JP2522955B2 - エンジンの高圧燃料噴射装置 - Google Patents

エンジンの高圧燃料噴射装置

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JP2522955B2 JP62192576A JP19257687A JP2522955B2 JP 2522955 B2 JP2522955 B2 JP 2522955B2 JP 62192576 A JP62192576 A JP 62192576A JP 19257687 A JP19257687 A JP 19257687A JP 2522955 B2 JP2522955 B2 JP 2522955B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はジーゼルエンジン用として好適な燃料噴射
装置に関するもので、特に電磁作動式の燃料噴射ノズル
の改良に関するものである。
〔従来の技術〕
電磁作動式の燃料噴射装置は常閉形の燃料噴射ノズル
をソレノイドによつて開閉するもので、高い噴射圧を要
するものでは、噴射弁の前後に燃料圧を印加してバラン
スさせ、燃料噴射時にソレノイド弁によつて弁の背面の
圧力を減圧して開弁するようにした、いわゆるバランス
形が多く提案されている(例えば、特公昭47−20174
号、特公昭47−22008号公報等)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
然しながら、ソレノイドによつて噴射弁を開閉する形
式の燃料噴射ノズルでは、噴射弁の後端面に設ける背圧
室と前面の燃料室とが別個に製作され組立てたものであ
るので、部品点数が多く累積誤差のため噴射弁の行程が
バラツキ易い上、全体が大型となつてシリンダヘツドや
吸気マニホールドの狭い部分に取付け難い不都合があつ
た。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明は上記した燃料噴射弁の組立誤差による燃料
噴射量のバラツキが少なく、且つ形状の小型な燃料噴射
弁を得ることを目的になされたもので、燃料噴口を有す
る円筒状外箱の開口部を閉じる内蓋部材に、燃料噴口を
開閉する噴射弁の弁杆を遊合させ、軸孔と弁杆の端部と
の間に背圧室を形成し、背圧室と燃料ポンプとを第1オ
リフイスを介して連結する一方、内蓋部材を貫いて背圧
室から他側へ開口する燃料戻し通路を設け、その燃料戻
し通路の開口端を開閉する電磁開閉弁を内蓋部材にねじ
によつて分離可能に結合し、前記内蓋部材を外箱と電磁
カバーとの間に挾持した点に特徴がある。
〔作用〕
噴射弁の弁杆が連通される軸孔の深さの測定が比較的
容易であり、然も噴射弁の弁座と背圧室をなす軸孔の底
部との距離が集積誤差の影響を少ししか受けない。
〔実施例〕
以下、図示の実施例によつてこの発明を説明する。図
中、1は燃料噴射ノズルで、全体として断面が円形をな
し細長く作られている。燃料噴射ノズル1の前端には燃
料噴口1aと後端には燃料通路2とが開口させてあり、燃
料通路2には燃料ポンプ2aにより約500kg/cm2の圧力で
燃料タンク2bから燃料が圧送される。
燃料噴射ノズル1は燃料室3bをなす中空の外箱3と電
磁コイル4aの外面を覆う電磁カバー4とを、外箱3の端
部内面に形成した雌ねじ3aと電磁カバー4の外面に形成
した雄ねじ4bとを螺合して分解可能に結合してあり、そ
れらの間には後述する内蓋部材5が挾持されている。す
なわち、内蓋部材5は外箱3にシールを介することなく
直接に金属接触し、背面から電磁カバー4によつて強く
外箱3へ圧接されている。電磁カバー4の壁面には第3
図で示すように、前記燃料通路2が長手方向に沿つて穿
設され、内蓋部材5の一側に環状に設けた燃料通路に通
じている。燃料ポンプ2aから内蓋部材5に至る間の燃料
通路2は水密は要するが寸法的に高精度は必要としな
い。
外箱3は略円筒形をなし、その一方の開口部は燃料噴
口1aを有する弁座部材6により、また、他方の開口部は
前記内蓋部材5によりそれぞれ閉じられて、内部が燃料
噴口1aと燃料通路2とに通じる燃料室3bとされる。2cは
燃料室3bへ通じる燃料通路2に介装された第1オリフイ
スである。弁座部材6には燃料噴口1aとそれに連なる弁
座6aとが、また内蓋部材5には燃料噴口1aと同芯に燃料
室3b側から穿たれた軸孔5aとがそれぞれ設けられ、弁座
6aと軸孔5aとによつて噴射弁7が支持されている。
噴射弁7には前端に弁体7aと案内部7bとが形成され、
後端に前記軸孔5aに嵌合する大径部7cが形成され、それ
らの間が比較的細い弁杆7dによつて連結されている。7e
は弁ばねであり、弁杆7dに係止した受け座7fと内蓋部材
5との間に弾装され、噴射弁7を常時閉じ方向へ付勢し
ている。なお、7hは大径部7cの一部を面取りして設けた
燃料通路であり、燃料室3b内の燃料を噴射弁7に沿つて
通過させる。
噴射弁7の後端面は内蓋部材5に設けた軸孔5aとの間
に形成される小容積の背圧室8に面している。背圧室8
は噴射弁の大径部7cに嵌着した第2オリフイス2d、噴射
弁の後端部と軸孔5aとの間に形成され、後述する電磁開
閉弁9によつて開閉される燃料戻し通路10を通して燃料
