JPH024484B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気部品の搬送装置に係り、特に円筒
形チツプ部品の搬送装置に関する。

近年、円筒形チツプ部品と呼ばれるリード線を
持たない部品が出現している。この種部品はリー
ド付部品のように、リード線を利用して製造工程
の各種処理を行うことができない。

そして塗装およびそれに続く乾燥工程において
も、リード線を利用して部品を支持することがで
きない。

そこで円筒形チツプ部品の処理のためには特別
な装置を開発しなければならない。

本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、円
筒形チツプ部品を、所定の塗装処理を行いつつ搬
送し得る装置を提供することを目的とする。

この目的達成のため、本発明では、剛性のある
帯状材で形成され、両端にキヤツプ部分を有する
円筒形チツプ部品が前記帯状材の長手方向に直角
方向でかつ水平方向を向いた状態で通過できる形
状の貫通孔が所定ピツチで開けられた無端ベルト
と、 このベルトの下方に所定間隔を介して固定され
前記部品の両キヤツプ部分を支持する一対のレー
ルと、 前記無端ベルトを前記レールに対して相対的に
移動させるように駆動する手段とをそなえ、 前記ベルトを移動させることにより該ベルトの
貫通孔と前記レールとが協働して前記円筒形チツ
プ部品を回転させつつ搬送するようにした電気部
品の塗装用搬送装置を構成したものである。

以下添付図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。

第１図は塗装装置として構成された本発明の一
実施例の全体構成を示したもので、図において１
が剛性のある帯状材で構成された無端ベルトであ
り平ベルト車２，３およびこれらベルト車間のガ
イド部材に懸装されており、ベルト車３に設けら
れた駆動源５によりベルト車２，３およびこれら
ベルト車間のガイド部材に沿つて走行する。

このガイド部材は上側ベルト通路ではレール４
であり、ベルトの両側縁部でベルトに接触して案
内する。また下側ベルト通路にはいくつかのガイ
ドローラが設けられている。

ベルト１は搬送すべき円筒形チツプ部品が鉄製
キヤツプを有することから磁気を避ける意味でス
テンレスステイールで構成される。そして、この
ベルト１の張力はベルト車２の軸に装架された重
錘６によつて常に一定に保たれる。

ベルト１の走行経路には、図における右端寄り
に部品供給装置９、次いで塗装装置１０、乾燥装
置１１が順次配されており、部品供給装置９から
与えられる円筒形チツプ部品に塗装およびその加
熱、乾燥処理を施す。また、この走行経路には円
筒形チツプ部品の鉄製のキヤツプの脱磁を行うた
めの脱磁機８およびベルト１の裏面に付着した塗
料を除去するための回転ブラシ７が設けられてい
る。

この塗装装置は制御盤１２によつて動作制御さ
れ、塗装が乾燥された製品は計数器１３で計数さ
れてアフターキユア２１に送り込まれる。アフタ
ーキユア２１は駆動源２２により円筒形チツプ部
品を移送しつつ冷却等の所要処理を行う。

第２図ａ，ｂは第１図における部品供給装置９
の機構を詳細に示したものである。この機構はホ
ツパ１０１、パーツフイーダ１０３およびターン
テーブル１０５を主たる構成要素とするもので、
ホツパ１０１に無造作に投入された選別済みの円
筒形チツプ部品を整列した上で水平向きとし、ベ
ルト１とレール４とによる搬送部材上に１個づつ
落し込む機能を果す。

すなわちホツパ１０１はパーツフイーダ１０３
に設けられたレバー１０２によりリミツトスイツ
チが作動することにより円筒形チツプ部品をパー
ツフイーダ１０３に供給する。またパーツフイー
ダ１０３はシユート１０４のターンテーブル１０
５近くに設けられたセンサ１０７の検出が行われ
るまで円筒形チツプ部品を１つづつシユート１０
４内に落し続ける。シユート１０４内を垂直向き
に落下してきた円筒形チツプ部品はターンテーブ
ル１０５の周縁に設けられた穴内に姿勢を変える
ことなく嵌まり込む。

