾燥汚泥とされる。そして、この乾燥汚泥は、汚泥造粒機4により造粒処理(具体的には後述する)されて、粒径のバラつきが少なく高均一であり、略球形の粒状の乾燥造粒汚泥にされる。
一方、石炭ヤード5には、非微粘結炭および粘結炭等の原料が銘柄別に保管されている。この石炭ヤード5に保管されている原料は、ブレンディング槽6で配合された後に、粉砕機7で所定の粒径に粉砕される。粉砕された原料は、石炭乾燥機8に送られて乾燥され、原料炭にされる。原料炭は、上記の工程により、含有水分量が約6〜8質量%程度であり、且つ粒径が3mm以上の割合が全体の80%程度である粒状にされている。
上記乾燥造粒汚泥と原料炭とは、汚泥添加機9で混合される。なお、乾燥造粒汚泥の原料炭への添加率は1.5質量%以下の範囲である。乾燥造粒汚泥と原料炭との混合物は石炭バンカー10に貯溜される。そして、この石炭バンカー10から混合物を所定量ずつコークス炉11に供給し、乾留することで、高炉用コークスが製造される。
(下水汚泥の乾燥処理、及び造粒処理について)
次に、下水汚泥の乾燥処理、及び造粒処理について具体的に説明する。
(乾燥処理)
下水汚泥は、汚泥乾燥機3により、下水汚泥自体が熱分解しない程度(下水汚泥から揮発成分が放出されない程度)の温度で乾燥処理されて乾燥汚泥にされる。この乾燥処理により、乾燥汚泥は含有水分量が50質量%以下の範囲にされる。なお、乾燥汚泥の含有水分量は50質量%以下の範囲から、乾燥処理の後に行われる造粒処理方法や乾燥造粒汚泥において要求される含有水分量に応じて決定される。
汚泥乾燥機3としては、例えば、ロータリーキルン、パンドライヤー等が挙げられる。
(造粒処理)
本実施形態において、乾燥汚泥の造粒処理を行う汚泥造粒機4として、転動造粒機であるパンペレタイザを用いている。パンペレタイザとは、傾斜して回転運動する加熱された皿(パン)に原料を供給し、この原料を転動作用により造粒を行うものである。乾燥汚泥はこのパンペレタイザで転動造粒されることにより、粒径のバラつきが少なく高均一であり、円形度が1に近い粒状の乾燥造粒汚泥にされる。つまり、乾燥汚泥は転動造粒されることにより、粒度分布がシャープな粒状の乾燥造粒汚泥にされる。ここで、円形度とは、乾燥造粒汚泥の像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を、乾燥造粒汚泥の投影像周囲長で除した値のことをいい、円形度が1に近いほど粒子が球形に近いことを表す。
(乾燥造粒汚泥)
上記の乾燥処理、及び造粒処理がされた乾燥造粒汚泥は、その含有水分量が50質量%以下の範囲にされている。なお、乾燥造粒汚泥の含有水分量は少ないほど、得られる高炉用コークスのコークス強度は大きくなるが、乾燥造粒汚泥と原料炭との混合物において、乾燥造粒汚泥の原料炭に対する添加率が1.5質量%程度であれば、含有水分量が50質量%以下の範囲で変化させても得られる高炉用コークスのコークス強度は殆ど変わらない。そこで、下水汚泥の乾燥処理工程の負荷(乾燥に要するエネルギー消費)等を考慮すると、乾燥造粒汚泥の含有水分量は、30質量%以上であることが好ましい。
また、乾燥造粒汚泥は、その50%径が2.6mm以上かつ5.0mm以下の範囲にされていることが好ましい。この理由は、乾燥造粒汚泥の50%径が2.6mm以上かつ5.0mm以下の範囲にある場合、50%径がこの範囲外にある場合と比べて得られる高炉用コークスのコークス強度をより大きくすることができるからである。なお、ここで50%径とは、重量基準の累積分布曲線において、累積値が50%となる点の粒径(Median径)のことである。
(乾燥造粒汚泥と原料炭との混合物)
上記したように、乾燥造粒汚泥と原料炭との混合物は、乾燥造粒汚泥の原料炭に対する添加率が1.5質量%以下の範囲となるように、乾燥造粒汚泥を原料炭に添加して混合したものである。添加率の上限値を1.5質量%した理由は、これ以上の量の乾燥造粒汚泥を原料炭に添加した場合、得られる高炉用コークスのコークス強度低下への影響が大きくなるからである。乾燥造粒汚泥の原料炭に対する添加率の下限値は、特に設定する必要はないが、下水汚泥のバイオマス資源としての有効利用の観点から0.5質量%以上とすることが好ましい。
なお、本実施形態において、下水汚泥の造粒処理は乾燥処理の後に行われているが、これに限定されるものではなく、含有水分量が50質量%以下であり、かつ粒径のバラつきが少なく高均一であり、略球形の粒状の乾燥処理汚泥が得られるのであれば、造粒処理は乾燥処理の前、又は乾燥処理の途中(乾燥処理と同時)に行われていてもよい。
また、本実施形態において、造粒処理は転動造粒により行われているが、これに限定されるものではなく、乾燥造粒汚泥を粒径のバラつきが少なく高均一であり、略球形の粒状にすることができるのであれば、例えば押出造粒などの造粒方法でもよい。
またさらに、本実施形態において、汚泥造粒機4としてパンペレタイザを用いているが、これに限定されるものではなく、乾燥造粒汚泥を粒径のバラつきが少なく高均一であり、略球形の粒状にすることができるのであれば、例えばドラムミキサーなどの転動造粒機でもよい。
次に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、50%径は以下のようにして求めた。
(50%径の算出)
