JPH0244049Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電子燃料噴射装置に組込まれる燃料噴
射弁の改良に関する。

エンジンの運転状況に応じて、その都度燃料噴
射量と供給空気量とをコンピユータによつて制御
して、常に適正な混合比を得るようにした電子燃
料噴射装置（例えば特開昭57−91343号等に示さ
れている）が最近多く用いられている。この種の
電子燃料噴射装置は、アクセル踏込量、スロツト
ルバルブの前後圧、エンジン回転数、エンジン温
度、空気温度、吸入空気圧力等の種々の要素をコ
ンピユータに入力して演算し、コンピユータから
の指令によつてスロツトバルブを作動させて適正
空気量を吸入すると共に、燃料噴射弁を作動させ
て適正燃料量を噴出させるものである。この燃料
噴射弁からの燃料噴射量は、その開弁時間幅によ
つて調整される。この際、適正な燃料噴射量を得
るために、燃料噴射弁を流れる燃料圧力を常に一
定に保たなければならない。このため、電子燃料
噴射装置においては、運転状況によつて時々刻々
変化する燃料噴射弁の噴射口での圧力を検知し、
その圧力変化に応じて燃料ポンプの圧力をコンピ
ユータによつて制御し、燃料送り出し側での圧力
と燃料噴射側での圧力との圧力差を一定に保つよ
うに設定されている。従来は、この燃料噴射口に
おける比較圧力取入口を燃料噴射弁とは別体であ
るマニホールドに形成し、その取入口の圧力を噴
射口の圧力とみなして圧力センサに伝えていた。
しかしながら燃料噴射弁の噴射口位置とその比較
圧力取入口の設置位置とが離れているため、燃料
噴射弁の噴射口における正確な圧力検出を行うこ
とができず、その結果適正な燃料流量を供給でき
ないおそれがあつた。

本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、燃
料噴射弁自体に燃料噴射口の圧力取入口を設けた
もので、燃料噴射口の圧力をほぼ正確に測定する
ことができ、運転状況に応じた燃料噴射量をより
正確に供給できるようにしたものである。

次に本考案を図面に基づいて説明する。

添付図は本考案に係る電子燃料噴射装置の燃料
噴射弁の一実施例を含む系統図である。燃料噴射
弁１０のハウジング１２内には、略有底円筒形状
でその底部より円筒内に伸長する突出部１４を有
する固定鉄心１６が取付けられ、その固定鉄心１
６には電気信号によつて励磁される電磁コイル１
８が取付けられている。前記突出部１４の先端部
には、ボール弁２０を固定した円筒状の可動鉄心
２２が、ばね２４によつて突出部１４から離れる
方向に付勢されている。このボール弁２０は前記
ハウジング１２に形成された燃料噴射口２６を開
閉するもので、前記電磁コイル１８が励磁されな
い時は、燃料噴射口２６は弁体２０によつて閉塞
されている。ハウジング１２内には外部の燃料ポ
ンプ２７と通じる燃料供給通路２８が供給され、
その燃料供給通路２８に供給された燃料は燃料室
３０を経て燃料噴射口２６に至る。前記可動鉄心
２２にはその筒の内外に通じる孔３２が形成さ
れ、前記燃料室３０はこの孔３２を経て前記突出
部１４の外周及びその内部に形成される燃料戻し
通路３４に通じている。燃料室３０に過剰な燃料
が供給された場合には、燃料戻し通路３４から外
部の燃料パイプ３６へ余剰燃料が戻される。

以上までの構成が従来既知の燃料噴射弁の構成
であり、電磁コイル１８が励磁されると、可動鉄
心２２及びボール弁２２がばね２４に抗して突出
体１４側へ吸引され、燃料噴射口２６から燃料が
噴出される。この燃料噴射口２６からの燃料噴射
量は、ボール弁２２が開弁時間幅、即ちボール弁
２２の移動回数によつて決定される。この燃料噴
射口２６からの燃料噴射量を正確に供給するため
に、燃料送り出し側である燃料ポンプ２７側と燃
料噴出側である噴射口２６との差圧を一定にする
必要があり、このため電子燃料噴射装置において
は、燃料噴射口２６における圧力を常時測定し
て、その変化に応じて燃料ポンプ２７の圧力を変
化させている。従来は、この燃料噴射口２６の比
較圧力取入口を燃料噴射弁とは別体のマニホール
ドに形成して、この位置での圧力を燃料噴射口２
６における圧力とみなしていた。

本考案においては、燃料噴射口２６を形成した
ハウジング１２に、その燃料噴射口２６の圧力を
取入れるための圧力取入口４０と、その圧力取入
口４０から続く圧力導入通路４２とを形成したも
のである。この圧力取入口４０は燃料噴射口２６
にできるだけ近い位置に設けられる。圧力導入通
路４２は外部の圧力センサ４４に通じており、燃
料噴射口２６の圧力は圧力センサ４４からコンピ
ユータ４６に伝達され、このコンピユータ４６に
よつて、燃料噴射弁１０を通る燃料圧力が一定と
なるように、燃料ポンプ２７側の圧力が制御され
る。

以上のように構成された本考案においては、圧
力取入口４０を燃料噴射弁１０のハウジング１２
に形成したので、圧力取入口４０を燃料噴射口２
６のすぐ隣りに設けることができる。従つて、本
考案は従来のような圧力取入口をマニホールドに
設けたものと比べて、燃料噴射口２６での圧力を
より正確に測定することができ、運転状況に応じ
てより適正な燃料流量を供給することができるも
のである。

また、圧力取入口４０及び圧力導入通路４２を
燃料噴射弁１０に一体に形成したので、従来のよ
うなマニホールドに圧力取入口や圧力センサを取
り付けるための工作の必要が無くなり、作業工数
を減らすことができるものである。

【図面の簡単な説明】

添付図は本考案に係る電子燃料噴射装置の燃料
噴射弁の一実施例を含む系統図である。 １０……燃料噴射弁、１２……ハウジング、２
０……弁体、２６……噴射口、２７……ポンプ、
３０……燃料室、４０……圧力取入口、４２……
圧力導入通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンピユータによつて弁体を作動させ、その弁
   体で燃料噴射口を開閉して燃料噴射量を調整する
   電子燃料噴射装置の燃料噴射弁において、前記コ
   ンピユータで制御され前記燃料噴射口へ送る燃料
   圧を調整するための手段と、前記燃料噴射口の近
   傍に開口しその燃料噴射口の圧力を取入れる圧力
   取入口と、前記燃料噴射弁のハウジングに形成さ
   れ前記圧力取入口の圧力を導くための圧力導入通
   路と、その圧力導入通路からの圧力取入口の圧力
   を検知し前記コンピユータに出力する検知手段と
   を備え、前記コンピユータが圧力取入口の圧力を
   演算して、前記燃料圧調整手段での燃料噴射口へ
   送る燃料圧を調整するようにしたことを特徴とす
   る電子燃料噴射装置の燃料噴射弁。