タンク2bとへ接続されている。なお、第2オリフイス2d
は必ずしも噴射弁の大径部7cに設ける必要はないが、燃
料戻し通路10と同軸上に設けるときは、第2オリフイス
2dを通過する高速の燃料流によつて燃料戻し通路10を通
じてなされる燃料の排出速度を向上させることができ
る。
電磁開閉弁9は外磁鉄9aによつて内蓋部材5にねじ止
めされており、外磁鉄9aと内磁鉄9bとの間に配した電磁
コイル4aと、この電磁コイル4aによつて吸引される弁体
4cおよび前記燃料戻し通路10に設けた弁座12とによつて
形成されている。9cは弁体4cに設けた電機子であり、前
記内磁鉄9bによつて磁気的に吸引される。9dは弁体4cが
吸着されるとき当接する硬質金属によつて形成された部
材であり、比較的軟質の導磁性材料からなる内磁鉄9bに
弁体4cが衝突し、塑性変形させるのを防止するものであ
る。13は弁体4cを弁座12に向けて付勢する断面が円形の
棒ばねであり、電磁カバー4の内面に当接して抜け止め
されている。14および15は棒ばね13を弁体4cの後端へ押
し付けるための押圧部材およびその押圧力調整ねじであ
る。なお、押圧部材14は電磁カバー4の位置決めノツク
ピンを兼ねている。
16は電磁カバー4の外面にナツト17によつてねじ止め
されバンジヨー継手であり、ダクト18を通して背圧室8
から排出された燃料を燃料タンク2bへ還流させる。19は
電磁コイル4aの導線であり、ナツト20によつて抜け止め
されたゴム状の絶縁性リング21によつて覆われている。
この実施例は以上のように構成されているので、燃料
タンク2bから送られた燃料は内蓋部材5に形成される第
1オリフイス2cを通して燃料室3bと、第2オリフイス2d
を通して背圧室8とを充填し、この状態では、噴射弁7
は前後に作用する燃料圧力の影響が相殺され弁ばね7eの
作用で閉弁している。電磁コイル4aが通電付勢されると
電磁開閉弁9が開き、背圧室8内の燃料を燃料タンク2b
へ還流させる一方、第2オリフイス2dによつて背圧室8
内への燃料の流入を制限されているので背圧室8内の圧
力が低下し、噴射弁7は前面に作用する燃料室3b内の燃
料圧力により弁ばね7eに抗して後退し開弁する。よつ
て、燃料噴口1aから燃料室内或いは吸気通路内へ噴射さ
れる。
また、この燃料噴射ノズル1の組立作業は弁座部材6
の組立を残して内蓋部材5を外箱3と電磁カバー4との
間に挾持し、他側から噴射弁7を組付けた後に弁座部材
6をねじ込んで行うが、その際、外箱3と弁座部材との
間に介在させた金属性の調整薄板、すなわち、シム6bの
厚さを調整して噴射弁7の行程を個別に調節する。
〔発明の効果〕
この発明は以上述べたように、噴射弁の弁杆7dが挿通
される軸孔5aは内蓋部材5に燃料室3b側から穿設されて
おり、その深さの測定が比較的容易であり、然も、その
測定基準面となる内蓋部材5の燃料室3b側の端面はパツ
キンその他のシール部材を介することなく直接に外箱3
の端面へ金属接触させ、背面から電磁カバー4によつて
強くねじ止めされているから、噴射弁の弁座6aと背圧室
をなす軸孔5aの底部との距離が集積誤差の影響を少しし
か受けず、噴射弁の行程が正確になり、燃料の噴射量の
バラツキを少なくすることができる。
また、外箱3と電磁カバー4とは略同等な直径に作ら
れ、且つ長手方向の軸に沿つて連結されたので、その直
径を比較的細くすることができ、エンジン外面の狭い空
間に取付ける際の便宜が大きいなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明に係る燃料噴射ノズルの一実施例を示す
もので、第1図は第2図中のI−I断面図、第2図は平
面図、第3図はIII−III断面図であり、第4図はIV−IV
断面図である。 3……外箱、4……電磁カバー、5……内蓋部材、7…
…噴射弁、8……背圧室、9……電磁開閉弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−272462(JP,A) 特開 昭57−13267(JP,A) 特公 昭47−22008(JP,B1) 特公 昭47−20174(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料噴口を有する円筒状外箱の開口部を閉
    じる内蓋部材に、燃料噴口を開閉する噴射弁の弁杆を遊
    合させ、軸孔と弁杆の端部との間に背圧室を形成し、背
    圧室と燃料ポンプとを第1オリフイスを介して連結する
    一方、内蓋部材を貫いて背圧室から他側へ開口する燃料
    戻し通路を設け、その燃料戻し通路の開口端を開閉する
    電磁開閉弁を内蓋部材にねじによつて分離可能に結合
    し、前記内蓋部材を外箱と電磁カバーとの間に挾持して
    なるエンジンの高圧燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】電磁カバーの外面に嵌合したバンジヨー継
    手により燃料戻し通路が形成されている特許請求の範囲
    第1項記載のエンジンの高圧燃料噴射装置。
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