JPH0244227Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、時計の切換え規正装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、第３図と第４図に示すように、巻真１の
先端で規正レバーかリセツトレバーが係合して、
作動をとる構造が一般的に知られていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、従来の切換え規正構造では、小鉄車の
かな部と、小鉄車の甲歯部の間でしか巻真ストロ
ークがとれない上に、規正レバーが巻真先端で係
合しているため、尚一層ストロークが少なく規
正、リセツト、歯車の噛み合いに余裕がない。

そこで、規正、リセツトが入る前に歯車が噛み
合い、針合わせ時に秒針が数秒飛ぶ等、品質的に
安定しない欠点があつた。又、小鉄車のかな部を
小さくする事は、輪列の伝達効率上好ましくなく
小鉄車、甲歯の径大もレイアウト上不可能であつ
た。そこで、本考案は、従来の欠点を解決するた
め、巻真のほぼ中間で巻真パイプを軸支して、規
正レバーを前記巻真パイプで作動させる事で、規
正レバー分の巻真ストロークを増やす事ができ、
規正、リセツト関係の品質の安定を目的としてい
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するために、本考案は、地
板、絶縁体間で一方向にスライド可能な状態で軸
支された巻真の中間に、巻真かな径より大きく、
摺動径より小さい巻真パイプの案内径を有し、前
記巻真の巻真パイプ案内径に巻真を軸に回転フリ
ーな状態で巻真パイプが係合している。

前記巻真パイプの外径には、溝があり、規正レ
バーが一方向にバネ力を有しながら、係合してい
る。

又、前記巻真の先端には、巻真パイプ案内径よ
り小さな巻真かなを有して、巻真を１段引くと、
小鉄車の甲歯と噛み合う。かつ地板は、巻真パイ
プのニゲ窓が設けられている構成とし、巻真スト
ロークの増大を図つている。

〔作用〕

上記のように、構成された規正構造によると、
巻真先端に係合している規正レバーの分、巻真か
なと、小鉄車の甲歯に隙間が増えて、巻真を引い
た時に、先にリセツトと規正を行なうので、伝達
車が固定されて、巻真かなと小鉄車の甲歯との噛
み合いの影響がなくなり、時刻修正時の秒針トビ
等の問題を防ぎ、品質を安定させることができ
る。

〔実施例〕

以下に、この考案の実施例を第１図および第２
図に基づいて説明する。

巻真１は、先端に小鉄車６の甲歯６ａと噛み合
う巻真かな１ａを有し、中央部に前記巻真かな１
ａ径より、径小の巻真パイプ案内径１ｂを有して
地板３と絶縁体４との間で一方向にスライド可能
な状態で軸支されている。巻真パイプ５は、前記
巻真１の巻真パイプ案内径１ｂに巻真を軸に回転
がフリーな状態で係合している。かつ、また外径
には、規正レバー２の巻真部２ａが入る溝を有
し、規正レバー２のばね部２ｂのばね力が前記巻
真パイプ５をムーブ外周方向（矢印方向）に働い
ている。規正レバー２は、地板３の規正レバーピ
ンを中心に回転する状態で、地板３と絶縁体４の
間で隙間を保ちながら介在している。

又、ばね力を持つばね部２ｂと、伝達車に圧接
する規正部２ｃと回路７のリセツト・スイツチパ
ターンと接触し、ON／OFFの切換を行なうリセ
ツト部２ｄを有し、巻真パイプ５の溝に係合する
巻真部２ａにより初期位置を決められている。

地板３は、小鉄車６の下ほぞを受け、かつ、上
記巻真パイプ５のにげ窓３ａが設けられている。
絶縁体４は、前記規正レバー２のばね部２ｂを引
つ掛ける突部が設けられている。上記構造、巻真
１の初期位置は、巻真かな１ａと小鉄車６の甲歯
６ａとに、隙間があるが、前記巻真１を１段引く
と前記小鉄車６の甲歯６ａと、巻真かな１ａとが
噛み合い時刻修正状態になる。

この時、巻真１に軸支された巻真パイプ５は、
規正レバー２のばね部２ｂのばね力により、ムー
ブ外周方向（矢印方向）に力が加わつているので
前記巻真１の動作に従つて作動し、前記規正レバ
ー２の規正部２ｃが伝達車に圧接し、前記ばね部
２ｂのばね力が伝達車で吸収されて位置決めされ
る。又、巻真の着脱は巻真１が無い時、巻真パイ
プ５が地板３の巻真パイプにげ窓３ａに仮案内さ
れて、巻真１を組み込む時、前記巻真１の巻真か
な１ａが前記巻真パイプ５の内径に入り、巻真と
巻真パイプの仮案内がされて、前記巻真１の巻真
パイプ案内径１ｂに収まるので、組み込みが容易
で素早く行える。

なお、ムーブ外周方向（矢印方向）から内側に
向う大きな力が巻真１にかかつた場合には、巻真
１がムーブの内側に向つて移動し、巻真パイプ５
も同時にムーブの内側に向つて移動する。このと
き、巻真パイプ５の時計の内側へ向う側の端面５
ｂは、地板の巻真パイプにげ窓３ａの一部に設け
られた度当り壁部３ｂに当たる。この状態におい
て、巻真１にかかつた衝撃力は巻真パイプ５を介
して地板３により受けとめられることになる。こ
こで、巻真１の外径に比して巻真パイプ５の端面
５ｂの外径は大きく、また、地板の度当り壁部３
ｂも十分な強度をもつので、本考案の時計は外力
に強いものとなる。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように、巻真パイプを
巻真の中間に位置させるという簡単な構造で、巻
真ストロークを増やし、規正作動の余裕を確保し
かつ、巻真に大きな力がモジユールの内側にかか
つたとしても、巻真パイプが一番丈夫な地板の壁
に当たり、外部からの力を吸収するため、外力に
強いという品質もまた確保できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の平面図、第２図は本考案の断
面図、第３図は従来例の平面図、第４図は従来例
の断面図である。 １……巻真、２……規正レバー、３……地板、
４……絶縁体、５……巻真パイプ、６……小鉄
車、７……回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 時計の規正構造において、 一端に伝達車と噛み合うかな部を有し、かな
   部より径大の巻真パイプ案内径部をほぼ中間に
   有し、地板とスペーサ間で摺動可能に軸支され
   た巻真と、 外径に溝又は段差を有し、前記巻真の巻真パ
   イプ案内径部に巻真を軸として回転可能に係合
   している巻真パイプと、 一端に常時ばね性を持つばね部を有し、伝達
   車を圧接する規正部を有し、他端が前記巻真パ
   イプの溝又は段差に係合する規正レバーと、 前記巻真パイプのにげ窓もしくはサライを有
   し、かつ、巻真パイプの時計の内側へ向う側の
   端面と相対する位置にスキマをもつて度当り壁
   部を有する地板とからなることを特徴とする時
   計の規正構造。 (2) 前記規正レバーのばね部と規正部が別体で構
   成されていることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の時計の規正構造。