ターンテーブル１０５はベルト１の穴を検出す
るセンサ１０６の検出出力によりステツプ送りさ
れ、ターンテーブルの周縁に沿つて送られてきた
円筒形チツプ部品をベルト１の貫通孔部に落す。
ベルト１の下方にはレール４があり、レール４に
より円筒形チツプ部品の両端にある鉄製キヤツプ
部が受止められる。

ここで注目すべきはターンテーブル１０５がベ
ベル歯車状に構成され、その周縁部に、軸方向に
対し45゜傾いた部品挿入用穴を有し、しかもター
ンテーブル１０５は水平面に対し45゜傾いて設置
されていることである。この構成により垂直に落
下してきた円筒形電気部品が水平向きにされてベ
ルト１の貫通孔部に落し込まれる。

第３図ａ，ｂはターンテーブル１０５の詳細構
造およびこのターンテーブル１０５のステツピン
グ動作を制御するカム板の構造を示したものであ
る。ターンテーブル１０５は供給ドラム１０５
ａ、インデツクス１０５ｂおよびマグネツトケー
ス１０５ｃを有し、ステツピングモータ１０８に
より駆動される。そして、このステツピングモー
タ１０８は、その周縁に例えば9゜間隔でスリツト
が設けられたカム板１０９に基きターンテーブル
１０５の部品装入穴１つづつ回転するように通電
制御される。

第４図はベルト１の貫通孔の形状を示したもの
である。ベルト１の素材はステンレスステイール
であり、その長手方向中央部に所定ピツチｐで順
次配列された貫通孔１ａを有する。この貫通孔１
ａは、その幅Ｗが想像線で示した円筒形チツプ部
品Ｘの長さより若干大であり、また長さは中央部
が大きくL₂、両側部が短くL₁となるように選ん
でいる。中央部がL₂と大であるのは、塗装ロー
ラがベルトに接触しないようにとの配慮に基く。

第５図ａ，ｂおよび第６図はベルト１の下方に
配されるレール４の構造を示したもので、レール
はその長手方向に任意数の単位構造に分割でき、
ここでは１つの単位構造の主要部のみを示してい
る。

図示のようにベルト１はベルト幅位置規制ベア
リング２０１により幅方向両端が、また厚み方向
はベルト押え部材２０２とレール４とによつて案
内される。

レール４はその長手方向端部がレールクランパ
２０３と咬み合つており、熱膨脹によりレールが
反りかえることを防止している。そしてレール４
はレールジヨイント２０４により次のレールに固
定されており、一本の長いレールを構成する。こ
のレールは部品供給側が固定されており、反対端
がフリーになつていて熱膨脹分は一方向に逃がす
ようにしている。これはレール相互間に隙間があ
ると円筒形チツプ部品がその隙間に落込むので隙
間を設けないためである。

第７図ａ，ｂ，ｃおよび第８図は円筒形チツプ
部品の鉄製キヤツプの部分を除く部分に下塗りお
よび上塗りをする塗装装置の構造を詳細に示した
もので、これは第１図の塗装装置１０に相当す
る。

この装置は、周面の幅方向中央部に溝を有する
ゴムローラ３０２により部品Ｘをレール４上面に
対し押圧してモータ３０１により強制回転させ、
一方レール４の下方から塗装ローラ４０２を当接
させて回転させることにより行う。この場合、円
筒形チツプ部品は鉄製キヤツプ部分を端子として
利用するから塗料がこのキヤツプの部分までかか
らないように注意する必要がある。そこで、塗装
ローラ４０２の部品Ｘに当接する部分の厚みは部
品Ｘの中胴部つまりキヤツプ部分を除いた部分の
長さに合わせる必要がある。