篩径が1.0、2.0、2.8、4.0、5.6等の篩により乾燥造粒汚泥を篩分けして、特定の数値範囲内の粒径にし、この数値範囲の中間値を50%径とした。なお、本実施例において、乾燥造粒汚泥は中間値(50%径)を中心として対称となる粒度分布をしていたため、この方法で求めた50%径は、累積分布曲線を用いて求めた50%径とでは相関性がとれたものになっている。
(製造方法)
以下、実施例の製造方法について説明する。
(乾燥処理)
まず、下水汚泥(脱水ケーキ)を下記条件により、乾燥させて乾燥汚泥を得た。
乾燥装置:ロータリーキルン
乾燥温度:キルン入口800℃、出口200℃
乾燥時間:30分
(造粒処理)
上記乾燥処理により得られた乾燥汚泥を下記条件により造粒して、乾燥造粒汚泥を得た。
造粒装置:パンペレタイザ
パンの直径:2m
パンの深さ:35cm
パンの回転速度:12rpm
パンの傾斜角度:45度
バインダ:なし
次に、上記造粒処理により得られた乾燥造粒汚泥と原料炭とを、乾燥造粒汚泥の原料炭に対する添加率が1.5質量%以下の範囲となるように混合し、この混合物をコークス炉に供給し、乾留して高炉用コークスを製造した。そして、これらの高炉用コークスを実施例1〜13の試料とした。
なお、原料炭の仕様は下記の通りである。
原料炭材料:強粘結炭:40%、準粘結炭:36%、微粘結炭:24%
形状:粒状(粒径3mm以上の粒子の割合が全体の80%程度)
含有水分量:約6〜8質量%程度
また、本発明との比較をするために、比較例を製造した。以下比較例の製造方法について説明する。
原料炭と混合する汚泥として、含有水分量77.8質量%の酒粕状の下水汚泥を用いた。なお、原料炭は実施例と同じものを使用した。
上記仕様の下水汚泥と原料炭とを、下水汚泥の原料炭に対する添加率が1.5質量%以下の範囲となるように混合し、この混合物をコークス炉に供給し、乾留して製造された高炉用コークスを比較例1〜2とした。
また、参考例として、上記仕様の原料炭のみから高炉用コークスを製造した。
次に、各試料について、コークス強度DI150 15(JISK2151に準じ、ドラム150回転後に15mm篩上の残存した重量比で表すドラム強度指数)を測定し、上記原料炭のみで製造された高炉用コークスのコークス強度を100とした相対強度を算出した。
実施例1〜4及び比較例1〜2における、汚泥の50%径(実施例のみ)、汚泥の形状、汚泥の原料炭に対する添加率、汚泥の含有水分量、並びにコークス強度比を表2、及び図2に示す。
表2、及び図2から以下のことが判明した。
本発明のように、下水汚泥を乾燥処理及び造粒処理により乾燥造粒汚泥とし、この乾燥造粒汚泥と原料炭との混合物を乾留して製造された高炉用コークスでは、原料炭のみで製造された高炉用コークスと比較して、そのコークス強度は同等又はそれ以上であることが分かる。また、乾燥造粒汚泥の原料炭に対する添加率を1.5質量%まで増加させた場合でも、得られる高炉用コークスのコークス強度は維持されていることが分かる。これに対して、下水汚泥と原料炭との混合物を乾留して製造された高炉用コークスでは、原料炭のみで製造された高炉用コークスと比較して、そのコークス強度は低いことが分かる。また、下水汚泥の原料炭に対する添加率を増加させるにつれて、得られる高炉用コークスのコークス強度が低下することが分かる。
次に、実施例5〜13における、汚泥の50%径、汚泥の形状、汚泥の原料炭に対する添加率、汚泥の含有水分量、並びにコークス強度比を表3、及び図3に示す。
上記表中の50%径の欄に※印が付された実施例は、※印の右に付記された数値範囲内の粒径にし、この数値範囲の中間値を50%径としたことを表す。例えば、実施例5においては、乾燥造粒汚泥を篩分けして、1.0mm以上2.0mm未満の粒径にし、その中間値である1.5mm((1.0mm+2.0mm)/2=1.5mm)を50%径とした。
表3、及び図3から以下のことが判明した。
乾燥造粒汚泥の50%径を2.6mm以上かつ5.0mm以下とした場合に、50%径がこの範囲外にある場合と比べて、得られる高炉用コークスのコークス強度が大きいことが分かる。
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及び実施例に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 下水汚泥処理施設
2 脱水機
3 汚泥乾燥機
4 汚泥造粒機
5 石炭ヤード
6 ブレンディング槽
7 粉砕機
8 石炭乾燥機
9 汚泥添加機
10 石炭バンカー
11 コークス炉

Claims (3)

  1. 下水汚泥等の汚泥を乾燥し、この乾燥の前後又は途中に造粒して乾燥造粒汚泥とし、この乾燥造粒汚泥を原料炭と混合し、この混合物をコークス炉に供給して乾留することを特徴とする高炉用コークスの製造方法。
  2. 前記乾燥造粒汚泥の50%径が、2.6mm以上かつ5.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の高炉用コークス製造方法。
  3. 前記乾燥造粒汚泥は、転動造粒により形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の高炉用コークスの製造方法。
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