この塗装ローラ４０２はモータ４０１により駆
動され塗料缶４０３から引き上げた塗料を塗料か
ら取り台４０４で分量調節して部品Ｘに塗布す
る。この塗装は下塗りと上塗りの２回行われる。

第９図ａ，ｂ，ｃおよび第１０図は下塗りおよ
び上塗りラインによる塗装の後に、抵抗値、容
量、誤差率、極性等のカラーコードを塗装するた
めの装置の具体的構成例を示したものである。こ
の塗装装置は、例えば第１図に示す塗装ラインと
同様構成のカラーコード塗装ラインに設置される
ものであり、第１図の塗装装置１０に置き換えら
れるものである。

この塗装装置は４本のカラーコードを塗装する
場合を示してあり、モータ５０１により４個のゴ
ムローラ５０２を、モータ６０１により４個の塗
装ローラ６０２を回転させる。６０３は塗料缶、
６０４は塗料かき取り台である。

上記実施例では塗装装置を下塗りおよび上塗り
ライン用とカラーコード塗装ライン用と別個に設
けるようにしているがこれらを一連に構成するこ
とは勿論可能である。また下塗り前にレジン塗装
を行うためのラインをもう１つ追加することもあ
る。

本発明は上述のように、円筒形チツプ部品が横
向きに通過できる貫通孔が所定ピツチで開けられ
た無端ベルトと、この無端ベルト下方の一対のレ
ールと、無端ベルトの駆動手段とにより構成され
ているため、レール間の〓間に塗装ローラを、ま
た無端ベルトの上方に押圧用ローラを配してこれ
らローラにより円筒形チツプ部品を軸を中心にし
て回転させつつ塗装を行うことができる。したが
つて、円筒形チツプ部品の外周面に塗料塗布部材
を当接しておくだけで塗装が行なえ、円筒形チツ
プ部品の製造能率を大幅に向上することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本発明を塗装装置に適用した場
合の装置全体の正面図および平面図、第２図ａ，
ｂは本発明に係る搬送装置と組合わせて用いられ
る部品供給装置の説明図、第３図ａ，ｂは第２図
の装置に用いられるターンテーブルの説明図、第
４図は本発明装置の構成要素である無端ベルトの
説明図、第５図ａ，ｂおよび第６図は同じく本発
明装置の構成要素であるレールの説明図、第７図
ａ，ｂ，ｃおよび第８図ならびに第９図ａ，ｂ，
ｃおよび第１０図は第１図の装置における塗装装
置の具体的構造の説明図である。 １……ベルト、２，３……ベルト車、４……レ
ール、６……重錘、９……部品供給装置、１０…
…塗装装置、１１……乾燥装置、１０１……ホツ
パ、１０３……パーツフイーダ、１０４……シユ
ート、１０５……ターンテーブル、１０６，１０
７……センサ、１０８……ステツピングモータ、
１０９……カム板、２０１……ベルト矯正ベアリ
ング、２０２……ベルト押え、２０３……レール
クランパ、２０４……レールジヨイント、３０
１，４０１，５０１，６０１……モータ、３０
２，５０２……ゴムローラ、４０２，６０２……
塗装ローラ、４０３，６０３……塗料缶。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 剛性のある帯状材で形成され、両端にキヤツ
   プ部分を有する円筒形チツプ部品が前記帯状材の
   長手方向に直角方向でかつ水平方向を向いた状態
   で通過できる形状の貫通孔が所定ピツチで開けら
   れた無端ベルトと、 このベルトの下方に所定間隔を介して固定され
   前記部品の両キヤツプ部分を支持する一対のレー
   ルと、 前記無端ベルトを前記レールに対して相対的に
   移動させるように駆動する手段とをそなえ、 前記ベルトを移動させることにより該ベルトの
   貫通孔と前記レールとが協働して前記円筒形チツ
   プ部品を該部品の軸を中心にして回転させつつ搬
   送するようにした電気部品の塗装用搬送装置。